味の見える化
ネットで「”味の見える化”は食品業界を根底から変える」
という記事を読んで茫然としてしまいました。
やがて個々人の味覚を数値化して、それを人がカードに入れて持ち歩く日が必ずやって来るそうで、そうなりますと、次↓のような日常が・・・
「レストランに入ってポイントカードを店員に差し出す。ポイントカードには個人の味覚データが蓄積されており、店員はそのカードを読み取って、客のおいしいと感じるデータを把握する。料理人はそのデータを忠実に再現する」
「店の味」というものは存在する意義がなくなり、店はひたすら客の味覚に合うものを作る、という次第です。
「”おいしいお店はどこか?”ということの重要性は低くなる」のです。
しかし、です、同じ記事に引用されていますが、
「東京医科歯科大学の研究グループによれば、味覚認識できない子どもは3割もいるそうだ。小学1年生から中学3年生まで約350人を対象に調査したところ、「酸味」「塩味」「甘味」「苦味」という基本の4つの味覚のいずれかを認識できなくなっている子どもは31%を占めたという」
その味盲とも言うべき、その3割の人に対しても、料理人は「合う料理」を作らないといけなくなるのです。
さらに!
「外食企業にとって「おいしさ」が他社との重要な差別化要素で無くなるとすれば、「おいしさ」以外の要素で戦うしかないだろう。価格やサービスの質、注文から料理が出てくるまでのスピード、その店舗でしか見ることの出来ないエンターテイメントなどで差別化する必要が出てくる。」
飛行機のスカイマークさんは、ミニスカで差別化を目指しましたが上手くいきませんでしたね。でも、この筋に従えば、外食はミニスカに向かわざるを得ないようです。
いやはや。
結構楽しい世の中かも。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.830日連続更新を達成しました。
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