亥年

さて亥年です。
昨年両国の「ももんじや」さんをお訪ねしましたら、ご主人は、
来年は亥年だから12年に一度のフィーバーですよ。
と言っておられました。
干支でそんなに忙しくなるもんですか?ウチは丑年が来ても全然関係ないですよ。
と申しましたが、亥年はやはり大忙しなんだとか。特に年始はお忙しいそうで、結構なことです。寒さが緩んだら、また伺おうかと思っています。
ところで亥年は、牛肉だけのことではなくて、肉食全体のことを考える気にさせてくれる年です。牛鍋というものは江戸時代の猪鍋の具が変わっただけだからですね。
江戸の外れの、街道筋の町にはたいてい「百獣屋(ももんじや)」という料理屋があり、そちらの方面で獲れた猪などを食べさせていました。当時日本人は幕府の政策で、どこかの寺の檀家になっていたはずですが、肉食は止められなかったようです。だいたいお経って、難しくてゼンゼン分かりませんからね(笑い)
興味深いのは、一口に「肉食」と言っても、家畜と野生では同じ意識ではなかったことです。野生の獣を獲って食べることは、家畜を食べることに比べて罪悪感が小さかったようです。この辺の感覚は現代と逆ですね。
牛さんは田圃で働いてくれていたので、食べることに特に罪悪感が強かったようです。その後御一新により、意識が変わったことは御承知の通りです。
家畜を食べるのと野生を食べるのでは、どちらが罪か?
私は勿論わかりませんから、どちらも感謝して、美味しく食べようと思うのみですね。
南観世音菩薩。

Filed under: 色んな食べ物,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)