3153

 「UENO3153」が開業しました。

 「ユーイーエヌオー・サンイチゴーサン」と読むわけでは勿論なく、「うえの西郷さん」と読むのだそうです。

 普通に「西郷会館」と言えば良さそうなものを「・・・」ですねえ。どうせなら、もっと歯切れ良く、UEN35とかにして、HKTの後でも追えば、と思ったりしますが、それはさておきまして、場所と事業内容を書いておきますと・・・

 場所は、上野の山の西郷像の直下で、以前レストラン「聚楽台」があった場所です。事業内容は飲食店を中心とした複合商業施設で、「精養軒」さんや「銀座ライオン」さんが入っています。「・・・」なテナントも入っていますが、そのことをここに書くのは止めにして、西郷さんのことを書いてみることにします。

 最近「維新」が流行ってますしね。

 さて「書いてみる」と申しましても、西郷さんについて私が立派な論を書けるわけではありません。

 書けるとしたら、実に分かりにくい人物だった、ということだけです。近代政治史上、最も分かりにくい人かもしれません。

 西郷さんと言えば「維新の酸欠」イヤ「維新の三傑」ですが、西郷さんは結局日本の近代化を推進したかったのか、そうじゃなかったのか、良く分かりません。

 薩長同盟・王政復古・戊辰戦争・江戸開城・廃藩置県といった一連の変革は、全て西郷さんが主導しており、特にこの中で最も革命的な内容の廃藩置県は、西郷さんの強烈な意志の力なしには、とても成し得ない一大事でした。

 参議在任中に、士族から職を奪う「徴兵令」の布告にも賛成していますから、ここまでは近代化路線です。

 しかし、その後西郷さんは「征韓論」という奇妙な政策にとりつかれてしまい、この政策が却下されると下野、ついには、あの無謀な西南戦争を引き起こしてしまいます。

 西南戦争の時の西郷方の戦略は、西郷さんが「反政府」を掲げて決起すれば、全国の不平士族が一斉に蜂起するから、それを引き連れて上京すれば良い。戦略なんてものは無用だ、という戦略でした。無謀な流血を長く続けさせた罪は重いと言えます。

 しかし、西郷さんはとても敬愛された人で、特に戦った経験のある敵方から愛されました。

 『南洲翁遺訓』という西郷さんの教訓録は、戊辰戦争で薩摩藩と激しく戦った、旧庄内藩士たちが、その後西郷さんを敬愛するようになり、直接聞きとった教訓を本にまとめたものです。

 明治天皇も西郷さんが大好きで、西南戦争が始まると陛下は半ノイローゼのような精神状態に成ってしまいます。

 戦争の終盤・城山の戦いでは、新政府方の将軍・山縣有朋が、城山に籠る西郷さんに密書を送っていますが、そこには西郷さんへの敬意が綴られていました。

 こうした話しは美談ですが、分かりにくさ、評価のしづらさに繋がって行きますね。

 そうした話しの最後のオマケが、上野の山の銅像です。

 上野の山は、彰義隊VS新政府の激戦地で、新政府方の先鋒は西郷さんが率いる薩摩兵でした。両者は上野広小路の辺りで激しく衝突したと伝えられています。

 もっとも、この戦いの帰趨を決めたのは佐賀藩が持っていた長射程のアームストロング砲でした。新政府方は、この大砲を本郷台に曳き上げ、不忍池越しに上野に向かって砲撃しました。対する彰義隊は旧式の武装だけでしたから、上野から逃走せざるを得ませんでした。

 この砲撃で上野の多くの文化財が焼失しました。上野の人々は、さぞ残念がっているはず、と思いきや、その戦場に西郷さんの銅像がたてられました。

 銅像がたったのは明治31年。上野戦争から31年、西南戦争から21年しか経過しておらず、実に驚く話しです。さすがに銅像の西郷さんに官服を着せるわけにはいかなかったらしく、着流しの西郷さんに成りましたが、それでも朝敵の銅像を、同じ陛下の在位中にたてるとは驚いた話しです。

 しかし時代は流れて、今や上野と言えば西郷さん、という感じの観光スポット・観光資源です。

 その銅像直下の「3153」を訪れる人々の中で、果たして、どの位の人が西郷さんの分かりにくさを分かっておいでなのでしょうか。

 いや、そういう方向へ客が興味を向けないように、あえて軽い感じで3-1-5-3なのか。

 でも4桁は歯切れ悪いですよね。やっぱり48の方が良いよねえ。

 追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

  「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は300人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて952日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

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千日行

 千手観音とか千日行とか、なぜか仏様は「千」という数字がお好きですね。

 そう書いている私も仏様の不熱心な信徒ですが、そんな私にも「千」という数字が近づいて来ました。

 勿論、このブログのことです。

 平成22年3月1日にスタート以来、翌年3月の大震災にもかかわらず、弊ブログは続いてきました。昨日が950日目、今日が951日目です。

 で、困っています。

 千日を達成した時の、自分の状態の想像が全くつかないのです。ゼンゼン見当つきません。

 困りまして、千日行を達成した人のインタビューを読んでみました。

 奈良県吉野の大峯山で、1999年に千日回峰行を達成した塩沼亮潤大阿闍梨様のインタビューです。この行を達成した人は、明治時代以降わずかに2人だそうです。

 読みまして・・・

「往復48キロ、標高差1300メートル超を毎日歩くのだ。ちなみに正月の箱根駅伝で、最長かつ最難関の山登りの5区でも、距離23.4キロで標高差800メートル超。」

「しかも千日回峰行では、蔵王堂からの4キロは林道だが、それからは登山家も通わぬ獣道。地に脈打つ大木の根を踏み越え、岩をよじのぼり、半歩先は断崖絶壁という道を、白装束がポツンと行く」

「5月の山頂は雪が降ることも珍しくなく、6月になると栄養失調になり、梅雨明けとともに猛暑、そして台風や雷のシーズンが訪れ、その頃は疲れもピークで血尿が出ます。」

「加えて、40度近い高熱が出たこと、下痢が止まらなかったこと、心臓の具合が悪くなったこと、いろいろなアクシデントがありました。しかし、行の間は寺の敷地から出ることは許されませんから、医者に診てもらうことはできず、もちろん行を休むこともできません」

 ひええ。恐れいりました。

 この位極限に挑めば新境地に達するかもしれませんが、快適な事務所でキーボードを敲いている位では、千日続けて⇒それでも何も感じなくて当然ですな。

 私がやれるのは、せいぜい盛大な祝賀会を開くこと位ですかねえ、そう自分が主催者で。

 いやあ、楽しみ。

 それだけは想像がつきます、ひひひひ。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

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 現在の笑顔数は300人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて951日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

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台風縦断

 台風17号が日本列島を縦断しました。東京は直撃ではなく、雨量はさほどではありませんでしたが、夜から暴風圏に入りました。

 こういう場合に悩むのが店の営業です。

 今時はネットで雨雲の画像まで見られますし、交通情報も入りますから、私はそうした情報を見ながら、さらに近隣の御店の様子も見ながら決めています。

 17号はまず高知沖を東へ進んで⇒紀伊半島で本土に上陸⇒伊勢湾を渡って名古屋に近づきました。この間テレビは、ず~っと台風の中継ですから、人々はもう出かける気をなくします。

 朝方の、まだ東京は晴れている時点から、予約はキャンセルされていきました。

 この日は丁度「すき焼き通検定」の試験日で、午後3時半が試験開始時間でしたから、少し心配しましたが、その時間にまだ台風は三重県辺りでしたので、強行させていただきました。試験が終わり、合格者の皆さんに認定証をお渡しした頃には、空が暗くなりましたが、なんとか実施できました。

 さて問題は夜の営業です。

 夜といってもやや早い時間=4時半の予約の方から、キャンセルの電話が入らないので、こちらから電話しますと、せっかく親戚が久しぶりに集まるし、自宅は近いので、7時に食べ終わればなんとか帰れる、ということでした。

 なるほど、そういうことなら決行いたしましょう。お待ちしてます!

ということで、そのお客様プラス「検定」に合格してすぐ合格祝をしたい、という二組の御客様のみで、夜の営業が始まりました。

 店のスタッフは家の遠い方から早帰りさせ、近隣に住んでいる者だけで営業します。

 5時半頃から雨が降り出し、雲の感じも強力な感じになりましたので、近隣の様子を見に出ますと、鰻「川松」の女将さんも、店の外においででした。

 ウチも天麩羅の「葵丸進」さんも6時で終わりにするわ~

と女将さん。

 この辺りで弊店も「早終まい」を決定した次第です。

 店に残っていらした二組の御客様も7時にはお帰りになり、洗い物や清算をし終わって8時。この頃には、かなり風が強くなっていました。台風特有の巻くような風です。

 でもまだ電話応対があるので、9時まではいないといけません。

 ここで再び雨雲画像を見ると、台風はJR中央線に沿って斜めに進んでいる感じで、東京には来なそうです。それで、もう1時間、私独りで電話番をすることにしました。

と申しましても、強風の最中に電話はほとんどかからず、8時50分に帰り支度を始めたら、それを見ていたかのように1本、予約の電話がかかって来ました。有り難いですが酔狂な方です。

 で、9時。ようやく北区いや帰宅させていたたくこととなりました。

 外に出て浅草の街を見まわしますと、外食産業の店だけが光を放っています。彼らの店の電飾は元々ビカビカですが、こういう日に見ると、なおさら異様です。

 スタッフの帰路のこととか、風で何か飛んで来た時のこととか、こういう店の経営者は心配しないんでしょうか?だいたい、それ以前に、この状態で客が来るんだろうか?

と思って観ていると、独りのオタク風男子がラーメン店へ入って行くではありませんか!

 寂しい独り暮らしで、料理も多分作れないんでしょうね。

 そういう寂しい人の寂しいニーズを満たすため、ラーメン店のスタッフは、身の安全も顧みずに働かないといけません。

 残念ですな、ニッポン。

追伸①

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イシバさんの敗因

 イシバさんが敗北してしまいました。党員投票では過半数を獲ったのに敗北してしまいました。

 イシバさんの敗因を解説した記事が出ていましたね。その敗因とは・・・

 目線がヘンだから。

では勿論なく、「冷たい名刺」を配ったから、だそうです。

 投票直前、各候補は議員会館にある国会議員の事務所を訪ねて、「最後のお願い」をして回るそうですが、このときにイシバさんが配った名刺が敗因なのだそうです。

 アベさんとイシハラさんが手書きのメッセージを添えていたのに、イシバさんだけはメッセージが機械で印字してあったのだそうです。その名刺の画像がネットに公開されています。

 イシハラさんは、

「よろしくお願い致します」となかなか御達筆。週刊誌では「軽すぎる男」とか書かれていましたが、なかなかどうして。流石は作家の息子ですね。

 アベさんは、

「いよいよ投票日となりました。何卒宜しくお願い致します」。「何卒」がなんだか低姿勢です。でも達筆とは言い難いなあ。文字が左右にブレて、タテ系が曲がってるし。ブレナい男だったハズですよねえ。

 で、イシバさんですが、

「最後のお願いにうかがいました。ご後援よろしくお願い致します」とメッセージが印字されているのです。これが不評なのだそうな。

 名刺を受け取った中堅議員は、

「これで投票行動を決めたわけではないが、石破氏の名刺は『少し冷たいな』と感じた。自民党には人情を重んじる人も多いので、この冷たさが『石破嫌い』の一因かもしれない。細かい気配りを積み重ねていれば、決選投票の19票差は逆転していた可能性もある。石破氏はもっと成長できる」

と話したそうです。

 御本人も、

「国会議員票で取れなかったことは私の不徳の致すところが大きい」と反省しているそうです。

 脱派閥の姿勢が「不徳」になるなら、私は「不徳」で結構と思いますけどね。

 それはさておき、人様に何かお願いをする時、名刺に載せるメッセージは手書きの方が良ろしいようです。

 他山の医師イヤ他山の石、ですね。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
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会いたかった大垣

 国際観光日本レストラン協会の委員会が大垣市の「天近別館ちかざわ」さんで開催されましたので、出席しました。

 大垣という所には、恥ずかしながら生まれて初めて参りました。

・関ヶ原の隣町で、天下分け目の戦で陣が置かれた。

・大垣藩主・戸田家は「忠臣蔵」浅野家の親戚だった。

という位の知識しかありませんでしたので、せっかくだから、少し早めに着いてお城や「郷土館」を見学することにしました。

 それで新幹線の岐阜羽島駅から市内に入るのをあえてやめ、名古屋から在来線に乗り換えて30分。大垣駅に降り立ちました。

 降り立ってまず最初に「大垣の歴史に触れてみたい」と思っていた私の目に入ってきたのは、JRの駅ビルです。

 そのテナントのリストを見て、

 げげっ!

と思ってしまいました。

 飲食店はほとんど東京の大手外食産業。薬はマツキヨさん、本は三省堂さんです。

 うーむ、ここは実は秋葉原駅だったのか。思わず、

 ♪会いたかった♪会いたかった♪会いたかった♪Yes!

と歌いそうになりました。

 駅と土地を持っているJRと、投資力のある大手が組んで、駅ビルや駅ナカを開発する、という首都圏での所謂「勝ちパターン」を大垣でも実行しているわけです。

 食べものは土地・土地に特徴があるというのに、この調子では全国の味覚が同じになってしまいます。せめて名古屋の飲食店にする、という選択肢は無かったのでしょうか。

 いやいや、国有鉄道がダメで、民営化したのだから、そういうビジネスに走るのは仕方ない、あるいは当然だ、というお考えの方もおいでかもしれません。

 たしかにビジネスするのは当然です。しかし、です、ビジネスはビジネスでも、新たな事業分野を開発する仕事と、既に他人のやっている仕事のパイを食うだけの仕事の、2種類がありまして、JRの駅ビル・駅ナカは完全に後者です。

 駅前商店街の客を奪うだけです。

 実際、大垣駅から市役所へ向かう、中心市街地の商店街は、閉まったシャッターと老朽化した建物が目立っていました。残念な光景でした。

 私はこれを当然とは思いたくありません。

 思い起こせば、かつての民営鉄道事業には浪漫がありました。

 東の東急、西の阪急は、東京と大阪の郊外に高級住宅街を造成し、都市の風景を一変させました。

 阪急の小林一三翁(=逸翁)は住宅街だけでなく、鄙びた温泉場だった宝塚に遊園地と劇場を建設し、劇場に出演する少女歌劇団まで自社の音楽学校で養成しました。今日でも、その歌劇を見るため全国のヅカファンが阪急電鉄に乗りますね。

 時代は下りますが、デイズ二―ランドも経営母体は京成電鉄です。

 デイズ二―(=オリエンタル・ランド社)の現会長は、私の父の同期で卒業して京成に入り、後にデイズ二―に出向。用地買収から始めて、ついには現在の、あの盛況な姿にまで発展させました。

 一方、現代のJRが歴史に残すものは、全国統一テイストの駅ナカと荒廃した駅前商店街だけでしょう。

 たしかに東急・阪急も駅前に東急百貨店・阪急百貨店を建設しましたが、それらは夢と憧れを売る店であって、JRが建設したコンビニエントさを売る店とは似て非なるものです。浪漫の度合いが違うと断言したいと思います。

 末法の世ですな。

 南無観世音菩薩。

 あ、大垣の御料理のことも、明日書きますよ。

 追伸①

 9/30(日)に「すき焼き通検定試験」を実施します。

 この試験は「落とす試験」では勿論なく、すき焼きについて学ぶことを楽しんでいただく試験です。

 どなたでも受験できて、合格者には特典満載です。

 ただ今(9/25まで)受験生募集中ですので、是非是非お受験を!詳しくはこちらです。

追伸②

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追伸③

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今時の飲み会事情

 ネットを適当に見ていて、今時の飲み会事情を紹介しているサイトを発見しました。食傷柄イヤ職掌柄チェックしないといけません。

 で、開けてみますと・・・

「職場の飲み会が以前より増えたか減ったかを尋ねました。」

「忘年会や歓迎会など「行事的な飲み会」と、同僚と誘い合って行く「個人的な飲み会」に分けて聞いたところ、「どちらも減っている」が54%と半数以上。「変わらないと思う」が27%で、逆に「どちらも増えている」はわずか4%でした。」

 FBが普及して、飲み会はセットしやすくなりました。特に幹事役の仕事をFBの「イベント」機能が代行してくれるので楽です。

 私なども飲みイベントを濫造しています。あまり濫造して仲間から鬱陶しいと思われないようにしないといけませんね。

 それでも、この調査では「行事的な飲み会」と「個人的な飲み会」のどちらも減っているそうです。「・・・」ですね。

 この調査では、その理由も尋ねています。

1人間関係が希薄

2同僚と飲みたがる人が減った

3仕事が多忙で時間が作れない

4酒にお金を使う人が減った+酒を飲む人が減った

5(仕事でなく)個人の時間が多忙で時間が作れない

~なるほど、そうなんですね。

 私なんかは、忙しい時ほど、なんかハイに成ってしまって、頻繁に飲んでいるような気がしますが、世間は違うんですねえ。

 自分の店で営業していても、たくさんお召し上がりになる方が、本当に少なくなりました。

 でも一方マニアックに詳しい方もおいでです。

 最近どうも、飲むということに関して、自分の感覚と世間の感覚がズレているような気がします。世の流れなんでしょうけど・・・

追伸①

 9/30(日)に「すき焼き通検定試験」を実施します。

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 どなたでも受験できて、合格者には特典満載です。

 ただ今(9/25まで)受験生募集中ですので、是非是非お受験を!詳しくはこちらです。

追伸②

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追伸③

  「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

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石破総裁

 自民党の皆さんが久しぶりに楽しそうですね。

 そのエネルギーを、もっと大事な方面へ回していただけたら、と思いますが、それはさておき、一番人気はイシバさんだそうですね。

 イシバさんには興味が湧いてしまいます、どうしても。

 興味が湧くと申しましても、イシバさんの政策のことは、私は勉強してないので分かりません。まあ、分かってもブログに書いたりしませんけどね。

 興味が湧くのは、イシバさんのコミュニケーション方法です。

 インタビューされても、視線は聞き手にアイコンタクトせず、空中に投げられたままですね。しかし決して視線が泳いでいるわけではなく、空中の一点を凝視しています。

 その視線の先に在るエアコンって自民党員なの? って突っ込みたくなりますよね。

 この視線については「YAHOO!知恵袋」に質問が立っている位です。

 質問の御題は、

「自民党の石破茂さんの会話してる目つきやばくないですか?」

 怪盗イヤ回答は、

「怖かったです…どこ見てるのかわからなくて、表情はほとんど変えず、話されてましたね。内容は納得出来る物でしたが、たしかにヤバい感じでしたね。」

 たしかに、お話しの内容は論理的で、ときおり辛味が利いていて、なかなか良いのですが、何しろ視線の投げ方が独特です。

 一方私が持っている、話し方のHow-to本は、次のように教えています・・・

「話すときは相手の目を見ながら、というのは自己演出の基本です」

「最も印象が悪く感じるのは、アイコンタクトをとっていた後に、視線を外すときのそらし方=横にそらす行為です」

 このHow-toで行くと、最初から最後までアイコンタクトせず一点凝視のイシバさんはどうなるのでしょう。瞬きしないのは自己演出としては良いことのようですけどね。

 しかしイシバさん、街頭アンケートでは8割近い支持を集めているとか。このやり方で一番人気なんですよね。

 有権者にニコニコ笑顔をふりまいて、ついでに政策も出来もしないことをふりまく、というタイプの政治家に国民がウンザリしてきたのでしょうか。

 そうだとしたら悪い話しではないかもしれませんが・・・

 でも、世の自己演出コンサルタントの皆さんは、困るかもしれませんね。開票が楽しみです。

追伸①

 9/30(日)に「すき焼き通検定試験」を実施します。

 この試験は「落とす試験」では勿論なく、すき焼きについて学ぶことを楽しんでいただく試験です。

 どなたでも受験できて、合格者には特典満載です。

 ただ今受験生募集中ですので、是非是非お受験を!詳しくはこちらです。

追伸②

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

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 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて936日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

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食への無関心

 食の国産志向が過去最低だそうです。

 日本政策金融公庫が先日発表した、2012年度上半期の消費者動向調査結果によりますと・・・

「食料品を購入する際に国産かどうかを気にすると答えた人は70.6%と、1月の前回調査に比べ3.5ポイント低下。外食の場合も7.8ポイント低下の25.1%となり、08年5月の調査開始以来、いずれも最低となった。」

「価格が外国産に比べ1割以上高くても国産を選ぶと答えた人も7.4ポイント低下の51.2%と最低を更新。品目別では、コメが70.3%、野菜が57.7%、魚介類が46.3%、牛肉が45.7%、果物が41.4%などと、いずれも最低となった。」

「厳しい経済状況が続き、節約志向が強まる中、安価な外国産農産物への期待が高まっていることが浮き彫りになった。」

「環太平洋連携協定(TPP)など貿易自由化をめぐる議論にも影響しそうだ。」

 以前から日本人の中に、「食への無関心層」つまり食べ物はとにかく安い方が良い・金をかけたくない、という人達が、四人に一人位の割合でいる、と言われてきました。今回の統計を見ると、その割合が拡大しているように見えます。

 ここでハッキリ言えることは、日本人のおよそ30%は「ちんや」の御客様には成りえない、ということです。

 食べ物以外の商品を商っている人達からは、

 いいよねえ、食べ物を売っている人は!だって人は絶対毎日3回食べるから、儲け損なうことがないよね!

と言われたりしますが、この統計を見れば、そういう単純なものではないことが分かると思います。

 なにしろ和牛肉の値が外国産より少々=1割高いだけなのに、「高い和牛をパスして外国産を買う」という人の方が、「やっぱり和牛を買う」という人より多いのです、55対45で。

 日頃私達が苦労する理由が、ここに在ります。実際、値の開きはもっと大きいですからね。

 ついでに申せば「食べ物だけは自由貿易をしない方が良い」というのが私のかねてからの考えですが、それを口に出すと、日本人のおよそ30%とは友達に成れない、と言えるのかもしれません。

 まあ、御蔭様で、友達に不自由はしていませんけど、トホホですよね、やっぱり。

 追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

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 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

  「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は300人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて935日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

  

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スター読者

 一日に一度、ツイッター検索をしています。

 ツイッターに「すき焼き」「ちんや」といったキーワードを入れて検索すると、この単語を含むツイートが表示されます。場合によっては、今まさに「ちんや」の店内で食事されている方が・・・

「ちんや」ですき焼きチウ!

とかツイートなさっているのを発見することもあって、結構楽しいのです。

 そんなある日「すき焼き」と入れてみますると、一見してアイコンが愛らしい女性が・・・

 ブログ更新しました。すき焼き!

とツイートしていました。

 おお!

と思って、早速そのブログを開けてみますと、たしかに内容はすき焼きでした。御自宅ですき焼きをなさったらしいのです。

 ブログの主が別嬪さんな理由もすぐに分かりました。そのブログは雑誌CanCanの「スター読者」さんの公式ブログなのでした。可愛いわけです。以前は「読者モデル」と言っていたような気がしますが、いつの間にか変わったんですかね。

 それはさておき、ブログのカテゴリーは・・・

 美容 ( 54 )

 ファッション ( 45 )

 日常 ( 54 )

 グルメ ( 79 )

 おうちグルメ ( 74 )

 お知らせ ( 4 )

 CanCam ( 41 )

 スポット ( 18 )

 ハワイ ( 10 )

 お返事 ( 23 )

 おともだち ( 13 )

 グッズ ( 15 )

と分かれていて、今回のすき焼きは「おうちグルメ」の一つに当たるようでした。別嬪さんがすき焼きのことを書いてくれてヒジョーに嬉しいです。

 でも、嬉しくないことも。

 掲載されている写真を見ると、肉のパッケージにデカデカと、

 「国産牛」!と印刷されています。

 弊ブログの読者さんなら既にご存じとは思いますが、 念のため解説しますと「国産牛」は「和牛」ではありません。

 血統が和牛でなくても、日本国産であれば 「国産牛」 と表示できるわけで、たいていは和牛と別品種の「合いの子」です。体が大きくなる品種と和牛をかけあわせて生まれた牛を 「国産牛」と表示している事例が多いです。

 そう、要するに、増体と肉質の「虻蜂獲り」をするために、意図的にハーフの子を造っているのです。

 和牛の血が一応入っていても、結局儲け主義の飼い主に育てられているので、肥育期間が短かったり、飼料が良くなかったりします。

 まあ、要するに美味しくないケースが多いのです。酸味をつけたり辛みをつけたりと味を調整して、美味しく食べられないこともないとは思いますが、すき焼きだけはゴマカシが利きませんから、やっぱり結局、「国産牛」ですき焼きはお勧めできません。

 別嬪のお姐さん、もう少し肉のことも勉強してね!

 なんなら、私がお教えしますよ、懇切丁寧に。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

  「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は300人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて932日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

 

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目黒の秋刀魚

 今年も「目黒のさんま祭り」が開催されたようです。露天で豪快に焼かれる秋刀魚の映像がテレビで放映されていました。

 昨年は東日本大震災で、秋刀魚産地の宮古・気仙沼が大きな被害を受けましたが、それでも関係者の必死の御努力でなんとか開催、今年も無事開催されたそうで、実に結構なことでした。

 ただ、イベントの様子を伝えるニュースの採り上げ方が、私には少し気にかかりました。

 秋刀魚を上手く食べられない人を、集中的に撮っているのです。お子さんは勿論、その親御さんも上手く食べられずに、恥ずかしがる様子を流し、

⇒このように、魚を上手く調理したり、食べたりできないことが、魚の消費減につながっています!

と報じていました。

 水産庁の公式サイトによりますと・・・ 

「消費者の『魚離れ』が依然として進行しています。」

「魚介類と肉類の国民1人1日当たり摂取量の推移をみると、魚介類が長期的に減少傾向にあるのに対し、肉類はほぼ横ばい傾向にあり、平成18年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回りました。」

「その後、19年、20年と魚介類と肉類の摂取量が拮抗していましたが、21年には肉類と魚介類の摂取量の差が拡大しています。」

 で、この事態を受けて採られている対策が、まるっきり、落語の「目黒の秋刀魚」方式なのです。

 ご存じの通り、この落語では殿様が目黒へ鷹狩に出た時に、現地の庶民が食べる秋刀魚を食して⇒好きになり、お城へ戻ってからも、秋刀魚を御所望になるのですが、お城の家臣たちは、

・秋刀魚は脂が多く出る。それでは体に悪いということで脂をすっかり抜き、

・骨がのどに刺さるといけないと骨を一本一本抜きますね。

・そうすると、さんまはグズグズになってしまう。こんな形では出せないので、練り物にして、お椀の中に入れて出します。

 殿様は、ただ豪快に焼いただけの秋刀魚がお好きなので、お気に召さず、

「いずこで求めたさんまだ?」と聞きます。

「はい、日本橋魚河岸で求めてまいりました」

「ううむ。それはいかん。さんまは目黒に限る」。

というのがオチです。

 その脂抜き・骨抜き商品の開発を、水産庁の御声がかりで、促進して行こう、ということになっているようです。

 生の魚が上手く食べられないので、まあ、結局、いわゆる「溺愛商品」いや「出来合い商品」にするわけです。

 名付けて、「ファストフィッシュ」と申すそうな。

 果たして、殿様のお気に召しますか、どうか・・・

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

  「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は296人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて929日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

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