「阪神淡路」の経験者

 「阪神淡路」の被災経験のあるUさんが、関西から食事に来てくれました。

 初めて詳しく聞いた復興物語は、やはり壮絶。その経験談を今回の被災者に聞かせたら、希望になって良いのに、と私は思いました。

 ところが御本人いわく、いやあ、あの時のことは話したいっていうより、忘れたいっていう感じですね・・・

 そうなんだ、16年たっても。

 その話しの中で、私の印象に残った話しが一つ。

 Uさんはその頃レストランにお勤めだったのですが、震災からしばらくして、ようやく店を再開した時に、一組の老夫婦がやって来たそうです。

 やっと電気・水道が開通したばかりの頃です。市内は、ガレキの撤去作業や仮設住宅の建設が進んでいて、まだ復興も緒についたばかりの時です。

 店で出したのは、小鍋すき焼き。その老夫婦は、すき焼きを食べて、

 ああ、頑張って生きて、またこういう美味しいものを食べたい、そのために何とか、頑張って行くよ。

 そう言って、彼の店を後にしたそうです。

 美味しい食べ物は、人を励ますことができる、それがわかった瞬間でした。  

 今、私たちにできること

 今、飲食店にできること

 大変だったでしょうが、阪神淡路が復興できたのは事実です。

 今回も、復興するぞ、ニッポン!

 貢献するぞ、すき焼き屋!

追伸①

 雑誌「ノジュール」2011年4月号に載せていただきました。「50代からの自分ライフを格好よく!」というコンセプトの雑誌です。

 その「ザ・東京めし これぞ江戸の味!」というコーナーに載せていただきました。

 JTBパブリッシング社より発行。定価750円だとか。

追伸②

 仙台牛メニューの提供を開始しました。普段より高い値段で、お買い求めいただき、利益を被災地の畜産関連団体に贈ります。弊社も利益の一部を供出いたします。

 宮城県登米市・千葉正憲牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号は03686-13232。

 美味しく食べて被災地支援を!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて394日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 震災不景気でヒマなのでTwitterのリストを作りました。リアルに面識のある方々だけが載っているリストです。覗いてやって下さい。

暗中模索

 今週末弊店で、結婚式の後の御食事を予定しておられる方から連絡がありました。

 決行!とのこと、目出度いです!

 でも地震で参加人数が少し減ったのは、お気の毒なことでした。御二人に幸多からんことを祈ります。さて、

 月刊「百味」4月号が届きました。

 「百味」には、向笠千恵子先生の『続すき焼き ものがたり』が連載されています。この連載は、昨年の5月号より始まったもので、もう今回で第12回です。この連載を、私が早速読むだけでなく、「ちんや」では全従業員が読んでいます。

 今回向笠先生は、地震前の入稿ですが、昨年7/12に「ちんや」で開催した「すきや連 日本短角牛の、すき焼きを食す会」のことを書いて下さいました。

 これだけ大勢の、すき焼き関係者が集合して、短角牛のすき焼きを食べるのは、たぶんこの時が初めてだったのではないか、と思います。このような会を開催することができたのは、短角牛生産者の、「北十勝ファーム」さん(北海道足寄町)のご協力によるものでした。

 もちろん、ご本人にもご出席いただきました。開宴に先立って、「北十勝」のファームマネージャー・上田金穂さんによる卓話を、皆さんにお聞きいただきました。大変参考になりました。

 日本短角牛は、おりからの「健康志向」「国産食材見直し」で再評価されています。しかし肉に霜は降らないので、すき焼きにした場合、甘辛の醤油味がストレートに味に響いてしまいます。そこをなんとかマイルドにするよう、いろいろ思案したのが思い出されます。

 あれからまだ9ヶ月ですが、地震の後では、すごく大昔のことのように感じます。あの時話題にしていた、「健康志向」「国産食材見直し」はこれからどうなるでしょう。

 暗中模索とはこのことですね。

追伸

 仙台牛メニューの提供を開始しました。普段より高い値段で、お買い求めいただき、利益を被災地の畜産関連団体に贈ります。弊社も利益の一部を供出いたします。

 宮城県登米市・千葉正憲牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号は03686-13232。

 美味しく食べて被災地支援を!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて390日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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大盛況!第8回「すきや連」②、仕方ないので。

 被災地とは比べ物になりませんが、弊店も営業上の損害を受けています。でも本日からブログを平常に戻します、仕方ないですので。

 今Mottai-nai精神に続けて、Sikata-nai精神を提唱しようかと思っています。海外での評価が高いとか。

 では、Sikata-naiですので、目出度い話しも再開です。

3/8に、第8回「すきや連」を京都三条寺町の老舗「三嶋亭」さんで開催しました。初めて関東以外に進出です。全国から55人の、すき焼き屋とすき焼き愛好家の方々が見えて大盛況でした。

  以下は、その時の皆さんの、寄せ書きです。今日は、その2日目です。

・お部屋入って感動!すき焼きを食べる前からわくわくしています。

(岡半・柴田進吉)

・毎回究極のすき焼きに拍手!!(川井秀晃)

・天ぷらも大好きですが、すき焼きも大好きw(新宿つな八・志村久弥)

・大好きなすき焼き追いかけて京都までお邪魔しちゃいました。楽しいです。(雷門おすぎ・清水祐子)

・八角机八角鍋三嶋亭さんの縁起のすき焼きで口福になります。(登起波牛肉店・尾崎仁)

・三嶋亭さんは初めてでワクワクしてます。(中川畜産・中川晶成)

・三嶋亭さんは何十年ぶりです。楽しみです。(千成亭・上田健一郎)

・初春、京都牛、幸せ。(アマイ・天井輝)

・京スキヤキバンザイ!(伊豆川事務所・伊豆川嘉規)

・古都京都でのスキヤキ楽しみ(隠岐潮風ファーム・田仲寿夫)

・初めての三嶋亭すきやきに心ゆらぐ(荒井屋牛鍋店・河本清貴)

・八角鍋に関西風のすき焼き楽しみにしてました。(今朝・藤森朗)

・京都のすき焼き関東人としては楽しみにしています。(ヘルシーフード・黒田誠)

・三嶋亭鍋にたわむれ元気もりもり心身ともに感謝感謝(九鬼産業・九鬼紋七)

 (以上)

 今回、「三嶋亭」の三嶌社長には、本当に、何から何までのお世話になりました。有り難うございました!!!

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大盛況!第8回「すきや連」①

 3/8に、第8回「すきや連」を京都三条寺町の老舗「三嶋亭」さんで開催しました。初めて関東以外に進出です。

 全国から55人の、すき焼き屋とすき焼き愛好家の方々が見えて大盛況でした。今回で8回目ですが、旅先ということで、皆さん、いつになくリラックス・ムード。

 また、この日にあわせたかのように、「すきや連」旗振り役代表の、向笠千恵子先生の御本「食の街道を行く」が、料理本のアカデミー賞とも言われる、「グルマン料理本大賞」の、紀行本部門2010年グランプリに選ばれたことが発表されました。

 その目出度さも加わって、いつになく、盛り上がっていたように思います。

 以下は、その時の皆さんの、寄せ書きです。皆さんの文字がご機嫌なので、判読に結構難儀しましたが、それだけ、皆さん、楽しかったのでしょう。数が多いので、2日に渡って公開します。

・すき焼きや寺町三条灯のともり(向笠千恵子)

・今日「おおきに」有り難うございました。(三嶋亭・三嶌太郎)

・Gourman Grand Prix 受賞おめでとう!!京都いつまでも京都素敵でありますように!(平凡社・松井純)

・京都はんなりすき焼き楽し これからもつなげましょう。(編集工房DOI・土居秀夫)

・日をあらためて祝の会をやりましょう。(坂田甚内)

・こんなに美味しいすき焼きは生まれて初めて頂きました。ありがとうございました。

(坂田甚内桜杜工房・野中洋子)

・京都でも今日も美味しいすき焼きよ(月の井酒造店・坂本敬子)

・すき焼き大好きな納豆屋です。(下仁田納豆・南都隆道)

・「三嶋亭」さんのすき焼き感激いたしました。これを機会に全国のすき焼きを食したい願望にかられました。(牛や清・藤井紀美江)

・すきや連古都で集いし春一夜(かとう精肉店・加藤一之)

・生まれ日に古都で巡りし旨し牛肉(にく)(かとう精肉店・加藤英子)

・きのうのご馳走よりきょうのすき焼き(下仁田ファーム小金沢農園・小金沢章文)

・すき焼きで葱とこんにゃくの下仁田名産を(常盤館・島崎進)

・「三嶋亭」さんの味、京都の伝統 とても楽しく堪能させて頂きました。(銀座吉澤・吉澤裕介)

・おいしいお肉、おいしい麩 伝統と歴史を感じる一日になりました。(銀座吉澤・吉澤直樹)

・脇役変じていきなりの主役。畏れいってしまいました。(麩太・青木太兵衛)

・悔しいくらいおいしい・・・向笠先生、おめでとうございます。(鳥山畜産食品・鳥山渉)

・グランプリを祝う席でグランプリ級のすき焼きを堪能いたしました(有田屋・湯浅康毅)

・電気コンロのあかりに昔の今半御殿に思いをはせています。(今半本店・相沢二郎)

・京都でのすき焼き、伝統を感じて楽しみです。(鹿児島ますや・米増昭尚)

・京都名店でのすき焼き、楽しみにしております。(浅草今半・高岡修一)

 寄せ書きはまだありますので、続きは明日。

追伸

 「ひひひひ」の元祖である、「コント55号」の坂上二郎さまが逝去されました。心よりお悔やみ申し上げます。

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社中交歓

 どうもこの所、へんなメールが多いですねえ。

 「まだ募集してますか」という題のメールが来たので、ただ今受験者募集中の第二回「すき焼き通検定」のことかと思って開けたら、セフレの応募でした・・・

 誰かなんとかして下さい。 さて、

 「三田評論」3月号が送られてきました。

 弊店が「三田評論」に広告を出稿しているので、毎号送られてくるのですが、内容はと言うと結構本格的な、学者さん方の論説がメインの雑誌ですので、mottai-naiことですが、全部読みきるのは稀です・・・ね。

 毎号読んでいるのは「三人閑談」と「社中交歓」のコーナーくらいでしょうか。

 「三人閑談」というのは、対談コーナーで、以前ウチの父も、明治の食文化がテーマの回に出させていただきました。

 一方「社中交歓」は対談ではなく、同じテーマの下で、4人の卒業生が別々に短文を投稿するコーナーです。同じ学校を出ても、進む分野はいろいろですので、同じテーマでも見方が人によって相当違って面白いです。

 さて、その「社中交歓」コーナーの今月の御題は、

 砂糖。砂糖をテーマに4人の卒業生が投稿しています。

 その、今月の4人の投稿者の中に「すきや連」メンバーの高村善雄さん(=沖縄さとうきび機能研究所社長)がいました。テーマは「さとうきびで長生き」。

 砂糖と言うと昨今、長生きの敵のように言われる中で、高村さんは「砂糖でアンチエージング」を目指しておられます。

 ただし、上白糖は×。

 上白糖のように、精製してしまっては、せっかくのアンチエージングな成分がなくなります。工業的に砂糖を製造しているメーカーさんは、砂糖を保存しやすくするため、砂糖以外の成分を除去しようとなさいますが、それが、人間の体には面白くないのです。

 きびの砕き方も問題です。さとうきびに含まれるアンチエージング成分である、低分子ポリフェノールは、抗酸化作用がありますが、きびの内実部に在るので、そこを砕いて採らないといけないのです。南国のお爺が、きびを畑で齧るのと同じことを製造過程でしないと、その成分が採れないとか。

 そしてさらに、「三田評論」には書いてありませんでしたが、このような砂糖は、アンチエージングなだけでなく、美味いです。いや、美味くなるのです。

 完全に砂糖を精製してしまうと、非常に安定した状態になり、保存しやすくなりますが、その逆の、保存性が高くない状態=いろいろな成分があって不安定な状態で保存すると、熟成が起こり美味くなります。

 そうです、砂糖なのに熟成が起こり美味くなるのです。

 熟成をテーマにしている私は、「すきや連」で高村さんから、この話しを聞いた時、思わず引き込まれました。

 ほほお、砂糖なのに熟成ねえ。

 そう言えば、先日知り合いになった、日本酒の蔵元さんも、酒を熟成させる試みをなさっていました。酒の中の、水の分子とその他の分子のからみ合い方が、酒ができてすぐと熟成させた後では、違うのだとか。

 その日本酒の古酒は、メッポウ、弊店のすき焼きに合いました。

 ううむ。今後、この方向性で行ってみようか。

 人間も熟成すると、良いし・・・ね?

追伸

 3/13(日)実施予定の、「ちんや すき焼き通検定」の、受験申込みの受付を、2/16より開始しました。詳しくは、こちらをご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて372日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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二度目の春

 急に春めいて来ましたね。

「ちんや」の「変わりザク」も春バージョンになりました。

 今回は、

・タケノコ:福岡県産。割下が良くしみ込みます。

・長セリ: 宮城県産。少々の苦味がアクセントになります。

・山ウド: 栃木県(那須地方)産。食感をお楽しみ下さい。

の3種盛りです。タケノコは一度下茹でしてあります。長セリ、山ウドは生でお出しします。

 この「変わりザク」は、21年7月の第3回「すきや連」(浅草今半さんで開催)の時に、カメラマンのカワイさんという方から提案していただいたメニューです。

カワイさんは、素人すき焼き愛好家であって、向笠千恵子先生の「すき焼き通」(平凡社新書)の第9章に実名で登場する方ですが、「すきや連」にも毎回参加して下さる方です。

 その方が「専門店のすき焼き屋さんで、季節の「旬のすき焼き」メニューで、思いっきり季節を感じながら食べられても良いのではと思います。」と提案されました。

 これをキッカケに、21年の秋に始めたメニューが「変わりザク」です。そうです、「変わりザク」は「すきや連」からはじまった、新メニューなのです。

 その秋バージョンが好評だったので、季節ごとに内容を変えて、二度目の春になりました。ついでに箸置も春らしいものに変えました。

 すき焼きは普通のままだと、季節感がありませんが、この変わりザクで、季節感をお召し上がりいただきたいと思います。

♪もうすぐ春ですねえ〜 鍋をしてみませんか〜♪

追伸

 3/13(日)実施予定の、「ちんや すき焼き通検定」の、受験申込みの受付を、2/16より開始しました。詳しくは、こちらをご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて368日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

こういうときこそ

 弊ブログは、昨日から2年目に入りました。引き続き、ご愛読をお願い申し上げます。さて、

 月刊「百味」3月号が届きました。

 「百味」には、向笠千恵子先生の『続すき焼き ものがたり』が連載されています。この連載は、昨年の5月号より始まったもので、もう今回で第11回です。この連載を、私が早速読むだけでなく、「ちんや」では全従業員が読んでいます。

 このところ寒いので、もうお忘れの方もおいでかもしれませんが、2010年は猛暑で、農作物が不作でした。そういう中「こういうときこそ、すき焼き好きは立ち上がらないといけない。生産者やお店を力づけるために、もりもりすき焼きをたべよう。」という趣向の、食事会があったようです。その顛末が、この号に載っていました。

 会場は「すきや連」メンバーで、前橋市の「牛や清」さん。

 この会には、やはり「すきや連」メンバーで納豆生産者の「下仁田納豆」さんも参加されたようですが、今年の大豆の作柄の話しになると、

 「今日は渋い顔」・・・

 そうなんです。今年は、ほとんどの作物の出来が本当に悪く、困っています。先日弊店でも、ネギが美味しくない、という苦情があって、その時は泣きそうになりました。

 そのネギを食べてみましたら、まあ、普通です。普通に食べられます。でも出来の良い時は「ネギがこんなに美味しいって初めて知りました!」とか言っていただいていたのが、弊店の千住ネギです。

 そもそもの期待値が、そのレベルだったのでしょう。それから比べれば、美味しくはありませんね、たしかに。

 そういう中「こういうときこそ、すき焼き好きは立ち上がらないといけない。生産者やお店を力づけるために、もりもりすき焼きをたべよう。」という、御考えは本当に有り難いことです。

 そういう風に思っていただくためにも、生産者サイド・店サイドとしては、悪い情報を隠しだてしない、ということが大事と思います。

 天気には勝てず、最高レベルのものが非常に少ないのは事実です。ですので、その事実を、ここにこうして、わざわざブログに書かせていただきます。

 そういう中でも、すき焼き屋に行ってやろう、という方もきっとおいでと信じます。むしろ、こういう時こそ、と思って下さる日本人が現れるハズ、と期待しています。

 期待しつつ、自分に不利であっても、情報は出そうと思っています。

 実は、酔っぱらいだとか・・・

追伸

 3/13(日)実施予定の、「ちんや すき焼き通検定」の、受験申込みの受付を、2/16より開始しました。詳しくは、こちらをご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて367日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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「カリスマ受け売り師・住吉史彦の生涯の半分くらい」六夜連続興業の大詰め=志を建てる 

  お届け致しておりますのは、題して、

  ブログ連続更新365日記念スペシャル

 「カリスマ受け売り師・住吉史彦の生涯の半分くらい」

  六夜連続興業の大詰め=志を建てる 

  平成17年(2005年)頃=弊店創業125周年の頃から、BSE問題も一段落したように思います。また小泉改革で、景気もやや上昇しました。この頃から、少し自分なりの活動ができるようになったと思います。

 この当時、すき焼きについてまとまった本がないことを残念に思っていた私が、どなたか高名な方が、すき焼きのことを書いて下さらないかなあ、と思っていたところ、それを聞いて下さったのが向笠千恵子先生でした。創業125周年記念で、向笠先生に書いていただくことにしました。

 その文が最初発表されたのは、雑誌「百味」の連載『すき焼き ものがたり』で、 さらに、この連載が、その後加筆・修整されて、平凡社新書『すき焼き通』としてまとめられました。それが、平成20年10月15日のことです。すき焼きについての、たぶん唯一の単行本が、この御本です。

 そしてさらにさらに、この御本の、出版のお祝いの会を私の店「ちんや」で開いたことが、すき焼き屋とすき焼き愛好家のグループ「すきや連」の発足へとつながっていきます。

  このお祝いの会の時、初めて全国からすき焼き屋さんが集結し、せっかく面識が出来たのだから、1回コッキリで終わらせるのは、mottai-nai。「すき焼きを味わいながら、日本の食文化を語り合う会をつくりたい」との話しが期せずして盛り上がり、「すきや連」が発足しました。

  その後「すきや連」の活動は順調以上で、毎回定員オーバーで現在に至っています。 以上が「すき焼き通」と「すきや連」の由来で、こうした活動のために、私はこの五年間を過ごしてきました。あっ、と言う間に過ぎたような気がします。世は不景気ですが、こうした活動で、すき焼き業界に少しでも良いことがあれば、と思っています。

 このように「すきや連」活動をしたことで、私には良い出会いがありました。「すきや連」には、すき焼き屋だけでなく、全国から向笠千恵子先生が認めた、素材や調味料の生産者の方が見えています。

 皆さん、志をもって、昔ながらの仕事・手間のかかる仕事・安全な食品づくりを守っておられる方々でした。そういう方々と直に接することができ、感心することが多く、本当に勉強になりました。それが、この時期の収穫でした。

 同じ頃、私は別の場所でも、志を持つことの大事さを教わりました。それは、二条彪先生の「台東区若手経営者サポートセミナー」です。

  二条先生は、ご自分が親から継いだ会社を破綻させた経験を踏まえ、悩める後継者社長を一人でも多く救おう、と熱い心で経営論を講じておられる方です。

  教わったことは、

  志=自分が社業を通じて、どのように世の中の御役にたつか、

  あるいは、どのようにお客様に喜んでいただくか、

を常に、全ての仕事の中心に置くように!ということでした。

  マーケテイングも人事も、その他のことも、何か判断する時は、その原点を忘れないように!と教わりました。利益を先んじて考えてはいけない。「三方良し」の精神を持て、とも教わりました。

  また同じセミナーに来ている、若い経営者の方々が、皆さん、立派にやっておられるのを見て、大変刺激を受けました。

  自分が、本当に、どのようにしたら、世の中の御役にたつか、ようやく、突っ込んで考えたのは、この時期だったと思います。全く、遅いですよね。でも、まあ手遅れとまではヒドくないと思いますけどね。

  さてさて、この稿は既にだいぶ長くなっていますが、今日中にこの話しを終わらせないといけないので、まだまだ続きます。

  そこで、飽きてしまった方のために、秀才君で趣味人の私から、知的なジョークを飛ばしておきましょう。

  JSバッハと言えば「音楽の父」ですが、そのバッハが笑いました・・・

  ばっはっは。

  もとい。

  今、私が是非社業すなわち、すき焼きを通じてやりたい、と念願していることは、

  すき焼きで、ニッポンのご家族の絆を深めること、です。

   すき焼きには必ずそれができる。そうした、ご家族の思い出の中で商売をさせていただけたら良いな、と考えています。

  過度期の私は「高級飲食店と言えば、やはり御接待だろう」「一流企業に使ってもらえるようにせねば・・・」などと考えていましたが、心底から、そう念願していたわけではないので、何をしてもイマイチでした。

  でも今は、ここに書いた志に沿っていけば、仕事に方向性が出来るので、だいぶやりやすくなりました。

  その代表例が、昨年9月に開設した「ちんや」創業130年記念ホームページです。このサイト上で「世界に一つだけの すき焼き思い出ストーリー」の募集を始めました。多数のご投稿をいただきましたが、思った通り、ご家族の絆に関するお話しが、圧倒的に多かったですね。

  「ちんやメンバーズ・カード記念日割引」を導入したのも、当然同じ方向性です。「記念日割引」の対象になる記念日として、結婚記念日が多く登録されたのは嬉しいことでした。結婚は家族の原点ですから、そういう記念日に、今後も「ちんや」を是非お使いいただきたいものです。

  「食育」活動も進めていますが、「ちんや」の「食育」は他店と少し毛色が違います。

  親御さん、つまり大人を「食育」して、その親御さんが自分のお子さんに、その知識を「食育」する、というのが、「ちんや」の方向性です。店の人間が直にお子さんを教えることも致しますが、できれば、親⇒子が理想です。

  やはり、昨年スタートさせた「ちんや すき焼き通検定」に合格した大人の方が、後日お子さんを連れて、来店して下さっていますが、それもまた嬉しいことでした。

  「すき焼き通検定」の合格者は、自動的に「メンバーズ・カード」に入っていただくので、これにより自動的に「記念日割引」を登録することになります。ですから検定合格者の方は、自然と、そうしたご家族の記念日に「ちんや」へ来て下さいます。そして、店内で食事をしながら、お子さんにあれこれ、すき焼きのことを「食育」なさっています。

  検定に合格しているのですから、自信を持って「食育」できますよね。こうして味覚や食に関する知識が親から子へ継承されます。

  「前から ずっと食べてきた、

  そして孫にも食べさせたい、

  安心、うまい、もたれない、「ちんや」の御肉」

  これこそが、今私が考えている、理想形です。これを目指して邁進いたしますことを、あらためて、この場にてお誓い申します。

  さて、こうして六夜おつきあいいただくことで、ようやっと、今の私に辿り着いていただきました。

  え? 標題の「カリスマ受け売り師」の説明がないぞ って?

  そうでした!! でも、勘の良い方はわかっておいでですよね。

  「受け売り」っていうのは、このブログのことです。

  自分の理想・自分のやりたいことを、皆さんにお話しするべく、ちょうど1年前に、このブログをスタートさせました。

  ブログを書くためには、一部自分がこの眼で見ていないことも書くようになります。店を構えて営業していますので、普通の方と比べて、外出が自由ではなく、文字学問・耳学問を基に書くことになります。

  そうして書いた文であっても、願わくば、読者の皆さんの心に届いて欲しい、

  それが出来たら「カリスマ」だよね!

  そうです、ブロガーとして目指すところを、「カリスマ受け売り師」とさせていただくことに致した次第です。

  そうかい、わかったけど、長いぞ! 他のブログも読まなきゃいけないんだぞ って?

  そうでしたか。お後がよろしいようですので、それでは、これにて。

  皆様、にぎにぎしく御見物、誠に有り難う存じました。

追伸

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夫婦で旅を

  先週末、高額のメニューを召し上がった女性が「ちんやメンバーズカード」に入会されました。申込書を拝見すると、「記念日割引」の対象になる記念日は創立記念日。肩書はと言うと・・・

 おお、女社長様。創立記念日に全社員で、すき焼き宴会なんて最高ですよね。今後もご散財をお願い申し上げます。さて、

 3月に京都「三嶋亭」さんで、第八回「すきや連」を開催します。これまでの七回は東京と横浜で開催してまいりまして、今回が初の京都進出です。

  そういうことで、初の遠征ですので、

 関東の人がどのくらい参加してくれるだろう、

 「三嶋亭」さんには50人収容の大きい宴会場があるのに、参加者が20人とか25人とかだったら、カッコ悪いなあ、そうなったら「三嶋亭」のM社長に対して面目ないなあ、と思っておりましたが、結果は・・・

  定員オーバー!!

  2/21の締め切り日を待たずに、大広間はいっぱいとなり、今後、出遅れたお申し込みが来た場合、旗振り役兼事務局長の私は、それを断らないといけません。嬉しい悲鳴です。

  で、遠征にも関わらず、定員オーバーと成った理由ですが、それは、夫婦お揃いでのご参加が何組かあったからです。

  これまで「ちんや」を含めた、関東の店で開催した時は、そういう例はありませんでした。現社長のお父上と後継者のご子息が二人で、つまり男二人で参加なさる、というケースはありましたが、夫婦二人で、というのはありませんでした。

  それが「京都で」となった途端、私の所へ、遠慮がちな電話がかかってくるようになりました、

 「混んでいるようなら諦めますけど、ヨメを連れて行っても構わないでしょうか?」

 「ウチのワイフが、連れて行けって申しますんですけど、大丈夫でしょうか?」

  やはり京都という磁場が旅情を誘うんですねえ。

  浅草で開催した時は、そういうことがゼンゼン無かったのが、かなり悔しいです。浅草も国際観光地であって、「来街者数で京都をぬくぞ!!」と、この辺りの皆さんは鼻息が荒いのですが、「夫婦度」という点では完敗していることが分かりました。

  今後は、そういう観点で、浅草の街のことを考えてみないといけないかもしれません。幸い、「ちんやメンバーズ・カード」に「記念日」として、ご結婚記念日を登録されている会員さんが増えてきました。

  夫婦の記念日に、二人で浅草へ!となったら良いですね。

  それで、住吉はどうするんだって?

  そりゃあ、ウチのヨメは断りましたよ。だって定員オーバーですから。

  何の問題も在りませんよ、言うまでも無く、勿論、全く。

追伸

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Filed under: すきや連,ぼやき部屋,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

発送作業

 3月に第八回「すきや連」を、京都に老舗「三嶋亭」さんで開催予定です。八回目にして初めて京都へ進出します。

 そのための案内状発送作業が今、追い込みなのですが、発送作業の中には写真の封入作業もあります。

 去年の11月に「伊勢重」さんで開催した、前回(=第七回)の「すきや連」に出席した方へ送る案内状には、その時の写真を封入しています。集合写真の他、30カットほどのスナップ写真が、3枚の紙に編集されています。オールカラーです。

 前回を思い出していただいて、今回も是非ご出席を!!という趣向です。贅沢でしょう?

 当然、お金も手間もかかりますが、第二回から、この作業を続けています。

 その理由は、お互いの顔と名前を覚えていただきたいから。「すきや連」の開催は、年に3回くらいの頻度ですから、皆さんにしばらくお目にかからずにいると、記憶があやしくなってきます。

 この写真を見ることで、前回の記憶を取り戻して「あの方にまた是非会いたい」と思っていただけたら、良いなと思っています。

 でも、この写真封入を続けている本当の理由は他にもあります・・・

それは、写っている皆さんの笑顔が本当に楽しそうだから。

 すき焼きを囲んで談笑している参加者の皆さんは、メッポウ素敵です。すき焼きっていうものは、こんなにも人を楽しい気持ちにさせるものなんだ、とあらためて再認識させられます。

 しかも参加しているのは、ほとんど全員が食のプロです。そういうキビシい方々でも、すき焼きの鍋を囲めば、自然と、愉快に飲み食いするものです。その気分が写真に溢れています。

 だから、お金も手間もかかりますが、写真の封入は楽しい仕事です。

 初めての京都進出で、関東からの参加者がどのくらいの人数になるか、不安もありますが、この写真をご覧になれば、きっと、出席したくなると思います。

 「すきや連」―今回も、頑張って成功させたいものです。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて339日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)