襲撃事件

 1987年5月3日午後8時15分、朝日新聞阪神支局襲撃事件がありました。散弾銃を持った男が押し入って、休日出番をしていた記者さん達に発砲、内1人が亡くなりました。

 言論機関に対する公然たるテロ攻撃でしたので、大掛かりな捜査が行われましたが、結局、時効が成立するまで犯人を逮捕できませんでした。現在も未解明です。

 この事件が世間に与えた衝撃は大きく、また捜査中にも、犯人は右翼であるとかないとか、様々な犯人像が取り沙汰されましたので、ご記憶の方は多いと思います。いや、記憶に留めておかない事件と思います。

 さて、実は、この事件とすき焼きが関係あるのです。

 犯人が押し入った時、その場にいた3人の記者さんが食べていたのが、すき焼きだったんですね。支局ですき焼きを作っていたらしいのです。

 阪神支局ですから、関西風に作っていたのでしょうか。肉はどういう肉だったのでしょう。

 で、その後朝日新聞社の、地方の休日出番の記者さん達は、絶対にすき焼きを作らなくなったそうです。

 でも朝日新聞宇都宮総局さんが、ツイッターで昨日ツイートなさったところによると、

 「最近は経緯を知らない人も増えて、作る所も多いかもしれません。」

ということのようです。

 私は「このニッポンに再びすき焼き文化を広める」仕事をしていますが、この習慣だけは続けていただきたい、と思います。

 毎年5月3日の夜、朝日にお勤めの皆さんは勿論、言論機関にお勤めの方は皆、すき焼きを食べない、そういうタブーは在って良いと思います。

 犯人が裁きを受ける日まで。

追伸

 浅草寺本堂横で「江戸町奥山風景」が開催されています。

5/7までですよ!

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格安ツアー

 連休の最中、関越道で高速バスの重大事故がありました。画像だけで、酷い事故だったことがわかります。

 事故の原因は運転手の居眠りでした。金沢から浦安まで、完全に独りで運転なんて、信じがたいですよね。

 そして翌日の新聞には、こうした運転勤務が常態化している、バス業界のことが結構詳細に報道されました。

 「ちんや」は、勿論こうした「格安ツアー客」を受け入れてはいませんが、私も観光業界に居ますので、バス業界の様子を小耳にはさんだことはありました。それは酷いものでした。

 規制緩和で新規参入が殺到し、業者数が2倍に増えたのに、その後需要は減少してしまっており、なにしろ過当競争が酷いらしいのです。

 結果、値下げ合戦がおきており、10年間でバス1台当りの収入は25%もダウンして、ついには安全にかかるコストまでが削られてしまっている模様です。この所、ツアーバスの事故が続けて起きていた背景は、これです。今回の業者も、過去に行政処分を受けていたようです。

 さて、この事故の本当の加害者は政府です。

 これだけの過当競争があれば、最終的には人身に危険が及ぶはずだ、という肌感覚の予測がリアルに立てられないところが、今の日本政府の病弊でしょう。

 まあ、もっともその官僚連を指導する立場の政治家が、あの体たらくで、その政治家を選んでいるのは国民ですから、あまりそこを責めても仕方の無い話しですね。

 では、そういう経済の現実の中で、企業経営者は、どうしたら良いのでしょう。

 4/20に私達が主催した「ニッポン全国彪友会~台東万博!」の講演会で、二条先生が教えたことは・・・

・中小企業の皆さんは、安売りをしてはいけません。

・安い、という価値以外の価値を売って、お客様に喜んでいただいて下さい。

・そして、皆さん自身も安物買いをしてはいけません。

 私達が、その講演に感激した、すぐ後に、この事故が起きました。

 安売りは、最終的には人を殺しさえする、このことは身に沁みさせないといけません。

 追伸

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通夜の来賓

 ある御通夜に出かけました。

 初めて行く斎場でしたので、ネットで経路を綿密に調べて出かけましたところ、帝国の3分過ぎイヤ定刻の3分過ぎに着き、私が受付をしている最中に、御坊様が式場の中へ入って行くのが見えました。

 うん、我ながら、良いタイミングで着いたなあ。さて人数を見渡して、拝めるのは30分後くらいかなあ。

と思っていると、故人の会社の方が近寄って来て、

 社長(=私のこと)! 中へお入りください!

とおっしゃいます。

 いえいえ、いいです、外で待ってますから。

 いやいや、御席を用意してあるんです。

 え、そうなんですか、それは聞いてないですし、ここでいいですよ。立って待ってますよ。

 社長、そんなこと言わずに、入っていただけませんか。

 そうですか、参りましたね。

で、渋々式場の中へ入りますと、読経が始まったようです。

 こちらへ、どうぞ!

 いや、端っこでいいですよ。

 いやいや、御席を用意してあるんです。

 え?!そんな高い席は困りますよ。

とか、言っている内に読経の声が高くなって来ました。足音を殺して奥へ進みます。

 え、そこですか?!最前列じゃあないですか。困ったなあ。「ご来賓席」って札が椅子に貼ってあるけど、「御来賓」なんですか、私?!

 も~!これじゃあ、来賓が遅刻して来たみたいじゃないの。参ったなあ。冷や汗かいたなあ。

とか、思ってる内にも読経が響き、私は呼吸を整えて、背筋を正して聞き入りました。

 ご冥福を、静かにお祈りしたかったんですけど・・・

 追伸

 4/20に「ニッポン全国彪友会~台東万博!」を主催しました。この日の画像は、こちらをご覧ください。

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試験の御縁

 さて5月です。

 今月27日(日)に「すき焼き通検定」試験を実施します。

 この試験は「落とす試験」では勿論なく、すき焼きについて学ぶことを楽しんでいただく試験ですので、どんどん合格者を増やしたいと思っています。ですので年に4回ほどは試験をするつもりでしたが、今年の前半は個人的にとても忙しくて、まだできていません。

 今現在もまだ『江戸町奥山風景』が5/7まで続行中なので忙しいのですが、お客様から

 次回はいつですか?!

と、問い合わせをいただいてしまいましたし、今月やらないと夏になってしまいますので、実施することにしました。

 そう言えば、先日嬉しいことがありました。

 この試験に合格した方には、「ちんや」の食事券5.000円を差し上げているのですが、過去の合格者の方から、その券を使って祝いの会をしたい、と予約が入りました。

 何のお祝いかと思ったら、なんと、

 御結婚のお祝い!

 記念写真には私も入れていただきました。試験の御縁で有り難いことでした。

 そういう次第ですので、また試験を実施します。合格者の方には、必ず私が自分で、合格認定証をお渡ししますので、そこから御縁が出来たら嬉しいですね。

 是非是非お受験下さい。問題と解答は以前と同じで、こちら↓に掲載しています。なにしろ、この50問を頭に詰めこめば受かるのです。

http://chinya-blog.com/?m=20101226

 是非お受験を!

≪以下が実施要項です≫

<試験の内容>

・一般愛好家向け。

こちら↓のサイトに掲示する50問の問題の中から、30問を出題いたします。

 http://chinya-blog.com/?m=20101226

・問題は全て3択形式です。3つの選択肢の中から、1つを選んでいただきます。

・30分以内にご回答いただきます。

・出題された30問の内、25問以上正解した方が合格です。

<試験日>

・平成24年5月27日(日)

・試験時間:15時30分〜16時

・定員:15名様。受験者が少数でも実施いたします。

・試験会場:「ちんや」お座敷(和室)

・受験料は500円(税込み)です。

<検定合格者の特典>

・合格認定証を発行いたします。ちんや六代目・住吉史彦が直接交付いたします。

・「ちんや」メンバーズ・カードに無料で入会できます。会員番号が9で始まるカードは検定合格者のみの限定カードです。

(「ちんや」メンバーズ・カードについて詳しくは、こちらをご覧下さい。カード有効期限は5年間です。会員様の特典は、ご入会翌日以降有効です。)

・「ちんや」お食事券5000円を差し上げます。(試験に合格された場合、当日すぐにご利用になれます。)

・検定合格者交流会(=すき焼き宴会)に参加できます。(有料)(期日未定)

<申し込み方法>

・申込み受付け期間:平成24年5月1日(火曜)〜5月22日(火)です。

・受験は完全予約制です。申込み期間内にお申し込み下さい。

・メールにて、以下を必ずご記入の上、パソコンよりご送信下さい。

①ご芳名、フリガナ、性別、年齢

②ご住所、郵便番号

③電話番号

・メールの件名は、「すき焼き通検定受験申し込み」として下さい。その他の件名のメールは、開封されない場合がありますので、ご注意下さい。

・送信先アドレス:chinya@alto.ocn.ne.jp

・携帯電話、スマートフォンからのメールは文字化けする場合がありますので、パソコンよりご送信下さい。

(申し込み受付確認メールを3日以内に、折り返し「ちんや」より送信いたします。確認メールが届かない場合は、次の番号へお電話下さい。03-3841-0010)

 <受験当日の手続き>

・試験開始時刻の20分前(15時10分)までに「ちんや」へご来店下さい。

・受験料は500円(税込み)です。受験日当日試験開始前に、お支払い下さい。

・合否が確定しますのは、当日17時頃の予定です。

・メール以外のお申し込み方法は、次の番号へお問い合わせ下さい。

03-3841-0010

 <プライベートポリシー>

・当試験の実施に当たって、株式会社ちんやが入手した、皆様に関する個人情報は、下記①②の目的以外には使用いたしません。

(記)①当試験の実施 ②浅草「ちんや」の販売促進活動、各種ご案内の発送

・試験後、合格者名をこのサイトで発表いたします。(お名前と都道府県名のみ)(ニックネームでの発表をご希望の方はお知らせ下さい)

 <次回以降の試験日>

・平成24年中に、あと2回ほど検定試験を実施する予定です。

 日程が決まり次第、このサイトに掲示いたします。

・不合格の場合、何回でも繰り返し、受験することができます。

<念のための御注意>

・これは、勉強をして⇒試験を受けてみませんか、というお誘いです。「検定」という名前の宴会ではありません、念のため。

追伸

 4/20に「ニッポン全国彪友会~台東万博!」を主催しました。この日の画像は、こちらをご覧ください。

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インタビュー

 『ネクスト』というマーケテイング情報誌の「老舗に学ぶ​ストアブランド作り」というコーナーのインタビューを受けました。

 見本誌を拝見しますと、なかなか真面目で立派な内容です。

 もともと呉服屋さんと宝飾品屋さんが主体の「和道経営の会」という勉強会の会報だったらしいのですが、内容が良いので、一般売りもしよう!ということになってリニューアルしたそうです。大したものです。

 目次を見ていきますと、

・お客様はゲストでありパートナー!

・お客様と幸せを分かちあう場を創っていますか。

・お客様が主役の「KIMONO倶楽部」

・「21世紀型専門店」の構想

・天命に安んじて人事を尽くす

・・・うーん、御立派です。

​ 私のやってることが、こういう真面目な方々の御参考になるのかなあ、と思いましたが、取材の約束はしてしまったので、お目にかからないといけません。

 さて、インタビューとなりました。

 記者さんは、何故か「ちんやメンバーズカード」の制度に関心を持っておられました。まあ、専門店さんはポイント制度を良くやってますからね。

 でも単なる割引き制度と思っていただくと困ります。たしかに割引きをすることはするのですが、その心は違います。「ちんや」の場合、

・「記念日割引」は、記念日を会員さんが自分で決められるのが特徴です。

・今準備中の「ブロンズ・カード」「ゴールド・カード」「シルバー・カード」は、会員としての在籍が永い方を優待するのが特徴です。

 そして両方に共通する特徴は、「ちんや」の側=私やスタッフが嬉しい時に割引きするのだ、という所です。世間のクーポンのように、私が全然嬉しくない割引きは、なるべくしないようにしています。

・お客様が結婚記念日だか、

・お客様が会員として継続して下さったとか、

 そういう嬉しい機会なら割引きしよう、と考え方は、その記者さんに気にいっていただけたようでした。

 また、その記者さんは、このブログも読んで下さっていて、最近私がやって来たこともご存じでした。

 例えば、

・すき焼き通検定試験

・東北復興チャリテイー企画「五県蔵元連合試飲会」

・すき焼き川柳オンTwitter

・日本国復興元年「1千人の笑顔計画」

 こうした事業の趣旨を説明して欲しい、ということでしたので、

 なにしろ、お客様と損得以外の所でつながりを持ちたいと思っています、と説明申しました。

 今時は、経済性以外の価値を持っている会社だけが生き残れる世の中です。そうでないと安売り競争に巻き込まれてしまいます。

 そして、できれば、やっている本人が愉快に、とも思います。

 読者の方に、叫喚イヤ共感していただけたら嬉しいですね。

 追伸

 4/20に開催した「ニッポン全国彪友会~台東万博!」を主催しました。この日の画像は、こちらをご覧ください。

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名人が育つ街

 スカイツリーが墨田区にできます。浅草から徒歩18~20分の場所です。

 当然その影響をどう見込むか、で話題沸騰です。私も色々な方からしきりと、そういう質問をされます。以下は、それに対する私の返答です。何度も同じ話しをするのがメンドウなので、できればこれを読んで済ませて下さいね。

 さて、浅草の周辺に誘客力のある施設が出来るのは、実は、これが初めてではありません。

 まずは「明暦の大火」の後、浅草北方に吉原遊郭が出きて、その後「天保の改革」で浅草と吉原の間に猿若町(=歌舞伎町)が出来ました。

 しかも、この頃浅草南方つまり浅草と江戸の間に蔵前があって、そこに大きな経済力が在りましたから、浅草には放っておいてもカネが落とされました。

 この辺の経緯について詳しくは、このブログの4/17号~4/20号を全部お読みいただきたいのですが、なにしろ、浅草という街は、こうした歴史的な超ラッキーの上に成立しています。

 食文化も職人芸も、この地盤の上に成立しました。明暦の大火から起算すると、およそ300年に渡ってカネが落とされ続け、その結果、この界隈に名所・名物・名品そして名人が育ちました。

 名人を育てるのは大変なことです。だって、同じ仕事をしている100人位の中から、一人を選びだすから「名人!」なんです。同じ仕事をしている3人の中から、一人を選びだしたのでは、「名人!」とは呼びにくいですね。

 扇子職人をイメージしてみて下さい。浅草に100人の扇子職人が居て、その中から一人を選べば「名人!」っていう感じがしますね。でも、そういう選抜をするには、そもそも100人の扇子職人がいて、その全員が扇子の仕事で生活が成り立っている状況でなければいけませんね。

 勿論、良き時代の浅草には、その状況がありました。しかも、それが300年間。

 だから、名所・名物・名品に加えて「名人!」が育ちました。それが浅草の職人芸であって、「食」も同様と思います。

 さて、話しはここでスカイツリーです。

 勿論、強い誘客力のある施設ですが、果たして、吉原や猿若町と同じような効果をもたらしましょうか。

 勿論、有り難いことは、有り難いですけどね、はい。

 もう幾つ寝ると~

 追伸

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15秒 プラス26 年 プラス132年

 「ちんや」のスタッフつまり職人連は、当然肉を扱う技能を持っているのですが、それを人に上手く説明することが苦手です。

 良い牛脂と、そうでない牛脂が間違いなくあって、本人達はそれを識別できているのですが、

 部外者が、どこがどう違うのか尋ねると、

 いや、それはですね、良い脂っていうのは、良い脂ですよ、とか答えてしまいます。

 ほとんど禅問答ですね。それじゃあ、わからない、と言うと今度は、

 そうですねえ、良い脂っていうのは、脂の質が良いんですよ、とか答えてしまいます。

 ますます分かりませんね。で、余計分からなくなったと言うと、

 食べれば分かりますよ!!

となってしまいますが、食べる前に、お客様に分からせないと買って貰えませんから、この問答では×なのは、明らかです。

 で、この話しを少し科学的に説明しますと、

 牛脂に含まれる脂肪酸の構成比を、職人連は指で触るだけで、時間にして数秒で知ることが出来るのです。

 化学式は割愛しますが、脂肪酸には融点の高い種類と低い種類がありまして、その両方が牛脂に含まれています。中には常温で溶け出す脂肪酸もあります。

 その内、融点がより低い方が、食べた時に、口の中でマイルドな感じを与えます。溶けた脂肪酸が調味料と肉の赤身の部分を包み込んで、婚前一体イヤ渾然一体となった、それは素晴らしい味覚を作りだします。

 特に調味料が強い、すき焼きの場合に、この働きが重要です。

 「ちんや」の肉を食べた方の、FBでのコメントとして、

 と、溶ける~

という表現がありましたが、この現象を言っているのです。

 勿論、脂肪酸の構成比は科学的に調べられますが、その分析には時間がかかります。

 その分析が出来る迄売り買いしないなんて、市場の現場でそんな悠長なことでは困ります。しかし有り難いことに、練度の高い職人には、それが数秒で出来るのです。指で触るだけで。

 そうです、これだけ科学的になった世の中でも、人間の方が速いのです。

 この話しを書いていて、濱田庄司の名言を思い出しました。

 濱田庄司とは勿論、民芸陶器の人間国宝のことですが、濱田が大皿に釉薬を柄杓で流し掛けする作業は素早く、15秒位で済ませてしまうことが多かったようです。それで見学した人が、あまり速過ぎて物足りない!と言うと、

 これは 15 秒プラス 60 年です。

と言って聞かせたそうです。

 名言ですね。

 「ちんや」の精肉部長・橋本も15 秒で脂の質を知ることができます。

 15秒ですが、それプラス、この店に在籍した26 年、さらに修練の場である「ちんや」が、この街に在り続けた時間の、プラス132年。

 それだけの時間が、15 秒で脂の質を知る、ということを可能にしたのです。

 上手い表現方法を思いつきました。

 15秒 プラス26 年 プラス132年

 その内、このコピーを店先に掲げたいと思っています。

追伸

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ブロンズカード

 「ちんや」メンバーズカードの「ブロンズカード」を醗酵イヤ発行する予定で準備を進めています。

 通常「ちんや」メンバーズカードの割引率は5%ですが、「ブロンズ」の方は6%になります。

 では、どういう方が「ブロンズ」に成れるのか、と申しますと、メンバーに在籍して5年間が経過し、なおかつ継続して在籍するために、更新料を支払って下さった方です。

 さらに、その上に10年経過の「シルバーカード」や15年経過の「ゴールドカード」も作る予定です。勿論、5年後・10年後の話しですけど。

 この話しを読んで、

 なんだ!値引き拡大かあ、「ちんや」さん。景気良くないからねえ。

とおっしゃる勿れ。

 勿論、値引き拡大ではあるのですが、この制度の心は、

 継続入会こそ有り難い。

 新規入会より有り難い。

という、私と全スタッフの考えを表現するのが目的です。それだけ有り難いのだから、多少の値引きで身銭を切るのは当然で、むしろ1%では少ないくらいです。

 今までの制度では、お客様は、5年経過時点では、ただ更新料だけ支払って、以前と同じ待遇を受けるだけでした。カード自体も番号が変わるだけで以前と同じ体裁です。つまりませんね。

 でも、今回はカードの体裁もブロンズ色になり、番号も6で始まる番号になりますので、提示していただいた時、ひと目で、5年以上継続しておられる方と区別がつきます。

 「ちんや」会員に永く在籍しておられる間に、そのお客様は年齢を重ね、20歳代~30歳代の方なら、結婚されてお子さんが生まれるでしょう。そのお子さんと是非一緒にお越しいただきたいと願います。 

 50歳代~60歳代の方なら、お孫さんが生まれるでしょう。そのお孫さんと是非一緒にお越しいただきたいと願います。 

 制度が複雑化しますが、担当の販売促進委員会が頑張って準備してくれています。

 「ブロンズ」制度の導入は、8月ですが、今から楽しみです。

 

追伸

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牛の糞

 「ちんや」精肉売店で、岐阜県恵那市の「ゴーバル」さんのアップルマスタードの販売を始めました。

 去年の今頃から、精肉売店で各種の調味料の販売を始めています。

 今世の中には、「出来合い調味料」がやたらと増えてきていますが、正直、私の味覚からすると、残念なものばかりです。それに添加物がたくさん入っています。

 そういう調味料を「ちんや」の肉に付けて食べていただくと困ります。肉屋が肉だけを売っていればOKという環境ではなくなってきたようですね。

 で、調味料の販売を始めた次第です。

 マスタードは勿論、すき焼きに付けるわけではなく、ベーコンやソーセージに付けます。

 精肉売店では以前から、「浅草ハム」さんのベーコンやソーセージを売っておりまして、これが結構、旨いのですが、それとセットで買っていただいて、付けて食べていただこう、という考えです。

 さて、その「ゴーバル」さんですが、「ゴーバル」というのは、なんと、牛糞のこと。

 この会社の理念である「平和を願い大地をいつくしむ草の根の人々の生活の香り」を、まさにイメージさせる社名ですね。山中で「ごまかしのない手作りの味」を追求している会社と聞きます。

 まだ不勉強で、お訪ねしておりませんが、食べれば品物の良さがすぐわかります。

 リンゴの甘さと酸味がなんとも、マスタードの辛みと調和しています。ベーコンが何枚も食べられてしまい、つい食べ過ぎます。

 このマスタードがあれば、ベーコンがメイン・デイッシユになりますね。

 ワインも進みます。

 是非是非、お試しあれ。

追伸 

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まずは、目出度し

 4/20の夜「ニッポン全国彪友会~台東万博!」を主催しました。

 足かけ2年ほどの準備期間を経て、ついに開催です。

 この会は、全国の、二条彪先生の経営指導を受けた方の集会でして、この日は、各地から200人弱の企業経営者にお集まりいただき、二条彪先生の講演を聞いていただいた後、懇親会をいたしました。

と、それだけ書くと、ごく普通の講演&パーテイーにしか見えないかもしれませんが、チト違うのです。

 まずプレイベントととして、「工房見学」が15時からありました。

 台東区内の地場産業8社が立候補して、全国からの見学者を受け入れました。

「㈱飯田」さん(キッチン用具)

「内田商店」さん(仏壇・仏具)

「竹村漆器店」さん

「種亀」さん(最中の種)

「中江」さん(桜鍋)

「フダヤドットコム」さん(木札)

「佐藤サンプル」さん(食品サンプル)

「The Shoe Work Shop」(オーダーメイド靴)

 8社の皆さんは、全国から見える皆さんに対して恥ずかしくないプレゼンをしようと、相当前から準備を始め、お互いをお客さんに見立てて相互を訪問しあう「予行見学」をして来られました。

 私も拝見しましたが、なかなかの流暢さで、感心しました。

 その「予行見学」の様子をFBや各個人のブログで発信した結果、「工房見学」は8社とも、満員!

 全国から見えた皆さんにも台東区の地場産業の魅力が伝わったかと思います。

 さて、「工房見学」に参加した皆さんに、メインイベントの「講演会・懇親会」から御参加の方が、浅草ビューホテルに合流しまして、200人弱の大盛況。

 これだけの人数ですので、受付作業も大変ですが、台彪会のスタッフはカンペキな準備でスムースにこなしてくれました。

 全員分のオリジナル名札を作り、その札には席割りが印刷されています。だから、それを見れば、すぐ席がわかるので、誘導も楽チン。全く混乱することなく、カンペキに定刻に二条先生の講演がスタートしました。

 ⅠC川さん、UC村さん、KK本さん、段取りスゴかったです。

 しかも、出席者全員のプロフィール冊子を作成して配布しました。IMCさんと、アケボノスクリーンさんの労作です。おまけに勘定奉行UM本さんのお骨折りで、会費の入金漏れが、なんとゼロ人!

 さてさて、この日の、先生の講演の御題は、「商いの神髄を探る」。

 参加者は、二条先生の講義を何回も聞いたことがある方ばかりなので、イキナリ「神髄」の話しになりました。

 時間が1時間と短かったのも、かえって良くエッセンスがぎっしりの内容でした。

 参加者のグループデイスカッションの時間では、大勢の皆さんの熱気で、冷房を回すほど。

 その様子を見た二条先生が、檀上で涙ぐんでしまう一幕もあり、一同胸を熱くしながら、聞き入りました。

 さて、懇親会で鏡割り。

 先生、台東区役所の文化産業観光部長、彪結会代表K社長、江戸川区「起彪会」代表N社長、「花巻夢・企業塾」代表J子社長、滋賀県「湖彪会」代表Y社長、それに私の7人で、にぎやかに鏡割りをしました。

 掛け声は、

 えい、えい、彪―(=ひょー)

 この掛け声は、今回のオリジナルで、発案者はT山さん。採用されて嬉しかったでしょうね。

 鏡割りの酒と升もスペシャルです。

 御酒は、地酒専門の酒販店として有名な、「三益酒店」のM保さん、Y美さん姉妹が、福島県喜多方市の「夢心」の大樽を用意しれくれました。立派でした。

 そして、升は「彪友会」のロゴ焼印付き。「フダヤドットコム」さんの手配です。しかも檀上の7人は個別の名入れです。いやあ、記念になります。

 さらに懇親会の各机の上には「彪友会」のオリジナル小旗が掲揚されました。旗製造の「トマック」さんの手配です。色合いもデザインも良い感じで、好評でした。

 そして、もう一つのオリジナルは先生の御衣装。

 「彪」の文字入りの半纏です。祭り好きのUM本さんが、懇意の半纏屋さんに注文したものです。檀上の先生に着ていただきました。

 その様子を眺めた参加者の皆さんからは、

 おおお~

の声が。

 さあ、これだけ準備して、懇親会が盛り上がらないわけはありません。進行のMN堂さん、司会のUK森さんの息もピッタリで、カンペキな時間管理。H恵さんの抽選会も好評。

 時間が押したのは、私の手〆だけでした・・・

 二次会の余興の「エア蕎麦選手権」も最高でした。花巻の方が、わんこ蕎麦のエア蕎麦を熱演して優勝しましたが、これは至芸の領域。

 二次会進行の、KCさん・T山さん、面白過ぎでした。台彪会幹事長GMOさんの手〆で、まさに最高潮。

 もちろん、そこで終わらず、三次会で夜も更けました。

 でも、まだ終わりません。

 さらに浅草を楽しみたい方のために、翌日オプショナル・ツアーをしました。私の店では、すき焼き+私の浅草史レクチャー+浅草散策ツアーを実施。

 私は、前夜の三次会の後店に戻って、このレクチャーとツアーの支度をしたので、かなり寝不足でしたが、そこは気合いで乗り切りました。

 おおむね、喜んでいただけたようです。その内容は、弊ブログの4/18号~4/20号に載せてありますので、ご覧ください。

 S藤さんの合羽橋コース、UGトさんのアート&クラフトコースも好評だったとか。

と、ここまで終わって、一段落。

 この内容で、昨日の弊ブログのようなご感想をいただけた次第です。

 まずは、目出度し、目出度し。

 参加者の皆さん、有り難うございました。

 台彪会・起彪会の幹事の皆さん、お疲れ様でした。

 とにかく、なにしろ今回は人に恵まれました。

 有り難いことでした。 南無観世音菩薩。

*この日の画像は、こちらをご覧ください。

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