2019年6月13日
ドーバーソール
国際観光日本レストラン協会の理事会が上野公園の精養軒さんで開催されましたので、参加しました。もちろん、その後の食事会にも参加させていただきました。
精養軒さんは、そもそも1872年に、明治の元勲・三条実美や岩倉具視の援助により、築地に「西洋館ホテル」として創業。その築地の建物は関東大震災で燃えてしまいますが、それ以前に上野公園に出していた支店を中心に今日まで発展してこられました。
オーソドックスなフランス料理を頂戴して、結構と思いました。
が、
「オーソドックス」とは何?とあらためて聞かれたら、私は答えられるわけではありません。
では、どこがオーソドックスな感じがしたのでしょう?
食材を世界から集めている点かもしれません。
最近でこそ、国産の「顔の見える食材」を使うことが、フレンチでも多くなりましたが、かつては高級なフランス料理屋では、食材は世界的に有名なものが珍重されました。
例えば今回、
ドーバーソールのタラバ蟹巻き
という一品が出ましたが、ドーバーソールとは何でしょう?
シタビラメに似たカレイ目の魚で、ドーバー海峡のドーバー港に水上げされるものが有名なので、「ドーバーソール」と言われているそうですが、食べ手に、世界の名産の知識がないとメニューに入れても面白くはないですよね。
昔のフランス料理には、そういう常識、そういうノリがありました。
しかし最近では、どちらかと言うと、国産の、「○○町の△山□彦さんが育てた」食材が珍重されますね。業界の感覚もだいぶ変わったものだなあ、と思った一夜でした。
御馳走様でした。
追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。