デリカシー

取引先の銀行が出している雑誌に、大学同期の噺家・立川談慶君がコラムを連載しています。題して、
「人生、なんとかなる!」
もう48回も続いていますから、ご立派と思うと同時に、銀行の雑誌で「なんとかなる」というのは、実に在り難い銀行だと思う次第ですが、それはさて置きまして、今回の御題は、
「金持ち」より「デリカシー持ち」 
同期君曰く、
・落語は、口調と顔の表情だけで話を展開させるもの
・落語は、高度なデリカシーを持たないと把握できないもの
・江戸っ子のデリカシー気質が落語という芸を進化させた
江戸っ子というと、粗暴なイメージを持つ人も多いかと思いますが、実は他人の気持ちを慮るよう訓練されていました。
長屋というプライバシーが保てない所に密集して住んでいたから、自然とそう訓練されたわけです。「聞こえたけど聞こえないふり」「見たけど見てないふり」もそれですね。
同期君によれば、彼は修業時代に談志師匠に対して、そういったデリカシーのある対応が出来なかった為に9年半も前座にとどまったんだとか。だとしたら、実に有益な修行期間だと思います。
「金持ち」より「デリカシー持ち」
至言と思います。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)