工房見学委員会

 「台彪会」会長として、「ニッポン全国彪友会ー台東万博!」を計画しています。

 この会は、二条彪先生の門下生約200人が集まる、一大交流会です。先生のメルマガを取っている方なら、どなたでも参加できる、初めての大イベントです。

 その準備のため、「台彪会」のメンバーがいくつもの委員会を作って活動していますが、その中で準備が最も周到なのは、「工房見学委員会」です。

 「全国彪友会」のメイン・イベントである、二条先生の講演と懇親会は、4/20の夕刻からですが、当日の午後プレ・イベントとして「工房見学」があります。台東区と言えば、地場産業の土地柄ですが、そうした工房の内の8軒を、全国から見える皆さんに見学していただくわけです。

 で、今行われているのは予行見学です。見学受け入れを立候補した8社が、相互に予行演習を受け入れているのです。それから本番に臨む、という段取りです。その段取りも景況で、先日は仏壇・仏具の販売の「内田商店」さんを見学してきました。

 「内田商店」さんは、浅草と上野の間にあります。

 この辺りには、江戸幕府の政策で御寺が集められていて、自然に仏壇屋さんが多い所です。これも一つの地場産業と言えます。

 さて、そうした所へまいりまして⇒説明をして下さったのは、なぜか女系が続くこの御店の、「五代目見習い」H恵女史。

 仏壇や仏具は身近にあるのに、初めて聞く「目から鱗」的な話しも多く、

 へええ、そうだったんだ!

の連続でした。

 仏壇・仏具の形状や作り方には、ちゃんと意味があり、その説明を聞くうち、

「先祖の前では、嘘のない綺麗な心になれる気がします。自分が自分と対話出来る場所とも思えました。」と感想をメールして来られた、参加者の方もいました。

 地場の皆さんから、直に話しを聞ける体験は、実に有り難い、そう思えました。

 なお、その他の見学受け入れ会社は、下記↓の通りです。既に満員のところもありますので、お気をつけ下さい。

1「サトウサンプル」(食品サンプル)

「もはや“ロウ細工”ではありません。料理の“旬”を再現する、進化した技術をご堪能ください。」

2「竹村漆器店」(蕎麦道具・漆器の販売)

「江戸漆器店の三代目です。蕎麦道具作りの為に蕎麦打ち技術を学び、江戸蕎麦マスターソバリエの資格を取得。蕎麦と蕎麦打ちの道具について会話させて頂きます。」

3「飯田」(調理器具・食器の販売)

「本年創業100年目。料理を愛する全ての人に贈る料理道具屋」

5「末光」(本革靴の製造・販売)

「美味しい料理も心に響く音楽もすぐに、簡単にはできません。あなただけの一足、想いを込めて、手間をかけてお作りします。」

6「種亀」(最中種(皮)の製造・販売)

「最中の皮一筋160年。“最中”の生い立ちから、“最中種食べ比べ”。この機会を逃せばまず聞けない、ディープな最中ワールドをご案内致します。」

7「フダヤドットコム」(手作り木札の製造・販売)

「金型彫刻4代目から、その技術や感性を活かしつつ木札製造販売に転身し8年目の現在に至るまでを余すところなく熱く語ります!」

8「中江」(桜肉(=馬肉)料理と馬油化粧品製造販売の飲食店)

「東京の伝統的郷土料理「桜鍋」の秘密と国の有形文化財に登録されている店舗を創業から106年間の中江の生い立ちとともに大公開します!」

 くわしくは、こちらです。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて715日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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縁起物

 「助六」の御主人が、

『江戸の縁起物―浅草仲見世助六物語』

という御本を出されました。

 「助六」さんは江戸末期の慶応2年に創業された、江戸趣味小玩具の御店です。日本で唯一、小玩具がご専門で、ミニチュアの可愛いくて、縁起の良いものばかりを扱っておいでです。

 間口一間の小ぢんまりした店内には、そうした豆玩具が3000点以上、所狭しと並んでいます。ダイアナ妃やヒラリー国務長官も訪れたことがある、江戸情緒あふれる御店です。

 その御店の五代目である、当代の御主人は、学校の先輩でもありまして、日頃御指導いただいておりますので、早速御本を拝見しました。

 拝見しますと、この御本では、そうした玩具が100点あまり、写真とともに紹介されています。フルカラーで贅沢な見やすい御本です。全点英文付きですが、日本の伝統に疎い人は、その英文の方が理解しやすいかもしれせんね。

 そんな御本で、私が一番面白かったのは、実は最後の章です。この章は、玩具の説明ではなく、当代を含めた歴代店主と、そのご家族の物語です。

 大正・戦前の、浅草の良き時代のこと、戦災のこと、ご先祖様の名セリフ、人間国宝に推薦されながら断った職人さんの話し・・・

 結構知らなかった話しもたくさん載っていて、へええ、と唸りながら読みました。

 驚きましたのは、終戦直後の極度の物資不足の時代のこと、皆が闇商売に走る中、「助六」の先代だけは、江戸趣味小玩具しか売らなかったそうです。7年間全く売れなかったのに闇商売をせず、玩具だけを店に並べ続けたそうです。

 うーん。

 脱帽ですね。

 亜紀書房より刊行。ISBN978-4-7505-1128-3

追伸

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 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

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ふぐクイズ

 国会では、田中ナオキ防衛相を攻撃するため、自民党が「クイズまがい」の質問を連発しているそうです。

 これには身内の自民党からも苦情が出て、

 「クイズはやめた方が良いと思う」(マチムラ元外相)

 ありゃあ。やっちゃいましたけど、「ふぐクイズ」。

 2/10に「浅草うまいもの会」の新年会がふぐの「三浦屋」さんでありまして、その余興で、「ふぐクイズ」をやりました。

 「うまいもの会」のKM子会長は、新年会では「勉強になって、なおかつ楽しい余興をしたい」というお考えで、こうした余興は4回目=4年目です。

 一昨年、そういう余興を企画するように命じられた私が、考え出しましたのが、「すき焼きクイズ」でした。続いて昨年が「どぜうクイズ」。第3弾が「地域ブランドクイズ」です。で、今年が第4弾で「ふぐクイズ」です。

 それでは、皆さんも、どうぞ。

<「ふぐクイズ」>

〇か×かでお答え下さい。10問あります。

①明治時代、日本初のふぐ料理免許を取得した御店は、下関市の「しゅんぱんろう」でしたが、その「しゅん」は春秋の春、「ぱん」は長州藩の藩、「ろう」はシルクロードの楼蘭の楼である。〇か×か。お答え下さい。せいの、どん。(正解:×。「春帆楼])

②ふぐ毒で死んだ有名人と言えば、歌舞伎の八代目坂東三津五郎ですが、この時調理人に下された判決は業務上過失致死罪で禁固刑ただし執行猶予付き、という内容であった。〇か×か。(正解:〇)

③ふぐを食べることを禁止した人と言えば、豊臣秀吉ですが、その後も明治時代まで、ふぐ食は禁止されておりました。さて、その禁止令を解いたのは、明治の元勲・木戸孝允侯であった。(正解:×。伊藤博文公)

④ふぐ毒を乳酸菌で漬物にすることで分解し、おいしく食べる珍味と言えば、「ふぐの卵巣の糠漬け」ですが、その漬物が全国で最も盛んなのは、石川県である。(正解:〇)

⑤天然ふぐの水揚げ高第一位は福岡県、第二位は山口県ですが、養殖ふぐの水揚げ高第一位は佐賀県である。(正解:×。長崎県である。)

⑥関西では、ふぐ鍋のことを「てっちり」と言うことがありますが、「てつ」の語源は、ふぐが哲学者のような風貌をしているからである。(正解:×。鉄砲のように当たると死ぬからである。)

⑦肉の旨味成分と言えばアミノ酸ですが、フグ肉の場合、そのアミノ酸が最大となるのは、フグの死後24時間から36時間が経過した頃である。(正解:〇)

⑧ふぐ料理はふぐ調理師でないと取り扱うことができませんが、その免許制度は都道府県によって、資格取得の条件や難易度が異なっている。(正解:〇)

⑨ふぐと言えばヒレ酒ですが、おいしいヒレ酒をつくるコツは、ヒレを水に漬けておき、決して乾燥させないことである。(正解:×。漬けた後、天日干しをする)

⑩当・三浦屋さんには「ふぐの五箇条」が制定されていますが、その五箇条の内、第三条は「ふぐ料理は、好きなものを好きなだけ食べるべし」である。(正解:〇)

 優勝者には景品があり、一方、点数の低い方には罰ゲームとして「ふぐの顔」をしていただき、その画像をFBにUPすることにしました。

 なかなか傑作でしたよ、「ふぐの顔」。

追伸

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 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

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むぎとろ

 「ちんや」の、浅草広小路をはさんだ真向いに「浅草むぎとろ」さんがミニ支店を出されました。

 カウンター10席ほどの小さな御店ですが、しっかり「とろろ飯」が食べられます。

 駒形橋の西詰めにある、「むぎとろ」の本店さんは、今では料亭風の建物となっていて、料理もコースです。その最後に、ようやく「とろろ飯」が出てきます。

 一方、こちらの支店は、直球勝負の「とろろ飯」なので、小さい店でかえって良いという方も多数おいでと思います。

 メニューは「とろろ飯」500円也。

 お新香と、かりんとうの様な「とろりんとう」が付いています。

 「高いなあ」という勿れ。

 それはそれは、こだわった「とろろ飯」なのです。

 なんでも初代のお考えは、とろろ飯は「家庭でも簡単に作れる料理だからこそ、素材にはこだわる」ということだったそうです。

 気温や天気によって、すりおろした芋に加える昆布の出汁の分量に変化をつけるなどの工夫もされています。      

 すごくサッパリ、消化にも良いです。

 その昔、とろろは真夏の食欲増進に珍重されたそうですが、その感覚は勿論今でも在ります。食べて終わって⇒おなかが減る感じ、と申しましょうか。

 すき焼きを召し上がった後の、「〆め」に良いかもしれません。

 そういう回遊コースができたら、それも、浅草の食文化ですね。

追伸

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 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

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閉店

 浅草の、明治時代から続いた和装屋さんが閉店しました。

 私は閉店のことを事前に知らず、閉店してしまって数日たってから、たまたま御店の前を通りかかって、告知文を見つけました。

 そして、あまりのショックに、数秒間身動きできなくなってしまいました。

 閉店なさった、最後の日の夜に、その御店の方々が「ちんや」に食事にいらしていたからです。

 なのに、私は何も声をかけて差し上げませんでした。知らないこととは言え、残念で残念で堪りません。

 その御店の方とは、個人的にはまったく面識がありませんでした。御顔も存じませんでした。

 私は和装に詳しくないので、ああ、そういう店が浅草にあるな、くらいの認識でしたが、他の街の和物通の知人から、地味だが良い店と聞かされたことがありました。

 来店された時、

「私が主人です」と部屋に入って行って名乗り、挨拶すれば良かったのですが、その日はたまたま忙しく、知人が来店していて、その応対でバタバタしていたので、結局、御挨拶にうかがいませんでした。

 それが御店の最後の日だったとは・・・

 今和装は、ごく一部の方の間で趣味として、流行っているようですが、普通の日本人は着なってしまいました。その状況で、後を継ごう、という方に恵まれなかったようです。

 店舗は、現在そのままですが、後に何ができるのでしょうか。

 結構良い場所にありますので、おおかたチェーン店か外食産業でしょう。

 悲しいです。

 悔やまれます。

 この文章を書きながらも泣けてきます。

追伸

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 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

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新春浅草歌舞伎

 浅草公会堂でやっている「新春浅草歌舞伎」を観ました。

 この1月は、中村勘三郎さんの「平成中村座」と、「新春浅草歌舞伎」の二座が浅草で興行を打っていまして、浅草の街を盛り上げてくれています。

 銀座の歌舞伎座が改築中なので、こういうことになっているのではありますが、こういう嬉しい状態は明治時代以来なのかな、と思います。

 この二座の内、「平成中村座」は場所が山谷堀公園なので、「ちんや」からは結構遠いのに対し、「浅草歌舞伎」は、場所がとても近いので、我々の店辺りにも、有り難い経済効果があります。

 お返しに応援しなければバチが当たると申すもの、です。で、見物させていただきました。

 さて、今年の「浅草歌舞伎」の目玉は、市川亀治郎さんの「卒業」です。

 亀治郎さんは、浅草には10年以上出演して下さいました。途中でNHK大河ドラマの「武田信玄」にお出になった年は、浅草はお休みでしたが、それ以外は毎年出演して、浅草の街を盛り上げて下さいました。

 その亀治郎さんが、今年6月には「四代目市川猿之助」を襲名することが決まっていて、その襲名披露興行が、来年1月には別の土地で開催されます。

 そういう次第で、「正月の浅草」を卒業なのです。

 その演目ですが、「敵討天下茶屋聚」の「通し」でした。

 この狂言は、上方系統の仇討ちもので、テイストとしては大衆演劇風の筋です。今まで「浅草」に架かった狂言とは、チト傾向が違います。

 この狂言の弾けた感覚に、亀治郎さんの大奮闘が、実にマッチしていました。

 泥酔ぶりとか、盗賊に成る場面がとても上手く、立ち回り=と言っても正面から闘わず、追手から逃れようと、客席を逃げ回ったりして、お客さんも大盛り上がりでした。

 幸い、御本人とお話しする機会があったので、

 来年は寂しくなりますねえ。

と申し上げますと、

 イヤ、また帰って来ます!

と嬉しい一言。

 期待したいですね。

 いいね!澤瀉屋!

 追伸

  毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行。是非お求め下さい。

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クリスマスケーキ

 年始なのに、またまたクリスマスの話しです。

 この日「人形町今半」のT社長の御自宅に、滅茶滅茶に破壊されたケーキが届いたそうです。宅配便の業者が乱暴で、「配達中に三回はぶつけたな」と言う状況だったそうな。

 この件について、Tさんは「夕方取り替​えに来たけど、宅急便でケーキを送るのは大変ですね。宅急便業者​も大変です。」とコメントし、それで皆から称賛されました。

 「尊敬しました!!普通だったら、こ​んな状態でこのやろうとか、どうなってるの?とか、ネガ​ティブなこと書いちゃいそうですけど、業者さんも大変なのは確かですし、怒っても、もうそれは​、なおりませんしね! 物事の捉え方について勉強させてもらいました(^^)」

「やはり飲食業としての学びですね」

という具合でした。

 Tさんは自分が荷主で、しかも、おせち弁当という壊れやすいものを、ごく短期間に集中して出荷する立場なので、ケーキ配達業者の立場が容易に想像でき、それで自然に「大変ですね」というコメントが出来たのだと思います。

 でも、そういう発想の無い方の場合、自然な反応は「馬鹿野郎」「ふざけんな」でしょう。

 お子さんがケーキをとても楽しみにしていた場合、親としてカーっと来る可能性はありますね。「どうしてくれるんだ」と言いたくもなります。

 「どうして」と騒いだって取り替えるしかないですけどね。

 私はケーキとか、おせちとか、そういうヤヤコシい物は出荷しませんから、Tさんほど業者に同情的ではありませんが、それでも極端な繁忙期がある人の大変さは、分かるつもりです。

 なにしろ、浅草で商売していますのでね。

 ケーキ業界のクリスマスに匹敵し、チョコ業界のバレンタインに匹敵する、「浅草の正月」を毎年経験させていただいています。

 今年は、大震災を受けてスタッフ数を最小限にしていましたので、本当に心配でした。

 なんとか六日まで凌ぎ、今日で七日です。

 ここまで観音様の御加護があったことに、心から感謝したいと思います。

 メリー・クリスマス! いや、間違えた、

 南無観世音菩薩。

追伸①

 本日は大相撲東京場所の、初日の前日ですので、「呼び出し衆」の皆さんが、興業の宣伝のため「ちんや」を訪問されます。通称「触れ太鼓」です。大広間へお通しして、食事中のお客様にも見ていただきます。

追伸②

 本日1/7に浅草7丁目の「待乳山聖天」で「大根祭​り」が開催されます。

 御本尊の聖天様にお供えされた大根が、フロふき大根に調理されて、御神酒と共に参詣客に振るまわれます。毎年1/7の恒例行事です。

 また今回は、近くの​聖天公園でフリーマーケットもあります。福​島県や宮城県の被災地物産展が開催されますので、是非皆さ​ん、お出かけ下さい。

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そんなヒマはありません。

 皆様、2012年が始まりました。

 旧年中のご愛読・ご高配にあらためて御礼申し上げます。本年も、よろしくお願い申し上げます。さて、

 普通ここで年頭の所信とかを申し上げるのが筋とは存じますが、浅草の人間にそんなヒマはありません。

「ちんや」の場合、まず年末三日間、肉の売り出しが大忙しです。

 この間は正月用の肉をお求めの方が長蛇の行列を作ります。ですので、そのための仕込み作業も、連日日付けが変わる位までかかります。

 私はと申しますと、日中は、その行列の警備。

 大晦日の営業が終わった後、浅草寺の鐘つきに参加させていただきます。当家の定位置は第二十七番で、だいたい1分=1人のペースですので、つき終わって帰って来ると、1時過ぎになりますね。

 ここで師走の無休営業の疲れが一気に出て爆睡します。

 明けて年始の1/2-1/3今度は、すき焼きつまり飲食の方が大変です。単に忙しいというだけでなく、正月は昼と夜の間のアイドルタイムがなく、ブッ通しで忙しいのが特徴です。

 だから年頭の所信とかを申し上げているヒマはありません。そういうことは、2月の中旬頃になったら考えるのです。

 え? 元日は休んでるんだろうって?

 ええ、まあ、店は休んでるんですけどね、2日からの営業用の仕込みのために、出て来ている者もおります。

 私も予約リストの整理のために出てきています。何しろ、明日からは終日現場に入りっ切りなので、今日中にやれることはやっておかないといけません。

 店は休んでるんですけどね、遊んでいるわけじゃあないんです。

 本当は、元日も営業して年始参りの皆様に楽しんでいただくのが正しいとは思いますが、実際問題としては、気力・体力の限界と相談しないといけません。

 それにブログも書かなきゃいけないし・・・

 ブログは1/4号までは書き貯めておかないといけません。1/4も忙しいんですよ。挨拶まわりを済ませたサラリーマンの方が、そのまますき焼きを食べに来て下さるので、1/2-1/3に劣らず忙しんです。

 だから 皆さん、そういう次第で、これから1/2分のブログを書きますので、今日のところは失礼します。

 末筆ながら、良い一年をお過ごし下さいませ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて672日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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住吉史彦の十大ニュース

 お待たせしました!

 今年も「住吉史彦の十大ニュース」の時間がやってまいりました。

 え? 誰も待っていないって?

 そういう声は無視して、どんどん行きましょう。

 今日はポイントだけを書きますので、詳しい内容を知りたい方は、アンダーラインのある所をクリックして下さいね。さて、

1月 「ちんや」すき焼き通検定試験を実施しました。

 勇気ある17人の方が受験し、見事全員が合格されました。今後も継続して実施し、「すき焼き通」を増やして行きたいです。

3月 第8回「すきや連」を京都三条寺町の「三嶋亭」さんで開催しました。

 「すきや連」が初めて関東以外に進出しました。

 この日に合わせたかのように「すきや連」旗振り役代表の、向笠千恵子先生の御本『食の街道を行く』が、料理本のアカデミー賞とも言われる、「グルマン料理本大賞」の、紀行本部門2010年グランプリに選ばれ、発表されました。

 その目出度さも加わって、この回は、いつになく盛り上がっていたように思います。3日後に大震災が襲ってくるとは知らず、とても楽しい夜が更けました。

 5月「青森・岩手・宮城・福島・茨城 五県蔵元連合試飲会@浅草」を開催しました。

 大震災に遭い、「守ろう、東北のSake!示そう、ニッポンの絆!」というスローガンで、三社祭が開催できない、その日に開催しました。

 合計67社の蔵元さんから、酒を出品していただきました。また陳列作業には、浅草料理飲食業組合役員の皆さん、浅草酒販組合さんのマンパワーを集めて当りました。

 経験のない一大事業でしたが敢行しました。

7月 「ちんや」で「料飲三田会」の例会を開催しました。

 料飲三田会というのは、慶応大学を出て料理屋を経営している人たちのグループです。会員の顔ぶれは、東京でも良く知れた御店の御主人様方ですので、緊張しました。

 東北地方の、慶応出身の蔵元さんが造る御酒をお出ししました。

7月 「ちんや」の精肉売店で、調味料を売り始めました。

 今世の中には、「出来合い調味料」がやたらと増えてきていますが、正直、私の味覚からすると、残念なものばかりです。それに添加物がたくさん入っています。肉屋が肉だけを売っていればOK、という環境ではなくなってきたので、始めた次第です。

 醤油をかわきりに、その後、味噌などの他の調味料も売ることも始めています。

7月 第9回「すきや連」を「銀座吉澤」さんで開催しました。

 第9回は、汚染エサの問題で畜産業界が大揺れの最中の開催と成りました。それでも、「すきや連」は挫けていません。この日も開催店のY社長が「こんな大勢さんの宴会は初めて!」という位の、大人数が集結しました。

 「必ず乗り越えるぞ!」と大盛り上がりでした。

8月 「すき焼き川柳onツイッター」コンクール、略して「すき川」をネット上で実施しました。

 今年の8月は汚染牛報道で大ダメージの最中でした。ボヤイていても仕方ないですので、この企画を実行しました。キャッチコピーは「川柳で日本の食卓に笑顔を!」

 530句もの句が集まり、びっくりでした。傑作には「ちんや」食事券をプレゼントしました。

8月 隅田川花火大会の日に、「ちんや」で国際観光日本レストラン協会の納涼会を開催しました。

 花火は、震災の影響で例年より一ヶ月遅れ、8月末の開催になりましたが、関係の皆様のご尽力により無事開催されました。業界の仲間と共に鑑賞することができ、本当に有り難いことでした。

9月 <大震災6ヶ月―全ての食材を東北+北関東から集めた、住吉史彦の会!>を開催しました。

 この会は昨年に続き2回目でした。

 「御偉方」をおよびせず、私と年齢の近い皆様(プラスマイナス10歳)にお声かけさせていただく会という点は昨年と変わりませんが、今年はご案内先を「飲食業界・食品製造業界の方限定」という風に変更、また題名の通り、食材を東北から集めました。

 参加者は私の親しい方ばかり。「オレ達が日本の食文化を造るぞ」と大盛り上がりの夜でした。

11月 第10回「すきや連」を、群馬県前橋市のすき焼き店「牛や清」さんで開催しました。

 今回も定員オーバーの、多数の皆様のご参加があり大盛況。上州和牛を堪能しました。

 またこの回は宴会の前に「産地見学ツアー」が付きました。下仁田の葱畑、原木しいたけ、蒟蒻工場を見学して有意義でした。群馬の皆さん、お世話になりました!

 そして最後に、もう一つ。

 2/28に弊ブログが連続更新365日を達成しました。その後、大震災をまたいで671日(1年10か月)まで伸びています。

 記念の日には「連続更新365日記念スペシャル カリスマ受け売り師・住吉史彦の生涯の半分くらい」と題して、6日連続の長篇ブログをUPしました。

 さてさて、あまりに多くのことがあり、決して忘れることのないだろう2011年の、弊ブログも本日が千秋楽となりました。万感胸に迫り、大したことは書けません。

 ただただ御礼だけを申し上げます。

 読者の皆様、ご愛読いただき誠にありがとうございました。

 2012年もご愛顧を賜りたく、お願い申し上げます。

  東西、東〜西〜

 

夜一番

 11/14は酉の日でしたので、夜一番の「酉の市」に出かけました。

 「夜一番」で、誤りではありません。

 鷲神社の「酉の市」は、夜中の0時に始まり、次の夜中の24時に終わるので、0時にお参りするのが一番なのです。

 実は、この前日「湖彪会」の若手・Tさんが滋賀県から上京して見えました。

 滋賀県の、二条彪先生の門下生グループである「湖彪会」さんと、我々台東区の「台彪会」は、今年の9月から交流をスタートさせています。そのメンバーの方が見えましたので、まず弊店で台彪会の有志と食事をしていただきました。

 で、終わりましたのが、夜9時。

 でもここで終わるはずもなく、場所を移して呑み直し。あっと言う間に、夜も更けて11時に。

 それで、どうせここまで遅くなったのだから、もう少し粘って、「酉の市」に出かけよう、という話しになりました。

 11時半に二次会の店を出て、神社へ着くと、既に結構な人数が開門を待っています。

 今回は日曜の夜中に始まる「酉の市」でしたので、「人出が寂しいかも」と想像しましたが、余計なお世話だったようです。

 やはり「台彪会」の、三益酒店さんS姉妹とも偶然合流して行列。

 しばし行列する間に目に入ってきますのは、協賛の提灯です。

 中でも「浅草今半」さんと「米久」さんの提灯がたくさんあって目立ちます。

 「台彪会」幹事長のGさんから、

 来年は「ちんや」さんも張り合って提灯出さなきゃあ!

とハッパをかけられました。

 うーん、でも鷲神社は場所的に、国際通りの「浅草今半」さんや、ひさご通りの「米久」さんのテリトリーなんですよねえ。棲み分けしてるわけですね、一応。

 それはさて置き、私はこの、

 浅草で食事⇒二次会⇒移動⇒開門を待って、夜一番の「酉の市」

という展開をオススメさせていただいています。

 今回の二次会は、浅草の居酒屋でしたが、神社付近には屋台も出ていますから、そこで二次会でも良いでしょう。

 近年温暖化のせいか、夜中でも寒くないので、いい感じですよ。

 オススメしておきます。

 なお「三の酉」は11/26(土曜)です。金曜の夜中から土曜の夜中までですので、混み合うと思います。

 お出かけになるなら、お早めに。

追伸①

 11/17(木)放送の、NHKの番組「ブラタモリ」で「ちんや」が紹介されます。

 と言っても、すき焼きの話ではなくて狆の話し。今回のテーマは「江戸の動物」なのです。私も撮影されましたが、果たしてオンエアされるのか・・・

 放送時間は、午後10時からです。

追伸②

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

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