お金を選ぶか、文化を選ぶか
こういう言いづらいことを言ってのけて、人の恨みを買わないというのは、流石「浅草キッド」です。
ビートたけしさんがTV番組「ビートたけしのTVタックル」の中で、激増している迷惑外国人観光客の問題について、以下のように述べたそうです・・・
「お金を選ぶか、文化を選ぶか、ってことだろうな。目先の観光客いっぱい入れて、あぶく銭もらって、下町やなんかの我々の文化をあまり傷つけられたくないな、って気持ちはかなりあるね。」
「何もオレは国際化ってのが素晴らしいとは思わないしね」
同じ内容を私が言ったら炎上でしょうが、そうならないのは流石です。
この真逆の意見もあります。文化を維持するために、外国人観光客のもたらす金が要る、という意見です。
例えば、イギリス出身で小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソンさんが書いた『新・観光立国論』(2015年)。日本の地方経済は疲弊していて、以前のように地方の文化を維持できないのだから、外国人観光客を受け入れるしか、文化を護る道はないという意見です。
たしかに地方では、「お金を選ぶか、文化を選ぶか」ではないのだろうと思います。
しかし残念ながら、外国人観光客はそう簡単に地方には行かないだろうと私は思います。フランスが人口以上の観光客を受け入れても問題ないのは、他国と地続きで、何方向から入国できるからです。
対する日本は、成田・羽田・関空・中部国際からしか入らないのですから、日本国内をあまねく回遊させるのは、なかなか困難と思います。
浅草の中ですら、回遊しないんですから。
結局有名なスポットに、桜の咲いている場所に、外国人は殺到します。
あの危険な「マリカー」も長蛇の戦隊を組んで雷門通りへと侵入してきます。
受け入れる現場は疲弊します。
一方、外国人専門のような店が開店します。
だから花見の時季の浅草に限って言えば、
「お金を選ぶか、文化を選ぶか、ってことだろうな。」
がリアルな体感に近いと断言できます。
かなり語弊のある発言ですが、
そう、そう!
と頷いてしまう人は多いと思います。
南観世音菩薩。
追伸
先日「東都のれん会」さんのご依頼により、日本橋三越本店でトークショーをさせていただきました。催事『江戸東京味・技めぐり』を盛り上げるためでした。
演題は【意外と知らないお肉の話しー肉選びの目線が変わります】
動画が撮ってありますので、こちらからご覧ください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.961連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。