能書きトーク
「二条彪の特選教訓集 みんなで学ぶ 成功の心得No8 お客様への心得」という御本を毎週月曜日の、弊店の朝礼で輪読しています。1/31には項目No10「お客様の気持ちの流れをイメージする」を読みました。
お客様が小売店に入った時の、気持ちの流れを、細かに観察すると、
「ちょっといいな、見ていこうかな」
「なんだか入ってみたら暗い店だなあ」
「うーん、これなんか、いいかな」
「ちょっと値段が高いかな」
「他には、ないかな」
「やっぱり、気にいったものがないから、またあとにしよう」
と、簡単に書いてもこれだけの気持ちの流れがあります。
この気持ちの流れを読むことが大事と、このページに説かれていますが、この逆をやっている店が、世の中にはかなり多いと思います。
イキナリ売ろうとする店員さんが本当に多いです。当然、私などはすぐ逃げますね。
すき焼き屋の場合は、基本的にお客様全員が、店のメニューを了解した上で中に入るわけで、必ず何か注文なさる、というところが小売店と違いますが、気持ちの流れを読む必要性は同じです。
レストランに入った時、メニューの中の高いものを、やたらと説明されると閉口しますよね。
飲食店に入る客は、入る時におおよそ使う予算を決めていますから、それより高いものの説明をされると困惑してしまいます。せいぜい、予算辺りのメニューのすぐ上と、すぐ下のメニューを説明してくれれば必要充分です。
また能書きトークが「あーで+こーで」と長いのも閉口します。何故って?食べる前は腹がへっているからです!
食べる前に「あーで+こーで」と説明されて、イラっとする理由は、それだけではありません。説明が良く分からないからでもあります。食べ物の味のことは、しょせん言葉にして説明するのが困難で、実際に味わった後でないと完全にはわからないですよね。
だから私は「ちんや」座敷のスタッフには、
「能書きトークは、お食事の後にしよう」と言っています。
お客様が「おいしかった」と言って下さった後に、その一言をキッカケに、
「手前どもの肉は、実は、あーで+こーで・・・ございます」さらに、
「召し上がっていただいてお分かりの通り、こーで+そーで・・・ございます」と説明します。
この段階では、もちろん食べ終わっているわけで、売上は確定していますが、これはムダではありません。
何故って、それは次回ご来店の時に、ご予算をアップした上で、ご来店いただけるからです。
この「能書きトークは、お食事の後」というやり方は、一見「やる気がない店」に見える心配があります。
でも、とても褒めてくれた方もいます。スゴ腕の食品コンサルタントで、地方の経営不振のスーパーを再建してしまう、IZ川さんです。
そういう次第で、「能書きトークは、お食事の後」です。食後に旅を急ぐ場合は、「ちんや」スタッフからトークを浴びせられないよう、事前に、ご出発時間をお知らせ願います。
追伸
国際獣疫事務局(OIE)科学委員会は、4日、日本国が口蹄疫に関して「清浄国」に復帰したと認定しました。昨年4月の口蹄疫発生以来今日に至るまでの、関係者の皆様のご努力とご苦心に、私は心より敬意を表明いたします。
また弊ブログの読者の方で、ご自身がブログ・ツイッター等の媒体をお持ちの方におかれましては、「清浄国」復帰の件を、広く世間に周知させるため、ご助力・ご高配を賜りたく、お願い申し上げます。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて344日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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