通夜の来賓
ある御通夜に出かけました。
初めて行く斎場でしたので、ネットで経路を綿密に調べて出かけましたところ、帝国の3分過ぎイヤ定刻の3分過ぎに着き、私が受付をしている最中に、御坊様が式場の中へ入って行くのが見えました。
うん、我ながら、良いタイミングで着いたなあ。さて人数を見渡して、拝めるのは30分後くらいかなあ。
と思っていると、故人の会社の方が近寄って来て、
社長(=私のこと)! 中へお入りください!
とおっしゃいます。
いえいえ、いいです、外で待ってますから。
いやいや、御席を用意してあるんです。
え、そうなんですか、それは聞いてないですし、ここでいいですよ。立って待ってますよ。
社長、そんなこと言わずに、入っていただけませんか。
そうですか、参りましたね。
で、渋々式場の中へ入りますと、読経が始まったようです。
こちらへ、どうぞ!
いや、端っこでいいですよ。
いやいや、御席を用意してあるんです。
え?!そんな高い席は困りますよ。
とか、言っている内に読経の声が高くなって来ました。足音を殺して奥へ進みます。
え、そこですか?!最前列じゃあないですか。困ったなあ。「ご来賓席」って札が椅子に貼ってあるけど、「御来賓」なんですか、私?!
も~!これじゃあ、来賓が遅刻して来たみたいじゃないの。参ったなあ。冷や汗かいたなあ。
とか、思ってる内にも読経が響き、私は呼吸を整えて、背筋を正して聞き入りました。
ご冥福を、静かにお祈りしたかったんですけど・・・
追伸
4/20に「ニッポン全国彪友会~台東万博!」を主催しました。この日の画像は、こちらをご覧ください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて794日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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