勝利至上主義
女子柔道の暴行事件ほど、最近残念な事件はないと思います。
これは高校生の部活とは全くレベルの違う、日本代表チームで起きた事件ですし、
他でもない、嘉納治五郎先生が創始した柔道で、こういうことが起こったわけですから、衝撃を受けた人は多いと思います。
この問題が、五輪東京招致の障害になりかねないことから、JOCは、暴力撲滅に不退転の決意で取り組む決意を記した英文の声明を、海外メディアに向けて出したそうです。ここは是非、しっかりやっていただきたいですね。
さて、この問題を巡る世間での議論ですが、暴力容認論の人は、今やそう多くはないと思います。しかし、
「金何個以上」とか勝利至上主義が暴力を産んでいる、と論じる人と、
いやスポーツなのだから勝利至上はむしろ維持して、許される指導法の範囲を線引きして決めるべきだ、と論じる人の二手に分かれているように思います。
では経営も勝利至上主義であるべきか。
勝利至上は維持して、許されるもうけ方の範囲を線引きして決めるべきだ、と考えるか。
そもそもスポーツと経営は同列に論じるべきか。
考え方は分かれるような気がします。
今日は、ここまで書いたついでですので、私の意見を書きますが、
スポーツのことは、私は分かりません。
しかし経営は勝利至上であるべきでない、と私は思います。
同業より1円でも安く!!!
とかいう発想が、どれだけこの国を不幸にしていることか、と思います。
そうではなく、同業と似た商品でも、デザインを変えたり、売るターゲットを変えたり、販路を変えたりして、正面衝突を避ける経営の方が、皆がハッピーに成れるような気がします。
しかし、デザインのセンスが良くても、楽しい販促を展開しても値段が同業より高ければ、必ず勝てるとは限りません。不確実です。一方同業より安ければ、勝てる確実性はだいぶ高まります。そう、経営の世界で勝利に拘ると、どうしても値下げに向かってしまいがちです。
すき焼きは、そう在りたくありません。
割り下の味が違えば、似ていても同じすき焼きではありません。
それぞれの店が、それぞれにもっと特長を伸ばし、お客様が何軒もすき焼き屋を巡って、その違いを楽しんでくれたら良いのに!と思います。
私が「すきや連」活動をしているのも、勿論そのためです。
そう、この狭い業界だけでも勝利至上主義から抜け出したい、そう強く願います。
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は336人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.068日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。