野菜としての唐辛子

 7/31の隅田川花火大会を控え、隅田川周辺には、すでに頑丈なバリケードが多数設置されています。それを尻目に、

 7/29、向笠千恵子先生の、唐辛子についての、セミナーに出席しました。

 「野菜としての唐辛子を楽しむ」という趣向のセミナーで、唐辛子を主役にしたオリジナル・ランチ会席も付いていました。

 すき焼きに入れる野菜は、従来決まりきっていましたから、私・住吉史彦は、ごく最近まで、すき焼きに入れない野菜については、あまり興味を持たずにきました。

 でも、去年の7/7の「すきや連」での寄せ書きをキッカケに、「ちんや」で「変わりザク」を始めてから、俄然、野菜も面白くなってきました。

 7/11の、「かぶちゃん」こと鏑木武弥さんとの対談でも、肉のことはあまり話さず、野菜のことばかり話していました。

 また、7/12に「ちんや」で開催した、「すきや連」で「変わりザク」として、

 賀茂ナス、蓮根、伏見甘長唐辛子、オクラ、凍み蒟蒻 をお出ししたら、

 「短角牛と夏野菜の相性は格別でした。」

 「七夕に短角牛に出会いしあわせです。季節の野菜も彩りよく、すき焼をいっそう美味しくしてくれます。」

 「めずらしいお肉 めずらしいザク 素晴らしいすき焼きをありがとうございます。勉強になりました。」

 などと寄せ書きしていただき、私もますます頭にのってきました。

 そんなおりもおり、今回の「野菜としての唐辛子」という趣向のセミナーがありましたので、是非にと出席させていただきました。

 向笠先生は、新刊本『食の街道を行く』で、唐辛子が伝わった道を訪ねておいでで、さすがの詳しさです。また生産者や、加工業者の方も見えていて、つくりの苦労話しなどを聞かせてくださいました。

 そもそも、唐辛子は新大陸生まれ。コロンブスが持ち帰ってから約100年後に日本に伝わりました。そして、香辛料として普及する一方で、京都などではうま味中心の甘唐辛子として、万願寺唐辛子・山科唐辛子・伏見甘長唐辛子・あま南蛮・鷹ケ峰青唐等の野菜に生まれ変わりました。

 また、さまざまな唐辛子の加工食品も全国各地に存在していて、日本人の暮らしに、いかに唐辛子が浸透しているか、わかります。不覚にも、知りませんでしたが、唐辛子は、いやあ、面白いです。

 が、

 えー、唐辛子情報はとりあえず、この辺で。続きは、『食の街道を行く』をお求め下さい。

 なんだよ、住吉、ケチだなあ、もっと書けよ!

 いやあ、まだ直ってないんですよ、意地悪キャラ。ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「変わりザク」発売の経緯については、このブログの3/7号をご覧下さい。

*「かぶちゃん」との対談については、このブログの7/12号をご覧下さい。

*『食の街道を行く』ついては、このブログの7/24号をご覧下さい。

竜泉の煩悩の夜、普茶料理に舌鼓

 「主任ナビゲーター・住吉史彦と行く、下町の食文化を担う老舗・名店」

という、食べ歩きのシリーズ企画があります。

 東京商工会議所台東支部青年部の、月例会の内の1回なのですが、「住吉史彦と行く」と題していますので、当然、毎回私が万事を手配して、青年部の諸君を、私推薦の御店へお連れしています。

 7/27は、その第9回を台東区竜泉の、普茶(フチャ)料理(=精進料理の一派)の「梵(ボン)」さんで開催しました。

 自分で言うのもなんですが、過去9回とも、大人気・大盛況の企画です。

 今回、会場の都合で「定員25名様」で募集しましたが、満員御礼となり、地場産業の、若社長や二代目君たちが集結しました。「どぜう飯田屋」の若旦那ⅠⅠ君も、ナビゲーター補佐として参加して下さいました。

 このシリーズでは、これまで、すき焼きの「浅草今半」さん、「どぜう飯田屋」さん、豆腐の「笹乃雪」さん、桜鍋の「中江」さん、おでんの「大多福」さん、鰻の「やっこ」さん、洋食の「香味屋」さんなどで開催し、食事をするだけでなく、毎回、その店のご主人さんまたは若旦那さんから、それぞれの御料理についてのレクチャーを受けてきました。

 今回も「梵」のご主人Fさん自ら、普茶料理と精進料理について、詳しくご教示いただきました。勉強になりました。

 御料理も手がかかっていて、頭が下がりました。

 今回、普茶料理を選んだのは、青年部の連中の、止まる所を知らない煩悩にブレーキをかけるため、では勿論なく、ベジタリアンの方に対応できる料理屋を、青年部の面々が知っておいた方が良い、と思ったからです。

  東京スカイツリーが出来て、ますます海外からのゲストが増えています。ベジタリアンの方も見えるでしょう。しかし鎌倉と違って、浅草近辺には精進料理の店が大変少ないので、こうした御店は貴重です。

 青年部の面々は、ご主人のレクチャーの間は、一応神妙にしておりました。

 しかし、やがて宴会が始まり、会議所事務局の新人Y君の寿が「重大発表」されるや、一気に抑えていた煩悩が急浮上、おお盛り上がりの一夜となりました。

 その後のことは、書けません。仏罰が怖いので。

 なむかんぜおんぼさつ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 なお本日、このブログは、150日連続更新を達成しました。皆様のご愛読に御礼申し上げます。

*普茶料理については、このブログの6/2号をご覧下さい。

*「梵」さんについては、こちらです。

 

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隅田川花火大会、コンビ二弁当派の人たち

 7/31の隅田川花火大会を前に、実行委員会から開催要綱が配布されました。

 隅田川花火大会は、八代将軍・吉宗公以来の伝統を誇る、日本一有名な花火大会です。だから、「ちんや」さんは花火の日、それは忙しいんでしょうね。と良く言われます。

 そりゃあ、そうですよ!と言いたいところです・・・

 が、

 そうでもないんです、実は。

 まず、打ち上げ時間が、夜7時から8時半で、ちょうど夕食の時間と重なります。食事をしている、その席から居ながらにして花火が見える店は、大混雑ですが、「ちんや」のように見えない店では、食べていると、外から花火の破裂音と歓声だけが聞こえて来る、という妙な状態になります。

 花火の音をBGMに、すき焼きを食べるのが楽しい、という酔狂な人もいらっしゃいますが、そういう人がたくさんおいで、というわけではありません。これが、花火の日の、「ちんや」の知られざる実態です。

 路上で花火を見て、打ち上げが終わり、人込みを押しのけて、なんとか駅へたどり着く頃には、夜9時を過ぎるので、皆さんもう帰りたくなってしまいます。「これからすき焼き食べよう!」という展開には、あまりなりません。

 それに、当日は大変な人出なので、是非「ちんや」のすき焼きを食べたい、という方は、そもそも、花火の日を避ける傾向があります。その辺の事情は、「三社祭」の日と同じことです。

 例年、店のまわりに人はたくさんいるものの、その人達は、是非「ちんや」のすき焼きを食べたい、という方では勿論なく、とてもザンネンなことに、コンビ二弁当などを買って、路上に座り込んで召し上がっています。

 うーん、なんでまた、浅草までやって来て、コンビ二弁当を召し上がるんでしょう?

 そういう傾向ですので、今年は花日当日に限り、値段を少し下げてみることにしました。

 上げるんじゃなくて、下げるんです。

 大勢のコンビ二弁当派の人には、そんな値下げは、ほとんど関係ないでしょうが、100万人も人出があれば、中には「せっかく浅草へ来たんだから、チャンとしたものを食べたい」という人もおいででしょう。

 こう書くと、値下げ作戦は合理的に見えますよね。ブログにつべこべ書かずに、すぐに決行すれば?と思った方も多いでしょう。

 実は、何年も前から「下げよう」と考えていたんですが、やはり、「スゴい大勢の人が来る日に値下げするのは、どうなの?」という先入観が邪魔して、実行できませんでした。

 考えていることを文字にすると、頭の整理がつくことがありますが、この件も、その実例でしょう。ブログを始めたことによる副産物、とも言えます。

 で、今年はやります、値下げ。

 駅で人ごみをかきわける、その手間だけ我慢していただけば、いつもよりお安く召し上がれる、そういう次第です。この日が、これまで「ちんや」のご縁がなかった方の、入門の日になれば有り難いです。

 実際、花火の音がBGMというのも、オツですよ。ワンセグ携帯をお持ちの方は、画像はテレビ東京で、音は生音で、という段取りも面白いと思います。店内なら涼しいですしね。

 「わざわざ浅草へ行って、音だけの花火と、すき焼きナウ」―なんてことを、ツイートしてみませんか。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

 最近ツイッターを始めたものの、人のフォローはほとんどしてない、浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*花火大会の詳細は、こちらです。

*「三社祭」の日の様子については、このブログの4/24号をご覧下さい。

真夏の夜の、ダブルヘッダー

 お葬式に参列して、自分のペースを乱すことがありますよね。

 それは、亡くなった方のせいでは、もちろんなく、こっちのせいですが、そうなることがたまにあります。

 それは、お清めがあるからです。

 7/23夜、浅草の重役の方の、お身内のお通夜がありましたので、参列しました。葬家がそういう立派な御家ですので、お清めには、浅草の大御所の皆さんが、お揃いでした。

 しかも、今回はなんと名店「草津亭」の、仕出しのお清めです。食べない手はありません。食べる間、飲まなければ酔わないわけですが、ツマミが旨いので、そうもいきません。

 この日は、悪いことに、浅草料理飲食業組合青年部・通称「継旦連(けいだんれん)」の暑気払いの日でもありました。そちらは夜10時開会です。

 「継旦連は夜10時開会」という時間設定は、私が代表だった時に決めて以来続いています。本来は、料理屋の営業が終わってから集まるために、この時間に設定しているのですが、そういう時間なので、他の会合とダブルヘッダーすることも可能になります。

 自分から、ダブルヘッダーをやりたいわけでは勿論無く、仕事を終えてから「継旦連」に出たいのですが、なぜかタイミングでダブルになってしまうのです。4/12の総会の時もそうでした。その時は総会A→総会Bで、今回はお清め→暑気払い、です。

 そういう次第で、真夏の夜に、浅草巡航となりました。

 当然、暑気払いが始まった時点で、良い気分です。

 前から思っているのですが、飲むと体温が上がって、暑気払いどころか、より暑くなりますよね。

 しかも、この日は猛暑日です。そう言えば同じ日、「ちんや」の店でも、暑さが理由のキャンセルがありました。

 外国人のゲストにすき焼きを食べさせようと、「ちんや」に予約を入れていた、お客様から「暑い中、観光で長時間歩きまわったせいで、ゲストの体調が悪くなってしまった」と連絡がありました。

 「ちっ!無理のない観光のし方を考えてもらわないと困りますね!」と思いましたが、言うのはやめておきました。

 そういう日でしたので、こちらも調子が狂いました。

 それは、亡くなった方のせいでは、もちろんなく、こっちのせいです。ご遺族におかれましては、ご愁傷様でした。

 真夏のダブルヘッダーは、暑いし酔っ払うなあ。

 野球のダブルヘッダーは、あの伝説の10.19ダブルヘッダーもそうですけど、たいてい秋です。

 夏は、気をつけないと。うーい。ひっく。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。下町の「パック」またの名を「ロビン・グッドフェロー」住吉史彦でした。

*「継旦連」については、このブログの4/13号をご覧下さい。

食の街道を行く

 『すき焼き通』の著者で、「すきや連」活動でもお世話になっている、向笠千恵子先生が新刊を出されました。

 『食の街道を行く』という御本です。(平凡社新書)

 先生は長い間、食の分野で仕事をなさってきた、第一人者ですが、それでも、巻頭言の中で、

「この手の取材は対象がピンポイントになりがちである。」と言っておいでです。
 そこで、今回の御本を書くにあたって、先生は視点を少し修整し、以下引用ですが、

 点を追うばかりでなく、食の流れを線や面としてとらえられないだろうか。
 考えた末に、食べものの名がついた街道に目を向けた。鯖街道、ぶり街道、鮎鮨街道と、魚の名を冠にした道だけでもいくつもある。

 もし、それらの「食の街道」を俯瞰できれば、食の流れを空間的にも時間的にもトータルに把握できるに違いない。
 始点と終点の食、そして宿場ごとの食もわかるし、その食品の歴史までも見えてくるはずである。(引用終わり)

 そういう視点で、日本に数ある「食の街道」を訪ね、食の流通・交流に関連する道を辿り、日本の食文化の原点を探る、という大変意欲的な挑戦をなさったのが、この御本です。

 ご本人が、集大成的な本、とおっしゃるだけあって、傑作です。

 紙面の裏に、永年の、ピンポイントでない、取材活動が透けて見え、説得力が違います。そして、そうした取材で得た知識と、食にまつわる伝承とが、文中で見事につながっていく辺り、快作です。

 食に関心のある、全ての皆様の、参考になる名作と思います。

 さらに、嬉しかったのは、この御本に浅草も登場することです。川越から江戸へ水運で続いていた、「さつま芋の道」の終着が、浅草のすぐ近くの、花川戸、駒形、蔵前なのです。

 私も、浅草近辺に芋問屋さんが多いことは、もちろん知っていましたが、「さつま芋の道」というほど盛んな往来だったとは、不勉強で知りませんでした。

 現代の、芋問屋さんの代表として登場する、「川小商店」さんの「川」が、川越の「川」であることも、存じませんでした。「川小」のS社長とは旧知で、よくお目にかかるのに存じませんでした。

 S社長とは、浅草の大先輩で、この御本の259ページに、「浅草を代表する旦那衆の一人」「歌舞伎役者顔の好男子」と称賛されている方のことです。

 うーん、「旦那衆の代表」は、まあ良いとして、「歌舞伎役者顔の好男子」と言えば、むしろピッタリなのは、すき焼き屋「CH」のS社長だろうな。今度向笠先生にお目にかかったら訂正しておこう、うん。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*『食の街道を行く』のご購入は、こちら(平凡社のサイト)です。

火曜クラブ

 アガサ・クリステイ―の「火曜クラブ」のことを調べていて、間違えてこのブログに入って来てしまった方、ご愁傷様です。

 私のやっている「火曜倶楽部」は、スリルもサスペンスも殺しもない、単に食って飲むだけの、食べ歩きの会です。

  「火曜倶楽部」は最初、浅草の飲食店の仲間と作りました。

 浅草は、土日祝日が忙しく店を休めないので、個々の店で月曜・火曜・水曜・木曜などを定休日と決めて休んでいます。「ちんや」は火曜定休です。

 だから、普段の浅草料理飲食業組合の青年部の会合は、金曜か土曜の、午後10時以降に開いています。

 夜中に集まるわけですので、その時間に開いている店は、外食産業の居酒屋とかに限られていて、満足できる食事にほとんどありつけません。

  そこで私が、青年部の代表を退任した後、平成16年に作ったのが、「火曜倶楽部」です。

 青年部のメンバーで、火曜の、普通の食事の時間(6時とか)に、繁盛店・新規開業の店・話題の店など「勉強になりそうな店」に会場を設定して食事会を開催するようになりました。

 その後、浅草以外の人や「青年」と認定しずらい方もお誘いするようになり、楽しく飲んでいます。

 今回(7/20)の「火曜倶楽部」は、「すきや連」で旧知の、M社長・若旦那Mさん父子ご経営の、すき焼き店「伊勢重(いせじゅう)」さんで開催しました。御店の場所は日本橋小伝馬町です。

   御参加いただいたのは、「どぜう飯田屋」のII田さん、ニューオータニ岡半(すき焼き)のSさん、もんじゃ「おすぎ」のSさん母娘、「浅草今半」(すき焼き)のTさん、鰻「川松」のMさん母娘、新橋「今朝」(すき焼き)のFさん。それにウチ夫婦です。 

 私は、台東区役所のアート・アドバイザー会議に出て、それから小伝馬町に向かったため、幹事でありながら時間ギリギリに到着しましたが、「火曜倶楽部」初参加の、「岡半」Sさんが、私が着いた頃には、既に皆さんと仲良くなっていて、とても助かりました。

 さて、「伊勢重」さんは、炭火を使うすき焼きです。炭の管理は面倒だろうな、と感心しつつ、舌鼓をうちました。

 肉はみな、キッチリ寝かせたものと拝察いたしました。非常にやわらかく、ペロりと食べられます。

 「伊勢重」のM社長は、最近肉屋の組合の専務になられて、お忙しいらしく、この日もお出かけでしたが、会合の後、急いで戻って来て下さり、お目にかかることが出来ました。 たぶん、そちらで酒席もセットされていたでしょうに、恐縮なことでした。

  そんなことをM社長と話していた、その時です。

 ぎゃあああああ!

 一人のすき焼き屋の主が、死体となって、座敷で発見され、店は騒然・・・なんてことは、勿論なく、とても緩い感じで、夜は更けました。

 いやあ、それにしても、よその店で食べるすき焼きは、気楽で良いですね。うーい。ひっく。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 *「伊勢重」さんについては、こちらです。

お盆、食育、記念日割引

 7/13〜7/17まで、「ちんや」では、「メンバーズ・カード会員様獲得キャンペーン」をやっていました。

 キャンペーンと言っても、社内向けのものです。お客様が「ちんや」メンバーズ・カードに入会される時には、入会金を500円納めていただくのですが、その500円の内の100円を、担当した係員本人に「奨励金」として渡すのが、このキャンペーンです。

 この時期に、そうした営業活動をする理由は、7/13〜7/17が「お盆」だからです。

 このブログの、3/21号にも書きましたが、浅草の北部や西部には、お寺が多く、お盆の時期、墓参りに来られるご家族連れが多いです。

 墓参りはご家族の重要な行事ですから、小さいお孫さんも引率していかないといけません。そして、小さいお孫さんがお墓にお参りしたら、ご褒美として、やはり、何か美味しい物を食べさせないといけません。

 その御仏縁で、お盆の間、浅草の街や「ちんや」が賑わう、という寸法です。

 墓参りは、毎年毎年の行事ですから、ご入会をお勧めすれば、

 「ウチの家族は、毎年墓参りの後に、「ちんや」に食べに来ているのだから、会員になっておいても、良いかもしれないな」と思っていただけるかもしれません。

 実は、この7月から、会員様限定で「記念日割引」という制度を作りまして、ご自分が登録した「記念日」には、ご飲食代金の割引率が10%になるようにしました。通常の会員さんの割引は5%ですから、倍です。

 記念日として、不祝儀の日を登録することも可能なわけで、お盆の、例えば7/15を記念日として登録すれば、毎年お盆は、割引が10%になります。

 御得でしょう?

 御得なだけでなく、親子孫3世代・ご家族揃ってのお食事は、そのまま「食育」の場にもなります。こういう機会に、

 「いいかい、良い肉というのは、こういう味がするんだよ」とか、

 「シラタキはどうやって作るか、知ってるかい?」という具合に、おじいちゃん・おばあちゃんが、日本の伝統料理の良さを、お孫さんに「食育」してだければ、と思います。

 7/11に「かぶちゃん」こと鏑木武弥さんと対談した時にも、この話しをしましたら、

 「そういう食育が一番大事ですよね!」と意見が一致しました。

 そのような流れで、お盆には、是非とも毎年毎年お越しいただきたい、と思っています。

 凡俗なる住吉史彦も、こういう時だけは、御仏縁に感謝申しております。

 アラー・アクバル! じゃなかった、間違えた、なむかんぜおんぼさつ。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「ちんやメンバーズカード」については、いったんこちらを開けていただき >各種サービスのご案内>メンバーズカードと開けて下さい。

*記念日割引については、このブログの7/1号をご覧下さい。

枠組がとれました! 浅草寺の平成本堂大営繕

 お暑うございます。梅雨が明けたそうです。

 「ちんや」では、「津軽びいどろ」の冷酒グラスを、緑色から、夏空に合わせて、青のグラスに変えました。少しでも涼感を感じつつ、冷酒をお飲みいただければ、と思います。

 さて、「すきや連」の仕事ばかりしている内に、浅草寺=観音様の工事が少しずつ進んでいたようです。

 浅草寺の大工事壁を撤去している、巨大クレーンのことは、このブログの7/2号に書きました。

 大工事壁というのは、今回の大営繕の間、ご参詣の皆様の安全を確保し、また建築上の必要性を満たすために、設置されていたもので、本堂周囲を完全に覆うくらい、巨大なものでした。

 その工事壁の枠組みを、クレーンがどんどん外していき、気が付いたら、昨日の時点で、枠組は完全になくなっていました。当然、ご本堂の屋根が完全に露出している状態です。

 ご本堂側面の、高さの低い部分だけが残っています。

 真新しく葺きかえられた、ご本堂の新しい屋根が、梅雨明けの、夏の日差しを反射して、まぶしく輝いています。

 さても有り難い感じの御姿で、夏の到来を知らせて下さっています。

  ご本堂がまぶしく見えるのは、夏の日差しだけが理由ではありません。今回の葺き替えで、土瓦がチタン瓦に替わったからです。

 従来の土瓦は、どうしても重量がありました。そういう重いものを、建物の上にたくさん積んでいると、耐震性という観点で不都合で、それで今回、葺き替えが実施されたわけです。

 チタンの軽さは、ゴルファーならご存じでしょう。瓦1枚の重さは、約100〜150グラムだそうで、屋根全体で従来の約930トンから約180トンに大幅な軽量化→耐震性の向上に成功したそうです。

 その軽さは良いとして、問題は風合です。聞けば、土瓦のくすんだ風合いを再現するため、瓦の表面には特殊な加工が施されたそうで、また3種の焼具合のチタン瓦を、不規則に並べたそうですが、やはり、夏の日差しの下では、まぶしく見えます。

 おっと、観音様、まぶしく有り難く見える理由をバラして申し訳ございません。

 なむかんぜおんぼさつ。

 あんまり暑いと、すき焼きの売れ行きが芳しくなくなりますので、お手柔らかにお願い申し上げます。なむなむ、なむなむ。

 なおチタン瓦の枚数は約9万枚で、国内のチタン瓦屋根としては最大規模と聞きました。

 なおまた、ご本堂正面の巨大な龍は、まだ鎮座されております。

 ご参詣は、お早めに。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「津軽びいどろ」については、このブログの5/13号をご覧下さい。

Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:03 AM  Comments (0)

朝顔市、ほおずき市、下町七夕まつり 2010年の夏

 お暑うございます。

 暑いばかりで、夏の風情が感じられないとイヤなものですが、毎年7/6〜7/10は、下町の夏の風情が感じられる時期です。

  まず毎年、7/6〜7/8は、入谷で朝顔市が開催されます。入谷鬼子母神を中心として言問通り沿いに約120軒の朝顔業者と約100軒の露店が並び、毎年多くの人出で賑わいます。

 浅草からは、入谷までは少し距離がありますが、歩いて歩けなくもありません。ちょうど、この期間浅草と入谷の間の、かっぱ橋本通りでは「下町七夕まつり」が開催されていて、大玉飾など七夕飾り、提灯等が装飾されています。散歩がてら、浅草から朝顔市へ向かう方もおいでです。

 去年の7/7に「浅草今半」さんで「すきや連」を開催した時は、食後、参加者の皆さんを引率して、浅草から、かっぱ橋本通りを通って、朝顔市へ行きました。夜の朝顔市も良いものでした。

  朝顔市が終わると、7/9〜7/10が浅草寺の、ほおずき市です。この日は、本堂の両側から裏手の広場にかけて、ほおずきの屋台はもちろん、金魚屋、風鈴、虫籠等の屋台が並びます。夏の夜、浴衣がけで出かける人達で賑います。

  暑い、暑いとボヤいていても、涼しくはなりませんから、この時期、どうぞ浅草へお出かけ下さい。暑いのも、また楽しいと感じていただけるかもしれません。

  暑いついでに、すき焼きも・・・どうぞ。

 夏バテ防止になるかと。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

「浅草ときわ食堂」さんのリニューアル・オープン

 7/1、「ちんや」の2軒隣の「ときわ食堂」さんがリニューアル・オープンしました。くわしく場所をご説明しますと、「ちんや」が、雷門から西へ4軒目で、「ときわ」さんは2軒目です。つまり「ときわ」さんは、雷門と「ちんや」の間の御店です。

 最近は、「四十二丁目食堂」とか「九十九番町食堂」とか、「○○食堂」の○○の部分に、地名を入れて地元資本であるかのように装った、外食チェーン店がありますが、「ときわ食堂」さんは違います。

 三代目のM社長と、四代目予定のM君親子が経営する、正真正銘の地元の御店です。

 この御店は「家庭料理をプロの味で召し上がれ」という御考えで、ねぎとろ丼、親子丼、刺身定食とか、和食中心の、親しみ安いメニューを並べています。私も、休みの日の昼メシをお世話になったりすることがあります。

 私が、外食産業でなく、こういう所で食べるのは、言うまでもなく、ちゃんと料理されたものを食べたいからです。地元資本風の外食産業に入ると、いつどこで調理されたかわからないものが、レンジで「チン」されて運ばれてきますが、それじゃあ、店に座って惣菜を食っているようなものです。

 やはり料理を食べたいですよね。高級食材でなくても、料理したてを、すぐ食べれば旨いものです。

 最近、若旦那のM君が「チン」の店に慣れたお客さんから、「料理が出るのが遅い!」と言われることが多い、とボヤていましたが、ちゃんとした料理が、そんなにすぐ出るハズはありません。メゲずに、旨いメシを出してもらいたいものです。

 ところで、今回のリニューアルで、入り口のドアが、自動ドアから手動ドアに変わりました。ドアも料理も手動で、この変更自体は、結構なことと私は思います。でも「手動」と表示してないのは、M君、どうなんでしょう?表示しておかないと、自動に慣れている人は、戸惑いますよね。

 「チン」と自動になれた人が、ドアに激突しないことを祈念いたします。

  あ、そうそう、ついでに、ご商売のご繁盛も祈念いたします。敬具。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。(なお本日14時30分より、このコンサートに出演!)

*「ときわ食堂」さんについては、こちらです。

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