うな牛丼

 そういう知恵があるのなら、頼むから、他の産業分野で使って欲しい、

近頃私が、そう思いますのは「うな牛丼」です。テレビでさかんにCMしていますから、皆さん多分ご存知ですよね。

 弊ブログの6/15号でも書きましたように、鰻の稚魚の不漁が続いていて、鰻の相場は高騰、資源の枯渇~ニホンウナギが「絶滅危惧種」に指定される~可能性すらあります。

 そんな中、

 相場が高いのなら、その具の分量を減らして、他の具を入れて埋めればいいじゃん!

ということで、出来上がったのが「うな牛丼」、という次第です。

 流石は、店に何回も強盗に入られて⇒警察から「防犯対策をしっかりやれ!」と指導されても、抵抗を示すような会社です。発想が柔軟ですね。

 一方そういうことが出来ないのは、伝統的な鰻専門の皆さんです。

 鰻ひとすじですから、他の具を入れる、という発想がありません。ひたすら苦労しておられます。

 皆さんは、この知恵の無さを笑いますか?こういう作戦は、他の産業分野なら、在り得る話しですから、「その位のアイデアは出せて当然」と思う方も多いと思います。

 でも私は笑うことができません。

 鰻というものに、さして愛情も無い人が、一片のアイデアで、専門の皆さんより上手く商売する様子を見るのは辛いです。

 日頃私は、所謂「外食産業」と専門店は、まったく別の産業と思っています。でも希少な動物資源を奪い合うような状況となると、安穏と「棲み分けましょう」と言ってもおれませんね。

 アイデアが出るのなら、ステキな製品を作って、海外に売り、この国全体が富むような産業に出してもらえないもんでしょうか。鰻を奪い合って、誰が幸せになりましょうか?

 皆さんは、本当に心底から美味しく食べることが出来ますか、「うな牛丼」。

追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

 有り難いことです。ご購読はこちらです。

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は178人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて849日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントはまだありません »

No comments yet.

Leave a comment





(一部のHTMLタグを使うことができます。)
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">