抑制効果

すき焼きって、

甘辛旨! その一辺倒の料理です。

この単調さが永いこと、私の悩みの種でした。

しかし最近私は、この甘辛旨!が利点にも成り得ると考えはじめました。

甘辛旨が強烈だと、酸!苦!も同時に美味しく食べられてしまうのです。

この現象を「味の抑制効果」と申します。

例えば苦~いコーヒーを、佐藤を入れると美味しく飲めてしまいますね、いや、間違えた、砂糖を入れると美味しく飲めてしまいますね。

砂糖を入れたからといって、コーヒーに元々ある苦味物質・カフェインがなくなるわけではありません。しかし苦味と甘みが併存することで、味が抑制されて美味しく飲めてしまうのです。

次にすき焼きに於ける「抑制効果」の事例ですが、「ちんや」のすき焼きに付け合わせとして付けてあるピクルスは、それだけで食べると結構、酸っぱいです。酸っぱ過ぎると感じる方もいると思います。

しかし、すき焼きと一緒だと美味しく食べられてしまいます。味が抑制されるからです。

人が甘辛旨酸苦の五味を揃えて摂取することの重要性は、今更ここで指摘しなくてもと思いますが、酸っぱいものって、あんまり食べたくはないものです。それが、すき焼きと一緒だと美味しく食べられてしまうのです。

すんばらしい。

すき焼きと一緒だと苦味も美味しく摂れます。

例えば、春菊が入っていますが、あれを食用にしているのは東アジアの人々だけです。

西洋人は、菊なんて苦くて食えたものではない・観賞用だと思っていますので、彼らには春菊のことは、

Edible Chrysanthemum Leaves

つまり「食べられる菊」と説明しないといけませんが、そう、このような苦いものが、すき焼きと一緒だと食べられてしまうのです。

すんばらしい。

私なぞは春菊をムシャムシャ生食してしまいます。

苦味ばしって、すき焼きの甘辛旨を抑制して最高だ!というだけでなく、他所のすき焼き屋さんに行って、これをやると係の仲居さんが目を白黒させて驚くので愉快です。ひひひひ。

あ、もちろん、この行為は食品衛生上はNG行為です。

加熱用の食材を、生食するのは安全とは言えないので、こういうことをする前提として、仮に腹が痛くなったとしても決してクレームをつけない・保健所に通報しないという決意を固めておくことが必要です。

さて話しを戻しますが、

このようにすき焼きには強い「味の抑制効果」が在りますので、これを利用して、お客様に酸味・苦味を摂っていただくこと、それを弊社の大方針に据えたいと考えています。それが善だからです。

ここでいきなり「善だ」などと言ったのは、最近この「抑制効果」を善からざる目的に利用している輩が目につくからです。

それは、日本スペイン交流400周年で流行りの、スペイン・バル。

料理が全てしょっぱいです。

スペイン人って、あんなにしょっぱいものが好きなんでしょうか。勿論違いますね。

ワインの酸味が料理の塩味を抑制して美味しく食べられることを狙っている、つまり、

ワインをたくさん呑みたくなる⇒呑ませて売り上げを造ることを狙っているのです。

流行りを追って参入してきた連中の考えそうなことです。

ワイン好きの方なら、あの料理でも、まあ、良いのでしょうが、下戸の人が行くと悲惨です。

スペインという国についてゲンメツしてしまう可能性すらあります。国家間の友好関係を損ないます。

これが交流400周年の成果とは。トホホですね。

支倉常長も嘆きましょう。

 

追伸

すき焼き思い出ストーリーの投稿を募集しています。

すき焼きは文明開化の昔から、日本人の思い出の中に生きてきた料理です。でも残念ながら、その思い出話しをまとめて保存したことはなかったように思います。

ご投稿くださったものは、「ちんや」創業135周年を記念して本に纏め、今後店の歴史の資料として、すき焼き文化の資料として、末永く保存させていただきます。

どうぞ、世界に一つだけの、すき焼きストーリーを是非、私に教えて下さい。

既にご応募いただいた、50本のストーリーはこちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.937日連続更新を達成しました。

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武勇伝

国際観光日本レストラン協会の総会が伊東市の「盧歓談(ロカンダ)」さんでありましたので、出席してきました。

「盧歓談」さんの御料理は勿論大変結構で、「盧歓談」の若社長が連れて行ってくれた、二次会のトリスバーも結構な風情でしたが、あまり結構と思えなかったこともありまして、それは伊東の街の人出です。

オフシーズンの平日の夜なので、その点は割り引かないといけないと思いますが、それにしても人が歩いていませんでした。

最近は旅館が客を「囲い込み」ますからねえ。

二次会のカラオケはもちろん、

三次会のラーメン屋まで旅館の中に造られていることが多くなりました。

これでは客は夜の温泉街に出て行きません。外へ行くのは昼に限られてしまいますよね。

伊東と言えば、現在80歳位の男性の皆さんにとっては、ハッキリ申して、遊びに行く所(=歓楽街)でした。

近江俊郎の「湯の町エレジー」がヒットしたのは昭和23年(1948年)です。

その世代の大先輩方の武勇伝~ここには書けないような話し~を拝聴するのが、私はとても好きなのですが、そういう勢いは今の伊東にはありません。

なんでも、伊東は今「ファミリー・リゾート」を目指しているのだそうです。

この言葉を聞いて、私は絶句してしまいました。かつてのイメージと懸け離れているからです。

しかし、ここで私は反省しました。地元の人々がファミリーという方向性をお持ちなのであれば、余所者がゴチャゴチャ言うべきではありません。夜の街に人がいなくても、昼の街にいれば良いと思います、はい、私も。

でも、私は今後も大先輩方と飲む時は武勇伝を聞かせていただこうと思います。

少し煽ることもあると思います。

先輩方が本当に嬉しそうに話すからです。

そう、伊東の話しが好きというより、嬉しそうに話す光景が好きなんだろうと思います。

ですので、現在の伊東にリアルに関わっている皆さんは、その武勇伝のネタが伊東であったとしても、気分を害さないでいただきたいと思います。

今後「ファミリー」で成功すれば、昔の話しを笑い飛ばせる日が来ることでしょう。

♪夢を慕いて散る涙 今宵ギターも むせび泣く♪

追伸

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選挙権

選挙権年齢を現行の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案が、衆議院で可決され、参議院に送られました。

この法改正によって生まれる新たな有権者は約240万人だそうです。

早ければ来年夏の参院選から引き下げられるそうですが、この大改革、いったい大丈夫なんでしょうか?

今時の18歳を大人扱いするなんて、皆不安に決まっています。しかし、

「少子高齢化の日本では高齢者の意見が政治に反映されやすい。若い世代の声をより政治に反映させていくためにも、18歳選挙権は必要になってくる」と主張する方もおいでのようです。

実際政治家の中には、現時点の高齢者こそが大票田と考えて、そちらにウケることばかり言う先生もいるようで、そういう政治の在り方(=「シルバー・デモクラシー」)を改めるには、若者に投票させることが必要だと聞きました。

「大阪都構想」も、年配者の手で葬られたと解説されています。

成功するかどうか分からない改革に賭けるより、現状が数年だけでも維持されれば良いと年配者は考えがちかもしれません。そういう発想の人々にハシモトさんは嫌われたと解説されています。

このまま将来を見据えた改革が先送りにされ続ければ、国全体が沈んで行くから、若者に投票させるべきだ!という考え方は分からないでもないです。

しかしです、そういう意見の人が見逃していることもあると、私は思っています。

見逃していることとは、

日本は世界一老舗店が多い国であること。

老舗店では、年配者が将来を見据えた改革・自分の存命中に成果の出ない改革を行っていること

の2点です。

そう、年配者にも改革は出来ます。

自分が継承した会社・店をより良くして次世代に渡そうと考えている人がたくさん居るのが、この国です。天災ばかりが多い国なのに、素晴らしい国に成っている理由はそれだと私は考えています。

一人の一生で完結と考える世界観の下では年配者は改革を好まない「抵抗勢力」なのでしょうが、老舗的世界観の下では年配者も改革を進んで実行します。

私自身に関して言えば、現在社長在任14年目、「ちんや」に入って20年目ですが、これからが改革の季節だと考えています。

だから、私が思いますことは、改革すべきは今時の年配者の心底だということです。

老舗的な年配者を励まし増やす改革こそ大事なのであって、右も左も分からない今時の18歳を単純に国づくりに関与させる「改革」って、どうなのかなと思います。

だいたいですよ、「選挙権」というキーワードをニュース検索に入れたらば、上位はAKBの選挙権ばっかりです。

AKBの選挙権は日本人以外に与えられて良いのか、

海外の票が2割に達していても、それでOKなのか、

若い方々は、そっちを真剣に議論してはいかがでしょう。

 

追伸

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木村荘平の正体

テレビの取材で木村荘平について語って欲しいと言われ出演しました。(放送は未だです)

でも時間を秒単位でしかいただけないテレビのこと、また内容的にも制約があって、まったく説明不足に終わったと思います。ですので、この場で捕捉しておきたいと思います。

まず、木村荘平についてご存知ない方は、私のブログの以下↓の号を読んでいただきまして、その後でこの文を読んでいただきたいと存じます。

2013年4月27日号

2013年6月4日号

2014年7月11日号

2014年7月12日号

さて、木村荘平は、日本初の牛鍋チェーン「いろは」を築いた人物です。

20店ほどの店の店長として、自分の妾を据えたことで大変有名ですが、今回の話題は荘平が何故チェーンを築けたか、ということでした。

その理由を番組では「本部一括仕入れ・薄利多売」に求めていました。

この回答は、まあ、当らずと言えども遠からず、という感じです。

荘平の正体は、牛鍋チェーンを展開した人というより、東京の家畜市場(屠殺場)を、政治力を使って独占的に支配した男というのが正しい姿です。

川上を支配したからこそのチェーンであったのであって、単なる一括仕入れではありません。

本来ならば、

荘平は明治政府の薩摩閥にコネ(「貸し」)があった。

薩摩閥が警視庁を支配していた。

その警視庁が家畜市場を支配していた。

という時代背景を押さえないとスッキリ分からない話しなのですが、

それを説明する時間は無いし、

またそういうことを伝える番組ではないし、

昼間のお子さんも視る気軽な番組だし、

むしろ現代のチェーン・レストランと比較して話した方が分かり易いということで「本部一括仕入れ・薄利多売」と成った次第です。

そう、藩閥とか妾とか屠殺とか、気軽な番組には合わない話題が満載なんですよね、荘平は。

だいたい「妾」は放送NGです。「愛人」ならOKですが、妾と愛人は違いますよね。

いつか深夜番組とかで、全部言ってOKな番組があれば、再度出てみたいですね。

局の方、ご検討下さい。

追伸

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イルカ漁

イルカの「追い込み漁」を「残酷だ!」と考える世界動物園水族館協会(WAZA)から、日本動物園水族館協会(JAZA)が除名されかかりました。

結局、JAZAは「追い込み漁」で捕獲されたイルカの入手を停止することに決め⇒WAZAに残留することを決定。しかし、それを不服とする一部の水族館はJAZAから離脱することを検討しているそうです。

WAZAって、一国を丸ごと除名とか出来たんだ!それも北朝鮮とかシリアとかでなくて、1882年から近代動物園を開設している日本国を除名だなんて、ちょっとあり得ない!

と私は思いましたが、除名出来るらしいので、それはさて置きまして、この件を皆さんはどう考えましたか?

・「追い込み漁」はイルカの体を傷つけないのに、何故「残酷だ!」と言われるのか不可解だ。

・イルカショーには元々興味がないので、どうでも良い。

⇒そんなところでしょう。私もそう思いました。

しかし、この話しはどうやら「追い込み漁」が残酷かどうかの話しではなく、やはり根本的にイルカを食用にすること自体が、欧米サイドから見ると気にいらない模様なのです。

だから「どうでも良い」というわけにはいかないかもしれません。

報道によりますと、WAZAの警告に至るまでの間には妥協を探る動きもあったようです。

食用の漁と、水族館用の漁の漁期を分ける案が検討されたそうですが、それではやはりダメでした。

食用を獲っているのと同一の人物が水族館用も獲るわけで、結局漁期の分割では通らなかったそうです。やはり食べるのが気に入らないのでしょう。

イルカと同じように今欧米から敵視されているものに、韓国の犬肉食があります。ソウル・オリンピックの時に叩かれましたが、しっかり続けられている模様です。

犬とは心が通じるから、犬食禁止は仕方ないよねと思う人が多いでしょう。しかし研究によっては犬より豚の方が知能が高く、人間は豚ともコミュニケーションが取れると考える学者が多いようです。

知能を基準に考えるのなら、豚も食用NGと成ってしまいます。

では馬はどうでしょう。馬については欧米の中で考えがわかれています。イギリス・アメリカなどのアングロサクソン人は馬を食べませんが、ヨーロッパには馬を食べる民族もいます。

結局どれを食べてOKで、どれがNGなのか、合理的な線引きは難しいようです。

線引きが難しいので、食の問題は文明の衝突の様相を呈しています。

ハラールに従った牛の屠殺の仕方は、現代にはそれよりもっと良い方法があるので、その基準で見ると残酷に見えてしまうのですが、あの戒律が考えられた当時は、牛を苦しませないようにと考えられ・教えられたものです。だからイスラム教徒は残酷だと言うのは控えた方が良いと思います。

そう、根本は、生き物を苦しませないように工夫をすること、

それから生き物を殺しつつも、心の中では手を合わせ・感謝すること、

それが大事だとしか、今は言えないと思います。

追伸

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行ったことありまスカイ?

東京スカイツリーが開業3周年を迎えました。目立ったトラブルもなく無事営業を続けておられるのは結構なことだと思います。

3周年についてスカイツリーの公式サイトには、

「新発見、再発見。」をテーマに3周年を記念した各種イベントを実施しております。」

「本日5月22日には開業記念日として、これからも日本と世界の皆様の橋渡しとなる施設をめざし、『笑顔の“橋”渡し』という想いを込めたオリジナル記念品の“箸”を1,000名のお客様へプレゼントしました。」

と書かれていました。結構なことと思います。

しかしです、この考え方に沿っていないのでは?と思ってしまうようなアピールの仕方もしておいでですよね。

そう、テレビCMです。

カノジョにスカイツリーに行こうと誘われて、最初は渋っているカレシが、背後から迫って来たソラカラちゃんに脅されて、スカイツリーへデートに行くハメになるという、あれです。

ソラカラちゃんが怒りに震えていると思った視聴者もいるようです。

皆さんは、あれをどう視られましたか?

私は強い違和感を覚えました。

だいたい、観光施設などというものは、好きこのんで楽しみに行く場所であって、脅されて行く所ではありません。

行きたい場所の趣味が全然合わないカップルなら、早く別れた方がお互いの為というものです。

最後のキャッチフレーズも、私は気に入りません。

「行ったことありまスカイ?」

たしかに私の周りにも、未だ行ったことがないという人が何人もいます。皆東京の人だからいつでも行けるのに行っていません。そういう連中に対して、スカイツリー側はおそらくイラついているのでしょう。

日本一の場所なのに、なんで来ないんだ?!どうかしてるんじゃないか?!

と言いたい気分は分からなくはないです。

でも、もう一度申しますが、観光施設などというものは、好きこのんで楽しみに行く場所です。

高い所に興味の無い人はたくさんいます。

混んでいる所は嫌いという人もたくさんいます。

ピカピカのショッピングモールなどヘドが出るという人もたくさんいます。

行きたくないから行かないのであって、それを脅して来させようとか、実に人の心を軽んじた発想です・・・

いやいや、ちょっと待てよ。

大手の広告代理店の人がそんなことを分からない筈はありません。

うーん。ひょっとすると、これは遊んでいるだけなのかも。

どうせ来ないと思われる人に向けて嫌味CMを流しているのかも。

営業好調で予算も余っていて、これ以上来場者を増やす必要もないから、要するにふざけているだけなのかも。

ここで話はすき焼きのことになりますが、世の中には、東京のすき焼き屋に行ったことがないという人が未だ未だたくさんおられます。

そんな非国民がいるのか って?

はい、たくさんおいでですよ。

そういう皆さんに向けて、私も打ってみたいなあ、嫌味CMを。

「行ったことありますき?!」

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

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利権と圧力

オフィス街で見かける、路上弁当販売に今秋から規制がかけられるのですが、

これについて、既得権者と役所がサラリーマンの味方をイジメている、という風に書く報道が出ています。

今回の規制強化の主な点は、

・これまでは保健所に「届け出」さえすれば誰でも営業できる「届け出制」であったが、「許可制」に変わる。

・許可を得るには「食品衛生責任者」を置くことを義務づけられる。

・許可を得るには保冷容器や保冷剤、温度計などを用意することを義務づけられる。

です。

これについて、ある報道では・・・

「資格利権」の存在がある。「食品衛生責任者」の資格認定を行なう団体の全国組織には旧厚生省出身の天下り役員がいる。」

「加えて「店舗型業者の圧力」がある。都内で営業する移動販売業者が語る。 「店舗で弁当を売る業者や地元飲食店からすると自由に動き回って商売をする業態は煙たい。これまでも保健所にクレームをつけるなどの圧力があった」

「役所と既得権を持つ業者が手を組んで、新しいビジネスを邪魔する構図は他の業界にもあり、不利益を被るのは消費者です」

さて、皆さんはどう思われますか?

私は最初、弁当業者に「食品衛生責任者」が居ないと聞いてとても驚きました。

「衛生責任者」は、料理屋には当然居ますが、コーヒーしか出さない喫茶店にも、酒と乾き物だけのスナックにも、高~い酒と高~い乾き物だけのキャバクラにも居ます。

瓶を開けて注いだだけの酒を飲み、パックを開けて皿に盛っただけの乾き物を食べるのと、色々の料理を詰め合わせた弁当を食べる方が、はるかに食中毒のリスクが高いことは、誰が考えても明らかですが、今まで責任者がいなかったのです。驚きました。

さらにですよ、それをオフィス街まで運んできて、日に照らされながら売るなんて、アンビリーバブルです、私には。

弁当業者は保冷設備とか当然のことを用意しないから安かったのであって、公正に安かったのではありません。

食中毒事例が確認されてはいませんが、なにせ移動販売ですから、無届け営業も多くて、捕捉できなかったという事情があります。

ついでに申せば、人様の土地を無料で借りているのですから、家賃を払っている固定店舗と比べて、やはり不公正に安いです。

この件を「利権」「圧力」と書くのは、そう書いている本人が「庶民の味方ぶりっ子」をして有名になりたいのだろうと考えられます。

庶民の皆さんも、ここはよくよくお考えいただきたいです。

 

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

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弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

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急用

先日デパートの催事に出店させていただき、精肉の販売を致しました。

会期中「ちんや」のブースの様子を視に行こうと、エレベーターにB1から乗り込みますと、エレベーター嬢にブリブリと文句をつけている男性がいました。

年齢はこちらと同じくらいか、もう少し上でしょうか。何を言っているのかと思いましたら、

急いでいるのにエレベーターがなかなか来ない!

と言っているのです。このデパートは、だいぶ以前からエレベーター1基が地下まで行かないように設定していて、何か都合があるに違いないのですが、それについても文句をつけていました。

悪いことに、その籠には結構乗り合わせた人数が多く、

2階お停めします、4階お停めします、5階もお停めします、6階にもお停めしちゃいます!

となかなか進みません。

その間、男は大きな音で、

ちっ!ちっ!

と舌うちをしていました。大人げないとはこの事です。

私もいい加減イラついて来て、

そこのお兄さん、彼女は彼女の仕事をしてるだけでしょう。

意見があるなら、私にお言いなさい。

ここの社長さんなら面識がありますから、キチンとお伝えして差し上げますよ。

ハッキリお言いなさいよ。

と口まで出かかりましたが、おっとっと、今週は出店させていただいているんだった。業者の立場じゃないですか。客と悶着とか起こせません。

うーん。

そう私が悔しがっていると、男は7階催し場で降りて行きました。

私も7階が会場ですから、EV嬢に、どんまい、どんまいとだけ言って降りました。

さて、私と同じ階で降りた男、いったいどんな急用があるのかと思い、視線で追っていきますと、

ん? ん?! んんん?!

「ちんや」のブースに向かって行くではないですか!

マズイなあ、ウチのスタッフにもイヤな思いをさせる気か!

と凍りつきましたが、結果はウチのお隣りさん。

「ちんや」のすぐ隣に出ている、鰻の「前川」さんで鰻弁当を買って行きました。

う、鰻って、そんなに急いで買うものなのか?死んだ鰻が浮かばれないなあ・・・

これが落語ならオチがあって、野暮な者は懲らしめられますが、この話しはセチ辛い現代のデパートの話しです。

ああ、オチがつきません。

お後がよろしいようで、ごめんなすって。

明日は面白く致します。

 

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この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

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貧乏だった話し

すき焼きにまつわる思い出話しを読んでいると、かなりの頻度で、「貧乏だった話し」に行き当たります。

今は年金暮らしだという、この方↓のブログもそうです。

『昔の思い出(4) すき焼きに卵』

著作権を無視してコピペーしますが、

「昭和30年代、私が子供の頃、我が家は2,3人の大学生を対象とする小さな下宿をやっていた。」

「当時は下宿する人は食事付きを希望する人が多かった。貧乏な我が家の食事は当時の他家よりもさらに貧相で、下宿人は表立って不満は言わないまでも、けして満足していないことは子供にもわかっていた。お金に見合う食事になっていないような気がして、肩身の狭い思いをしていた。」

「下宿人が卒業して下宿を出て行くとき、当時の最大のご馳走である、すき焼きをすることになっていた。」

「ある年に例のすき焼きが出てきたとき、なんと小鉢に卵が入っていた。今ではすき焼きを食べるときに、小鉢に卵を入れて、取り上げた肉などを小鉢の卵にまぶしてから食べることが多いが、当時は卵も貴重品であり、貧乏人の子供の私にはとんでもなく贅沢と思えた。」

「普段の貧相な食事で引け目をもっていた僕は、「どうだ、まいったか!すき焼きの上に、卵だぞ!贅沢の上に贅沢だ」と嬉しくなった。いつになく、思いっきり、はしゃいでしまった。」

・・・肉だけでなく卵も贅沢だったという、かなりの「貧乏だった話し」ですが、暗さをあまり感じさせません。

昔は貧乏が恥ずかしいことではなかったですし、成人してからは年金暮らしができるほど掛け金を支払ってきたのだから、おそらく立派な人生だったのでしょう。その自信があるから書ける文章です。

さて、では現在の「貧乏話し」はどうでしょう。

ピケテイさんではありませんが、格差が拡大しつつあることは誰もが感じていると思います。ニュースを視ていても、貧困が原因としか思えない陰惨な事件が多いですね。

今苦しい暮らしをしている方々が、「最大のご馳走」と思えるような食べ物は在るのでしょうか。

残念なことに牛肉はいけません。

アメリカの食肉産業が肉をすっかり安物にしてしまったため、むしろ牛丼は貧困層が日頃世話になる食べ物になってしまいました。なにしろ自分で料理するより安いんですから。

「ちんや」の和牛は、牛は牛でも血統から育て方から熟成のさせ方から全然違うのですけど、特別感が後退したことは否定できません。

あー、なんか、今日は救いのない話しになってきましたね。

このブログは、クスっと笑えるブログを目指してるのにマズいですな。

そこで突然ですが、ジョークを一句。

牛さんが笑いました、ウッシッシ。

食べられた牛さんが、その機会に食べてもらって良かったと笑えるような、そういう社会にしたいものです。

お後が宜しいようで。

 

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

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夏場所

今年の大相撲夏場所は5/10が初日で5/24が千秋楽。照ノ富士関の優勝で終わりました。

この場所の初日は「5月の第1または第2曜日」と決まっているのですが、第1から始まることは少なくて、たいていは第2からです。

GW連休が終わってから始まるか、連休の後半に始まるのが通例で、連休にぶつけて4月末からやった方が来場者が増えること間違いないと思うのですが、不思議なことです。

この件を毎年不思議に思っていたので、今年はネットで調べてみましたら、

在りました、YAHOO知恵袋にジャストな質問が。

「何で大相撲は、ゴールデンウィークに本場所を開催しないんですか?

(ちなみに、私は地方に住んでいる上、 普段は仕事でクソ忙しいので大相撲を観戦しに行く余裕なんてありませんが、もしGWに夏場所があれば、是非とも見に行きたいのですが)」

うん、うん、そうですよねえ。

しかし残念ながら回答は1件しかありませんでした。平成25年4月のアンサーですが、

「結局回避されましたが当初はGW中の5月5日初日となっていました。

これについては平成23年度の理事会で承認されており、

昨年(平成24年)の夏場所もGW最終日曜日の5月6日が初日でした。

ただ今回は決定していた筈の1週目の日曜初日が諸事情で暗転、

そのため番付発表も当初の4月22日から二転しています。

夏場所は東京場所の中でも華やいだ趣が感じられる場所です。

是非一度、足を運んでみてください。」

うーん、関係者らしい方のアンサーですが、「足をお運び下さい」って、まとまった休みでないと行けないって主張している人には気の毒な感じがします。

「諸事情で暗転」では良く分かりません。何か都合があるんでしょうか。

で、結局、今日のところはこれ以上の詮索を諦めました・・・

「ちんや」へは、今年も初日の前日(=5/9)に「触れ太鼓」の皆さんが回ってみえまして、「太鼓連」の美声を至近距離で鑑賞できる貴重な機会でしたので、居合わせたお客様にも見物していただきました。

これが連休中だったら、もっと大勢の方に見ていただけたのに、と思ってしまいます。

ともあれ、照ノ富士関、優勝誠におめでとうございました。

 

追伸

日本橋三越本店の催事「お江戸日本橋 EDO style展」で精肉の販売を致します。

どうぞ、お出かけ下さい。

会期:5月20日(水)~25日(月)

会場:本館7階催物会場

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