3日坊主ウォーキング②

 このブログの7/23号に「このところ、仕事を終えた後、夜10時半前後ですが、ウォーキングをしています」と書きました。

 しかし、それを信じてくれていない方もおいでのようです。

 「もう、そろそろ飽きたんじゃないの?」とか言われますが、

 やってますよ、ウォーキング!

 やってない日以外は。

 やってない日について、釈明いたしますと、どうも、やはり夜のお誘いが問題です。

 隅田川花火大会の日、仕事を終えて、いざ、ウォーキングと思っていると、携帯に着信がありました。「台彪会」でご一緒する、鳥越のG社長からでした。

 「今「フェイク」で「川松」のAK子さんと飲んでるんですよ!」

 Gさん夫妻は、花火の打ち上げ中にもかかわらず、鰻の「川松」さんに入り、私がこのブログの7/27号でオススメした、

「音だけ花火と鰻ナウ」を実行した後、仕事を終えた、「川松」の若女将AK子さんを誘い出して飲んでいると言うのです。

 しかも、飲んでいるバー「フェイク」は「ちんや」から歩いて10秒のところにあります。10分でなく10秒です。この日のウォーキングは順延となりました。

 その翌々日、今度は旧知のT社長が、向嶋花柳界の綺麗どころを伴なって、「ちんや」へ来店されました。ご挨拶申し上げるため、部屋へ顔を出すと、

 「二次会、向嶋だけど、住吉さんも行くよね!」

 しかも、その二次会の御店は、旧知の若女将AY子さんの御店「きよし」さんだとか。

 いや、私は、今日はウォーキングの予定がありますから、遠慮しときます!

 と申すハズもなく、この日のウォーキングも順延となりました。

 どうも、雨天順延と酒店順延を間違えてしまいました。ウとシュは、音が似ているので、間違いやすいですよね。

  苦しいかな、この洒落は・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「音だけ花火と鰻ナウ」については、このブログの7/27号をご覧下さい。

*ウォーキングをしているワケについては、このブログの7/23号をご覧下さい。

救命講習

 お暑うございます。本格的に夏休みに入ったせいか、ご家族連れのお客様が増えました。

 さて、我々・浅草料理飲食業組合は何をしていたか、と申しますと、

 7/30「普通救命講習」を受けました。

 救命講習というのは、簡単な心肺蘇生法や、AED(自動体外式除細動器)の操作方法を習うものでして、修了すると、地区の消防長認定の「救命講習修了証」が交付されます。レッキとした公的な講習です。

 今回は、日本堤消防署から警防課長さんはじめ、救急隊員の皆さんをお迎えして、浅草料理飲食業組合の役員の皆さんとともに、受講しました。

 「普通」というのが、もちろん一番簡単なコースですが、それでも3時間ほどのカリキュラムです。 

 実際、飲食店で食事中のお客様が、気分が悪くなる、ということは少なくありませんので、役にたつご指導でした。

 講習を聞いていて「それは怖いな」と思ったこともありました。人間は心停止した状態が5分続くと完全に死んでしまうそうです。一方、119番通報から救急車の現場到着までの時間は都内で平均5分だ(!)そうです。

 つまり、患者さんの周りにいた、一般市民が救命処置をしたケースは、結構患者さんを救えるものの、放置したケースでは、死んでしまうことが多い(!)のだそうです。

 さらに、このところの猛暑で、熱中症になる人が多く、当然、救急車の出動がだいぶ増えているそうです。隊員さんはハッキリおっしゃいませんでしたが、119番通報から救急車の現場到着までの時間が、「5分」以内とはなっていない状態かもしれません、今時は。

 お気をつけいただくに、越したことはありません。

 それにつけても、なかなかカッチョいいのです、若い救急隊員さんが。

 気のせいか、女性組合員の皆さんが講習に熱心だったような・・・ 

追伸  

 7/3の、私の講演「饗応・居留地・牛鍋」がケーブルテレビで見られます。

  「J:COM台東」

<放送時間=8月3日(火) 9:20〜、13:20〜、17:20〜、21:20〜>

  契約されている方のみ視聴可能ですので、今すぐご契約を!・・・しても間に合わないかな?

 *私の講演「饗応・居留地・牛鍋」については、このブログの7/4号をご覧下さい。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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桜鍋の人間国宝?中江さん、一日すき焼き店長

  桜鍋「中江」さんの、店舗の建物が「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として、国の文化財に指定されるそうです。「中江」のN社長とは旧知ですので、7/28お祝いに行ってきました。

 文化財というと、国宝とか無形文化財(=人間国宝のこと)とかいろいろ種類がありますが、今回はその中の「登録有形文化財」という種類での指定だそうです。

 「中江」さんの建物は、なんでも築85年だそうです。先代の建物が関東大震災で焼失し、翌年再建されてから、大正建築のおもむきを今まで保ってきたことは、大変素晴らしいことです。

 N社長は喜んで、メルマガで「これを1つのバネにして、私も馬肉職人としての無形文化財(=人間国宝)に指定されるよう、より一層がんばります。」と語っておられます。

 実は、私はその、未来の人間国宝・Nさんに別の用事もありまして、「一日すき焼き店長」を、依頼しようかと思っておりました。

  「一日すき焼き店長」というのは、「ちんや」の、すき焼きの鍋の中に入れる具材を、「ちんや」以外の方、つまりNさんに選んでいただこう、という企画です。

 フレンチの有名シェフが海外から来日した時に、国内のレストランやホテルの厨房を、その日一日だけとり仕切って、腕を披露してもらったりしていますが、それのすき焼き版というわけです。

  もちろん、すき焼き界初と思います。すき焼き界の刺激になり、また「ちんや」の厨房の人間にも刺激になると思っています。

  でも、ザンネンながら、Nさんは、この話しには戸惑ってしまったようで、

 「馬肉入れちゃあ、ダメなんでしょう?」

 「うーん、それじゃ桜鍋そのものだから、「一日すき焼き店長」と言うより、「一日移動中江」になってしまいますよ!」

  企画が浅かったでしょうかねえ。チョッと考え直すことにしました。

  なにはともあれ、Nさん、おめでとうございました。

  Nさんが人間国宝なら、私は何を目指しますかね。

 五大陸スキヤキ委員会(I-Suki-C)の委員長かな。

  なお本日、このブログは五ヶ月連続更新を達成しました。ご愛読ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「中江」さんについては、こちらです。

野菜としての唐辛子

 7/31の隅田川花火大会を控え、隅田川周辺には、すでに頑丈なバリケードが多数設置されています。それを尻目に、

 7/29、向笠千恵子先生の、唐辛子についての、セミナーに出席しました。

 「野菜としての唐辛子を楽しむ」という趣向のセミナーで、唐辛子を主役にしたオリジナル・ランチ会席も付いていました。

 すき焼きに入れる野菜は、従来決まりきっていましたから、私・住吉史彦は、ごく最近まで、すき焼きに入れない野菜については、あまり興味を持たずにきました。

 でも、去年の7/7の「すきや連」での寄せ書きをキッカケに、「ちんや」で「変わりザク」を始めてから、俄然、野菜も面白くなってきました。

 7/11の、「かぶちゃん」こと鏑木武弥さんとの対談でも、肉のことはあまり話さず、野菜のことばかり話していました。

 また、7/12に「ちんや」で開催した、「すきや連」で「変わりザク」として、

 賀茂ナス、蓮根、伏見甘長唐辛子、オクラ、凍み蒟蒻 をお出ししたら、

 「短角牛と夏野菜の相性は格別でした。」

 「七夕に短角牛に出会いしあわせです。季節の野菜も彩りよく、すき焼をいっそう美味しくしてくれます。」

 「めずらしいお肉 めずらしいザク 素晴らしいすき焼きをありがとうございます。勉強になりました。」

 などと寄せ書きしていただき、私もますます頭にのってきました。

 そんなおりもおり、今回の「野菜としての唐辛子」という趣向のセミナーがありましたので、是非にと出席させていただきました。

 向笠先生は、新刊本『食の街道を行く』で、唐辛子が伝わった道を訪ねておいでで、さすがの詳しさです。また生産者や、加工業者の方も見えていて、つくりの苦労話しなどを聞かせてくださいました。

 そもそも、唐辛子は新大陸生まれ。コロンブスが持ち帰ってから約100年後に日本に伝わりました。そして、香辛料として普及する一方で、京都などではうま味中心の甘唐辛子として、万願寺唐辛子・山科唐辛子・伏見甘長唐辛子・あま南蛮・鷹ケ峰青唐等の野菜に生まれ変わりました。

 また、さまざまな唐辛子の加工食品も全国各地に存在していて、日本人の暮らしに、いかに唐辛子が浸透しているか、わかります。不覚にも、知りませんでしたが、唐辛子は、いやあ、面白いです。

 が、

 えー、唐辛子情報はとりあえず、この辺で。続きは、『食の街道を行く』をお求め下さい。

 なんだよ、住吉、ケチだなあ、もっと書けよ!

 いやあ、まだ直ってないんですよ、意地悪キャラ。ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「変わりザク」発売の経緯については、このブログの3/7号をご覧下さい。

*「かぶちゃん」との対談については、このブログの7/12号をご覧下さい。

*『食の街道を行く』ついては、このブログの7/24号をご覧下さい。

竜泉の煩悩の夜、普茶料理に舌鼓

 「主任ナビゲーター・住吉史彦と行く、下町の食文化を担う老舗・名店」

という、食べ歩きのシリーズ企画があります。

 東京商工会議所台東支部青年部の、月例会の内の1回なのですが、「住吉史彦と行く」と題していますので、当然、毎回私が万事を手配して、青年部の諸君を、私推薦の御店へお連れしています。

 7/27は、その第9回を台東区竜泉の、普茶(フチャ)料理(=精進料理の一派)の「梵(ボン)」さんで開催しました。

 自分で言うのもなんですが、過去9回とも、大人気・大盛況の企画です。

 今回、会場の都合で「定員25名様」で募集しましたが、満員御礼となり、地場産業の、若社長や二代目君たちが集結しました。「どぜう飯田屋」の若旦那ⅠⅠ君も、ナビゲーター補佐として参加して下さいました。

 このシリーズでは、これまで、すき焼きの「浅草今半」さん、「どぜう飯田屋」さん、豆腐の「笹乃雪」さん、桜鍋の「中江」さん、おでんの「大多福」さん、鰻の「やっこ」さん、洋食の「香味屋」さんなどで開催し、食事をするだけでなく、毎回、その店のご主人さんまたは若旦那さんから、それぞれの御料理についてのレクチャーを受けてきました。

 今回も「梵」のご主人Fさん自ら、普茶料理と精進料理について、詳しくご教示いただきました。勉強になりました。

 御料理も手がかかっていて、頭が下がりました。

 今回、普茶料理を選んだのは、青年部の連中の、止まる所を知らない煩悩にブレーキをかけるため、では勿論なく、ベジタリアンの方に対応できる料理屋を、青年部の面々が知っておいた方が良い、と思ったからです。

  東京スカイツリーが出来て、ますます海外からのゲストが増えています。ベジタリアンの方も見えるでしょう。しかし鎌倉と違って、浅草近辺には精進料理の店が大変少ないので、こうした御店は貴重です。

 青年部の面々は、ご主人のレクチャーの間は、一応神妙にしておりました。

 しかし、やがて宴会が始まり、会議所事務局の新人Y君の寿が「重大発表」されるや、一気に抑えていた煩悩が急浮上、おお盛り上がりの一夜となりました。

 その後のことは、書けません。仏罰が怖いので。

 なむかんぜおんぼさつ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 なお本日、このブログは、150日連続更新を達成しました。皆様のご愛読に御礼申し上げます。

*普茶料理については、このブログの6/2号をご覧下さい。

*「梵」さんについては、こちらです。

 

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真夏の夜の、ダブルヘッダー

 お葬式に参列して、自分のペースを乱すことがありますよね。

 それは、亡くなった方のせいでは、もちろんなく、こっちのせいですが、そうなることがたまにあります。

 それは、お清めがあるからです。

 7/23夜、浅草の重役の方の、お身内のお通夜がありましたので、参列しました。葬家がそういう立派な御家ですので、お清めには、浅草の大御所の皆さんが、お揃いでした。

 しかも、今回はなんと名店「草津亭」の、仕出しのお清めです。食べない手はありません。食べる間、飲まなければ酔わないわけですが、ツマミが旨いので、そうもいきません。

 この日は、悪いことに、浅草料理飲食業組合青年部・通称「継旦連(けいだんれん)」の暑気払いの日でもありました。そちらは夜10時開会です。

 「継旦連は夜10時開会」という時間設定は、私が代表だった時に決めて以来続いています。本来は、料理屋の営業が終わってから集まるために、この時間に設定しているのですが、そういう時間なので、他の会合とダブルヘッダーすることも可能になります。

 自分から、ダブルヘッダーをやりたいわけでは勿論無く、仕事を終えてから「継旦連」に出たいのですが、なぜかタイミングでダブルになってしまうのです。4/12の総会の時もそうでした。その時は総会A→総会Bで、今回はお清め→暑気払い、です。

 そういう次第で、真夏の夜に、浅草巡航となりました。

 当然、暑気払いが始まった時点で、良い気分です。

 前から思っているのですが、飲むと体温が上がって、暑気払いどころか、より暑くなりますよね。

 しかも、この日は猛暑日です。そう言えば同じ日、「ちんや」の店でも、暑さが理由のキャンセルがありました。

 外国人のゲストにすき焼きを食べさせようと、「ちんや」に予約を入れていた、お客様から「暑い中、観光で長時間歩きまわったせいで、ゲストの体調が悪くなってしまった」と連絡がありました。

 「ちっ!無理のない観光のし方を考えてもらわないと困りますね!」と思いましたが、言うのはやめておきました。

 そういう日でしたので、こちらも調子が狂いました。

 それは、亡くなった方のせいでは、もちろんなく、こっちのせいです。ご遺族におかれましては、ご愁傷様でした。

 真夏のダブルヘッダーは、暑いし酔っ払うなあ。

 野球のダブルヘッダーは、あの伝説の10.19ダブルヘッダーもそうですけど、たいてい秋です。

 夏は、気をつけないと。うーい。ひっく。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。下町の「パック」またの名を「ロビン・グッドフェロー」住吉史彦でした。

*「継旦連」については、このブログの4/13号をご覧下さい。

出前すき焼き、使い捨て文化

 猛暑の中、TV朝日「ちい散歩」で宣伝していた「ひえひえジェルマット」を注文しようとしたら、電話が殺到しているのか、つながらず、注文できませんでした。

 ムカっと思っていたところへ、「百味」8月号が届きました。

 「百味」には、向笠千恵子先生の新連載『続すき焼き ものがたり』が連載されています。この新連載は5月号より始まったもので、今回は8月号ですので、第四回です。

 早速拝読しますと、「すきや連」で旧知の、F社長の御店「今朝」さんの、創業期から発展期の話しが書かれておりました。

 面白いのは、かつて、すき焼きの出前をしていた、という部分です。

 「今朝」さんのある場所は新橋で、花柳界がありますから、その花柳界の待合に、すき焼きの出前をしていたそうで、鍋も貸し出しており、配達専門の小僧さんまでいた、というから驚きます。

 「待合」という言葉は、昨今ほぼ使われなくなったので、念のため説明しておきますが、客と芸者さんが会うための貸席のことです。料理を作る設備はありません。

 料理を作る設備がある方は「料亭」と言いますね。待合とは、料理を作れない料亭と思っていただいてもまあ、良いでしょう。

 そういうわけで、待合は、料理を作れませんから、近所の料理屋から仕出しをとります。「今朝」さんのすき焼きも仕出しの1種だったわけです。

 料理屋の発展ものがたりを読んでいると、なぜか途中で出前を始めている例が多いですね。

 私も、かつて自分の店の商売のことを思案していて、すき焼きの一通りの具材に割下も揃えて、バイク便を使って出前をすれば喜ばれるのかなあ、と思ったことがありました。

 でも、問題は鍋です。

 「今朝」さんが出前をしていた頃も、店に戻ってきた鍋が、焼け焦げていたり、傷ついていたりで難儀した、と書かれています。慣れない人が、鍋を使ってオジヤを作ろうとすると、焦げさせてしまうことがあり、後で始末が大変面倒です。

  そう言えば、鰻業界は、今でも出前をするのがお約束ですが、名門「竹葉亭」の七代目B社長が、出前の件で、ボヤいていたことがありました。平成のある日、職人の技が光る、立派な、塗りの重箱に、蒲焼を入れて出前したら、使い捨ての箱と勘違いされて、捨てられかかったのだそうです。

 昭和のはじめから塗り直しを繰り返してきた、この重箱をゴミ箱に放り込んだのは、大手銀行の重役秘書のお嬢さんだったそうです。使い捨て文化が、いかにこの国に定着しているのがわかります。

 使い捨て文化の世の中だと、鍋の貸し出しは難しいよなあ、やっぱり。

 鍋はむしろ、売るしかないのかな、骨董品として。

 古物商の免許でも獲るか。考えてみれば、元美術部員なワケだし。

 え? クソ暑い日には、あんまりものを考えない方がいいぞ! って? そうでした、ハイ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*『続すき焼き ものがたり』については、このブログの5/2号をご覧下さい。

 *新連載『続すき焼き ものがたり』が掲載されている、月刊「百味」については、こちらです。

 *「今朝」さんについては、こちらです。

*「竹葉亭」の重箱ポイ捨て事件については、「三田評論」2009年10月号をご覧下さい。

シュートボクシングの王者・緒形健一さん

 7/21、シュートボクサーの緒形健一さんが見えました。

 緒方さんは、日本スーパーウェルター級初代チャンピオンで、Sカップ2006世界チャンピオン、61戦44勝という、輝かしい戦歴の持ち主です。

 近年では、所属する「シーザージム」会長のシーザー武志さんを助けて、ジム運営や興業、日本シュートボクシング協会活動の中心を担っておられます。台東区内の花川戸にジムがあります。

 緒形さんは、それだけでなく、台東区教育委員会の依頼を受けて、区内の小中学校で、子供を対象とした、「シュートボクシング体験セミナー」をボランテイアで開催されています。

 「鍛えよう心と体」少年少女、集まれ!!無料!! と題したセミナーで、内容は、

「強くなる」「格闘技を通じて青少年に礼節を重んじる心や心身を鍛えようとする意識を醸成する」というキビシイものです。

 こうしたセミナーには、たまに不良学生が参加(=邪魔)したりするそうですが、緒形さんの迫力の前には、すぐに猫のように大人しくなるので、教育委員会からも信頼されています。

 そんな緒形さんが、なんで「ちんや」に見えたか、ですが、それは8/21に開催予定の「夏休み親子体験食味学習会」に講師としてご出講いただき、栄養の話しをしていだだくためです。

 もちろん、緒形さんは栄養学の先生ではありませんが、現役のアスリートですから、必要充分な、栄養の知識をお持ちです。

 筋肉を造るには何を食べたら良いのか、試合前に減量しながらパワーを付けるには何を食べたら良いのか。お子さんならずとも、スポーツ好きなら興味を持っていただけるでしょう。

 しかも、サンプルとして不良学生を黙らせる、強靭な肉体を間近に見ることができます。我ながら、良い企画と思っています。

 ただ一つだけ問題が。もう一人の講師がイマイチなのです。

 そう、すき焼きの歴史を語る予定の、住吉史彦先生がもう一人の講師です。オトナのジョークなら結構得意な?先生なんですけどねえ。

 ガキはジョークがスベッた時に、露骨にバカにするから、心配だなあ。オトナの対応っていうのが期待できないからなあ。

 あ、そうか、子供だから、オトナの対応は無くても仕方ないか。

*なお、「夏休み親子体験食味学習会」は国際観光日本レストラン協会の主催です。会場は「ちんや」ですが、お申し込みは「ちんや」ではなく、こちらへどうぞ。

*シュートボクシング協会については、こちらです。

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火曜クラブ

 アガサ・クリステイ―の「火曜クラブ」のことを調べていて、間違えてこのブログに入って来てしまった方、ご愁傷様です。

 私のやっている「火曜倶楽部」は、スリルもサスペンスも殺しもない、単に食って飲むだけの、食べ歩きの会です。

  「火曜倶楽部」は最初、浅草の飲食店の仲間と作りました。

 浅草は、土日祝日が忙しく店を休めないので、個々の店で月曜・火曜・水曜・木曜などを定休日と決めて休んでいます。「ちんや」は火曜定休です。

 だから、普段の浅草料理飲食業組合の青年部の会合は、金曜か土曜の、午後10時以降に開いています。

 夜中に集まるわけですので、その時間に開いている店は、外食産業の居酒屋とかに限られていて、満足できる食事にほとんどありつけません。

  そこで私が、青年部の代表を退任した後、平成16年に作ったのが、「火曜倶楽部」です。

 青年部のメンバーで、火曜の、普通の食事の時間(6時とか)に、繁盛店・新規開業の店・話題の店など「勉強になりそうな店」に会場を設定して食事会を開催するようになりました。

 その後、浅草以外の人や「青年」と認定しずらい方もお誘いするようになり、楽しく飲んでいます。

 今回(7/20)の「火曜倶楽部」は、「すきや連」で旧知の、M社長・若旦那Mさん父子ご経営の、すき焼き店「伊勢重(いせじゅう)」さんで開催しました。御店の場所は日本橋小伝馬町です。

   御参加いただいたのは、「どぜう飯田屋」のII田さん、ニューオータニ岡半(すき焼き)のSさん、もんじゃ「おすぎ」のSさん母娘、「浅草今半」(すき焼き)のTさん、鰻「川松」のMさん母娘、新橋「今朝」(すき焼き)のFさん。それにウチ夫婦です。 

 私は、台東区役所のアート・アドバイザー会議に出て、それから小伝馬町に向かったため、幹事でありながら時間ギリギリに到着しましたが、「火曜倶楽部」初参加の、「岡半」Sさんが、私が着いた頃には、既に皆さんと仲良くなっていて、とても助かりました。

 さて、「伊勢重」さんは、炭火を使うすき焼きです。炭の管理は面倒だろうな、と感心しつつ、舌鼓をうちました。

 肉はみな、キッチリ寝かせたものと拝察いたしました。非常にやわらかく、ペロりと食べられます。

 「伊勢重」のM社長は、最近肉屋の組合の専務になられて、お忙しいらしく、この日もお出かけでしたが、会合の後、急いで戻って来て下さり、お目にかかることが出来ました。 たぶん、そちらで酒席もセットされていたでしょうに、恐縮なことでした。

  そんなことをM社長と話していた、その時です。

 ぎゃあああああ!

 一人のすき焼き屋の主が、死体となって、座敷で発見され、店は騒然・・・なんてことは、勿論なく、とても緩い感じで、夜は更けました。

 いやあ、それにしても、よその店で食べるすき焼きは、気楽で良いですね。うーい。ひっく。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 *「伊勢重」さんについては、こちらです。

巨人ナインが愛した味

 7/16は恒例の、雷門横丁一斉清掃でしたので出動しました。

 今回は大手カラオケ・チェーン「K館」のダストボックスの中を掃除しました。汚れ具合は、先月掃除した、超大手牛丼チェーン「Y野家」のダストボックスほどではありませんでしたが、中でゴキ・ボーイズの皆さんが運動会をなさっていましたので、お引き取りいただきました。

 お、住吉、久しぶりに「すきや連」以外のネタだな、

 と見せかけておいて、ゴキブリの話しは、あくまで前置きです。今日も、やっぱり「すきや連」のネタです。

 さて、最近「すきや連」にとって、嬉しいことがありました。「すきや連」関連の本と言えば、向笠千恵子先生の「すき焼き通」ですが、この7月、もう1冊の本が出版されました。

 「巨人ナインが愛した味ー情熱料理人「梅ちゃん」のおいしい交遊録」という題の本です。

 著者の梅田茂雄さんは、プロ野球・巨人軍の定宿である「ホテル竹園芦屋」の料理長を永年勤めた方で、「すきや連」常連メンバーの、梅田雄一さんのお父上です。

 この本の全ての始まりは、2008年夏の「週刊ポスト」の、長嶋監督の記事だったそうです。

 その記事の中で監督が「竹園」のお肉のことを語っていたのが、向笠先生の目にとまって、先生はホテルに取材を申し込み、その電話をとったのが、当時ホテルの事業部長だった梅田雄一さんだったのです。

 これがご縁で、梅田さんは、その年の秋の「ちんや」での『「すき焼き通」出版を祝う会』に出席され、以来、「すきや連」の常連メンバーになりました。その後ホテルから独立されましたが、「連」には続けて来ていただいています。

 その翌年の5月、梅田さんは向笠先生に「父の料理の本を出したい」と相談をされ、それを聞いた先生は、7月7日に「浅草今半」さんで開催された「すきや連」の席で、やはり「連」メンバーの、dancyu編集長Mさんを、梅田さんに引きあわせました。

 その後、この計画は、どんどん具体化し、1年後の今年7月に、目出たく発売となりました。考えてみると、「すきや連」が無ければ、この本は出版されていなかったという事になる訳です。

 梅田さんは、ご自身のブログで、

「そりゃもう感謝してもしきれない訳です。今回の「すきや連」(7月12日)の会の冒頭、向笠先生はご自身の新刊が7月15日に発売になるにも関わらず、その事よりも父の本を紹介して下さいました。本当にありがとうございました。会の最後の自己紹介スピーチでも言わせて頂きましたが、本当に人のご縁に感謝というしかありません。ありがとうございます。」

と語っておられます。

 私も拝見しましたが、川上、藤田、王、長嶋、堀内、原といった有名選手・監督のエピソードが満載ですから、巨人ファンならかなり面白い御本と思います。

 しかし、それ以上に、この御本は、料理と巨人軍のために生涯をささげた、一人の料理人の人生のドラマとしても、読み応えがあります。巨人軍選手の一人一人にあわせて旨いものを食べさせるために懸命に働く、著者の献身ぶりには、チョッと泣けます。

 その誠意は、料理を通じて多くの選手に伝わり、たくさんの「感謝のメッセージ」が、選手たちから著者に寄せられていて、この御本に収録されています。こちらも、読むと結構泣けます。

 料理人の、ひとつの理想形と言えると思います。

 この御本を「ちんや」の全従業員に読ませたいと思い、dancyuのM編集長に注文を入れました。

 皆さんも、是非ご購読を。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 追伸、住吉史彦は、別段、巨人ファンというわけではありません。非武装中立です、念のため。

*梅田さんのブログはこちらです。

*この本のご購入はこちらです。

*雷門横丁一斉清掃については、このブログの4/17号6/19号をご覧下さい。