台風縦断
台風17号が日本列島を縦断しました。東京は直撃ではなく、雨量はさほどではありませんでしたが、夜から暴風圏に入りました。
こういう場合に悩むのが店の営業です。
今時はネットで雨雲の画像まで見られますし、交通情報も入りますから、私はそうした情報を見ながら、さらに近隣の御店の様子も見ながら決めています。
17号はまず高知沖を東へ進んで⇒紀伊半島で本土に上陸⇒伊勢湾を渡って名古屋に近づきました。この間テレビは、ず~っと台風の中継ですから、人々はもう出かける気をなくします。
朝方の、まだ東京は晴れている時点から、予約はキャンセルされていきました。
この日は丁度「すき焼き通検定」の試験日で、午後3時半が試験開始時間でしたから、少し心配しましたが、その時間にまだ台風は三重県辺りでしたので、強行させていただきました。試験が終わり、合格者の皆さんに認定証をお渡しした頃には、空が暗くなりましたが、なんとか実施できました。
さて問題は夜の営業です。
夜といってもやや早い時間=4時半の予約の方から、キャンセルの電話が入らないので、こちらから電話しますと、せっかく親戚が久しぶりに集まるし、自宅は近いので、7時に食べ終わればなんとか帰れる、ということでした。
なるほど、そういうことなら決行いたしましょう。お待ちしてます!
ということで、そのお客様プラス「検定」に合格してすぐ合格祝をしたい、という二組の御客様のみで、夜の営業が始まりました。
店のスタッフは家の遠い方から早帰りさせ、近隣に住んでいる者だけで営業します。
5時半頃から雨が降り出し、雲の感じも強力な感じになりましたので、近隣の様子を見に出ますと、鰻「川松」の女将さんも、店の外においででした。
ウチも天麩羅の「葵丸進」さんも6時で終わりにするわ~
と女将さん。
この辺りで弊店も「早終まい」を決定した次第です。
店に残っていらした二組の御客様も7時にはお帰りになり、洗い物や清算をし終わって8時。この頃には、かなり風が強くなっていました。台風特有の巻くような風です。
でもまだ電話応対があるので、9時まではいないといけません。
ここで再び雨雲画像を見ると、台風はJR中央線に沿って斜めに進んでいる感じで、東京には来なそうです。それで、もう1時間、私独りで電話番をすることにしました。
と申しましても、強風の最中に電話はほとんどかからず、8時50分に帰り支度を始めたら、それを見ていたかのように1本、予約の電話がかかって来ました。有り難いですが酔狂な方です。
で、9時。ようやく北区いや帰宅させていたたくこととなりました。
外に出て浅草の街を見まわしますと、外食産業の店だけが光を放っています。彼らの店の電飾は元々ビカビカですが、こういう日に見ると、なおさら異様です。
スタッフの帰路のこととか、風で何か飛んで来た時のこととか、こういう店の経営者は心配しないんでしょうか?だいたい、それ以前に、この状態で客が来るんだろうか?
と思って観ていると、独りのオタク風男子がラーメン店へ入って行くではありませんか!
寂しい独り暮らしで、料理も多分作れないんでしょうね。
そういう寂しい人の寂しいニーズを満たすため、ラーメン店のスタッフは、身の安全も顧みずに働かないといけません。
残念ですな、ニッポン。
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は300人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて949日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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