立志と学問

さて12月となり、今年の顔である渋沢栄一の大河ドラマも残り少なくなりました。

そんなおり、久しぶりに「論語と算盤」を読んでおりましたら、

?!

と思う一節がありました。

第2章「立志と学問」で自身の前半生を「ムダ」と言っていたのです。

以前に読んだ時は読み飛ばしてしまったようですが、今回かなりハッキリ「ムダ」と言っていて少し驚きました。

渋沢は、はじめ尊王攘夷運動に関わり、やがて大きく方針転換して徳川慶喜の臣下となり、さらに転換して明治政府に入って、政府の近代化を進め、またさらに転換して、実業界に移ります。

実業界を盛り立てることが、結局自身の「立志」であって、それまでの、30歳くらいまでの活動は、

「青年時代の見当違いなやる気で、肝心の修養すべき時期を、まったく方向違いの仕事でムダに使ってしまった」と。

ムダという表現を?!と思ったのは、今年の大河ドラマで前半生の部分が長かったからかもしれません。

渋沢栄一って、明治時代の実業家と聞いていたのに、なんでずっと江戸時代の話しが続くんだ?と思った方も多かったと思います。ドラマとしては、そちらが面白いですからね。

しかし、ご本人はムダと言っておられましたよ、はい。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.296本目の投稿でした。

Filed under: 憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)