菌床栽培
突然ですが、椎茸に「原木栽培」されたものと「菌床栽培」されたものがあることをご存知でしょうか?
「ちんや」で使っているのは、勿論「原木栽培」されたもので、こちらが上等ですから、当然それを自慢たらしく説明するのですが、お客様からの反応は、
ゲ、ゲンボック・サバイバルって何かのゲーム???
ということが多いので、世間は椎茸の育て方などには無関心かと思っていました。「ゲンボク」っていう言葉自体が馴染みがないですしね。
ところが今月13日、YAHOO!ニュース経済版のヘッドラインに突如、
「シイタケ菌床 輸入量が過去最高 産地に危機感 「国産」で流通」
という見出しが出たので、私は驚きました。3連休の中日でビジネス関係のニュースが乏しかったからでしょうが、椎茸が主要ニュースになるとはねえ。
ここで念のため菌床栽培(きんしょうさいばい)をご説明しますと、
菌床(オガクズに米糠などの栄養源を混ぜた人工の培地)でキノコを栽培することですね。
原木は字の通り、薪のような形の木に椎茸を付けていく方法で、天然ではないですが、より天然に近いですから、食味は断然原木が勝ります。原木に慣れると菌床の方はナヨナヨしていて、椎茸とは別物かと思ってしまいます。
では、何故菌床で栽培するか、ですが、
・産業廃棄物つまりゴミであったオガクズを有効利用できる。
・種菌付けから収穫までの時間が半分程度で済む。
という理由です。
で、13日のニュースの内容ですが、これが実に酷い話しでして、
中国からの、安い菌床輸入が急増しているというニュースでした。
菌床が輸入であっても、それを国内に導入して、そこで育てた椎茸は「国産椎茸」として販売できる、というのがカラクリです。
食品製造の最終工程さえ日本で行えば、最初が海外であっても「国産!」と言える、というのは椎茸だけではありません。色んな分野で抜け道として利用されていますが、不誠実ですよねえ。
当然国内の椎茸産地は危機感を強めていて、国産菌床には、そのように表示をしようと動き始めたとかですが、どうなりますやら。
皆様、お気をつけを。