「肉の熟成クイズ」の正解です。

<肉の熟成クイズ>の正解です。

 そもそも肉の「熟成」とは以下の二つの現象を指して言う。

肉の中にある(酵素)の働きで肉の(タンパク質)が分解されて(アミノ酸)(=旨味)に成ること。これにより旨味が増すとともに肉が(柔らか)く成っていく。

それと同時に(乾燥)が進むことにより水分が減少し、その分さらに旨味が濃厚なものに成っていくこと。

3週間で肉の重量はおおよそ(15%)程度減少する。つまり乾燥・熟成させることにより、肉の原価は(15%)程度上昇する。

肉を乾燥させながら熟成させる方法を(「ドライエイジング」)と言う。

 

肉を冷凍した場合(酵素)の働きは停止するので、肉の(タンパク質)が分解されて、(アミノ酸)(=旨味)に成ることはない。

 

肉を乾燥させずにバキュームパック(真空包装)内で熟成させることを(「ウエットエイジング」)と言う。

(「ウエットエイジング」)の良い点は、水分が減少しないので、乾燥・熟成させる方法より、肉の(原価)の上昇が抑えられることである。

バキュームパック(真空包装)の直後に、パックごと高温の湯に通すことにより、肉の(衛生)状態を良い状態に保てる。これも「ウエットエイジング」の良い点であり、バキュームパックが(保健所)に支持される理由である。

(「ウエットエイジング」)の悪い点の第一は、パックするために枝肉を脱骨・分割しないといけないため、その作業中に(ドリップ)(血糊)が流出してしまうことである。(ドリップ)は旨味そのものであるので、なるべく流出させない方が良い。

(「ウエットエイジング」)の悪い点の第二は(通気)が無いので、水分が減少して、その分さらに旨味が濃厚なものに変わっていくことがないこと。

 

「ちんや」は、熟成過程の前半を(ドライエイジング)で、後半を(ウエットエイジング)で行っている。

全工程が(ドライエイジング)では肉が乾き過ぎ、また衛生面の不安が高まるからである。

一方全工程が(ウエットエイジング)では、肉の旨味が足りず、食べたお客様に「(多幸感)」を感じていただきにくいからである。

 

ドライエイジングからウエットエイジングへ転換する時期はと畜後(2)週間が望ましい。

あまり早いタイミングで脱骨・分割しようとすると、肉が未だ硬いので、作業中に(ドリップ)が大量に流出してしまう。(ドリップ)は、なるべく流出させない方が良い。

<終わり>

追伸1

雑誌「dancyu」2017年8月号の「美味東京」特集に、「ちんや亭」の「適サシ肉」の「ちょい食べ」が採り上げられました。

ありがとうございます。

 

追伸2

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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.724日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)