第6回「すきや連」寄せ書き②

7/12は「第6回すきや連ー日本短角牛の、すき焼きを食す会」を、私の店「ちんや」で開催しました。

 以下は、その時会場で皆さんに書いていただいた、寄せ書きです。お読みいただくと、会場の雰囲気がわかります。

 55名様と大勢なので、2日に渡ってUPしています。今日は、その第二回です。どうぞ、ご覧下さい。

 ・すきずきに愉しむ仕方異なれど一つ息つくすき焼の味(松井純)

・梅雨盛りすき焼き食べて暑に向う(蜂須賀祥介)

・好き焼きや来たのがご縁やみつきに(桐山勝)

・最たる日本の食文化は匂いが食欲そそる「すきやき」である。(津田暁夫)

・すき焼きは日本人の元気の「源」(赤塚保正)

・シンプルな食べ物ほど食文化が在る。それはすき焼き。(白井雄司)

・すき焼文化は絶対このままでいい!(大洞敏男)

・「心」と「肉」のハーモニー、すき焼の奥深き(佐藤健一)

・すき焼きをつまむ ほっぺたをつねる(小金沢章文)

・牛肉は外食化傾向がより強くなると思われるので、すき焼屋は大ブレイクするかもしれません。(中田二郎)

・夏のすき焼き、とても美味でした。(鳥山渉)

・肉の三種盛り、四種盛りのようなお変わり皿、もしくはアラカルトメニューがあったら、すき焼き鍋を囲んでの楽しみが増えると思います。(川井秀晃)

・名古屋のすき焼には、必ず「カクフ」が入る。これ名古屋ダケ?(加藤政義)

・家族のごちそうはすき焼き(かき美味しいの、三保達郎)

・アンチエイジングシュガーをすき焼きに。(高村善雄)

・やはり日本酒の乾杯は素晴らしい。しかも短角は日本酒にあう。「月の井」は美味しいね。(広瀬洋一)

・いつもありがとうございます。(梅田雄一)

・美味しかったです。(武部太志)

・感動。(南都隆道)

 寄せ書きは、以上で終わりです。会場の、盛り上がった様子をお感じいただけたと存じます。

  全員分の寄せ書きを判読して、パソコンに打ち込むのは、結構ホネでした。まあ、でも、ブログが2日分埋まったんで良し、としよう。ひひひひ。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

第6回「すきや連」寄せ書き①

 7/12は「第6回すきや連ー日本短角牛の、すき焼きを食す会」を、私の店「ちんや」で 開催しました。

 以下は、その時会場で皆さんに書いていただいた、寄せ書きです。お読みいただくと、会場の雰囲気がわかります。

 55名様と大勢なので、2日に渡ってUPします。どうぞ、ご覧下さい。

・すき焼き百態 鍋の中に人生あり(向笠千恵子)

・夏草と大地の味や短角牛(向笠千恵子)

・本日はありがとうございました。短角も喜んでいます。(「北十勝ファーム」上田金穂、短角牛生産者)

・短角は日本農業の宝!(中村靖彦)

・和牛の中の優等生、短角に敬意!(増田淳子)

・上田金穂さん、ヤリマシタネ!皆様の評判も良いようでご同慶の至り・・・今後も短角の育成と普及を側面から祈念しています。(坂田甚内)

・とってもおいしいです。ありがとうございます。短角牛食べごたえ満点です!(町田成一)

・短角牛美味しい!(松田武朗)

・短角牛バンザイ!和牛バンザイ!(伊豆川嘉規)

・短角の赤身美味しき北十勝(石橋伸介)

・赤身肉滋味育みし足寄町(石橋伸介)

・今日の短角牛はすき焼きの原点の味と思います。(土居秀夫)

・短角牛は、良き現代の日本の味、すき焼は世界最高の健康食。赤身肉と野菜は長寿の秘訣!(高岡慎一郎)

・すきや連一同に会すこのパワー 牛肉は人間力のガソリンです。「短角牛」浅草のタンカ喰う牛、すごいです。(高岡哲郎)

・こだわりの北十勝ファームの短角牛おいしかったです。(吉澤直樹)

・短角牛のすき焼、初めて食す味わい。お腹まわりを気にせず食べれますね。(吉澤裕介)

・いつも楽しい企画ありがとうございます。短角牛いけます。(青井茂樹)

・短角牛勉強になりました。ありがとうございました。(尾崎仁)

・「畜産は土から」短角牛を食べて思い出しました。(片平梨絵)

・足寄の大地の味がしますヨ。

・大地の味、食べて実感。おいしいです。(坂本敬子)

・久しぶりの短角牛、塩でいただきました。お味噌でも・・・GOOD!(九鬼祥夫)

・初めて食べた短角牛 みそとさんしょのコラボこれがミソ?(高岡修一)

・短角牛もおつなもの!(田仲寿夫)

・幻の短角牛楽しみにして来ました。(藤森朗)

・初めての短角牛です。メタボ予備軍の私には最適?(松下泰久)

・短角牛と夏野菜の相性は格別でした。(湯浅康毅)

・七夕に短角牛に出会いしあわせです。季節の野菜も彩りよく、すき焼をいっそう美味しくしてくれます。(森脇政子)

・めずらしいお肉 めずらしいザク 素晴らしいすき焼きをありがとうございます。勉強になりました。(相沢二郎)

・牛肉はさすがおいしい。(短角牛)(蛯名和夫)

・赤味・霜降りにこだわらない「うまさ」賛成(上嶋棟一郎)

・時代にあってきました!赤味おいしいです。(太田倫子)

・すきや連の食で感動をいただきます。(和田政司)

・すきや連は向笠さんの原稿の栄養源ですね。今後もステキな企画を期待してマス(高橋恭子)

・皆さんの勉強熱心に頭が下がります。良い勉強をさせていただきました。(柴田進吉)

・牛肉料理の原点は「すきやき」です。皆様もっと牛肉を食べましょう!「すきや連」の益々の発展を祈念します。(原田光祥)

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。会場の、盛り上がった様子をお感じいただけたと存じます。寄せ書きはまだありますので、続きは明日UPします。

日本短角牛の、すき焼きの食べ方

 7/12に、「第6回すきや連ー日本短角牛の、すき焼きを食す会」を、私の店「ちんや」で開催しました。

 さて、その短角牛の、すき焼きの食べ方ですが、普通の黒毛和牛のすき焼きと比べて、一工夫が必要と思います。

 短角牛を、そのまま普通のすき焼きのやり方で食べると、妙に甘辛く感じます。特に、「ちんや」の割下で食べると、そうです。

 黒毛和牛の、霜降りの入った肉の場合、そこから溶け出した脂肪分が舌を覆い、味をマイルドに感じさせますが、短角牛の場合、霜降りが入らず赤身で、脂肪分が足らないので、割り下の甘辛さを、そのまま舌が感じてしまうものと思われます。

 そこで、割り下の味を少し変更して、もっと複雑な味にする必要があります。今回は「お試し」の会なので、何か新しいことをやってみよう、ということになりました。

 考えまして、<脂身+醗酵食品(=味噌)>を鍋に入れるのが良いだろう、ということになりました。馬の赤身肉を使う、桜鍋に味噌が入るのと同じことです。

 この発想で、ウチの板長が、実験的に、<>として短角牛のコマ切れや脂身を挽肉にして、味噌と砂糖と練りあわせる、という作戦を考えつきました。  

 7/12「すきや連」当日は、皆さんには、まず普通に食べていただいて、その後で、この<>を、小鉢に盛ってスプーンを付けて、各机に運んで、鍋に入れていただくようにしてみました。

 <>を「変わり味」と称して、皆さんがご自分で、鍋に投入していただくようにしました。もちろん、これを入れる前後で、味を比較してもらおう、というアイデイアです。

 普通のやり方で食べていただいている時は、料理雑誌「ダンチュウ」編集長のMさんも「住吉さん、今日は割下を甘くしたの?」と言っておいででしたが、違います。同じ割下なのに、上に書いた次第で、甘く感じてしまうのです。

  その味を確かめていただいた後で、<脂身+醗酵食品(=味噌)>を鍋に投入です。 皆さん、その道のプロだけに、興味津々でお試しになっているようでした。

 醗酵食品は甘酒でも良いのかもしれません。向笠千恵子先生は、ご自宅で甘酒投入を試して成功したそうです。

 これをキッカケに、新しい食べ方が登場すれば、今回の「すきや連」をやった意味も有る、というものです。

 なお、肉そのものの管理についてですが、今回、普通の黒毛和牛と同様に熟成させましたが、足らなかったようです。赤身なので、水分量が多いため、もう少し時間が必要だったと考えられます。

 とり急ぎ、「すきや連」ご報告、第二段でした。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 今日はチョット専門的で、ジョークもなかったので、一般の方にはご不満と存じますが、何卒ご容赦下さい。

 このブログは、一応、「すき焼きブログ」なもんですから、はい。

 「すきや連」ご報告は明日も続きます、悪しからず。

 

開催しました、第6回「すきや連」 

 7/12は第6回「すきや連」を、私の店「ちんや」で 開催しました。

 ご参加いただいた、すき焼き屋さんは、東京浅草の「今半本店」さん、「浅草今半」さん、「人形町今半」さん、

 「銀座4丁目スエヒロ」さん、「銀座吉澤」さん、神田の「いし橋」さん、新橋の「今朝」さん、ニューオータニ「岡半」さん、「築地さとう」さん、八王子の「坂福」さん、

 横浜の「太田なわのれん」さん、「荒井屋牛鍋店」さん、

 遠方では、松阪牛の「和田金」さん、桑名の「柿安本店」さん、

 さらには、米沢牛の「登起波牛肉店」さん、金沢の「天狗中田本店」さんなどなどが集結し、また生産者・愛好家の方も大勢見えて、壮観な宴会になりました。

 「すきや連」も、もうこれで6回目です。今回、私・住吉史彦は「旗振り役」の一員兼事務局として、主催させていただいただけでなく、会場店の主人でもあったので、それは忙しい一日でしたが、これだけ揃えば、手配のし甲斐もあったというものです。

 「旗振り役」代表の向笠千恵子先生も、いつもながら元気にご参加いただき「日本のすき焼き文化を発展させましょう」との有り難いお言葉。「続 すき焼きものがたり」の連載も月刊「百味」誌上で始まり、期待されます。

 ところで、今回は普通の「すきや連」の例会ではありませんでした。「日本短角牛の、すき焼きを食す会」です。

 これだけ大勢の、すき焼き関係者が集合して、短角牛のすき焼きを食べるのは、たぶん初めてではなかろうかと思います。霜は降らないものの、独特の旨味のある、短角牛のすき焼きを、皆さんにお試しいただきました。

 このような会を開催することができたのは、短角牛生産者の、「北十勝ファーム」さん(北海道足寄町)のご協力によるものです。

 もちろん、ご本人にもご出席いただきました。開宴に先立って、「北十勝」のファームマネージャー・上田金穂さんによる卓話を、皆さんにお聞きいただきました。大変参考になりました。

 宴席では7/12を「日本短角牛の、すき焼きの日」に認定しよう、なんていう話しまで飛び出していました。

 いやあ、疲れたけど、すき焼き談義の宴会は、メッポウ盛り上がって、楽しかったです。

 一方、残念だったのは、予言蛸のジョークがスベッたことです。7/12はサッカーの決勝の翌日で、世間は予言蛸の話題でもちきりでしたから、

「今日は残念ながら、牛料理です。蛸料理なら喜んでいただけたと思いますが、あのドイツの水族館と話しがつかず、牛料理です!」と言えば、バカうけ確実と思ったんですけどね。

 真面目な連中は、これだからやりにくいなあ。

 あ、そうそう、参加していただいた皆さん、ありがとうございました。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。 「すきや連」のことは、まだまだ書きたいのですが、長くなるので、また明日以降も書きます。2〜3日、このブログは「すきや連」のネタになりますので、よろしくお願い申し上げます。

*「すきや連」については、このブログの、3/2号3/3号3/4号3/5号5/2号6/14号もご覧下さい。

*日本短角牛と「北十勝ファーム」さんについては、こちらです。

玉泉寺の牛王如来

 旧知のNさん(=桜鍋「中江」社長)から、次のようなメールが来ました、

「下田に旅行に行きましたら、住吉さんやFさん(=すき焼き「今朝」社長)の、ご先祖様のお名前を発見してびっくりしたことをご報告いたします。玉泉寺と言うお寺に、日本で初めて牛を屠殺したという碑が建っていて、建立者の中にお名前がありました。」

 下田の玉泉寺という御寺は、日米関係史の中では、とても重要な所で、ペリー来航の後、最初にアメリカ総領事館が置かれた所です。1856年から3年弱、タウンゼント・ハリス総領事がここに滞在して、幕府との条約交渉に当たっていたのです。

 総領事や館員が住みますので、当然「牛肉を食べたい」ということになり、大変皮肉なことに、御寺の境内で殺生が行われたのです。
 境内の「仏手柑樹」(ぶっしゅかんじゅ)の木に牛がつながれ、屠殺されていったそうです。そして、この仏手柑樹の木の立っていた所に、屠殺されていった牛を弔うべく、昭和6年4月8日、東京の牛肉商によって、「牛王如来」が建立されました。 

 その建立の費用を寄進した人物の中に、私の曽祖父・住吉忠次郎と「今朝」Fさんのご先祖様が入っているのです。

  祖父が生きている頃、「ちんや」の社員旅行で、この御寺を訪ねたことがあったようですが、私はまだ子供で参加しておらず、話しは聞いていたものの、すっかり忘れてしまい、その後まだ、自分でここを訪問してはおりません。

  この話しをしっかり覚えていて、自分で現地を訪問していれば、人に自慢できる話しかな、と思うのですが、完全に忘れていたので、そうはいきません。

 飲み会の席で、自慢たらしく語るのは、下田行きを実行した後にして、とりあえずは、このブログの、1日分のネタとして使わせてもらう位にしておこう、そう思った次第です。

  Nさん、ネタのご提供、ありがとうございました。

  「おいおい、しっかり自慢してるじゃないか?」

  え? 自慢に聞こえましたか? そういう意図はゼンゼン無かったんですけどね。ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*Nさんの御店「中江」については、こちらです。

*Fさんの御店「今朝」については、こちらです。

朝顔市、ほおずき市、下町七夕まつり 2010年の夏

 お暑うございます。

 暑いばかりで、夏の風情が感じられないとイヤなものですが、毎年7/6〜7/10は、下町の夏の風情が感じられる時期です。

  まず毎年、7/6〜7/8は、入谷で朝顔市が開催されます。入谷鬼子母神を中心として言問通り沿いに約120軒の朝顔業者と約100軒の露店が並び、毎年多くの人出で賑わいます。

 浅草からは、入谷までは少し距離がありますが、歩いて歩けなくもありません。ちょうど、この期間浅草と入谷の間の、かっぱ橋本通りでは「下町七夕まつり」が開催されていて、大玉飾など七夕飾り、提灯等が装飾されています。散歩がてら、浅草から朝顔市へ向かう方もおいでです。

 去年の7/7に「浅草今半」さんで「すきや連」を開催した時は、食後、参加者の皆さんを引率して、浅草から、かっぱ橋本通りを通って、朝顔市へ行きました。夜の朝顔市も良いものでした。

  朝顔市が終わると、7/9〜7/10が浅草寺の、ほおずき市です。この日は、本堂の両側から裏手の広場にかけて、ほおずきの屋台はもちろん、金魚屋、風鈴、虫籠等の屋台が並びます。夏の夜、浴衣がけで出かける人達で賑います。

  暑い、暑いとボヤいていても、涼しくはなりませんから、この時期、どうぞ浅草へお出かけ下さい。暑いのも、また楽しいと感じていただけるかもしれません。

  暑いついでに、すき焼きも・・・どうぞ。

 夏バテ防止になるかと。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

「浅草ときわ食堂」さんのリニューアル・オープン

 7/1、「ちんや」の2軒隣の「ときわ食堂」さんがリニューアル・オープンしました。くわしく場所をご説明しますと、「ちんや」が、雷門から西へ4軒目で、「ときわ」さんは2軒目です。つまり「ときわ」さんは、雷門と「ちんや」の間の御店です。

 最近は、「四十二丁目食堂」とか「九十九番町食堂」とか、「○○食堂」の○○の部分に、地名を入れて地元資本であるかのように装った、外食チェーン店がありますが、「ときわ食堂」さんは違います。

 三代目のM社長と、四代目予定のM君親子が経営する、正真正銘の地元の御店です。

 この御店は「家庭料理をプロの味で召し上がれ」という御考えで、ねぎとろ丼、親子丼、刺身定食とか、和食中心の、親しみ安いメニューを並べています。私も、休みの日の昼メシをお世話になったりすることがあります。

 私が、外食産業でなく、こういう所で食べるのは、言うまでもなく、ちゃんと料理されたものを食べたいからです。地元資本風の外食産業に入ると、いつどこで調理されたかわからないものが、レンジで「チン」されて運ばれてきますが、それじゃあ、店に座って惣菜を食っているようなものです。

 やはり料理を食べたいですよね。高級食材でなくても、料理したてを、すぐ食べれば旨いものです。

 最近、若旦那のM君が「チン」の店に慣れたお客さんから、「料理が出るのが遅い!」と言われることが多い、とボヤていましたが、ちゃんとした料理が、そんなにすぐ出るハズはありません。メゲずに、旨いメシを出してもらいたいものです。

 ところで、今回のリニューアルで、入り口のドアが、自動ドアから手動ドアに変わりました。ドアも料理も手動で、この変更自体は、結構なことと私は思います。でも「手動」と表示してないのは、M君、どうなんでしょう?表示しておかないと、自動に慣れている人は、戸惑いますよね。

 「チン」と自動になれた人が、ドアに激突しないことを祈念いたします。

  あ、そうそう、ついでに、ご商売のご繁盛も祈念いたします。敬具。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。(なお本日14時30分より、このコンサートに出演!)

*「ときわ食堂」さんについては、こちらです。

Filed under: 浅草インサイダー情報,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:08 AM  Comments (0)

山形県 恐るべしー「浅草うまいもの会」研修旅行

 6/23〜6/24「浅草うまいもの会」の研修旅行で、山形県を訪ねました。

 近年世界的な評価を得ている「タケダワイナリー」さん、蒟蒻づくし料理が有名な「楢下宿こんにゃく番所」さん、さくらんぼう生産者の「黒田果樹園」さんなどを訪問し、夜は、かみのやま温泉の「名月荘」さんで1泊しました。

  山形の皆さんは、当然みな山形弁で朴訥な話し方ですが、料理や食べ物の水準は言うと、まったく田舎っぽくはなく、結構なもので、品質とセンスが感じられるものばかりです。一同、「山形、恐るべし」と言い合って、現地を後にしました。

  今回私が、嬉しかったのは、「こんにゃく番所」の若旦那Tさんと、久しぶりの再会が出来たことです。と思っていたら、「こんにゃく番所」の料理長は、若いころ浅草の鰻の「川松」さんで修行した方だとか。「川松」の社長K子さんも料理長との再会を喜んでおられました。奇遇ってあるんですねえ。

 今回、Tさんご家族にはスッカリお世話になりました。御礼申し上げます。

  二日目の夕刻、会のメンバーが帰りの新幹線に乗り込み、缶ビールが配られて、最後の宴会(?)が始まる頃、私は一人団体を離れて、米沢で途中下車、もう1軒の訪問先へ向かいました。

 行き先は、米沢牛の名店として天下に知られた、「登起波(トキワ)牛肉店」さんです。若社長Oさんがいつも「すきや連」にご出席下さるのですが、こちらからは御店を訪問したことがなく、「機会があれば是非」と思っていました。今回、米沢のすぐそばの、かみのやま温泉まで来ましたので、寄らない手はなく、Oさんに連絡を入れると、駅まで出迎えて下さいました。

  米沢牛は、言うまでもなく有名ブランドですが、「登起波」さん以下の、現地の肉屋さんや、すき焼き屋さんが元気なので、牛は皆、米沢市の食肉市場で買われてしまいます。東京の肉屋から見ると、有名なのに、実は良く知らない産地・良く知らない市場なのです。

 今回Oさんの御店の個室で、結構な御肉をつまみながら、米沢の現地事情を少し教えていただいたので、今までの、米沢牛についての不勉強が多少補えました。実に助かりました。

  「登起波」さんの御肉に、オリジナルの純米酒をいただいて、良い気分になる内、Oさんが、「実は自分も明日東京に用事があって、遅い時間の新幹線に乗るので、ご一緒しましょう」

 それは、是非そうしましょう、とOさん手配の車で、駅まで送っていただき、東京行きの新幹線に乗り込みました。

 さっき、すっかりゴチになった私は、少しお返ししないといけません。車内販売の酒をとって、東京へ持って帰るハズだった、お土産を開封。東京へ着くまで2時間半、業界よもやま話しの二次会で、あっという間でした。

  あーあ、土産食べちゃった。

 ヨメのご機嫌、どうやって獲ろうかなあ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「楢下宿こんにゃく番所」さんについては、こちらです。

*「登起波牛肉店」さんについては、こちらです。

*「浅草うまいもの会」については、こちらです。

八王子の 壇払い(だんばらい)

 暑くなってきたせいか、先週末は、ご法事のご予約が入っていました。冷暖房完備の世の中なのに、やはり寒い時と暑い時に、お亡くなりになる方が多いですね。

 ご冥福をお祈りしつつ、仕事に当たりました。

  「ちんや」は、料理自体が生臭さですし、お寺にコミッションを払うのが愉快でないため、積極的に「ご法事の食事をどうぞ!」と宣伝してはいないのですが、故人がすき焼きをお好きだったりとかで、結構「ちんや」はお使いいただいています。

 でも、法事に参加する人数自体は、減る傾向にあって、一周忌だと10〜20名様くらいが標準です。核家族化の結果でしょう。

  そう言えば、「法事の人数が減った」で思い出すのが、八王子の「壇払い(だんばらい)」です。八王子の「エルシイ」さんと「坂福」さんを、訪ねた時のことは、このブログの4/28号に書きましたが、お二人とも、「法事の人数が減った」と言っておいででした。

 ところが、驚くのは、その人数でして、「減った結果、80人しか来ない」とかいう数字なのです。

 は、80人で「減った」んですか?

  聞けば、それが八王子名物?の、「壇払い」なのだそうです。

 普通「壇払い」と言うと、葬式のあとで、設置していた祭壇を片付けることを言いますが、八王子では、葬儀の後の食事のことを言うそうでして、しかも、列席者総出で会食する、すごい食事会なのだそうです。

 これは、料理屋にとって、売り上げとしては有り難いものの、大変な難行でもあります。

 まず、人数の見当がつきません。

「爺さんが死んだ時は200人だったから、親父なら、160人かなあ」

と、いうような感じの、極めて精度の高い?予測をもとに、仕込みをするのだそうです、料理屋は。しかも、葬式ですから、時間に猶予がありません。

  あんびりーばぶる! とてもマネできません。

  話しは少し逸れますが、料理屋業界の先輩と話していて、

「ウチの先代は、自分の法事の食事のことを、細かく指示してから死んだんだよ」と聞かされ、

「ああ素晴らしいですね。それは是非、私もそうして死にたいもんですね!」と申しましたら、即座にその場で、その人に予約を入れられてしまいました。

「予約入れとくよ! ゼッタイ、食べたいからねえ、住吉君の法事の肉。」だって。

  死なないかもしれませんよ、アナタより先には・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*八王子訪問については、このブログの4/28号をご覧下さい。

Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:06 AM  Comments (0)

昔のトレサビ、「今朝」

 皆さん、おはようございます。さて、「今朝」っていう漢字は、何と読みますか?

 「けさ」と読まずに、即座に「いまあさ」と読んだ人は、ちょっとビョーキな、すき焼き通です。

  その「いまあさ」という屋号の、すき焼き屋さんのことが、向笠千恵子先生の新連載『続すき焼き ものがたり』の最新号に載っていました。この連載は、月刊「百味」誌上にて、5月号より始まったもので、今回は7月号ですので、その第三回です。

 読むと、私も旧知の「今朝」のF会長・F社長のご先祖様が、店を創業した頃の様子が良くわかります。また、すき焼き屋の屋号に、なんで、よく「今」の字が付くかもわかります。

  くわしくは、「百味」をご購読いただきたいのですが、さわりだけ書きますと、

 その昔、牛の と畜場が、東京郊外の今里村にあり、「今」の字が付くということは、今里村から牛を仕入れている、優良店であることを示していたのです。

 逆に、今里村から仕入れていない場合は、正規の流通ルートでなく、怪しい肉である可能性があったわけです。畜産業がしっかり確立していなかった当事のことですので、すき焼き屋は、そういうPRの仕方をしたのだと考えられます。

 考えてみまするに、畜産の業界は、今でもトレサビに必死になっています。6/23にも、小島商店による、トレサビ法違反事件、つまり産地偽装事件がありました。

 明治13年からあまり進歩していないと思うと、かなりザンネンですね。

  「ちんや」は、トレサビをちゃんとやってますから、そのことをPRするために、この際、屋号をマイナー・チェンジして、

 「とれちんや」とか「ちんとれ屋」とかに変えますかね。

 でも、この名前だと、ちんどん屋に、間違われるかなあ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*『続すき焼き ものがたり』については、このブログの5/2号をご覧下さい。

*新連載『続すき焼き ものがたり』が掲載されている、月刊「百味」については、株式会社ビジネス・フォーラムへお問いあわせ下さい。(電話:03-3288-9180)

*牛トレサビ法については、このブログの6/26号もご覧下さい。

*「今朝」さんについては、こちらです。