納税の趣旨

「ふるさと納税」がすっかり特典合戦に成っていて実に良くないという件は、だいぶ以前にこのブログで書きましたが、その後特典合戦は収束するどころか、むしろエスカレートしていたようです。

ついに、300万円の寄付の御礼として牛一頭を返す自治体が現れたそうで、まったく呆れた話しです。

私が気づいて呆れる前に議員の先生が呆れたようで、牛の件は国会審議で採り上げられてしまいました。

その、牛一頭を出している自治体とは宮崎県の南西部、霧島山の麓に位置する三股町です。

「和牛のオリンピック」と言われる「全国和牛能力共進会」で、三股町の生産者が2大会連続で日本一に輝くなど畜産の盛んな町です。

で、この町に300万円を寄付すると、「宮崎牛」がまるごと1頭貰えるそうで、町のサイトには「200万円相当のお礼の品」と記載されています。

ほお、200万円相当ですか。

ん?!

結構単価が高いですな。

牛の重量が500キロであれば単価は4000円です。結構な単価です。弊社でも、その位高い牛はそんなには買いませんよ。

「能力共進会」で勝ったということで強気なのかもしれません。

ついでながら、この「能力共進会」ですが、「和牛のオリンピック」だと私は思っていません。

その名の通り産肉能力を問うものでして、味が美味しいかどうかを競っているわけではありませんので、皆さん、念のため。

ですので私には、あんまり関係の無い催しだと思っていますが、そのことは特典合戦とはまた別の話しなので、さて置きます。

話しを戻しまして、国会審議です。

民主党のオガワ先生は

「特産品は当たり前。旅行券、航空会社のポイント、電子マネーもあり、高額化している」と述べた。具体例として、▽300万円の寄付で130万円のコート▽300万円の寄付で牛1頭―を挙げた。「利益と引き換えに納税することは税の趣旨に反する」とし、対策を求めた」

これに対して総務相のタカイチ先生は、

「納税の趣旨から逸脱するような高額なものや換金性の高いものは税法上の問題が生じる」

「自治体に節度ある対応を求めていく」

と述べたそうです。

なんだかなあ。

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.835日連続更新を達成しました。

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行政警察

悲惨な事件のニュースを視るにつけ、

『警察手眼』は読まれていないのか?!

と思ってしまいます。

警視庁の創始者・川路利良の著書『警察手眼』のことは、このブログで何度か書いて来ましたが、その中で書かれている「行政警察」のことは、これまで書いてきませんでした。

今日は、その「行政警察」の件です。

すき焼き屋が「行政警察」だなんて、どうかしていますが、紹介せずにはおられません。さて、早速ですが、

行政警察は予防を以て本質とす。

すなわち人民をして過ち無からしめ、罪に陥らざらしめ、

損害を受けざらしめ、

以て公同の福利を増益するを要するなり。

『手眼』では、この「行政」が先に書かれていて、優先事項なのです。つまり川路の警察にとって予防が本質なのであって、事件が起きてしまってから対応するのは二番手なのです。

二番手の方は「司法警察」と言います。

行政警察の力及ばずして、法律に背く者ある時は、

犯人を探索・逮捕するは司法警察の職務とす。

という具合に、予防が出来なかった場合に、司法警察が出てくる、という構成です。

しかし現代では、その「力及ばずして」の場面ばかりが目立つように思います。

川崎の中1殺害事件においても、

数日前に、被害者生徒に味方した仲間が、加害者の家の前で騒ぐという事件が在ったのに、行政警察はスルーしたようです。

また、それ以前に加害者が近所の飼い猫を傷つけていたのもスルーしたようです。

そう簡単に人間が人間など殺せるわけはなく、犯人はそれ以前にたいてい前段階として動物を殺していますから、犬猫を見回れることは非常に重要だと言えます。

しかし実際は犬猫については「力及ばずして」のケースが多いように思います。

どうも、刑事ドラマの影響が良くないのでは?と思ったりします。

ドラマでは茶道の家元が殺されたり、

テロリストが東京マラソンを妨害したりして、

ドラマとしては、その方が面白いのでしょうが、あれはあくまでドラマです。

普通の市民である私が希望することは、近所の犬猫を見回って欲しい、ということです。

警視総監が川路なら、きっとそう命じて、それをしっかりやった刑事さんに勲章を与えると思います。

罪に陥らざらしめんがため。

追伸

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第三弾

2月のある日、このブログのアクセス解析をしていた私は、

?!?!?!

と思いました。

急にアクセス数が増えていて、どういう検索文字列で入って来たかを調べてみますと、

「浅草」「半額」

で入って来た人が185人もいたのです。

不思議に思って調べてみますと、

『浅草を半額で愉しむための本 プレミアムパスポート』の発売日が2月19日だったのです。

その本を提示することで、掲載された飲食店で半額サービスが受けられるという、あの嘆かわしい本の第三弾が発売になったようです。

あの本が飲食店にとっていかに有害かは、これまでこのブログで何回も書いて来ましたが、まだ売っていたのですねえ。

で、「浅草」「半額」とグーグルに入れて検索すると、あの本を貶している私のブログが第4位に表示される、という次第です。

いや、愉快ですね。

半額を目指している連中が私のブログを読んだんだから愉快です。

そう言えば、余所の土地から浅草に進出して来た外食産業の店に、急に行列が出来ることがありますが、あの本の影響なのだろうと思います。

外食産業の店で食べて「浅草を愉しんだ」って言えるんでしょうかね。

なんだかなあ、な「浅草」です。

追伸

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味の見える化

ネットで「”味の見える化”は食品業界を根底から変える」

という記事を読んで茫然としてしまいました。

やがて個々人の味覚を数値化して、それを人がカードに入れて持ち歩く日が必ずやって来るそうで、そうなりますと、次↓のような日常が・・・

「レストランに入ってポイントカードを店員に差し出す。ポイントカードには個人の味覚データが蓄積されており、店員はそのカードを読み取って、客のおいしいと感じるデータを把握する。料理人はそのデータを忠実に再現する」

「店の味」というものは存在する意義がなくなり、店はひたすら客の味覚に合うものを作る、という次第です。

「”おいしいお店はどこか?”ということの重要性は低くなる」のです。

しかし、です、同じ記事に引用されていますが、

「東京医科歯科大学の研究グループによれば、味覚認識できない子どもは3割もいるそうだ。小学1年生から中学3年生まで約350人を対象に調査したところ、「酸味」「塩味」「甘味」「苦味」という基本の4つの味覚のいずれかを認識できなくなっている子どもは31%を占めたという」

その味盲とも言うべき、その3割の人に対しても、料理人は「合う料理」を作らないといけなくなるのです。

さらに!

「外食企業にとって「おいしさ」が他社との重要な差別化要素で無くなるとすれば、「おいしさ」以外の要素で戦うしかないだろう。価格やサービスの質、注文から料理が出てくるまでのスピード、その店舗でしか見ることの出来ないエンターテイメントなどで差別化する必要が出てくる。」

飛行機のスカイマークさんは、ミニスカで差別化を目指しましたが上手くいきませんでしたね。でも、この筋に従えば、外食はミニスカに向かわざるを得ないようです。

いやはや。

結構楽しい世の中かも。

追伸

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おまかせ消費

「おまかせ消費」が拡大しているそうです。

特定のスタイリストが選んだ服を買うとか、あるいは実際に買い物に同行する「ツアー」もあるそうです。

実は、私もネクタイを選んでもらったことがあります。それがプロの仕事ですから有料で選んでもらいました。

自分が好きな色と

自分に似あう色は違うと知ったのはその時で、たしかに、

素敵ですね!

などと言われたりします。まあ、お世辞でしょうけどね。

ところが、です、以下ネットのコピペーですが、

「ファッション業界のみならず、自分で選べない、あるいは、より良いものを求める消費者による“おまかせ消費”が広がっている。」

「おまかせ消費が広がっているのは、ファッション分野だけではない。KDDI株式会社は2013年より、スマートフォン利用者を対象に、各分野のキュレーターが選んだ商品を定額で毎月届ける「auおまかせショッピング」を開始した。現在、グルメやワイン、コスメ、ライフスタイル(花)などのコースを展開している。「ワイナレッジ」など、ソムリエが厳選したワインを定額で届けるサービスを展開するワインショップも増えている。」

うーん、服とは事情が違うと思うんですけど。

そのソムリエさんと味覚は一致するのでしょうか。

人の味覚は遺伝的にも後天的にも個人差があることが知られています。

例えば、苦味を感じさせる「フェニール・チオ・カルバミド」を感知できない人=つまり、その物質について「味盲」と呼ばれる人は結構多数いて、白人で約30%、日本人で8-15%に達するそうです。

ですから、味覚は人と一致しない場合があり、一致しない場合は他のソムリエさんを探さないといけません。一致するまで何度でも探し直さないといけません。

一致することが分かった後は、たしかに無駄な買い物をしなくて済むようになりますけどね、それまで結構時間がかかると思います。

なんか、最初から自分で探した方が良いような・・・

追伸

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製糖工業会

ニシカワ農水大臣が辞任しました。観劇会のオブチさん、団扇のマツシマさんに続いて3人目ですね。

このニュースを視て、

また「政治とカネ」かよ、ウンザリだ!

とだけ思い、それ以上は深く考えなかった方が多いのではないかと思いますが、弊ブログの読者の皆さんは、ニシカワさんに献金していたのが「製糖工業会館」だった点に注目していただきたいと思います。

砂糖の業界って、TPPが導入されると一番大きな影響を蒙ることが予想されている業界です。

「砂糖は国産と外国産に品質格差がないことから、国産糖のすべてが外国産の糖に置き換わる」と農林水産省が試算しています。

すべてが置き換わる、すなわち全滅ってスゴいことですよね。それが今普通に進められていることについて、今一度考えてみましょう。

日本は、元々砂糖をほとんど作ることが出来ませんでしたが、将軍・徳川吉宗の頃から生産が奨励されるようになり、高松藩のように生産拡大に成功した所もありました。高松では今でも細々と「和三盆」が作られていますよね。

やがて明治時代後半、日本が日清戦争に勝って台湾が日本領となると、台湾総督府は現地で砂糖の生産を拡大、これによって日本は砂糖の自給を初めて達成します。

砂糖自給達成とすき焼きの全盛時代が重なるのは偶然ではないと思います。

こうして台湾の製糖業が発展した結果、内地の製糖業は衰退してしまいました。台湾の砂糖が大量に供給され、それに押された為です。

そして太平洋戦争。日本は台湾を失い、残ったサトウキビ産地は沖縄と奄美だけでした。

もともとサトウキビはプランテーションで奴隷を使って大々的に作るような作物ですから、日本に残った製糖業は海外と価格面で対抗できず、業界は補助金漬けの体質に成っていってしまいます。

現在では、海外からの砂糖にかける課徴金が無いと日本の製糖業は生きて行けない状態に成っています。

輸入品に課徴金をかけ、それを財源に業界に補助金を入れる仕組みが出来上がったからですが、その補助金を受け取っている業界が政治家に献金すれば、はい、即座に政治資金規正法違反です。カンタンです。

さてさて、皆さんは、そんな日本の砂糖を見捨てれば良いとお考えでしょうか?

産地が沖縄と奄美に限られるせいか、国民的関心は高まりません。

普通の高精製糖が外国産にやられてしまうのは、私も仕方ないような気がします。

しかし純度が低くて、ミネラルやポリフェノールを含んだ黒糖などは、なんとか生かせないもんでしょうか。

砂糖だけで売って行くのが難しければ黒糖焼酎にするとか、

イケメン・パテイシエを沖縄・奄美に送り込んで、新作ケーキを作らせるとか、

たしかに政治家に頼ろうとした業界は情けないです。

しかし、このまま座して死を待つのでは、サトウキビを江戸城内で栽培させた吉宗が嘆きましょう。

砂糖業界の、あまりにも塩辛い現状を、放置するのは良くないと思います。

とりあえず、私は黒糖焼酎を飲むことにします。

イケメンは虫がすきませんから。

 

追伸

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名刺交換にご注意を!

私が「企画委員」をしていた『第43回国際ホテル・レストラン・ショー』の来場者数が前年より3.000人以上増えたという報告が来ました。

ご来場いただいた皆さん、ご出展いただいた会社さん、ありがとうございました。

それから事務局の皆さん、本当にお疲れ様でした。

さて、今日はその会場を視に行った時の話しです。

ビッグサイトの入口脇の巨大スクリーンに、注意喚起のメッセージが出されていました・・・

共有スペースでの名刺交換にご注意下さい!!

???

なんで、名刺交換に注意しなきゃいけないの?

ここは商談会場で、言わば名刺交換しに来ているようなものです。それを注意しろとは不思議な注意でした。

その理由が分かったのは、数日後ネットを見いてた時のことです。

「新人研修で名刺を集めてます」という若い男性に渡したら「営業電話」が来た!違法では?

という記事を見つけました。

「新人研修中」と称して駅の構内など公共の場所で、ビジネスマンに声をかけ、

⇒後で、そこに営業電話がかける、という手法が横行しているそうなのです。不動産のセールスをかけるのだとか。

深甚だということで、いや、新人だということで応援あげようかという善意を利用した、騙し打ち的な手法です。実にケシカラン話しです。

それがビッグサイトでも行われているようなのです。

以前にも、このブログでボヤいたと思うのですが、こういうことをする業者がいるから、世間が個人情報に過敏に成って、普通の商売すらやりにくくなるんです。

やれ、個人情報を置く部屋を決めて、

施錠して、

その鍵を扱える人を選任して、その名簿を作って・・・

あー、めんど。

弊社も「ちんやメンバーズカード」に入会した方の名簿を持っています。DMを送るために住所を書いていただいているだけですが、それでも立派な「個人情報」です。

でも、この際ハッキリ申しますけど、買った情報は1件もありません。むしろ会員さんは入会金を「ちんや」に納めて=金を払った上で情報を登録します。

こちらも不要な情報は採りません。住所が必要なだけです。

それから、もう一つだけ。お客様の記念日=誕生日とか結婚記念日、あるいは先代の命日。それを教えていただき、その直前にDMをお送りしています。

年収が多いのか、偉い人なのか偉くないのか、そういうことは私は知りたくもありません。

その方が、結婚記念日に奥様とすき焼きを食べたいと思う方なのか、それだけを店に教えて下されば嬉しいのです。

なのに個人情報保護!のかけ声の下、どんどんメンドウな状況に成っています。

「新人」を利用するなど、実に見下げ果てた会社です。

それにコスパだって悪い筈です。騙して得た名簿に載っている人がオタク様の売る物件を愛して買ってくれる確率はとてもとても低いと思いますよ。

いやな世の中に成りました。

南無観世音菩薩。

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

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世襲②

<この話しはやや長いので、昨日のこのブログから続いています>

さてさて、このブログも今日で五周年なので、日頃の請け売りばかりでなくて、少しはシリアスなことも書かねばなりません。

今日は世襲という、ちょいとシリアスでナーバスなことについて書いてみたいと思います。

なにしろ「ナッツ・リターン」騒動で世襲組は、短慮で傲慢と思われて旗色が悪いですからね。

現在親の店を継ぐか迷っている若者の中には、「ナッツ」を視て、親とは別の世界に行かねば!と思い詰めている人がいるのではないかと思います。そうするべきなのか、ここで考えてみましょう。

例えば、私は外の世界で勝負するべきだったのか?

自分で言うのもなんですが、こう見えても、そこそこの能力はございます。

では外に出てしまえば良かったかと申しますと、結論はノーで、今はそのことに確信がありますが、若い時はやはり外に興味を持ちましたし、社長を世襲してからも、選抜されていない後ろめたさを感じたこともあります。世襲組は皆そうでしょう。

そんな人生を生きてきた私が今言いたいことは、

世襲かどうか=選抜されているかどうかだけで社長を観るのは止めようよ!ということです。

一般的には、

世襲社長=ワンマン

雇われ社長=バランス型

という先入観がありますが、それは先入観と申すものです。選抜されたという自信を背景に強引な経営をする雇われ社長も少なくありません。

在任中の短期間の利益額しか眼中にないように見える方もおいでですよね。

だから、世の中の役に立っているか、で社長を観て欲しいと私は思います。

私は以前にこのブログに、

「世襲の経営者であっても人生は選択できます。自己矛盾のようですが選択できます。何を選択できるのでしょう?世襲のメリットを自己の為に活かす世襲と、世襲のメリットを世の為に活かす世襲の選択です。」

と書いたことがありますが、良い会社経営がなされているのであれば、そこの社長が世襲かどうかなんて、あんまり関係無いでしょう!というのが、今の私の考え方です。

では、良い経営がなされているのか、私はどこで判断しているのか、ですが、

その店で「客の四代目」「五代目」「六代目」が誕生しているかどうかで判断しています。

念のため申しますが、「客」というものは一代限りではありません。

ある方(お爺さん・お婆さんのお客様)の個体が亡くなっても、味覚はお子さんに継承されるのです。

去年のある日、私は一組の若いカップルを玄関から個室へ案内しようとしました。そのエレベーターの中で、カレシがカノジョに話しかけていたことは・・・

この店はねえ、死んだ爺さんに連れて来られた店なんだ!

嬉しい話しですね。

「死んだ爺さんと来た」店に連れてくる女性なのだから、おそらく本命のカノジョなのでしょう。

上手く行けば「ゴールイン」して、お子さんが出来、いつかそのお子さんと一緒に来て下さるかも。

その子が来れば、「ちんや」の客としては「死んだ爺さん」から数えて四代目になります。このように「客」という立場は継承=世襲されるのです。

お爺さん・お婆さんを「将来性が無い顧客層」とみなして冷遇すれば、こうは行きませんが、お爺さん・お婆さんを大切にすれば、「客」という立場は継承=世襲されます。

こうして世襲される味覚こそが、店の本当の資産です。

上に書きました通り、世襲組である私は自分がこの店の六代目だということを、自慢に思ってはいませんが、この店で「客の四代目」「五代目」「六代目」が誕生するなら、それは誇るべきことです。

いや、この世でこれ以上に誇らしいことは無いと思います。

「主の六代目より客の六代目」です。

それが出来ているのなら、その世襲は悪くなかったと言えるのであって、世間からとやかく言われることはありません。

世間には、最初から「ボンボン」を見下して来る人もいたりますが、つき合わなければ良いのです。「ナッツ」も気にすることはありません。

・・・というような考えを持ち始めた頃、私は向島で飲んでいてお姐さんに言われました、

「住吉さんって、てっきり創業社長かと思ったら、六代目だったんですね!」

彼女は地方から東京へ出て来て、何も知らないままに向島芸者に成り、ヤマ勘を頼りに座敷に出ていたわけですが、そんな人だからこそ、先入観とは違った印象を持ったのでしょう。

だから、現在親の店を継ぐか迷っている若い人達に申し上げたい・・・

店を継ごうぜ!

その店に在るものは何でしょう?

何十年もの間多くの人に愛されて来た仕事です。

心から誇りに思える仕事です。

もちろん苦労や苦心はイヤというほどありますが、そこに仕事があるから、

店を継ごうぜ!

ブログ五周年の日に、そう申し上げておきます。心から。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

2010年3月1日よりスタートした弊ブログも、これにて満五年連続更新です。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

世襲①

最近の料理業界のニュースと言えば、「なだ万」の社長に木浦信敏さんが就いたことでしょう。

木浦さんは「現代の名工」にも成っている、大変有名な料理人の方ですが、料理人が「なだ万」の社長に成るのは初めてのことです。創業家出身の前社長は退かれて、その後を継がれます。

もっとも社長に成ったからと言って、包丁をマウスに持ちかえて資金繰りに勤しむわけではないようです。

最近「なだ万」さんはアサヒビールさんの傘下に入ったので、会長がアサヒさんから来ています。

親会社から来た会長と、現場上がりの社長がコンビを組むわけで、日本航空さんに似ているような気がします。

日航へも、倒産した後、国に指名された稲盛和夫会長が来て、その下でパイロット出の植木義晴さんが社長に成りましたね。その後上手く行っているようですので、アサヒさんも同じ線を狙っているのだと思います。

木浦社長のご活躍と、「なだ万」さんのご発展を祈念致します。

さてさて、このブログも明日で五周年なので、日頃の請け売りばかりでなくて、少しはシリアスなことも書かねばなりません。

今日は世襲という、ちょいとシリアスでナーバスなことについて書いてみたいと思います。

なにしろ「ナッツ・リターン」騒動や「大塚家具」騒動で世襲組は、短慮で傲慢と思われて旗色が悪いですからね。

現在親の店を継ぐか迷っている若者の中には、「ナッツ」を視て、親とは別の世界に行かねば!と思い詰めている人がいるのではないかと思います。そうするべきなのか、ここで考えてみましょう。

例えば、私は外の世界で勝負するべきだったのか?

自分で言うのもなんですが、こう見えても、そこそこの能力はございます。

では外に出てしまえば良かったかと申しますと、結論はノーで、今はそのことに確信がありますが、若い時はやはり外に興味を持ちましたし、社長を世襲してからも、選抜されていない後ろめたさを感じたこともあります。世襲組は皆そうでしょう。

そんな人生を生きてきた私が今申し上げたいことは・・・

<この話しはやや長いので、明日のこのブログに続きます>

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて、あと一日で満五年連続更新です。

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公開出禁

ほお、出禁にしましたか!

それもネットで知れ渡る形で。これは新しいパターンと申せましょう。

出禁(=できん。出入り禁止のこと。店の利用を断ること。)を実行したのは秋田市の繁華街・川反の老舗和食店「T」さんで、出禁にされたのは2人組の歌手「スキマスイッチ」さんです。報道では「T」さんは、

「今回の問題を受け、店側は興行会社に抗議するとともに、今後のアーティストの利用を断った」

と書かれていましたが、それを業界で「出禁」と申します。

「今回の問題」すなわち出禁の理由は、「スキマ」が秋田県民会館で行われた公演のトークの時間で、この料理店のことを店名をあげて貶したからです。

「すき焼きの野菜が残っていたのに下げられた」

「ハタハタをもっと食べたかったのに1匹しかなかった」という趣旨だったとか。

ところが、この時実は「スキマ」が予約時間を大幅に遅刻した来たことや、出した料理は注文されたものと相違なかったことから、大問題になりました。興業会社が直前に予算を@6.500円から@5.000円に削ったのでハタハタの数が減ったのだそうな。

まず店の女将の娘さんがツイッターで「スキマ」を攻撃、それを見た多数のネット民も参戦して、「スキマ」のアカウントは大炎上と成った模様です。

「スキマ」の所属事務所は、

「お世話になりました御飲食店様からは、適切なサービスのご提供を頂きましたにも関わらず、ライブのMC内で誤解を招くような表現をしてしまったため、御飲食店様、及び関係者の皆様へ大変ご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます」と公式謝罪したものの、

そのタイミングが大変遅く、また、この謝罪文を公表するより先に、「スキマ」の知人のお笑い芸人がツイッターでこの騒動を笑いのネタにしたことから、Tさん側は大いにヘソを曲げてしまいました。

で、珍しい「公開出禁」となった次第です。

料理屋が態度の悪い客の利用を断るのは、ごく自然なことですが、普通は本人に告げるだけで、世間に知れ渡る形にはしないものです。

今回は、有名人が公開の場で、店名をあげて貶したので、店側もそれに報復するため「公開」となった模様です。

今後は、こうした事例=「公開出禁」が出て来ることでしょう。有名な方にはキツい状況ですねえ。

いやはや、後悔しても遅いです。

なんちって。

追伸

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弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて、あと二日で満五年です。

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