パクチーブーム
「ちんや」のサイトへどういうキーワード検索で入ってきている人が多いのか、継続的に観察しています。
そこで気づくことは「老舗」が多くはないことです。自店は老舗なりと自認している方も多かろうと思いますが、実は「老舗」は消費者にさほど訴求していないことが分かります。
相撲協会さんの影響かもしれません。ええ、冗談抜きに、「伝統!」「文化!」と声高に言う人に違和感を感じる人が多いのかもしれません。
実際、不可解な商慣行を説明するのに、「伝統なので」「昔からこうなので」と言ってしまう人は多いです。単にそうなった理由を良く分かっていないだけなのに、それを誤魔化すために「伝統なので」と言ってしまうのです。今後は、その伝統が確立された理由までちゃんと分かっていないと世間の理解は得られないと思います。
が、それはさて置きまして、今日は「老舗」があんまり検索されていない件です。
世間は「老舗」をあんまり検索していないというのに、店の側は「創業138年!」から入ろうといます。だから、そこにミスマッチが起きるのです、悲しいですけどね。
もちろん「老舗」が有効な時期もあります。
例えば、春休み。
この時期は、合格祝い、入学祝い、就職祝い、栄転祝いの時期で、今年も多くのお客様に、そういう理由で「ちんや」をお訪ねいただきました。学校の同期生が、そのような理由で3組、同じ日に来てくれたこともありましたが、そういう機会には「老舗」はかなり有効です。
だって、自分が入学祝いをしてもらった店が、次の年になくなっていたら悲しいですからね。継続しそうな店を選ぶのは自然な心理と言えましょう。
おりしも「パクチーブームを牽引した店」が閉店したと聞きます。
パクチーは香味野菜であって、モリモリ食べるものではないと私は思うのですが、そのお店さんは世界初のパクチー料理専門店でした。2007年にオープンして今年閉店ですから、まあ、10年です。
「ブームの店」としては長くおやりなった方だと思いますが、それでも10年です。合格祝い、就職祝いに使う人は少なかったろうと想像します。
だから「老舗」は、やはり有効ではあるのですが、それでも通年では、あまりインパクトがないようです。少し工夫が必要なのだろうな、と考える今日この頃です。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.966連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。