正月用肉

 「12/29-12/31の三日間、「ちんや」精肉売店の店頭は、正月用のお肉をお求めの方で、大変混雑いたします。長時間行列していただくことになると思いますので、時間の余裕を持って、防寒対策をしていただきました上で、お出かけ願います・・・」

 と申しますと、

 え? なんで年末に肉屋さんが忙しいの?

と聞かれることがあり、それが当たり前と思っている私は驚いてしまいます。

 店先に立っていても、必ず長蛇の列を見て、目を丸くしている方がいます。

 な、なんで、こんなに並んでいるんですか?

 なんでって、年末ですから。

 そういう方は、たいてい並ぶのを諦めて帰って行かれます。

 予約して下されば良いのに!

 弊店では予約も受け付けていて、そうしていただけば事前にパックしておきますから、当日はパッと御引渡しするだけです。並ぶ必要がありません。

 ただし「12/28までに予約⇒12/29-31に御引渡し」という段取りなので、明日中には予約していただく必要がありますけどね。

 何故、年末に肉屋が忙しいことがあまり知られていないか、ですが、テレビ・新聞でやっていないからかもしれません。テレビでやっているのは、デパートの豪華おせちか、上野の飴横いやアメ横がほとんどで、他のは、ほぼ見かけませんからね。

 肉屋の側も、ほとんど宣伝していないと思います。忙し過ぎると困るからです。

 年末は、普段の8倍から10倍の売上げがありますから、働く側は大変です。12/29、12/30は日付が変わるまで残業するのが、毎年の御約束です。

 だいたい「12/28までに予約」つまり12/29以降は予約を受けない、というのも不親切な話しではあるのですが、12/29以降は御引渡し作業だけで手いっぱいなので、新規の予約を受けられないのです。

 働くのが大変、だけでなく市場が閉まっているので、新規の仕入れも出来ません。

 そういう次第で、肉屋の側も年末の売り出しをあまり宣伝しないのだと思います。

 でも、あまり宣伝しない姿勢だと、正月に自宅ですき焼きをする、という風習自体が廃れてしまいかねません。現に年末に肉屋が忙しいことを、ご存じない方がおいでのようです。そこが悩ましいところです。

 去年の年末に、「すきや連」旗振り役の向笠千恵子先生がラジオ出演して、「我が家の新年の食事は、すき焼き!」と言って下さって、有り難く思いました。

 忙しくなり過ぎず、しかしやはり宣伝もする、という塩梅が大事と思っています。

 追伸

 毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行予定とか。是非お求め下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて664日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントはまだありません »

No comments yet.

Leave a comment





(一部のHTMLタグを使うことができます。)
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">