ハットグ問題

その問題では浅草より新大久保の方が深刻なようです。
「歩き食い」問題のことです。
報道によりますれば、
「新大久保周辺では最近、「飲食、座り込みはご遠慮ください!」とか「飲食禁止」などという、歩道や路上での飲食行為の禁止を警告する張り紙があちこちに掲示されている。」
・・・そうですが、これはハットグ・ブームのせいだそうです。
ハットグとは韓国式ホットドッグのこと。
ハットグは普通のホットドッグとは違い、中身がソーセージではなくてチーズ。食べる際にチーズがビヨーンんと伸びる様子が「インスタ映え」するということで、大ブレークしているそうなのですが、それを売る店が、食べるスペースやゴミ箱を設置しないので、路上に人があふれ、通りづらくなっているそうな。
また、そもそも味わうことよりインスタ画像の撮影が目的なので、ハットグを食べ切らずに、路上にポイ捨てして行く輩が続出しているのだとか。
浅草でも、メロンパン、抹茶ソフト、メンチカツなどで同じような公害が起きていますが、食べ切らずに、路上にポイ捨てというのは、あまりないですね。浅草の場合、路上で他人と食べ物が接触したり、脂ギトギトの手で商品をさわられた店の人が怒っている、という話しは聞きますが、ポイ捨てとなると大久保の街の方がかなりお気の毒です。
こうした問題は、マナー改善を呼びかけるだけでは、解決しないだろうと私は思っています。
食品衛生行政の問題と捉える方が良いと思います。
そもそも、ハットグを売る店が食べるスペースを設置しないことが問題なのです。
彼らは、事実上の飲食店つまり、その場で食事できる店なのに、食品小売業として営業しているのが、おかしいです。食品小売業であるならば、客が食品を家まで持ち帰れるようパックしないといけませんが、ハットグもメロンパンも抹茶ソフトもメンチカツも、「剥き出し」で売られていて、かぶりつけばすぐ食べられます。そして、すぐ食べられるのに食べる場所がないので、客は路上や、人の家の前で食べ、そこにゴミ箱がないので、ポイ捨てして行くのです。
これは食品衛生行政の問題と捉えるのが良いと私は思いますが、現在の行政は、そもそも、食べるスペースのない飲食店を想定していません。客が路上で食べざるを得ないような、非常識な営業形態を採る店は無いだろう、というのが前提なのです。
しかし悲しいかな、客が路上で食べざるを得ないような店が、どんどん出来ています。築地場外でも問題になっていると聞きました。
客のマナーも勿論問題ですが、大勢の人が既に「歩き食い」していますから、その様子を見て、マネする人が出て来るのを禁止するのは、たぶん難しいでしょう。
この件は都市計画の問題だ、自治体が公立路上食事場?を設置すべきだ、という意見もあるそうですが、一部の業者の後始末に税金を投じる合意ができるとも思えません。
マナーの問題、観光の問題と捉えていては、ずっとこのままだと思いますよ。

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仕事はじめ

さて今日が事実上の年始という方も多いと思います。
4日も平日でしたが、休みにしてしまった方が多かったようです。店の玄関から外を観ておりましてもスーツ姿の通行人が例年よりもかなり少なく見えました。その分ご観光の方は多く、弊店の商いは、前年4日よりもかなり稼がせていただきました。
んで、仕事はじめですので、2019年にどう働くのか、ですが、世間は2020オリパラと2025万博を目指しているようです。
昭和の成長よ、もう一度!
っていう感じなんでしょう。
私は、もちろん、そういうことは致しません。昭和の再現は、さほど魅力がないというだけでなく、危険なことだと思っているからです。
人口増加社会と人口減少社会とでは、企業の在り方を、正反対に変える位でちょうど良いと思います。
昭和の人口増加社会を思い起してみますると、
・労働力は安く買えました。クビにしても、すぐ代わりを用意できました。
・労働者同志が競争するので、労働の質が高まりました。会社への忠誠心も高まりました。
・労働者自身が消費者としてモノを買ってくれました。
が、今では、この三箇条がまったく存在しません。
郵便局では、今でも配達員にノルマを課して、年賀状を売らせているそうですが、それは三箇条の三「労働者自身が消費者としてモノを買ってくれました」に当たります。郵便局の経営者は、労働者が反乱を起こさない程度に巧妙に圧力をかけていれば数字が出来ました。その、巧妙に圧力をかける行為そのものが仕事だったと言えましょう。
しかし、今は人口減少社会。配達員にノルマをかけるとすぐ退職して他所へ行かれてしまいますから、その手は使えません。年賀状の価値そのものを心から訴えて行くか、あるいは全く別の仕事に乗り出すしかありませんが、今まで「ノルマをかける係」しか経験のない経営者にできるでしょうか、ね?
このように、昭和の再現は、さほど魅力がないというだけでなく、危険なことだと私は思っています。同じ仕事をしていて前年を超えるということは、人口減少社会では、基本的には起きないと思わないといけません。
私自身も、どうしても、すぐ数字を前年同月や同日と比べてしまいますけど、そうした比較自体も、今後は馬鹿げたことと思った方が良いのかもしれません。
皆様の2019年が、良い年になりますように。

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すき焼きじゃないじゃん。

<正月の、浅草インバウンドあるある>
すき焼きの肉だけ欲しい、
ザクは要らない、
というご注文が。
これだから、外人さんは困るなあ。
って、言うか、それってすき焼きじゃないじゃん。
ひどいね。

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正月のバトル

さて5日ですが、今年のカレンダーから想像しますに、今日も正月のバトルの最中と思います。
料理屋は普通昼席と夜席の間に一服するものですが、正月に限っては気を緩める時間が全く無く「終日バトル」なので、体力的にはとてもとてもキツいです。それでも大勢の方にお越しいただけるのは、もちろん在り難いことですし、この時季は毎年見える方が多いのが何より嬉しいです。
で、今年の様子ですが、弊店の初日である二日の、
お座敷の売上は前年同日と、ほぼほぼ同じ。
一方「ちょい食べ」導入後初の正月を迎えた、「ちんや亭」は、なんと前年同日対比174.2%。
いや、お疲れ様でした。
が、まだ気を抜けません。
普通に戻るのは、8日以降と思います。
飾り付けや食器なども、そこまで同じにする予定です。
皆様、落ち着いたら、遊んで下さいませ。

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やかましいCM

年があらたまり、「ふるさと納税」サイトのCMが減って、私はせいせいしています。12月は本当にやかましかったからですからね。
実は、このところ私は、
肉がマーケティングされ過ぎている、いや、
間違ったマーケティングをされ過ぎている
と思ってきたのですが、その典型が「ふるさと納税」サイトです。
ああしたサイトで肉を買った方々は、どの自治体にどういう肉が在るのか、まともな情報を得てから買っておいでなのでしょうか?
有名ブランド産地だから、という理由だけで買った方が多いと聞きます。結果、受け入れ額の上位50自治体に全国の総額(17年度3653億円)の約4割が集中してしまったとか。これは2017年の数字で、2018年は年末に「駆け込み」を煽りまくりましたから、もっと数字がヒドくなっているでしょう。
有名ブランド産地ではない、地方の自治体は赤字になっているそうです。都市部の所得が地方に移転するのなら結構なのですが、負け組の地方から勝ち組の地方に移転しているのです。
もう、制度として馬鹿げていると言って良いかと思います。
そして、その目玉商品が、肉。
根拠に乏しいブランドとか、あるいは部位とか、肉はこのところ間違ったマーケティングをされ過ぎていると私は思っています。
消費者は、普通に自分の希望する肉を買えないといけないですよね。
2019年は、そのスタートの年にしたいです。

追伸、「ちんや」は、年始は2日から営業させていただいております。よろしくお願い申し上げます。

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新語・流行語大賞2018

皆様、新年あけましてお芽出とうございます。今年もご愛読下さいまし。
さて弊ブログは昨年末中断し、昨日再開したものですから、調子がいささか狂っております。まず中断の間に書きたかった、昨年の「新語・流行語大賞」の件です。
この賞は過去に、
「忖度」
「保育園落ちた日本死ね」
といった政権批判語を入選させてきましたので、昨年もそういう傾向を期待なさった方が多かったと思いますが、結果は「まさか」の
「そだねー」
でした。
私個人の大賞は、
「外国人材活用法」ですか、ね。
後世から2018年の日本を顧みた場合、
女子カーリングチームがオリンピックで銅メダルを獲った年
と評価する人は少ないと思いますよ。後世から2018年の日本を顧みた場合、人手不足が行く所まで行って→移民の受け入れへ向けて舵を切った年
と評価されるでしょう。
だから、2018年の大賞は、
「外国人材活用法」だと思います。
ついでに申せば、言葉を発する時の感覚が、
「そだねー」
は軽すぎませんか、ね?
カーリングチームが拠点とする地方の方言が、そのまま中継の電波にのってしまって面白かった、というのが「そだねー」の実情だと思いますが、「外国人材活用法」の「活用」は、そんなことはなく、深謀があります。
そもそもこの法律を起案した人に、本気で外国人材を活用したい!という気持ちは、たぶん、無いです。ブラックで低賃金な日本の現場に日本人が就職しようとしないので、代わりに外国人を入れようと思っているだけです。
でも、その企図がバレると困るので、「活用」と表現しているのです。
本気で外国人材を活用したいなら、医師国家試験や弁護士国家試験に外国人枠を創ったらどうでしょう?上場企業の役員に外国人枠を創ったらどうでしょう?そうすれば、優秀な外国人材を日本社会のために活用できると思いますよ。
ところが「外国人材活用法」を起案した人に、そういう気持ちは、さらさら無いです。ブラックで低賃金な日本の現場に日本人が就職しようとしないので、代わりに外国人を入れようと思っているだけです。
んで、その意図がバレると困るので、「活用」と表現しているのです。この言語感覚が、今の政権のノリを如実に表しているので、私は新語・流行語大賞に推したいと思います。
「政治がらみ」の言葉は楽しくないし、どうしてもオリンピック・ネタが欲しいというのであれば、
「マサル」はどうでしょう?
そう、ザギトワさんが飼っている秋田犬の名前です。
海外の一流アスリートが日本の犬をペットにするというニュースは新鮮でしたし、さらに申せば、メス犬に「マサル」とつけるのは、かなり凄いことです(笑)
2018年の新語・流行語大賞は遡って、
「マサル」
にしましょう。

追伸、「ちんや」は、年始は2日から営業させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

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住吉史彦の十大ニュース2018

大晦日は例年「住吉史彦の十大ニュース」の日です。
詳しい内容を知りたい方は、アンダーラインのある所をクリックして下さいね。よろしくお願いします。さて、

1月 2017年に私が「適サシ肉宣言」をした1月15日が「適サシ肉の日」として日本記念日協会さんから認定されたました。

2月 「適サシ肉宣言一周年記念 この辺りでもう一度肉のことを考えてみる会」を弊店で開催しました。

2月 新たな「変わり卵」として「春菊卵」を開発しました。

4月 慶應義塾「料飲三田会」の総会を、鰻の「大江戸」さんで開催しました。昨年4月に私が会長をお引き受けしてから、これで1年。なんとか、任期2年の折り返し地点まで来ました。

5月 弊ブログの三千日連続更新を達成しました。

5月 第29回「すきや連」を大阪市道頓堀の「はり重」さんにて開催しました。今回も全国から60名ちかくのすき焼き関係者が終結して、大盛況でした。「なにわ伝統野菜復活の会」難波りんご様の、なにわ野菜に関する卓話を拝聴した後、なにわ野菜の一つである「難波葱」を使ったすき焼きをいただきました。

8月 ちんや直営レストラン「ちんや亭」が、肉の「食べくらべレストラン」として再出発しました。今回より全ての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)をご用意することに致しました。

9月 東京商工会議所が主催する、第16回「勇気ある経営大賞」において、株式会社ちんやが「奨励賞」を受賞させていただきました。受賞理由は、
「格付や等級ではなくすき焼きにあった肉の提供に向けた挑戦(適サシ宣言)」でした。

10月 第30回『すきや連』例会を、十周年記念会を兼ねて開催しました。北は帯広、南は鹿児島から108人の方々が参加し、すき焼きの歴史において、空前絶後の集会でした。

11月 「適サシ肉」のロゴ商標を登録しました。小豆色の色付きロゴ商標です。このロゴ商標をつかって、箸袋やコースターを新調しました。

番外(11月) 転倒しまして、打ち所が悪かったので、入院しました。これにより弊ブログの連続更新は3.191日までとなりました。これが最重大ニュースかな・・・残念。
ご迷惑やご心配をおかけした皆様、申し訳ありませんでした。

皆様は、良いお年を。

あと二日

さてさて晦日です。
今日は一年中で一番長く働く日です。肉の売店が忙しいからです。
年末年始用のお肉を買うお客様が大勢見えるので、平日より早く店を開けます。
それと併行して、明日の分の仕込みや、ご予約分のパッキングもして行くのですが、「併行」とは言いつつも、やはりどうしても閉店後の作業になってしまいます。
で、一年中で一番長く働く日なのですが、今どき「働き方改革」で長時間労働は自慢できませんね。
平成最後の師走も、あと二日。頑張ります。

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残すところ1週間

さて平成最後の師走も、残すところ1週間。
この間肉の業界には色々な変化があり、その多くは私が好ましいと思う変化ではありませんでした。
そこで平成時代も後半、平成29年(2017年)1月に私は「適サシ肉宣言」をして、「ちんや」が仕入れる肉の基準を明らかにしました。その件は多くのメデイアやネットで大反響を巻き起こしましたので、ご記憶の方もあろうかと思います。
現状では、おおよそ上手く肉を仕入れられるようになったと考えています。
しかし世間では相変わらず、肉を私とは違った観点で売り出そうとしている方もかなり多いようです。
「ふるさと納税」で「〇〇牛」「△△牛」という産地ブランドを押し出そうという自治体は多いですが、その土地の牛さんは皆同じような血統で、同じように育てられているのですか?バラバラですよね。
「ミスジ」「ザブトン」など、肉の「小割り」をして、そこがやたらと貴重だと言っている人もおいでのようですが、その牛さん全体はどうなのでしょう?私は部位が美味いのではなく、牛が美味いのだと思うんですけど。
綺麗なピンク色の肉の画像をネットに載せて、クリックさせようとしている方も多いようですが、ピンク色=短期肥育=脂がかたくて融けない=モタレる、ですよ。
そうした流れとは違う方向性として私は「適サシ」を提示させていただきました。新しい時代には、そちらの方角へ進んで欲しいものですが、その為には「もうひと押し」が要るのかもしれません。
そんなことを考える年末です。
メリー・クリスマス。

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平成最後のクリスマス

今日もクリスマス・イブとか言う日は決ました、か。
忘年会が出来ませんねえ、今日は。
その代わりにクリスマスの御二人さんが、すき焼き屋を、どんどん利用されるかというと、もちろん、そういうケースもそれなりにありますが、大忙しというわけにはいきません。  
クリスマスにデートする人が、皆本気でキリスト様を信じているわけではないでしょうが、なんと言っても、浅草は観音様の土地ですから、クリスマスとはイメージがあいませんよね。
浅草の飲食店で今日休んでしまうところもある位です。
むしろ、時間が経過した御二人さんが多いですかね、「ちんや」では。
この日にフレンチとかイタリアンのレストランに行くと、若いラブラブなカップルばかりで、そうでない方は、居心地が良くないですから、すき焼き屋の方が快適なのでしょう、たぶん。
そう言えば、知人のイタリアンが大好きな社長も、「クリスマスには行かない」と言っていました。「第一部:5時30分〜、第二部:8時〜」とか、入れ替え制が敷かれているのも、その人は気に入らないようでした。
5時半じゃあ仕事終わらないし、8時じゃあ、腹減っちゃうし。
ごもっともです。
そういう、日頃イタリアンを愛好されている方も、たまには、すき焼きをお召し上がり下さい。
お願いします、こちらは静かですから。

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