まあまあ、舐めるだけ

 集団で飲食する場合、つまり宴会でどれだけ個人の好みを言って良いものでしょうか?

 例えば、「とりあえずビール!」に参加せず、他のドリンクを注文しても構わないでしょうか?

 以前は「とりあえずビール!」は絶対でした。飲めない人も、

「まあまあ、舐めるだけ舐めて、乾杯した後でお茶を頼みましょう」

というのが一般的でした。一人だけ別の注文をすると、その分配膳に時間がかかり、早く乾杯したい皆さんが白けてしまうからですね。ビールを酌されながら、

「舐めるだけですから、3mmだけにして下さい!」

などと言っている人を良く見かけました。

 やがて時代は移り、飲めない方(=アセトアルデヒド分解酵素を体内にお持ちでない方)は、「とりあえずビール!」に参加することを免除されるようになりました。

 日本人の約10%は、そういう遺伝的体質の方で、この方々は少量でも酒を飲めば、吐き気・動悸・頭痛が起こってしまうので、まあ、たしかに3mmであっても気の毒と言えましょう。

 「とりあえずビールとウーロン茶!」体制の成立です。

 ウーロン茶の分配膳に時間がかかり、早く乾杯したい皆さんが少し白けはしますが、ビールと冷たいウーロン茶の2種類だけで、その人数も、全体が30人なら確率的に3人位ですから、まあ、さほどの時間もかからないと思います。

 さて問題は、さらに細かい個別注文が可能か、です。

 冷たいウーロン茶じゃなくで、暖かい茶が良い方もおいででしょう。でも、湯で茶を煎じたら時間がかかりますね。瓶詰のウーロン茶を電子レンジでチンする方法もありますが、どうしてもその間全員が乾杯を待つことになります。

 そして「来るべきものが来ました・・・」

と、先日お訪ねした、すき焼き屋さんがボヤいておられました。

 そのすき焼き屋さん、30人ほどの、PTAのお母さん方の会合を受注したようなのですが、女将さんが、

 とりあえずビールとウーロン茶でよろしいですか。

と幹事さんに尋ねると、

 いえ!皆さん、ひとりずつ注文を決められます!

と言われてしまったそうなのです。

 で、女将さん、仕方なく注文を聞いてまわると、私はチューハイ、私はコーラとバラバラ。

 注文をすぐ決めてくれれば、まだ良いのですが、なかなか決められない人がいたり、決めた後で変更する人がいたりして、どうにも往生したそうです。

 この場合、どのドリンクがどの机の左からN番目の方か、キチンとメモして間違わないようにしないといけません。

 やっとこさ配膳して、結局、乾杯まで20分を費やしたそうです。

 その間、お母さん方は楽しそうに御歓談。

 ただ一人の男性客である、PTA会長だけが豊前としたイヤ憮然とした表情で、乾杯をするべく立ち尽くしていたそうな。

 末法の世ですな。

 南無観世音菩薩。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は270人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて872日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

フォアグラ禁止法

 カリフォルニア州がフォアグラを禁止しました。

 前後して日本国も「生レバ」を禁止しましたが、この2つの話しは、似て非なる話しです、全く。日本の方は食品衛生の問題ですが、カリフォルニアの方は思想信条の問題です。

 カ州の法律は、

・鳥の肝臓を普通以上の大きさに肥大化させる目的で強制的に餌を与えてはならないと規定し、

・強制的な給餌によってできた製品の州内での販売も禁止。

・違反者には1日につき1000ドル以下の罰金を科す

と定めているそうです。

 つまり、動物を愛護しなくてはいけない、食用目的で肥育中の動物であっても虐待してはならない、という思想が法律に成って⇒執行されたのです。

 鳥に強制的に餌を与える場面は、たしかに苛酷で、私なども目を背けたくなりますが、それでも今まで100人中100人が「残酷だ!」と思って来たかと言いますと、そうでもないですね。実際多くの人が喜んで食べていました。

 しかし、そこはデモクラシーです。愛護派が議会で多数を握り⇒法が成立すれば、少数の「残酷OK派」は、公権力によって処罰されることになる運命です。

 流石はピューリタンが建国した国ですね。

 そう言えば、以前酒を禁止したこともありましたっけ。

 この法律の思想は、今後どんどん拡がって行く可能性があります。思想信条の問題だけに各地で紛争を引き起こしましょう。

 これまでアメリカ人は、フカヒレ漁のやり方が非人道的だと非難してきましたが、自国のフォアグラを放置している中で、中国人に強いことを言えませんでした。でも、これからはガンガン言うでしょう。 

 たしかに、釣り上げたフカのヒレだけを生きたまま切り裂き、重傷のフカ本体を海に放り出す、というのは、いくらなんでも酷いですからね。フカの肉が不味いからといって、人間が奪った命なのですから、使い尽くさなければ罰が当たります。

 日本のクジラ漁への風あたりも強まりましょう。日本人はクジラを使い尽くしますから、そこは中国人とは違いますが、クジラは希少生物ですから、獲ってOKという話しにはならないでしょう。

 ちなみに我々が食べている牛は、なるべくストレスの小さい方法で銃殺しています。ストレスがあると肉が不味くなるからです。

 でも殺している、という事実は残るわけで、菜食主義者でない人間全員が、その十字架を負って当然です。

 まったくアメリカ人は、重いテーマを提起してくれるものです。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
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追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

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セールス電話は致しません

「セールス電話は致しません!□!」

という化粧品のテレビCMをご覧になった方は多いと思います。同じセリフで、結構以前から繰り返し流されていますからね。

 しかも、およそ化粧品のCMにふさわしくないルックスの、その会社の社長さんが、絶叫するのですからインパクトがあります。会社名や製品名は忘れても、「電話は致しません!□!」のフレーズだけは覚えてる!という方は多いと思います。

 このCMは当然のことながら、喜作イヤ奇策です。

 まともなマーケテイングなら、正攻法は、

①製品の技術的な差異性を強調する。

⇒例:保水性が〇×%上昇します!

 あるいは・・・

②所謂「ベネフィット」を強調する。

⇒例:55歳の女性が、30歳のように見えます!

とかいう感じです。さらにあるいは・・・

③実際に、製品を使った消費者を画面に登場させる。

⇒例:もう、私、一生、この製品を使い続けます!!

というのも、正攻法に入れて良いかもしれませんね。

 「電話は致しません!□!」のCMは、①②③のどれにも該当しないので、やはり奇策です。

 大手さんのように、ふんだんに資金を使って、旬の女優さんを使えないのは仕方ないです。でも、それなら③の方法もあるわけですが、

 そうはせずに、「電話致しません!□!」と言うことで、

 製品に自信がある=信頼できる

と解釈されたいのでしょうねえ。

 たしかに、小さい市場を相手にしたいのなら奇策もアリ、でしょう。でも、テレビに出ているということは、マス市場狙いですよね。果たして上手く行くのか、とても気に成ります。

 ついでに言えば「致しません!□!」と言う時の、言い方は再検討しても良いように思います。

 何も1本指をかざし、前後に激しく振りながら言わなくても良いように思います。信頼感よりは、むしろ「怪しい感」が強調されてしまうように思います。

 「実は元々自分はセールス電話をかけまくっている、あの迷惑なヤツらの同類なんだけど、今は一時的に止めてみているだけなんだよね」という風に見えます、私には。

 気になります。

 あの社長の会社の調子はどうなのか?

 誰か、詳しい方、こっそり教えてくれたら嬉しいです。

 追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
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感情労働

 最近「感情労働」という言葉を耳にしますね。

 飲食店、小売店、旅館、医療、福祉など、従来「接客業」などと言われて来た職種のことを、そう表現しているようです。

 まあ、言い得て妙、と思う反面、危惧もあります。

 「感情の職場」なんだから、そこで客の感情を害した場合、その客が感情的に成っても仕方ない、それは働いている者の責任だ、という方向に行ってしまったら、実に良くないと思います。

 感情を害された場合でも、感情的に成ってOKな相手は、身内とカノジョだけですよね。所謂「些細なことが原因で・・・」というヤツです。

 カノジョ相手なら些細なことで、どんなに大原価イヤ大喧嘩しようと勝手です。しかし、「感情労働」の労働者はカノジョじゃありません。

 例外として、花街があります。花街のお姐さん達は、客の「疑似カノジョ」に成ってあげるのが、重要な職務の一部ですから、「感情労働」のニュアンスが濃厚かもしれません。

 それは難しく厳しい仕事であり、彼女達はそれを承知で、そこに奉職しているわけですから、私はその有り様を尊敬し、花街が永く繁栄して欲しいと願っています。

 でも、まあ、花街のことはさて置きましょう。

 結論として、普通の「接客業」での労働を「感情労働」と呼ぶのは賛成できません。

 勿論、御客様に御機嫌に成っていただくことは大事です。「ちんや」でも、御客様が素晴らしい御靴を履いて見えた場合には、その御靴を褒めて差し上げます。

 製靴業は、台東区の地場産業ですから、これは地元貢献でもあります。

 でもですよ、「些細なことで・・・」には、一線を引くのが、私の主義です。

 モンスター消費者をのさばらせては良くありません。

 ミスが在ったわけでもないのに、訳も分からず、

 も~~~しワ・ケ・ございませえええ~ん!

って、私が言うハズもないですよね、実際。

 今日はまあ、以前から弊ブログを読んでいる方には、まったく新鮮味の無い情報でしたかね。

 ちゃんちゃん。

追伸①

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神田冠称

 以前に弊ブログでも書きましたが、私は「旧町名復活」に関心を持っています。

 そうしましたら最近の新聞に、神田地区の「旧町名復活」についての記事が載っていました。「旧町名復活」が進んでいない、という記事です。神田は浅草に比べて、由緒ある地名を残しているだけに、残念に思いながら読みました。

 今回問題になっているのは、「神田○○町」という「神田冠称」です。

 以前は浅草にも「浅草象潟町」という具合の冠称がありましたが、完全に消滅しています。「ちんや」では、それを懐かしんで、個室の名前を「象潟之間」とか名づけていますが、今では全くそれが分からない御客様が多く、

 ゾウガタ之間ってなんですか?

とか聞かれる始末です。

 キサカタなんですけどね。浅草3丁目に以前、秋田の象潟の殿様の下屋敷があり、その一角が後年町家になったので、その一角を「浅草象潟町」と言っていたのです。

 神田の場合は「神田冠称」が現在まで存続している町がある一方、1960年代に冠称が外された町もあります。

 神田三崎町と神田猿楽町が、その外された町です。

 平成16年に、その「神田冠称」の復活について、住民多数の署名を添えた要望書が提出されたそうなのですが、現在まで進捗していないそうなのです。アンケートを取ると復活賛成が6割、反対4割と意見が割れていて、区役所も判断がつかない模様です。

 その反対の理由が残念でした。

 名刺や封筒などの変更費用が嵩む、というのは分かりますが、もう一つの理由とは・・・

 せっかく三崎町や猿楽町を「山の手イメージ」の町にして⇒地価を上げてきたのに「神田」が付いてしまっては「下町イメージ」に戻ってしまい⇒ビルやマンションが高く売れなくなる!

という不動産屋の意見です。

 冗談を言ってもらっては困りますよね。

 たしかに、三崎町や猿楽町は、神田駅よりは水道橋駅に近く、オフィスビルが多い辺りですが、歴史的には、神田です。

 それを否定する方向性の不動産開発って、どういう了見でおやりになっているんでしょう?

 末法の世ですな。

 南無観世音菩薩。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
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生レバ食文化

 7/1よりスタートした「生レバー」禁止には、賛否両論あるようですね。

 提供してきた焼き肉屋さんが反発しているのは分かりますが、一般消費者の方からも「生レバー」擁護論が根強いようです。放射線を照射すれば食える、という論まであるそうで驚きます。

 この件で私が気にしますのは、一般消費者の方が食中毒に関する情報に日頃充分接しているかどうか、です。

 「生レバー」による食中毒は1998~2010年の間に116件も発生しています。普通の生牛肉の場合は、同じ期間に5件です。

 肉の場合は組織の内部に食中毒菌が入りこむことは、ほとんどないので、こういう結果になります。それに「肉が5件」と言っても、多分挽き肉か成型肉でしょう。挽き肉は、練り込む時に内部に菌が入ってしまいやすいので、たまに食中毒が起きます。それでもレバーに比べると、相当安全であることが、すぐ分かります

 このような食中毒のニュースって、ハッキリ申して面白いニュースではありませんから、一般の方があまり接していないのでは?思います。だから、

 みんな食べているし、おいしいのに何で禁止するの?

という意見が出てきます。

 民主主義を否定する気はありませんが、こういう問題では、専門家の指導に従った方が良いように思います。

 レバーの中のO-157を減らす研究もなされているようですが、なにしろO-157は数個存在するだけで食中毒を引き起こしますから、安全にするのは、相当ハードルが高いと思われます。

 それから、もう一言。「食文化」を、こういう形で規制するのはオカシいという御意見もあるようですが、私辺りの感覚では、「生レバー」は「食文化」と称して良いほど成熟した食べ方ではないように思います。 

 日本には、もっとデンジャラスなものを食す文化があります。それは・・・

「河豚の卵巣の糠漬け」です。

 石川県のごく一部の地方で作られている郷土料理=珍味です。

  ご存じの通り、河豚の卵巣には肝などと同様に、致死性の高い「テトロドトキシン」という毒素が多く含まれているため、そのままでは食用にできません。しかし、その卵巣を2年以上にもわたって塩漬け⇒さらに糠漬けにする事で、毒素を消失させ珍味として食しているのです。

 日本の「食品衛生法」は、河豚の卵巣を食用することを禁止していますが、全国で石川県の美川・金石・大野地区で作られた、この漬物だけは、許可されているのです。これは、大変な食文化です。

 出来上がった漬物は、石川県予防医学協会による毒性検査を受け、毒素が消失したことを確認した後に出荷されている、と言いますから、ここまでの体制を組んでいれば、文化と称しても、許されましょう。

 以前河豚の肝を食べて亡くなった歌舞伎役者さんがいたそうですが、その行為が食文化なのでは決してなく、無毒化して安全に食べられる体制を組んでいることが、食文化なのです。

 2005年に輪島の朝市で、一件食中毒事件があったそうですが、それは無免許業者によるもので、漬け込み期間も浅く、勿論、すぐに追放されたそうです。

 これに比べると、生の牛肝を何の工夫も無く、そのまま提供して、事故を起こし続けている「生レバ食文化」って、本当に文化なの?っていう疑問が湧いて来ますよね。

 「・・・」な「食文化」を、私は文化と認定したくありませんね。

って、今日はチト辛口でしたかね。

 スイート住吉に戻さなきゃ。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

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うな牛丼

 そういう知恵があるのなら、頼むから、他の産業分野で使って欲しい、

近頃私が、そう思いますのは「うな牛丼」です。テレビでさかんにCMしていますから、皆さん多分ご存知ですよね。

 弊ブログの6/15号でも書きましたように、鰻の稚魚の不漁が続いていて、鰻の相場は高騰、資源の枯渇~ニホンウナギが「絶滅危惧種」に指定される~可能性すらあります。

 そんな中、

 相場が高いのなら、その具の分量を減らして、他の具を入れて埋めればいいじゃん!

ということで、出来上がったのが「うな牛丼」、という次第です。

 流石は、店に何回も強盗に入られて⇒警察から「防犯対策をしっかりやれ!」と指導されても、抵抗を示すような会社です。発想が柔軟ですね。

 一方そういうことが出来ないのは、伝統的な鰻専門の皆さんです。

 鰻ひとすじですから、他の具を入れる、という発想がありません。ひたすら苦労しておられます。

 皆さんは、この知恵の無さを笑いますか?こういう作戦は、他の産業分野なら、在り得る話しですから、「その位のアイデアは出せて当然」と思う方も多いと思います。

 でも私は笑うことができません。

 鰻というものに、さして愛情も無い人が、一片のアイデアで、専門の皆さんより上手く商売する様子を見るのは辛いです。

 日頃私は、所謂「外食産業」と専門店は、まったく別の産業と思っています。でも希少な動物資源を奪い合うような状況となると、安穏と「棲み分けましょう」と言ってもおれませんね。

 アイデアが出るのなら、ステキな製品を作って、海外に売り、この国全体が富むような産業に出してもらえないもんでしょうか。鰻を奪い合って、誰が幸せになりましょうか?

 皆さんは、本当に心底から美味しく食べることが出来ますか、「うな牛丼」。

追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

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広報

 以前のことですが、大学で経営学を専攻している学生さんが、

 老舗の御店の経営者の方の話しを聞きたい、

ということでやって来ました。その中で、

 どうやって店のスタッフのモチベーションを上げるか?

という議論になって、彼らが提案したのは、

 店の広報を、現場の仕事と兼任でやらせたら良い。

という案でした。

 なるほど広報をやってみたいんですね、要するに。

 でも、大変ですよお。

 だって、取材に来た人が聞くことは・・・

 明治時代のザクの具は、今と同じですか?とか、

 大正時代には、仲居さんを何人ぐらい雇っていたんですか?とか、

 太平洋戦争後の物の無い時代には、どうしていたんですか?とか、

そういうことを聞いてきます。

 本題の取材内容は、ごく定型の「お店紹介」だけの雑誌なのに、あんまり本題と関係ない昔のことに興味が湧くらしく、そういう質問が飛んできます。

 だから出版された雑誌の記事だけ見ると、広報と言っても、そんなに難しいことはなさそうだ、と思うかもしれませんが、実は違うのです。

 結局、弊店は専業のPRマネージャーとかを雇わず、私が自分で取材対応をやってます。

 忙しい中に、単なるデータのやりとりとか、校正とかの単純仕事をやるのは、ハッキリ申して、イラっとしますが、結局私が自分でやってます。

 いつかは「お店紹介」以上の、内容の濃い記事につながって行く、と信じてやってます。

 でも、そういうことが少ないんですよねえ、実際。

 編集者の皆さんに申します。ライターさんに、もう少し自由に書かせては、どうなのでしょう?

追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

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地元志向

 気になる記事を見つけました。

 年々減り続ける早大志願者数 その理由は受験生の「地元志向」

という記事です。

・・・「地元志向」のあおりを受けている代表校が、全国から学生を集める早稲田大だ。早大の一般入試の志願者数の推移をみると、志願者数は過去5年間で約1万人弱減少しており、その内訳をみると、減った分の大半が関東以外のエリアからの志願者だ(代ゼミ調べ)。」

 5年間で約1万人弱減少とは、厳しいですね。

「受験生が慎重になり、早稲田を記念受験する層も減っている」(近藤氏)という事情も相まって、減少に歯止めがかからない。」

  受験生が地元志向化する背景については・・・

 「遠くの大学に行くお金がないというより、その先の就職を考えたとき、コストをかけた分を回収できるか、パフォーマンスが見合うかを考えた結果ではないか」(坂口氏)

 「地方から首都圏の大学に出てくるのは次男、三男、長女、次女が主流だったが、少子化でその流れが止まった」(石原氏)

 「一人っ子は親のそばにいたいという気持ちも強い。本当は首都圏の大学に行きたいと思っている受験生も、親に気を使って地元に進学する子が多い」(近藤氏)

 最近、日本酒の出荷量が10年で半分になり、パンの出荷量が米を抜きました。

 今度は、地方の若者が早稲田に入ろうとしないとは・・・

 これまで、地方から早稲田に入った人達が、間違いなく日本を支えてきました。

 どうも、おかしくないですかね、ニッポン。

 頑張って欲しいです、ワセダ。

追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

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ヘアエステ

 女もすなるエステといふものを、男もしてみむとてするなり。

と、いうわけで受けてみました、ヘアエステを。

 そのトシで色気づいたのかって?

 んなワケないでしょう。

 去年の暮ごろから、どうも、もみあげ辺りに白い毛が目立つようになってしまい、美容院でその話しをしていたら⇒ヘアエステを勧められてしまい⇒相談を持ちかけたのはこっちなので、引っ込みがつかなく成った次第です。

 で、始まりました、ヘアエステ。担当は若い御嬢さんです。

 まず軽く湯で洗浄。

 次に、汚れを落とすクレンジング剤を塗ります。シャンプーでは落ちない汚れが落とせる強力なものだそうで、しかも一般売りしない業務用のものとか。

 この作業を御嬢さん、素手でやっていたので、手荒れするのでは、と気になったのですが、そういうことはないんだそうな。便利なものがあるんですね。

 クレンジング剤を塗った後は、しばらく浸透させるため放置⇒落として、今度はトリートメント剤を塗ります。欠航が良くなる、イヤ血行が良くなるのだそうです。

 そして、後はマッサージをしてくれます。なるほど気持ち良いですね。体温も少し上がります。最後に「冷っ」とする薬をふりかけて終了です。

 勿論お安くはないのですが、ほんのひとときリラックスができます。

 思いまするに、サービス業は、今後は「千円床屋」のような、極端に簡素で格安な仕事と、エステのような付加価値に重心がある仕事の2極に分かれていくような気がします。

 料理業も「人間用のエサ」を供給する仕事と、食の楽しさ・素晴らしさをご提供する仕事の2極に、既に分かれていますね。同じ産業と考えないことが大事だと思います。

 その意味で、私が美容院を経営するとしたら、エステにおまけのサービスを2つほど。

① 靴を脱いで、ヘアエステを受けられるようにする。

② 一杯飲んでから、ヘアエステを受けられるようにする。

 どうでしょう?さらに気持ち良くなれるでしょう!

 追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

 有り難いことです。ご購読はこちらです。

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は178人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて845日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)