常識

言葉は遷ろうもの、

人情も遷ろうもの、

常識もまた遷ろうもののようです。

近頃予約の電話で、何名様ですか?とお尋ねして、

2人から10人の間です!

と言われてしまい、往生することが増えました。

言いにくそうに言うのではなく、キッパリそうおっしゃっているということは、その頼み方がその方にとっては常識的な予約の仕方なのでしょう。

おそらくは、現時点で参加が確定しているのは2人。

これからさらに参加者を募る。募る範囲は最大10人。

10人用の部屋を押さえておいて、結局2人しか集まらなかった場合に、店が蒙る機会損失については、客は一切関知しない。

ということをキッパリ表明しているのです。

つまり、店の損失については一切想いを致さないという人情の変化がベースで、それにつれて常識も変容したものと思われます。

困った世の中ですな。

南無観世音菩薩。

 

追伸

肉の情報ポータルサイト「肉メディア」で、私の連載が始まりました。

題して、「大人のすき焼き教科書」。

弊店でリアルなイベントも企画しています。

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定年

ある日知人の社長さんが来店されました。部屋に挨拶に行き、社長が下座に座っておいでなので、

今日はご接待ですか?とお尋ねしますと、

いやいや、この人はウチの人。ウチの会社に新入社員から入って定年までいた最初の人なんです。それで今日は定年お祝いです。

とおっしゃる。

それはそれは定年おめでとうございます。お疲れ様でした。

そういう機会に弊店をお使い下さり、本当に在り難いことでした。

 

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なぜスーパーの高い牛肉はマズい?

「なぜスーパーの高い牛肉はマズい?2日前の売れ残りも…うまい肉はこう見分けろ!」

という記事をネットで見つけました。

食品安全教育研究所代表の河岸宏和さんという方が書いた記事です。

なぜおいしくないと感じるのか、この記事によりますと、

「実は、産地などよりも、売り場で並んでいる牛肉がいつスライスされたかが、おいしさに直結しているのです。おいしいすき焼き店に行くと、注文してから牛肉をスライスしてくれます。スライスした状態で放置しておくと、切断面からうまみの含まれているドリップが流れ出てしまいます。」

「スライスした状態で出てしまったドリップは、パック詰めする際に拭き取ってしまうので、パックの中にはドリップが溜まっておらず、消費者にはわかりません。ひどい店では、スライスしてから2日たった肉をパックしている場合もあるのです。」

「スーパーによっては、外注の工場でスライス、パックされた状態で仕入れているケースもあります。仕入れ品かどうかは、パックに表示されている製造者の住所がスーパーの住所と同じかどうかで判断することができます。」

産地よりカットが重要だというのは私も賛成です。外注工場でカットされたものがマズいというのは正しい指摘と思います。

私がここで付け加えたいのは、ドリップが出易い肉とそうでもない肉があるということ、それから

ドリップの出易い切り方と、そうでもない切り方があるということです。

単に時間の問題ではないと申し上げておきたいですね。

ドリップが出にくい肉とは、長期肥育された牛を熟成させた肉です。

若い牛は水分量が多く、それを熟成させずに肉にすれば、カットした時ドリップが出てしまいます。

また肉の「目」を気にせず、無理やり切れば、やはりドリップが出てしまいます。

つまり私なりにスーパーの肉がマズい理由を述べれば、

短期肥育の牛を、

熟成させずに

害虫工場で、いや間違えた、外注工場で、

無理やりカットする

のでマズいのです。

あしからず。

 

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「歳の市羽子板商組合」の皆さんがお越しになりました。毎年12月17日から19日まで浅草寺の境内で「羽子板市」を開催している皆さんです。

市に合せて行われる抽選会に「浅草うまいもの会」が食事券を協賛・提供していて、その担当が私なので見えた次第です。

で、今年の羽子板は福がテーマ。

歌舞伎役者の肖像の周りに、福々しいもの=鯛や大福帳やサイコロが散りばめられています。

その中に、一つ私がなんだか分からないアイテムがありました。

これは何ですか?

とお尋ねしますと、それは、

鼓。

なるほど、たしかに良く見れば、鼓です。

実は「ちんや」にも鼓の箸置きがあって、目出度い感じの演出なのですが、能も歌舞伎も観たことのないお客様はそれが何だか分からず、

これって、骨ですか?

と聞かれたりします。今回お恥ずかしいことに、私も鼓が分かりませんでした。

トホホ。

出直さないといけませんね。

 

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Season5

12/18放送の、テレビ番組『孤独のグルメ』Season5最終話のタイトルは、

『東京都豊島区西巣鴨の一人すき焼き』だそうです。

原作者・久住昌之さんには『かっこいいスキヤキ』(1983年)という作品もありますからね、このテレビ・シリーズでもすき焼きが必ず出るものと信じておりました。

この話しの主人公は輸入雑貨の貿易商を個人で営んでいるという設定です。「孤高で自由な生き方をモットーとし、結婚や店を構えることについては「人生が重たくなる」として敬遠している。」

「自分なりの食事に対する信念をいくつも持っており、これに則って食事を楽しんでいる。」

ということで、要するには一癖ある人物ですね。

しかし、ファーストフードや回転寿司は「ガキくさい」と言い、行列を作っている店に並んでまで食べるのは嫌いというのが私には愉快です。

逆に申しますと、そういう辺りに共感する私なども一癖の仲間なのかなあ、と考えてしまいます。

ともあれ、すき焼きの回はテレビ東京系、深夜0時12分放送です。楽しみにしましょう。

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アル添

今年も「柱焼酎仕込み」の御酒をご用意しております。燗で飲んでいただきます。

「柱焼酎仕込み」を造っているのは、新潟県新発田市の「金升酒造」さん。私は新発田市のすき焼き店「八木」さんを訪ねたおりに、「金升」さんもお訪ねしたことがあります。

さて、「柱焼酎仕込み」とは、自社製の焼酎を醸造アルコールとして添加した御酒です。

アル添の度数が低く、本物の焼酎を使っている分、燗をつけた時のアロマが素晴らしく、所謂「酒臭さ」がありません。燗酒に最適と思います。

アル添は現代では悪者扱いされていますが、江戸時代から、日本酒メーカーが米焼酎を自社で作って、混ぜることは普通に行われていました。それが「柱焼酎仕込み」です。

ですから、そのこと自体は全くおかしなことではないのですが、現在「柱焼酎仕込み」をしている蔵元さんはあまり多くなく、工業的に生産された純度の高いアルコールが添加されるケースが多いようです。この場合原料は海外の砂糖キビなどです。

そういう場合は、原料の素性が知れないので、どうしても世間では、純米=善玉VSアル添=悪玉という構図に成ってしまいます。

自社で米焼酎を作って、堂々と添加して、純粋に味で評価するような風潮になれば良いのですが、工業用アルコールを使っている業者さんが、アル添の詳細を隠そうとする風潮があり、それがアル添=悪玉論の前提となっています。残念なことと思います。

「金升」さんのは、そういうことがないどころか、大変結構なお酒ですので、是非お召し上がりください。(日曜、水曜、金曜に提供しています)

 

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ゲゲゲの食生活

長生きした著名人の食生活に興味をもって調べさせていただいていますが、

先日93歳で亡くなった漫画家・水木しげるさんは「豪快な食生活」だったそうです。

報道によりますと、

「先生は眠るとか、食べるとか、住むとか、人間の基本の部分を大事にされていました」

睡眠時間を削ってはいけないと親しい漫画家に忠告していたとか。

なるほど、その感覚が「ゲゲゲ」につながったのですねえ。

2000年の『カランコロン漂泊記出版後の打ち上げ会は、しゃぶしゃぶとすき焼きを両方楽しめるお店で行なったとか。

流石。

ご冥福をお祈り致します。

 

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握手

ワタミさんと、私は握手したことがあります。2011年の東京都知事選に出た時です。

今回和解が成立した過労死事件は2008年のことだったそうですが、11年の時点では、それほど知られておらず、私もキッチリ認識してはいませんでした。

テレビで経営論を熱く語る姿に、私の知人が惚れ込んで、ワタミさんが今度浅草で街頭運動をするから、店の玄関先にいてくれと言ってきました。

で、握手を求められた次第です。一瞬のことだったので、特段良い印象も悪い印象もありませんでした。

その後の展開は皆さんご存知の通りです。今回の和解ではワタミさん本人に「最も重大な損害賠償責任」があることを認め、その上で原告に対して謝罪をしています。

今頃殊勝になってもねえ・・・と誰もが思うでしょう。

外食産業=ブラック

という印象を世間に植えつけた責任の方は感じてくれているんでしょうか。

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カルヴァドスの会

西荻窪駅前のフランス料理店「こけし屋」さんから、「カルヴァドスの会」の本が贈られてきました。

「カルヴァドスの会」とは、昭和24年から58年まで、「こけし屋」さんを会場として、中央線沿線の文化人が集まって交遊を楽しんだ会のことで、先代社長の故・大石総一郎さんがライフワークとして関わった会でした。

メンバーは、評論家の古谷綱武、ドイツ文学の高橋健二、仏文学の小松清、作家では細田源吉、福田清人、上林暁に横尾泥海男、元スペイン公使須磨弥吉郎氏など。ほかに会社重役、商店主など自称文化人(?)も加わり、大盛況だったそうです。

その様子を撮った約800枚の写真が遺されていて、それを今回、故・総一郎さんの奥様(=現社長のお母様)が整理して本に纏めたそうです。

この会がスタートした頃は未だ戦後間もなく、なんとカルヴァドスがなくて、粕取り焼酎に色をつけていたそうですが、戦後の自由な空気の中で、飲食を謳歌する熱気が伝わってきます。

たくさんの写真やメンバーからの寄稿文を拝見しまして、これは一つの飲食店の理想形だなあと羨ましく思いました。

そして、なんと奥様は、この本を纏める為、79才からパソコンを習い始めたとか。ご主人の情熱が乗り移ってそうさせたのでしょう。これもまた羨ましいことでした。

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求人広告

当然ながら、店にとって人材を集めることが大事です。

ミシュランに入れていただきましたので、

そうだ、この件を求人広告に入れよう!と思いましたら、制約がありました。公表されている事実なので誇大に書かない限り自由で良いのかなと考えたのですが、そう簡単ではなかったようです。

同業の皆さんのご参考に、以下(↓)に転載してみます。

・正式名称である「ミシュランガイド東京2016」と書くこと

​・太文字やキャッチといった、目立つ所は避けること

・記載する場所は、店舗紹介の中に入れること(つまり「創業n年」とかと同列に扱うこと)

・受賞や入選 といった表記はNG (「ミシュランガイド東京2016に掲載されました」という表記方法のみOK)

 

France la gloire !

 

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