総菜小売りビュッフェ
今回の、群馬・埼玉の食中毒事件のニュースを視ていて、私が
やっぱり。そうだったのね。
と思ったのは、インタビューを受けた消費者が口々に、
あの店は前から不衛生でイヤだなあと思ってたんですよ!
と言っていたことです。
総菜小売りビュッフェに問題があることは、食品衛生を少し勉強した者なら誰でも知っています。
ホテルのビュッフェであれば、「モーニング」の品物は、その時間内で食べられて「ランチ」の時間帯まで持ち越されることはありません。つまり菌が増殖しない内に終わります。
しかし総菜ビュッフェでは、いつ売れるか分かりませんし、それを買った消費者がいつ食べるのかも分かりません。
もちろん、ホテルのビュッフェにもリスクはあって、今後はトングを「品物ごと」ではなくて「客ごと」に変更するなどの改革が急務でしょう。しかしやはり、総菜ビュッフェよりは「まし」と言えます。
それなのに、現実に総菜ビュッフェが行われているのは、提供側が、
消費者はリスクには無頓着で、安さだけを求めてくるから仕方ないんだよ・・・
人件費をカットするには方法はビュッフェしかないんだよ・・・
と考えていたからでしょう。総菜ビュッフェはデフレ日本の象徴、失われた30年の象徴と言っても良いと私は思います。
ところが、その消費者が「前から不衛生でイヤだなあと思ってた」とは。要するに相互不信の構図だったのです。
今回の店が、少し値段が高くても衛生水準の高い店を!
という方向に行かなかったのは、根底に消費者や市場に対する不信が在ったからではないか、と私には思えてなりません。
そして、さらに申しますが、こういう現実を知ってか知らずか、
日本の衛生管理は世界一!
などと唱えている人を見ると私は、本当に悲しくなります。
南無観世音菩薩。
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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。