猪鍋

「料飲三田会」の2018年新春例会を開催しました。

私が会長になりまして、4回目の企画です。本年度前半は山ノ手っぽい例会が続きましたが、今回の担当は向島「きよし」の女将です。下町色たっぷりのお料理をお楽しみいただきました。

さて、その、下町色たっぷりの会場とは、両国の「ももんじや」さんです。

「ももんじや」は漢字で書くと「百獣屋」。享保3年(1718年)年のご創業以来十代にわたって、日本が誇るジビエ料理・猪鍋を継承して来られました。猪鍋は牛鍋・すき焼きの源流でもあります。

その猪鍋に合わせて、毎回日本酒を飲むことが実は私の会長としての公約なのですが、今回は「山の料理には山の酒を」ということで、長野県伊那市高遠町のお酒「黒松仙醸」を召し上がっていただきました。

当会会員で㈱仙醸を経営する黒河内さんが当日参加して下さいましたので、直に説明を聞きながら、頂戴しました。

そしてもちろん二次会は・・・

おかげ様で楽しかったです(自分が)

会員の皆様、次回もご期待下さい。

 

追伸

インターネットのぐるめ情報サイト「途中めし」にお採り上げいただきました。文は『孤独のグルメ』で有名な久住昌之先生です。ありがとうございました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.914日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

 

 

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大量廃棄

恵方巻の大量廃棄については、2年ほど前から耳にするようになりました。

当初は食品廃棄問題専門家?の方のご意見が報道されていて、それは勿論ご尤もなものでしたが、それほど拡散せず、しかし今年この件が大きく報道されたのは、たぶん、今年は当事者の方が「もうやめにしよう」と言ったからだと思います。

言ったのは兵庫県姫路市のスーパー・ヤマダストアーさんでした。

ヤマダストアーさんは、恵方巻自体を「やめにしよう」と言ったのではなく、

見込みによる生産をやめにしよう

と言ったのでした。

そして、その「見込み」自体も、見込みというより成長目標あるいは成長願望と言った方が良いものだったようです。

次から次へと、新しいアイデアや新しい素材の恵方巻をつくり、恵方巻商戦を盛り上げ、盛り上がる前提で大量「見込み」生産をして来たのが、これまでの恵方巻業界でした。

日本のコンビニは、精緻な需要予測システムを持っている、とか言ってきましたが、実際は恵方巻を大量廃棄しており、それをなんとかせねばと考えた結果、アルバイトさんに自腹購入を強要することになったのです。

恵方巻は予約制にするべきだと多くの人が言いましたが、コンビニ業界は耳を貸しませんでした。

限界が見えてきたと思います。

既にお気づきの方もおいでと思いますが、今日のこの話しは、とても根本的な問題です。

そもそも日本社会は、こんなにコンビニエントであるべきなのか、という根本的な問題です。

恵方巻だけでなく、普段から食品が消費期限切れでたくさん廃棄されています。精緻な需要予測システムを持っている、とか言ってきましたが、やっぱり廃棄されています。世界の大勢の難民を救える分量です。

思い起こしますと私が子供の頃は、そんなに便利な社会ではありませんでした。

当時学校の終業式の日とか節目の日でも母は「ちんや」の仕事があって、私と弟の食事をつくれないことがありました。

そんな時、母は同じ通りの鰻の「川松」さんに電話して、蒲焼を焼いてもらっていました。小1時間ほどで焼けますから、そのタイミングで走って取りに行き、私や弟に与えていました。

事前に電話をかけて、正確に出来上がる頃に行くのですから、コンビニエントではありません。予約なしで、いつでも自分の行ける時間に買えた方が、コンビニエントですが、その真逆です。

でも、良く考えたら、むしろその位不便な方が良いとおもいませんか。

その鰻のおかげで、とりあえず私と弟の二人は育ちました。

美味しく、しかしコンビニエントではない鰻のおかげです。その方が余程ハッピーかもしれませんよ。

 

追伸

インターネットのぐるめ情報サイト「途中めし」にお採り上げいただきました。文は『孤独のグルメ』で有名な久住昌之先生です。ありがとうございました。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.908日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

五段

将棋の藤井聡太四段が五段に成ったというニュースを視ていて、

おっ!

と思いました。

史上初の「中学生五段」を決めた対局は、持ち時間各6時間という長丁場ですから、当然昼食休憩がありますが、その昼食に藤井四段が選んだメニューが、

生たまご付きのカツカレーでした。

生たまご+カレー+肉は、弊店のカレーオイル卵と同じ構成ではないですか。

素晴らしい。

この組み合わせは旨いのです。

今後も勝ち続けること間違い無しと思います(笑い)

ちなみにですが、このカレーはカレー屋さんのカレーではなかったようです。報道によりますれば、

「藤井四段は東京・千駄ヶ谷にあり「将棋めし」として有名な蕎麦店「ほそ島や」に、ボリューム満点のを注文した。AbemaTVで食リポした藤田綾女流二段は、「お蕎麦やさんのカレーということで、お出汁がきいています。すごく甘みがあっておいしいです。カツはすごく大きくて、サクサクしていてすごくおいしいです。ボリュームがあるので長時間の持ち時間にはピッタリですね」とにこやかだった。」

「藤井四段はこのカツカレーを休憩から約17分の間に完食。対局場に戻る“早指し”で、五段昇段への臨戦態勢を整えていた。」とかですが、

うーむ。

早食いは、あんまり良くないかもですよ。

追伸

インターネットのぐるめ情報サイト「途中めし」にお採り上げいただきました。文は『孤独のグルメ』で有名な久住昌之先生です。ありがとうございました。

 

<これにて「適サシ肉宣言」関連の、これまでのメデイア掲載は以下↓の通りとなりました>

「文春オンライン」201728日より掲載

日本テレビ「スッキリ!!」29日放送

TBSテレビ「白熱ライブビビット」210日放送

テレビ朝日「スーパーJチャンネル」2101650分放送

東京新聞(特報面)212

TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」21210時放送

HBC 北海道放送「今日ドキッ!」2151544分放送

「肉メディア.com(インターネット)215日、文:松浦達也様

TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」216735分放送

産経新聞(生活面)221

日刊ゲンダイ224日掲載

「おとなの週末」(雑誌、講談社)20173月号掲載

FMえどがわ(84.3MHz32日放送

読売テレビ「そこまで言って委員会」312日放送

テレビ朝日「週刊ニュースリーダー」325日朝6時放送

TBSテレビ「ぴったんこカン☆カン」3311956分放送

「ワインホワット!?」(ワイン専門誌)20175月号掲載

NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4132015分放送

ブーストマガジン(インターネット)512日(前編)、19日(後編)

テレビ東京「和風総本家」518日放送

「婦人画報」(雑誌)20177月号「世界が恋するWASHOKU」特集

「健康保険」(健康保険組合連合会発行)20176月号、文:山本謙治様

dancyu20178月号、「美味東京」特集

「文芸春秋」20178月号、「この人の月間日記」、文:中野信子様

TBSテレビ「テッペン!『友だち+プラス』」8123:56放送

単行本『くらべる値段』、2017818日刊行、東京書籍、著者:おかべたかし様

雑誌「だいごみ」、2017年秋号、「地方創生支援協会」刊行

インターネット「食べたり買ったり作ったり~レストランガイド編集長の日常」(扶桑社、筆者:大木淳夫さま)

BS-TBSテレビ「サタデードキュメント」930日午前1000分放送

雑誌「Hanako1144号(20171019日刊行)

BSフジテレビ『極皿~食の因数分解』129日午後600分放送(ご出演:久住昌之さま)

雑誌「MetroWalker2017年冬号(東京メトロ)

朝日新聞1220日夕刊「(あのとき・それから)1944年 和牛の誕生 サシ重視、偏る種牛に危機感も」(文:向笠千恵子様)

インターネット『NEWS ポストセブン』「ブランドや等級に縛られない肉の多様化が定着 好みで選択可」(文:松浦達也さま)1230日配信

インターネット『Rettyグルメニュース』「平成生まれがゆく「東京名店物語」」(文:山口祐加さま)201815日配信

読売新聞2018116日夕刊社会面「和牛「脱霜降り」…脂肪抑えた「適サシ」人気 農家赤身多め「健康牛」

夕刊フジ【肉道場入門!】2018116

雑誌『東京ウォーカー』20182月号

フジテレビ「発見!ニッポンの肉2018 ~最新&最強の激ウマ大捜査SP~」20181211900分放送

dancyu20183月号、「プロが認めた味」(広告企画)

インターネット「途中めし」(文:久住昌之さま)

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.902日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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食の絶滅危惧種

dancyu」3月号に載せていただきました。

広告企画「プロが認めた味」の中ではありますが、「dancyu」の社員さんが取材に見えたので、うまい店と思ってくれてはいるのでしょう。ありがとうございました。

で、その号の記事本体のメインは「日本酒 いまさらですが、何を飲めばいいんですか?」

いやいや、全部飲みたいですな。

もう一つの、私が気になった記事は、

連載「食の絶滅危惧種」第七回 アサクサ種の海苔

でした。

戦前広く食べられていたアサクサ種の海苔が衰えて、全収穫量の1%程度になり、今はスサビ種は主流であることは、以前弊ブログの2012531日号に書きました。アサクサは病気に弱く、成長速度が今一つだったからです。

ブログに書いた時点では弊店の売店で、東京湾のアサクサ種の海苔を売っていたのですが、今は仕入れが途絶え欠品が続いています。残念なことです。

今回の記事は、そのアサクサ種の養殖に有明海で取り組んでおられる島内啓次さんを特集したものです。

品種の正式な学名に「浅草」と付いている食べものは、他に在りませんし、かつては上方の神社にも奉納されていた由緒あるものです。頑張っていただきたいものだと思います。

dancyu」は本日6日発売です。

 

<これにて「適サシ肉宣言」関連の、これまでのメデイア掲載は以下↓の通りとなりました>

「文春オンライン」201728日より掲載

日本テレビ「スッキリ!!」29日放送

TBSテレビ「白熱ライブビビット」210日放送

テレビ朝日「スーパーJチャンネル」2101650分放送

東京新聞(特報面)212

TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」21210時放送

HBC 北海道放送「今日ドキッ!」2151544分放送

「肉メディア.com(インターネット)215日、文:松浦達也様

TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」216735分放送

産経新聞(生活面)221

日刊ゲンダイ224日掲載

「おとなの週末」(雑誌、講談社)20173月号掲載

FMえどがわ(84.3MHz32日放送

読売テレビ「そこまで言って委員会」312日放送

テレビ朝日「週刊ニュースリーダー」325日朝6時放送

TBSテレビ「ぴったんこカン☆カン」3311956分放送

「ワインホワット!?」(ワイン専門誌)20175月号掲載

NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4132015分放送

ブーストマガジン(インターネット)512日(前編)、19日(後編)

テレビ東京「和風総本家」518日放送

「婦人画報」(雑誌)20177月号「世界が恋するWASHOKU」特集

「健康保険」(健康保険組合連合会発行)20176月号、文:山本謙治様

dancyu20178月号、「美味東京」特集

「文芸春秋」20178月号、「この人の月間日記」、文:中野信子様

TBSテレビ「テッペン!『友だち+プラス』」8123:56放送

単行本『くらべる値段』、2017818日刊行、東京書籍、著者:おかべたかし様

雑誌「だいごみ」、2017年秋号、「地方創生支援協会」刊行

インターネット「食べたり買ったり作ったり~レストランガイド編集長の日常」(扶桑社、筆者:大木淳夫さま)

BS-TBSテレビ「サタデードキュメント」930日午前1000分放送

雑誌「Hanako1144号(20171019日刊行)

BSフジテレビ『極皿~食の因数分解』129日午後600分放送(ご出演:久住昌之さま)

雑誌「MetroWalker2017年冬号(東京メトロ)

朝日新聞1220日夕刊「(あのとき・それから)1944年 和牛の誕生 サシ重視、偏る種牛に危機感も」(文:向笠千恵子様)

インターネット『NEWS ポストセブン』「ブランドや等級に縛られない肉の多様化が定着 好みで選択可」(文:松浦達也さま)1230日配信

インターネット『Rettyグルメニュース』「平成生まれがゆく「東京名店物語」」(文:山口祐加さま)201815日配信

読売新聞2018116日夕刊社会面「和牛「脱霜降り」…脂肪抑えた「適サシ」人気 農家赤身多め「健康牛」

夕刊フジ【肉道場入門!】2018116

雑誌『東京ウォーカー』20182月号

フジテレビ「発見!ニッポンの肉2018 ~最新&最強の激ウマ大捜査SP~」20181211900分放送

dancyu20183月号、「プロが認めた味」(広告企画)

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.901日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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春菊卵②

昨日に続いて「春菊卵」の件です。

新たな「変わり卵」として開発中の「春菊卵」を、先日開催しました「この辺りでもう一度肉のことを考えてみる会」に出してみました。

だいたい好評で安心しました。

保存性が悪いので、すぐに営業に使うことは考えないといけないのですが、可能性は確認できました。

ところで今日は何でまた、こんなことを考えたのか、です。

春菊の苦みで味にアクセントを付けるというのが第一の趣旨ですが、もう一つの趣旨もありまして、それは、今時の春菊を活かす方策でもあるからです。

最近の品種改良で春菊は、やわらかく+苦くなくなりました。迫力が無いのです。

私などは苦みも足りなく感じますし、鍋に入れるとすぐ縮んでしまって、存在感が希薄です。

NPO法人野菜と文化のフォーラムさんが取りまとめた「野菜のおいしさ検討委員会」というサイトでも、

「最近の野菜は概して本来の野菜らしさがなくなった」という声が多数寄せられています。

・苦味が評価されにくくなっている。

・本来野菜が持っている苦味や辛みや甘味が薄れ、ただ単に甘味の強い野菜が増えて来ている。

・臭いや苦味、辛さが減少し、甘さが増している。

・かたいものが嫌われている。

・総じて軟化し煮えやすくもなったがしっかりした歯ごたえ、噛みごたえのあるものがなくなった。

・煮えやすくなったのは時間的には助かるが、組織の結着力が脆弱で、野菜の力強さがなくなり、栄養成分にも影響があるのではないかと気になる。

・食べやすさを追求することが野菜らしさを失わせていると思う。

まったく、そうだと私も思います。

春菊にはホウレン草ほどではないものの、アクの成分であるシュウ酸が含まれていて、これを嫌う人がいるため、万人ウケするよう改良されてきたのです。

でも、それって、「らしさ」を失わせることでもありますよね。

A5等級にするために血道をあげ、肉らしさを失わせてしまった畜産業と酷似しています。

「らしさ」というキーワードで「適サシ肉宣言」と「春菊卵」はつながっています。

この食べ方を普及させたいものだと思います。

 

追伸、「適サシ肉の日」

日本記念日協会さん公認の記念日に成りました。

昨年私が「適サシ肉宣言」をした1月15日です。お見知りおきを。

「記念日制定の由来」は以下の通りです。

「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.900日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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享保の会

「享保の会」で弊店で開催していただきました。

「享保の会」は、その名の通り、享保年間(17161735)ご創業の老舗企業さんが、

「約300年にわたり支えてきてくださったお客様・取引先の皆様への感謝と、伝統の次世代への継承に対する思い」

をこめて数ヶ月に一度のペースで企画をしておられる、楽しくも美味しい会です。これまで名店を会場に回を重ねて来られましたが、今回弊店をご指名いただいた次第です。在り難いことです。

主催なさっているのは、

青木酒造さん=銘柄「鶴齢」が有名な、新潟県魚沼の酒蔵さん

竹本油脂さん=「マルホン油」が有名な油脂メーカーさん

島商さん=江戸で有力な油問屋さん

運営協力は「ジャパントラディショナルカルチャーラボ」さんです。

まずもって、酒は「鶴齢」。

そして、料理に「マルホン」を使うこと、という御題がありました。

当然油を使うのは、弊店独自のカレーオイル卵です。島商さんは結構なオリーブオイルもお持ちなのですが、今回は「享保の会」なので、そちらは封印。「マルホン」の「太白」の方で、カレーオイル卵を作り、あとから「焙煎」も客席に回して、お好みで加えていただく、という趣向に致しました。

当日は、寒い日でしたので、土鍋を会場に持ち込んで、「鶴齢」を湯煎で燗。

いやいや、けっこう、飲んじゃったなあ。

うーい、ひっく。

 

追伸、「適サシ肉の日」

日本記念日協会さん公認の記念日に成りました。

昨年私が「適サシ肉宣言」をした1月15日です。お見知りおきを。

「記念日制定の由来」は以下の通りです。

「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.895連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

古典芸能・最新形②

年始に、Eテレで邦楽の番組をやっていたので、視ていますと、それは

「すごいぞにっぽん!古典芸能・最新形」という番組でした。邦楽の革新に取り組んでいる方々を特集した番組のようでした。

その内容は、昨日の弊ブログに書きましたが、この番組でそれとは別に私が、

そう!そう!と思ったことがありました。それは、コメンテイターとして出演していた、バレエの草刈民代さんのコメントです。草刈さんは、

伝統の革新に取り組んでいると、伝統の本質に気づく場合があると思います。

とコメントなさっていました。至言と思います。

そして伝統料理にも、同じことが言えると思います。私のカレー卵やヨーグルト卵もそうです。

味や提供方法を変えてみると、旨さの本体が何だったか、そこで分かることがあるのです。遅いぞ、と言われそうですが、そこで初めて分かることがあるのです。

料理の世界を俯瞰しますると、だいたいは、

伝統的=美味しい

と言えます。味って人間存在の根本に繋がっていますからね。

でも、歴史に偶然が付きものであるように、料理の世界にも偶然が作った伝統があります。

例えば、土用の丑の日。

本当は、鰻の旬は冬眠に備えて身に養分を貯える晩秋から初冬にかけての時期で、それに比べて夏のものはベストではないそうですが、平賀源内(あるいは大田南畝)の入れ知恵で、鰻=土用の丑の日となって、それが立派な伝統になりました。

それはそれで結構なのですが、鰻の美味しさの本体を考える場合には、丑の日の件は頭から除外した方が良いということになります。

話しを戻しますが、私は、すき焼きの卵の味を変化させてみて、それで初めて、そうした変化に動じない肉の味の本体を認識することになりました。

それで、2017115日の「適サシ肉宣言」には、卵の件が付いているのです。

あれから一年。

そういうわけで、今日は日本全国

「適サシ肉の日」です(笑い)

「日本記念日協会」さんにも認定していただきました。

ちなみに「制定の由来」は、

「20171 15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」

 

まだまだ、この件で怒涛の日々は続きそうです。

 

追伸

インターネットの『Rettyグルメニュース』「平成生まれがゆく「東京名店物語」」にお採り上げいただきました。

文は平成生まれの山口祐加さん。若い方が老舗店に関心を持って下さるのは、嬉しいですね。是非ご覧ください。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.879連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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鶏むね肉ブーム

空前の鶏むね肉ブーム到来!

なんだそうです。

「食生活ジャーナリストの会」が選んだ、2017年「食の十大ニュース」では8位にランク・インしていました。ネットでも鶏むね肉レシピをよくみかけます。

最近どうも、こういう特定の部位に拘る話題が多いように思います。牛肉の場合「ミスジ」とか「ザブトン」とか。部位よりさらに細かい「小割り」を話題にしています。もっとも牛の場合は健康面より味の面ですけどね。

産地に拘るのが一段落したので、次に拘る先を求めて、部位に行き着いたのでしょうか。

私は、そんなことより育て方に拘るべきだと思うんですよね。

残念な育てられ方をした牛さんの、ミスジだけを取り出しても、美味しくはありませんよ。

さも貴重なように勧める人がいるかもしれませんけど、美味しくはありませんよ。

ひょっとして、残念な育て方の肉を、なんとか売り捌こうと知恵をしぼった結果が、これなのかもしれないなあ、と私は思ってしまいます。

勘ぐり過ぎですかねえ。そうだったら、ごめんなさい。

 

追伸

インターネットの『Rettyグルメニュース』「平成生まれがゆく「東京名店物語」」にお採り上げいただきました。

文は平成生まれの山口祐加さん。若い方が老舗店に関心を持って下さるのは、嬉しいですね。是非ご覧ください。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.874連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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薬味

旧臘2017年の前半は、ひたすら「適サシ」一辺倒でしたが、年末に入りまして「変わりタマゴ」の件も話題にしてもらえるようになりました。

例えば129日放送の『極皿~食の因数分解』(BSフジ)もそうでした。この放送の中で、「かっこいいスキヤキ」「孤独のグルメ」の原作者・久住昌之さんが、「ちんや」のカレーたまご、ヨーグルトたまごを面白がって下さって、「ありだね!」と言って下さいました。

それで、というわけではないのですが、久住さんの「食い意地クン」(新潮文庫)を再度読んでみたら、新たな発見がありました。

その発見があったのは「納豆」の章です。

ラーメン、とんかつのイメージが強い久住さんですが、納豆もお好きで、

「納豆のおいしさがわからないなんて、日本語が通じないようなものだ」とまで書いています。

そして私が面白いと思ったのは、ここから薬味の話しに入っていく点です。

久住さんがお好きな薬味は、

刻みネギ

大根おろし

練りカラシ

削り節

そもそも旨味の濃い納豆に対して、

刻みネギ、大根おろしは苦みを加える行為です。

練りカラシは辛みを加える行為です。

削り節は、他の旨味を加える行為です。

そして、この他の薬味については、

「刻んだお新香を入れる人、海苔や青海苔を入れる人、梅干しをちぎって入れる人、それそれに「はいはいご苦労様」とほほ笑んでうなずいて労をねぎらいたい。おいしいのは知っている。もちろん経験はある。あれ、いいよね。どうぞどうぞ。」と書かれています。

この感覚がおありだからこそ、カレーたまご、ヨーグルトたまごも「ありだね!」だったのだと思います。

納豆にお新香とは、納豆菌が作った旨味に、乳酸発酵した野菜を加える行為であり、

すき焼きにヨーグルトとは、熟成によって出来た旨味に、乳酸発酵した牛乳を加える行為であって、驚くほど似ています。

収録前、ラーメン・とんかつの久住さんが、カレーたまご、ヨーグルトたまごをどう思うか、私には多少の不安があったですが、この「納豆」をしっかり読んでいれば、その不安は持つ必要がまったくなかったということになりますね。不勉強でした。

これまで薬味とはあまり御縁がなく過ごしてきた私ですが、2018年は、薬味=変わりたまごにも目配りする年にしようと思います。

引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 

追伸

インターネットの『Rettyグルメニュース』「平成生まれがゆく「東京名店物語」」にお採り上げいただきました。

文は平成生まれの山口祐加さん。若い方が老舗店に関心を持って下さるのは、嬉しいですね。是非ご覧ください。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.873連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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大寒卵2018

好評につき、「大寒卵」が戻って来ました。

今年の「大寒」は1/20です。風水は、大寒の日に産まれた卵を食べることを勧めているとかで、それを「大寒卵」と言うそうです。

これを、あながち迷信と片づけない方が良いと思います。 寒い時期に産まれた卵は栄養価が高いからです。 大寒は一年で最も寒さが厳しくなる頃です。鶏はその寒さで本能的に産卵数が少なくなりますので、その中でも産まれた卵は、必然的に栄養価が高まります。

風水が面白いのは、それを金運と結びつけたところです。 「大寒の日に産まれた卵を食べると金運が上昇する」と言うのだそうです。 ただ「健康に良い」と言うより、そちらの方がそそられますね。上手いことを考えたもんです。会社の社員さんに一個ずつ配るとかしたら面白いと思います。

さて今年も「ちんや」精肉売店で、この大寒卵を販売します。

寒い所の卵が良いわけですから、特に寒い所=日本海の風雪を浴びるような所で鶏を育てている養鶏場から卵を取り寄せることにしました。 その養鶏場は、新潟県村上市の「オークリッチ」さん。

既に予約を受け付けていますので、「今年は一旗・・・」と心に決めておいでの方は、どうぞお急ぎ下さい。

 

追伸

インターネットの『Rettyグルメニュース』「平成生まれがゆく「東京名店物語」」にお採り上げいただきました。

文は平成生まれの山口祐加さん。若い方が老舗店に関心を持って下さるのは、嬉しいですね。是非ご覧ください。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.870連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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