すき焼き親善大使

加山雄三さんのインタビューとなると、必ずこのネタになるので、おそらくご本人は「またか・・・」と思っておいでだと思うのですが、すき焼き屋としては、繰り返されるこのネタをとても在り難く思っております。
「必ずこのネタ」とはもちろん、ビートルズとすき焼きの件です。
報道によりますと、最近も
「テレビ東京の「チマタの噺」に出演し、1966年にザ・ビートルズが唯一の来日を果たした際、一緒にすき焼きを食べた時の秘話を明かした。」
ということでした。
「ビートルズは日本武道館で行われたコンサートの時以外、ほぼ宿舎である東京ヒルトンホテル(現ザ・キャピトルホテル東急)に缶詰め状態で、加山も同ホテルにビートルズを訪ねていった。」
「加山がビートルズに「何が食べたい?」と聞いたら「すき焼きがいい」と答えたため、すき焼きを届けさせたが、ビートルズ側は「ボーイさんたちとか皆出てけって言うんだよね」と人払いを要求。」
「すき焼きは誰が作るの?」と困惑する加山に、ボーイは「加山さん、よろしくお願い申し上げます。加山さん、すき焼き屋さんのセガレさんですよね?」と依頼した。」
加山さんがすき焼き店の息子なのは映画「若大将」シリーズ中での設定で、本物のご両親は映画スターですが、それでも、この日はビートルズのためにすき焼きを作り、喜んでもらったそうな。
この件は、弊ブログでも何回も採り上げています。おそらくすき焼きと有名人の話しとしては、もっとも有名なものだと思います。
何しろ、この頃外人さん接待と言えば、すき焼きか天婦羅でした。以前鮨は外人さんから嫌われていましたやからね。
ところが、その関係は今や逆転。大坂なおみさんも凱旋帰国会見で、
スシはスゴくオイシい!
と叫ぶほど。
米と魚と酢を一緒に食べるという意味で鮨は日本の風土を映したもので、日本を代表する食べ物ですから、それが世界に理解され、主役に躍り出たことについて、私は何の文句もございません、はい。
ただ、すき焼きが主役だった時代が懐かしいなあ・・・という、まあ、ボヤキですね、これは。
その懐かしい時代の体現者である加山さんを「すき焼き親善大使」に任命した方が良いかもしれません。

追伸
今夏8月4日より「ちんや」ビル地下1階の「ちんや亭」が、
「肉の食べくらべレストラン」として再スタートしました。
今回すべての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しました。
くわしくは、弊ブログの8月4日号をご覧くださいませ。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.122日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)