安楽死を遂げた日本人

すき焼きというのは、人生の節目にあるような、特別な食べ物です。
「ちんや」が一般の皆様から募集した「すき焼き思い出ストーリー」の中には「最後の外泊」という一本がありましたが、これは、癌で入院中だった筆者のお母さまが大晦日に外泊を許されて自宅に戻ったとき、家族みんなですき焼きを囲んだという話しでした。
最後の晩餐として、すき焼きを食べるという話しを、最近私はもう一本ネットで見つけましたが、それは安楽死に関わる、ややショッキングな話しでした。
その、すき焼きの話しは『安楽死を遂げた日本人』(宮下洋一著、小学館)に出てくるそうでます。
「多系統萎縮症」という神経の難病を患った51歳の女性が、安楽死が認められているスイスに渡って実行しますが、その前に新潟の実家に帰って食べた料理が、すき焼きだったという話しでした。
その時点で女性は、上手に食事を出来なくなっており、まず、
卵を、中身が潰れてしまうほど、強く割ってしまいます。次に、
肉を菜箸でつかもうとしたが、肉を剥がせない。
割り下もこぼしてしまう。
それでも一同は「いい肉は口の中でトロけるね、ありがとう」と口々に褒めて、感動的な時間になったと言います。
その1年後に、女性は立って歩くのが難しくなり、やがてスイスで安楽死を選びます。
すき焼きというのは、人生の節目にあるような、特別な食べ物です。こういう文を読むと、心して関わっていかねばと思います。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)