バレンタインデー

 江崎グリコ社が、今年のバレンタインデーについて実施したアンケートによりますと・・「バレンタインデーには家族にチョコを贈りたい」と回答した人が71%に達したそうです。大震災以来の「家族重視」傾向がここにも現れています。

 また別のアンケートによると、バレンタインデーを「恋愛の告白のきっかけとして、重視していない」と回答した女性が6割に達しているとか。

 さらに「友チョコ」しか贈らない、という女性も少なくないと言います。「友チョコ」って、ご存じですよね。女性が女性に贈るチョコのことです。それしか贈らないんだそうです。

 そんな!

「日本型バレンタインデー」と言えば、

・贈答品がチョコレートに限られる点

・女性から男性へ一方通行的贈答である点

・ (女性の)愛情表明の機会だと認識されている点

の3点が特徴です。その伝統に従わないとは!

 しかし、ですよ。どうせ従わないなら、チョコでなくても良いんではないでしょうか。精神を受け継げば良いんです。

 その昔、帝政ローマ時代の話しですが、兵士が結婚すると戦意を失うので、時の皇帝が、兵士がローマで結婚することを禁じました。その禁令を破って聖ウァレンティヌス(=英語読みすると、バレンタイン)が秘密に兵士を結婚させて、捕らえられ、処刑されたのが、そもそものバレンタインデーです。

 チョコは関係ないですね。

 つまり、チョコでなくて、すき焼きでも良いんです。

 ええ、良いんです、すき焼きで。

 すき焼きをつついて愛を確かめ合う、そういう日にしませんか。

と、いうわけで第11回「すきや連」は、バレンタインデーの2/14に、松阪の「和田金」さんで開催することに決まりました。

 ただ今、皆さんから出欠の御返信が続々と着信しています。

 大勢参加していただきたいですね、女の人に。

追伸

  毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行。是非お求め下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて692日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「すき焼き思い出ストーリー」のサイトは、こちらです。

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住吉史彦の十大ニュース

 お待たせしました!

 今年も「住吉史彦の十大ニュース」の時間がやってまいりました。

 え? 誰も待っていないって?

 そういう声は無視して、どんどん行きましょう。

 今日はポイントだけを書きますので、詳しい内容を知りたい方は、アンダーラインのある所をクリックして下さいね。さて、

1月 「ちんや」すき焼き通検定試験を実施しました。

 勇気ある17人の方が受験し、見事全員が合格されました。今後も継続して実施し、「すき焼き通」を増やして行きたいです。

3月 第8回「すきや連」を京都三条寺町の「三嶋亭」さんで開催しました。

 「すきや連」が初めて関東以外に進出しました。

 この日に合わせたかのように「すきや連」旗振り役代表の、向笠千恵子先生の御本『食の街道を行く』が、料理本のアカデミー賞とも言われる、「グルマン料理本大賞」の、紀行本部門2010年グランプリに選ばれ、発表されました。

 その目出度さも加わって、この回は、いつになく盛り上がっていたように思います。3日後に大震災が襲ってくるとは知らず、とても楽しい夜が更けました。

 5月「青森・岩手・宮城・福島・茨城 五県蔵元連合試飲会@浅草」を開催しました。

 大震災に遭い、「守ろう、東北のSake!示そう、ニッポンの絆!」というスローガンで、三社祭が開催できない、その日に開催しました。

 合計67社の蔵元さんから、酒を出品していただきました。また陳列作業には、浅草料理飲食業組合役員の皆さん、浅草酒販組合さんのマンパワーを集めて当りました。

 経験のない一大事業でしたが敢行しました。

7月 「ちんや」で「料飲三田会」の例会を開催しました。

 料飲三田会というのは、慶応大学を出て料理屋を経営している人たちのグループです。会員の顔ぶれは、東京でも良く知れた御店の御主人様方ですので、緊張しました。

 東北地方の、慶応出身の蔵元さんが造る御酒をお出ししました。

7月 「ちんや」の精肉売店で、調味料を売り始めました。

 今世の中には、「出来合い調味料」がやたらと増えてきていますが、正直、私の味覚からすると、残念なものばかりです。それに添加物がたくさん入っています。肉屋が肉だけを売っていればOK、という環境ではなくなってきたので、始めた次第です。

 醤油をかわきりに、その後、味噌などの他の調味料も売ることも始めています。

7月 第9回「すきや連」を「銀座吉澤」さんで開催しました。

 第9回は、汚染エサの問題で畜産業界が大揺れの最中の開催と成りました。それでも、「すきや連」は挫けていません。この日も開催店のY社長が「こんな大勢さんの宴会は初めて!」という位の、大人数が集結しました。

 「必ず乗り越えるぞ!」と大盛り上がりでした。

8月 「すき焼き川柳onツイッター」コンクール、略して「すき川」をネット上で実施しました。

 今年の8月は汚染牛報道で大ダメージの最中でした。ボヤイていても仕方ないですので、この企画を実行しました。キャッチコピーは「川柳で日本の食卓に笑顔を!」

 530句もの句が集まり、びっくりでした。傑作には「ちんや」食事券をプレゼントしました。

8月 隅田川花火大会の日に、「ちんや」で国際観光日本レストラン協会の納涼会を開催しました。

 花火は、震災の影響で例年より一ヶ月遅れ、8月末の開催になりましたが、関係の皆様のご尽力により無事開催されました。業界の仲間と共に鑑賞することができ、本当に有り難いことでした。

9月 <大震災6ヶ月―全ての食材を東北+北関東から集めた、住吉史彦の会!>を開催しました。

 この会は昨年に続き2回目でした。

 「御偉方」をおよびせず、私と年齢の近い皆様(プラスマイナス10歳)にお声かけさせていただく会という点は昨年と変わりませんが、今年はご案内先を「飲食業界・食品製造業界の方限定」という風に変更、また題名の通り、食材を東北から集めました。

 参加者は私の親しい方ばかり。「オレ達が日本の食文化を造るぞ」と大盛り上がりの夜でした。

11月 第10回「すきや連」を、群馬県前橋市のすき焼き店「牛や清」さんで開催しました。

 今回も定員オーバーの、多数の皆様のご参加があり大盛況。上州和牛を堪能しました。

 またこの回は宴会の前に「産地見学ツアー」が付きました。下仁田の葱畑、原木しいたけ、蒟蒻工場を見学して有意義でした。群馬の皆さん、お世話になりました!

 そして最後に、もう一つ。

 2/28に弊ブログが連続更新365日を達成しました。その後、大震災をまたいで671日(1年10か月)まで伸びています。

 記念の日には「連続更新365日記念スペシャル カリスマ受け売り師・住吉史彦の生涯の半分くらい」と題して、6日連続の長篇ブログをUPしました。

 さてさて、あまりに多くのことがあり、決して忘れることのないだろう2011年の、弊ブログも本日が千秋楽となりました。万感胸に迫り、大したことは書けません。

 ただただ御礼だけを申し上げます。

 読者の皆様、ご愛読いただき誠にありがとうございました。

 2012年もご愛顧を賜りたく、お願い申し上げます。

  東西、東〜西〜

 

正月用肉

 「12/29-12/31の三日間、「ちんや」精肉売店の店頭は、正月用のお肉をお求めの方で、大変混雑いたします。長時間行列していただくことになると思いますので、時間の余裕を持って、防寒対策をしていただきました上で、お出かけ願います・・・」

 と申しますと、

 え? なんで年末に肉屋さんが忙しいの?

と聞かれることがあり、それが当たり前と思っている私は驚いてしまいます。

 店先に立っていても、必ず長蛇の列を見て、目を丸くしている方がいます。

 な、なんで、こんなに並んでいるんですか?

 なんでって、年末ですから。

 そういう方は、たいてい並ぶのを諦めて帰って行かれます。

 予約して下されば良いのに!

 弊店では予約も受け付けていて、そうしていただけば事前にパックしておきますから、当日はパッと御引渡しするだけです。並ぶ必要がありません。

 ただし「12/28までに予約⇒12/29-31に御引渡し」という段取りなので、明日中には予約していただく必要がありますけどね。

 何故、年末に肉屋が忙しいことがあまり知られていないか、ですが、テレビ・新聞でやっていないからかもしれません。テレビでやっているのは、デパートの豪華おせちか、上野の飴横いやアメ横がほとんどで、他のは、ほぼ見かけませんからね。

 肉屋の側も、ほとんど宣伝していないと思います。忙し過ぎると困るからです。

 年末は、普段の8倍から10倍の売上げがありますから、働く側は大変です。12/29、12/30は日付が変わるまで残業するのが、毎年の御約束です。

 だいたい「12/28までに予約」つまり12/29以降は予約を受けない、というのも不親切な話しではあるのですが、12/29以降は御引渡し作業だけで手いっぱいなので、新規の予約を受けられないのです。

 働くのが大変、だけでなく市場が閉まっているので、新規の仕入れも出来ません。

 そういう次第で、肉屋の側も年末の売り出しをあまり宣伝しないのだと思います。

 でも、あまり宣伝しない姿勢だと、正月に自宅ですき焼きをする、という風習自体が廃れてしまいかねません。現に年末に肉屋が忙しいことを、ご存じない方がおいでのようです。そこが悩ましいところです。

 去年の年末に、「すきや連」旗振り役の向笠千恵子先生がラジオ出演して、「我が家の新年の食事は、すき焼き!」と言って下さって、有り難く思いました。

 忙しくなり過ぎず、しかしやはり宣伝もする、という塩梅が大事と思っています。

 追伸

 毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行予定とか。是非お求め下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて664日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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すき焼きに大根は入れる?

 「ねたたま.net」という、どうでもいいようなネタばかりを集めたサイトを開けましたら、

「すき焼きに大根は入れる?入れない?」

というネット投票をやっていました。

 鍋のシーズンですのでね、暇潰しにこういうのをやる人がいるのかもしれません。あるいは、この設問にスポンサーがいるのかもしれません。

 まあでも、そういうことは気にせず、投票結果を見ますると、

「大根は欠かせません!」は、香川と徳島の2県

「結構入れる」は、中国地方の岡山、広島、山口、島根と愛媛。

 そして、なぜか高知だけは香川・徳島・愛媛に近いのに「そんな馬鹿なことはしない」という投票結果でした。

 面白い結果です。

「うーん、食べれない事はないだろうけど入れた事はないなあ」
「おでんはだし汁まで楽しむものだからいいけどすき焼きは……」
「凄い水が出て薄くなりそうだけどどうなんだろ」

という誰が書いたか分からない、コメントが付いていました。

 実はこの3年ほど、弊店では「変わりザク」と称して定番のザク以外に、季節の野菜をオプション販売することにしています。春なら山菜・秋ならキノコとか、そういう感じですが、自分で言うのもなんですが好評です。

 だから、そのメニューの参考にするため、時たま、こうした「地方すき焼き」ネタの投票やランキングを見るようにしています。

 ネットの投票やランキング自体には、ハッキリ申して全く興味がないのですが、すき焼き関係だけは仕事ですので、見ています。

 で、大根は「変わりザク」にどうなの?

ということですが、やはり大根は煮る塩梅が難しいと思います。おでんで食べるのが正解でしょう。それもプロのおでん屋さんで、良く煮えたものを食べるのが良いですね。言問通りの「大多福」さんの大根なんて最高ですよ!

 中国・四国ですき焼きに大根を入れる理由は不明です。「すきや連」を、もう10回やっていますが、残念なことに、中国・四国にはすき焼き屋のメンバーがいません。次回から熊本のすき焼き屋さんが加わってくれるのですが、中国・四国は空白です。

 広島の牡蠣鍋屋さんの知り合いならいるので、今度会ったら聞いてみようと思います。聞いたら、このブログでご報告しましょうね。

追伸

 12/29-12/31の三日間、「ちんや」精肉売店の店頭は、正月用のお肉をお求めの方で、大変混雑いたします。「長時間行列したくない」と思う方は、必ず12/28までに肉の予約をして下さいますよう、お願いいたします。

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特産松阪牛

 ロート製薬さんが発行する『太陽笑顔fufufu』という雑誌の「スマイルトラベル東京浅草編」というコーナーに弊店が採り上げられることになり、昨日取材の方が見えました。

 皆さん、目薬もパンシロンもメンソレータムもロートですよ! さて、

 弊店のお客様でもある、東京農業大学研究員の松本栄文先生が、

 『SUKIYAKI〜すき焼き』という新刊本を出されました。

 先生は日頃から全国の農家を歩いて食の研究をしておいでですが、ある時、松阪牛の肥育農家・森本武治さんが牛をかわいがる姿を見て「これほど肉牛を大切にしている農家は見たことがない」と感動、その後4年間にわたって取材を続けたそうです。その成果が、この御本です。

 森本さんが手塩にかけて「てるよし」(=メス牛の名前)を育てる様子が写真をふんだんに使って紹介されています。

 総カラーページのハードカバー本で、読み物というよりは、写真集のようです。

 大きい写真というのは良いもので、登場する牛の関係者達の表情に、肉への情熱が滲み出ています。

 また牛が老舗すき焼き店に競り落とされて料理となるまでを描くところも、「すきや連」に参加して下さる、「牛銀本店」さんが協力していて、見応えのあるものになっています。

 先生は「松阪牛がいかに多くの人から愛情を注がれ、大切に育てられたかを伝えたい。」「世界に誇る食遺産「特産松阪牛」の魅力を、もっと私たちは知るべきだと思う」と書いておられましたが、この御本からはそれが直観的に感じられます。

 美味しいものはなぜ美味しいのか、が分かる一冊と思います。

 この御本にはイメージ写真ばかりでなく、「御勉強」部分もあります。

松本先生は、本来食品科学が御専門なのです。

 「御勉強」部分の内、「松阪牛」の定義に関する部分は、弊ブログの読者の皆さんにも、おさえていただいた方が良いと思いますので、ここでも書いておきます。

 さて、2002年以前の「松阪牛」の定義と現在の「松阪牛」の定義は違います。

 現在は、松阪地区22市町村で育ち、松阪食肉公社独自の個体識別システムに参加している牛は、等級が低くても、仔牛の産地がどこでも「松阪牛」と呼べます。

 このシステムは、国の個体識別システムより厳重なもので、不正が絶対に行えないようになっている、素晴らしいものでして、その牛が松阪の牛であることをしっかり証明してくれますが、等級を保証するものではありません。そこが02年以前の「松阪牛」の定義と違うところです。

 現在、仔牛の産地が但馬・淡路で、なおかつ900日以上肥育された牛、つまり02年以前に「松阪牛」と呼ばれていた牛に近い牛を求めたければ、「特産松阪牛」を求めないといけません。

 「特産松阪牛」は「松阪牛」全体の1割程度です。仔牛のメイン産地が宮崎県などの南方に移った結果、「特産」のシェアは小さいものになっています。それが実情です。

 覚えておけばカノジョに自慢できますよ、「特産松阪牛」。

 自慢した結果「御馳走してえ〜」と請求されても関知しませんけどね、私は。

 なお『SUKIYAKI〜すき焼き』の発行元は、㈱カザン。

 ISBN978-4-87689-605-9 C0072 です。

追伸

 毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行予定とか。是非お求め下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて657日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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上州バンザイ②

 少し前の話しになりますが、11/23に第10回すきや連を、群馬県前橋市の「牛や清」さんで開催しました。

 参加された方には寄せ書きをしていただきました。会場の、盛り上がった雰囲気がわかりますので、昨日から公開しています。今日は、その②です。是非ご覧下さい。

・この会はいつも楽しいですね。すき焼きは肉と野菜のバランスの最もとれた料理です。

・子供の頃ちょっと豪華な夕食はすきやき

・ネギのこんにゃく、下仁田名産、上州黒毛和牛と一緒に。すきやきは群馬の名産?

・小雪に食ふすき焼きのあたたかき

・おいしいすき焼

・いつもありがとうございます。

・すき焼きはぐんまに来ても、うしだった

・ザクならばネギコンニャク椎茸だ。

・「すきや連」はいつもにぎやかで元気もいただきます。

・ようこそ!群馬へ!!

・負けねえように頑張ろう!!って思えた、牛や清@前橋でした。

・上州和牛おいしいね!!

・上州和牛日本一

・群馬県食肉卸売市場は日本一!だと思います。対米輸出認定工場。

・すき焼きの食材揃ふ群馬かな

・ここは肉ここはネギなり鉄の鍋

・美味に囲まれ最高の夜です。

・お肉大好き

・原木しいたけ最高

・上州和牛よろしく

・黒毛和牛は世界一

・ぐんまならではの、すき焼きお宝鍋!!全国にもっと広まることを願っています。

・最高のお肉、最高の野菜、最高の味

・すき焼きは心もお腹もぜいたくな気持ちにさせてくれます。すき焼き万歳

・素晴らしいロケーションの「牛や清」さんで頂けたすき焼きは格別でした。冬場には「旬」の下仁田葱に切り替えられる、群馬ならではのすき焼きに大満足いたしました。今回は下仁田産地見学会で、地元のパワー全開企画に感動です。下仁田は国道254号(上州街道)で特産品全てがすき焼きの材料と恵まれた土地です。平成版「食の街道・上州すき焼き街道」なんてネーミングの新街道名は、如何でしょうか。

・「群馬のおいしいものは?」と尋ねられ、私は「どうしよう、本当においしいもの無い」と思っていた私、とんでもない、本物を知らなかっただけ。今日はとても有り難い、素晴らしい日。本物の美味しいものを評価できる向笠さまに美味しいものをご教示頂きました。群馬には、とても美味しいものがたくさんあります。ありがとうございます。温かみがあり甘い、小金澤さまの蒟蒻、下仁田ねぎ、シイタケ、洋ナシのコミス、皆に自慢して群馬のおいしいものを話すことが出来ます。今日はみなで囲んで食べられる温かいと感じるすき焼き、日本の伝統の食べ物、醤油を使う、しかも超おいしいというのがいい。群馬でおいしいものに会えた感動は一生忘れない、私の宝ものです。向笠さまにいらっしゃっていただき、群馬県人として心から感謝です。ありがとうございます。

追伸

 毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行予定とか。是非お求め下さい。

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上州バンザイ

 少し前の話しになりますが、11/23に第10回すきや連を、群馬県前橋市の「牛や清」さんで開催しました。

 参加された方には寄せ書きをしていただきました。会場の、盛り上がった雰囲気がわかりますので、是非ご覧下さい。

・下仁田ねぎ、こんにゃく、しいたけ、上州牛、醤油に敬意を表して、

 妙義おろし産物揃ふ鍋の中(千恵子)

・下仁田ねぎ、こんにゃく、しいたけ、今回は社会科見学のようで勉強になりました。そして、すき焼き最高!

・ねぎ、こんにゃく、しいたけ、春菊、にんじん、えのき、手打ちうどん、すべて群馬県産。素晴らしい。

・群馬の食材、群馬の人材の素晴らしさに驚いています。

・感謝。群馬県産食材で、おいしいすきやき

・「食の力は人の力」。原料・素材が食材になるまでの努力を感じた、群馬の一日でした。

・おいしいものはおいしい 日本の食文化ガンバレ 

・蒟蒻に今日は売り勝つ若菜哉―松尾芭蕉は刺身蒟蒻が大好物だったそうです。

・おいしさ それは「愛」 おいしさで人は幸せに。

・(や)っぱり旨い (ま)た食べよう (ふ)るさとの味 (ぐ)んまの名産  

・ねぎとこんにゃく下仁田名産 上毛カルタの「ね」です。

・香りを楽しみ食して幸せが広がる 最高のすき焼きに合う牛肉は私が育てます!

・米沢より来ました。「すきや連」楽しみにしております。

・本当は楽しい時間を本当にありがとうございました。

・今日も楽しみに車とばして来ました。遅くなってごめんなさい。

・コンニャク、葱、シイタケ 日本の食材をおいしくするのは、すき焼きですね。

・群馬のおいしいものを頂きまして幸せでございます!

・すきやきは大勢で食べてこそおいしいですね

・視覚、味覚、出合いをありがとうございます。

・味と心

・群馬県をまるごといただくような料理がすき焼きですね。

・声をかけて下さりありがとうございます。しらたきに卵をからめて食べるのが好きです。

・前橋に生まれ47年間で初めての来店です。本日はおいしい時間を楽しみたいと思います。

・すきやきは晴れ着のソウルフードです!群馬のおいしさと情熱に感動しました。ありがとうございました。

 寄せ書きはまだまだありますが、今日はこの辺で。

追伸

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産地見学ツアー

 11/23に第10回「すきや連」を、群馬県前橋市のすき焼き店「牛や清」さんで開催しました。今回も定員オーバーの、多数の皆様のご参加があり、大盛況。上州和牛を堪能しました。

 さて今回の「すきや連」の特徴は、宴会の前に「産地見学ツアー」が付いていたことでした。

 ネギ栽培の「小金沢下仁田ファーム」さん

 蒟蒻・白滝メーカーの、「小金澤下仁田蒟蒻」さん

 原木しいたけ栽培の「松浦しいたけ園」さん

の3箇所を訪問しました。いずれも、真面目に昔ながらの製法で生産している方々です。

 「百viewは一見に如かず」とは良く言ったもので、勉強になることがたくさんありました。

 でも画期的な新知識があったかと言えば、実はそうではありません。トリビア的な新知識はたくさん得ましたが、根本的な部分では旧知の範囲内でした。

 それは何故か?

⇒皆さん、真面目に昔ながらの製法で生産しているので、おおよそ食材辞典や調理用語百科に載っている通りに作っておいでだからです。当たり前ですね。

 「こういう製法で作っている生産者は、だいぶ減りました」

と聞かされましたが、

 「へえ、そうなんだ。なんでだろう?この製法じゃあ、儲かんないの?」

という疑問がモヤモヤとして残ります。

 その疑問の答えですが⇒勿論、儲かんないのです。ご本人に聞いたわけじゃないですけどね。

 「他の製法」と言うより、ホンモノに似たようなマガイものを、安いコストで作る方法が出来てきているので、利益を出したい人は、そっちの製法へシフトしているのだと思います。

 マガイものでなくても、日保ちを長くするために保存料を投入することで、製品廃棄コストを少なくする業者もでてきました。そういうことをせず、昔ながらの製法で生産していると、割高になってしまい、味のわかる少数の人にしか買ってもらえないのです。

 で、今回思ったことなのですが、

 むしろ、マガいもの工場を見学するのが勉強になるかも!

ということです。

 へえー、こんなやり方で作ってたんだ!信じられない!そんなもの、ゼッタイ食べるもんか!

という展開の見学も勉強になりそうだなあ、と思った次第です。逆説的ですが。

 皆さん、いかが。

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PR、試食、消費拡大

 新聞記者というのは難しい稼業です。自分が良く承知していないことについて、限られた資料を基に記事を書かないといけないからです。気の毒な稼業と言っても良いかもしれません。

 11/23に群馬県で開催しました第10回「すきや連」について、地元紙に書かれた記事も、気の毒なものでした。

<記事の引用>

上州牛や下仁田ネギを使った県産すき焼きを広めるため「すきや連群馬事務局」は23日、全国の老舗すき焼き店や野菜農家ら約30人を県内に招き、食材生産地の視察やすき焼きの試食をしてもらう「すきや連例会」を開く。下仁田町でネギやコンニャク、シイタケなどの生産現場を見学するほか、前橋市内の飲食店で県産すき焼きを提供する。事務局は「有名店で県産の肉や野菜が使われれば、食材としての信頼が高まり出荷拡大につながる」と期待する。(中略)

試食会には本県の生産者も参加する。「全国に群馬のすき焼きをPRする絶好の機会」と意気込む。(後略)
<引用終わり>

 この、PR、試食、消費拡大という一方通行の、ステレオタイプから抜け出すことは難しいんでしょうか。

 だいたい、ですよ。「試食」という書き方だと、御招待=我々が、ただ食いするみたいですが、勿論、違います。

 今回は食材をPRされる側=買う側の、すき焼き屋たちが、わざわざ好き好んで、交通費を支払って群馬まで行き、15.000円という安からぬ会費を支払って、群馬のすき焼きを食べるのです。

 それって「試食」ですかね。

 産地見学にも行きますが、バスのチャーター代をワリカンします。「PR」なら、そういう費用は現地業者がもちますよね、普通。

 ここで群馬県の生産者の皆さんの名誉のために書きますが、群馬の皆さんは、日本のすき焼き文化の発展に貢献したい、という有り難い御志を持っておいでの方ばかりです。「すきや連」活動にもご協力いただいています。

 そうでなければ、すき焼き屋がわざわざ群馬から食材を買う意味がわかりません。

 いくら群馬にすき焼きの食材が豊富と言っても、他の県が同じ食材を生産していないわけではありません。品物が同様で、群馬も他県も、どちららにも御志がないのなら、どこから買っても同じですよね。群馬から買う必然性は無いです。

 そうではなく、群馬の方々が、有り難い御志を持っておいでで、品物の仕様を合わせて下さったり、「すきや連」活動にご協力下さるから、そちらから具材を買うのだし、わざわざ交通費を払って、会費を支払って、群馬のすき焼きを食べに行くのです。

 地元の「およばれ」に応じて「試食」しに行くのではないのです。どうです?かなり記事のニュアンスと違いますね。PRする側=PRされる側、という対決構図ではなく、全体が「すきや連」活動なのです。

 今時、TPPも襲って来るというのに、PR、試食、消費拡大という一方通行で良いのでしょうか、今後も。ステレオタイプ過ぎませんか。

 単なる、PR⇒売りさばくという以上の発想、この国の食文化の中で、農産物をどう位置づけるとか、という発想が在っても良いのではないか、と思います。

 それでも、まあ、記事にならない方が良かったか、と言いますと、そうではなく、まったく採り上げられないよりはマシです。まずは関心を持っていただいた上で、誤解されている点はお話し申し上げて認識を変えていただければ良いのです。

 「好きの反対は無関心」とか言いますからね。だからFBでも「いいね」しておきました。

 それにしても、新聞記者というのは気の毒な稼業です。この記者さんは、限られた資料を基に、我々が会費や見学費用を支払うことをご存じなく、最初から「県産品のPR事業」と決めつけてしまったのかもしれません。

 ブログを書く方が、楽しいですね、全く。

追伸

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

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回想600日

 おかげ様にて、本日弊ブログは、600日連続更新を達成しました。皆様のご愛読に心より感謝申し上げます。

 さて、この機会に100日の頃、200日の頃・・・を思い出してみようと思います。

 弊ブログは昨年の3/1にスタートしまして、100日目は6/8でした。

 始めた当初の目標は「連続100日更新」でした。当時続けられるかどうか、まったく分からなかったので、100日に達した時は、ただそれが嬉しく、100日になったこと自体が、この日のテーマでした。お恥ずかしいことです。

 その後、平野正敏さんのコンサートへの出演、第六回「すきや連=日本短角牛を食す会」、「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」・・・と行事が多く、それがそのままネタになったので、どんどん書けました。

 200日目は9/16でした。この頃になると、かなりペースが掴めてきました。ちょうど、「ちんや」創業130年の年で、関連事業が続いていましたので、ネタに困ることはありませんでした。

 ブログ200日のすぐ前には、第一回「住吉史彦の会」を開催し、翌日には「すき焼き思い出ストーリー」のサイトを開設しました。色々なことが好調な時期だったと思います。

 好調は、年末にかけても続きました。第7回「すきや連」(@伊勢重さん)、「チャリテイー宮崎牛の会」などを開催したりして、その顛末のことなどを書きつつ、昨年の12/25に連続更新300日に達しました。

 そして、その日にあわせて新発表もしました。それは・・・

⇒「ちんや すき焼き通検定」という検定試験でした。

 この検定は、すき焼き業界初だったでしょう、たぶん。すき焼き通検定は、創業130年の記念事業の最後を飾るものとして、スタートさせました。当然、ブログのネタです。

 年始からも、順調に更新が続き、2月末には、更新365日記念スペシャル・六夜連続興業「カリスマ受け売り師・住吉史彦の生涯の半分くらい」を書きました。第8回「すきや連」も京都・三嶋亭さんで開催しましたので、これも当然、ブログのネタです。

  このブログが絶好調だったのは、この頃でしょうか。

 しかし、です。この後すぐに日本は大震災に襲われます。

 もう何を書いていいのか分からず、毎日が辛かったのを思い出します。

 しかし更新は続きました。震災不景気で店がヒマになり、時間ができてしまったのが理由です。でも理由はもう一つ。

 この大震災という状況を生きた、自分の記録をつけたかったのが理由でした。

 でも当時書けることと言えば、ぼやきばかりでした。それで連日ぼやきばかりを書いていますと、激励やら応援やらをいただけるようになりました。

 実は、以前の私は、そういうことをまず言わない男でした。そういう可愛くない自分を少し改造しようと思い、ブログを始めたおりに「ぼやき部屋」というカテゴリーを設けました。

 でも、こんなにボヤくことになるとは、この頃まで、勿論思ってもみませんでした。

 しかしボヤき出しましたら、有り難いことに、多数の皆さんが激励やら応援やらをして下さるようになりました。以前の私なら、

「頑張って!」とか「応援してるよ!」などと言われた時には、

「いやあ、ポチポチやって行きますよ!」とか

「まあ、潰れない程度に頑張りますよ!」とか返していました。可愛くなかったですよね。

 しかし、この頃になって、この年にして初めて、激励・応援に心から素直に御礼が言える自分を見つけた、それがブログ400日目の頃でした。

 その後、日本の食の状況は良くなっているとは言いがたいですね。

 放射能の問題があるからです。特に、ブログは500日の頃には、牛の汚染エサの問題が浮上し、畜産の世界は3月頃にもまして厳しい状況になりました。

 そんな中でも連続更新は続きました。

 ちょうど7/26に第9回「すきや連」を「銀座吉澤」さんで開催した時、出席者の皆さんは、最初は悲壮な表情でしたが、やがて宴会が進むと口々に「なんとか頑張りぬこうよ」と言い合うようになりました。だから、弊ブログもやめられませんでした。意地でも続行です。

 そうは言っても、気分は晴れません。またしても「食の安全」が、問題になったからです。牛は全頭検査をしない限り、売ることが難しくなり、それが実現したのは、9月になってからのことです。

 「全頭検査」っていう言葉は、ちょうど10年前のBSE問題の再来のようでした。対策が後手にまわって、マズいことになり、最後に打つ手は全頭検査しかない状態になった状況は、BSEの時と同じ展開に見えました。デジャブーのようでした。

 思えば、過去10年間、食をめぐるニュースは、なにかと暗いものばかりでした。BSE、O-157、強毒性鳥インフルエンザ、口蹄疫、中国製毒ギョーザ、事故米転用事件、食品添加物、偽装表示、そして極めつけの放射能・・・・・そんな話題ばかりでしたね。

 実は、初めてBSEが国内で見つかった平成13年9月の前の月=平成13年8月に、私は「ちんや」の六代目を継ぎ、今年の8月で10周年だったのですが、その後10年間、食をめぐるニュースは、なにかと暗いものばかりでした。楽しい時間は、あまりに少なかったように感じます。

 それで、この日、私は以前にも書いたことを、また繰り返して書いています、

・・・そういう10年が過ぎ去って、皆さん、そろそろ、気分を変えたくありませんか!

 食は、もっと楽しい気分で語られて良いものに決まっています。

 今年、日本のお笑いの聖地である浅草から、食と笑いを同時に発信したいと思っています。浅草の知人の中には、お笑いの仕事にかかわっている人もいます。最高の立ち位置ではありませんか・・・

 私は、今年はそういう仕事をしたいと願っていました。

 もちろん仕事ですから「食の安全」の方にも取り組みますが、それは仕事の目的というより前提の話しで、その前提の上で「食と笑い」「食の楽しさ」をやりたかったわけです。 

 でも、今は原発のせいで、また前提であるはずの「食の安全」に、フォーカスが当ってしまいました。残念です。

 だいたい「安全」関係の用事って楽しくないんです。しかし暗いムードを変えることを諦めはしませんよ・・・

 その後、川柳で日本の食卓に笑いを!ということで「すき焼き川柳onツイッター」などを実施しつつ、更新は続きました。

 そして、今日が600日目。

 これから、いったい、どうなるのでしょう。

 日本は。日本の食は。すき焼きは。そして私は。

 まったく見当つきません。

 でも「このブログを続けよう」という気持ちは、100日の時より強くなっているような気がします。

 もちろん、不測の事故があって止まることは、あり得ます。

 でも、今ここで終わりたくはありません。

 今の状況を見届けて、思ったことを駄文に綴り続けたいと思います。

 どうぞ、今後も、お見捨てなく。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて600日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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