横座り

 12/4に国際観光日本レストラン協会で旧知の、Nさんご夫妻が来店されました。Nさんは「神田仏蘭西料理聖橋亭」のオーナーさんです。

 食事終了後、Nさんが「店内を見物したい」と御所望でしたので、勿論喜んでご案内しました。するとNさん、流石はプロのレストラン・オーナーです、巻尺を持参されていて(!)、そこらを計り始めました。

 机や椅子の、大きさや高さを計られて、やがて、「ちんや」の机がさほど大きくないことに気づかれました。一般に老舗の、すき焼き屋さんの机は大きいことが多く、時にやたらとデカいことがありますが、それと比較して、どうも、「ちんや」の机が大きくないことに気づかれたようです。

 そうなんです、「ちんや」の机はさほど大きくなく、幅1200×奥行き700mmで、横に長いのです。

 机がタテヨコとも大きければ、たしかに大きい皿を置けるので、見栄えのする盛り付けができます。「ちんや」では、それができにくいので、豪華な盛り付けを目で楽しむことができにくいですね、ザンネンながら。

 でも、逆にすき焼きをする時、具が取り分けやすいです。これが、机が大きくないことの効用です。鍋から自分の分をとりやすいのは、もちろん、机の反対側に居る人へ、具を取り分けてあげることも容易です。

 老舗さんのデカイ机では、そうはいきません。立ち上がって、脇の筋肉がツるくらい手を伸ばさないと、反対側へは届きません。私の見知った範囲では、鍋1台に対して5人一組という御店や、6人一組という御店もありました。当然机はタテヨコとも大きく、向かいの人ははるか彼方です。

 机が大きいと、話しも遠いですよね。向かいの方が近い方が話しやすく、自然と座が盛り上がります。「宴会が盛り上がる」というのが、「ちんや」の机のセールスポイントです。

 一番お気の毒なのは、老舗さんのデカい机をお二人で利用するカップルです。本来6人で使う机を2人で使うわけですから、向かいの相手に声を届かせるには、怒鳴らないといけませんが、しかし内容的に色っぽい内容の時は、怒鳴れない場合があります。

 ある時、さる色っぽい女性に教えてもらったのですが、その御姐さん、そういう場合は、大きい机の片側に、バーカウンターの様に、男女二人で隣あって座るのだそうです。もちろん、その反対側は無人ですから、ものスゴく不自然な景色ですが、それがとても話しやすいのだそうです。

 この「横座り」の光景を見た、その御店の仲居さんは、さぞビックリしたでしょう。そして、

「この二人、大きい声で話しを出来ない二人なのかしら。イヤらしいわあ。」と思ったことでしょう。

 でも、違います。私から御教えしますが、そうではなくて、オタクの御店の机が大きすぎるのです、二人で使うには。

 そう言えば、ウチ夫婦もつきあっていた頃、とあるバーの4人掛けボックス席の片側に、隣あって「横座り」したものでした・・・今は昔・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて281日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*「神田仏蘭西料理聖橋亭」さんについてはこちらです。

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第七回「すきや連」寄せ書き②

 11/29に、「第七回すきや連」を、小伝馬町の老舗「伊勢重」さんで 開催しました。

 以下は、その時会場で皆さんに書いていただいた、寄せ書きです。お読みいただくと、会場の雰囲気がわかります。

 49名様と大勢なので、2日に渡ってUPしていまして、今日はその2日目です。どうぞ、ご覧下さい。

・堪能堪能 お肉と一緒に皆の笑顔を堪能した(坂田甚内)

・鉄鍋に思いを寄せる師走かな(鈴木直登)

・歴史・風格を感じるすき焼でした。(吉澤直樹)

・日本の味伝統の味を堪能させて頂きました。(吉澤裕介)

・小さい頃すき焼といえば鶏肉でした。(加藤政義)

・主役を盛り立ててくれる脇役あってこそ(桐山勝)

・スキヤキソングと共に世界へ(高村善雄)

・美味なすき焼きでございました。(湯浅康毅)

・すき焼きは食べても食べてもあきないよ(坂本敬子)

・すきやきは待てば待つほど美味くなる(三保達郎)

・肉良、炭火の風情良、すき焼は良いですね。(尾崎仁)

・すき焼きは奥が深い。これからもっと勉強する楽しみができました。

(竹地里加子)

・(伊勢重で)馬喰町ですき焼食し馬(うま)かった(加藤英子)

・素材は「すき焼き」のため、「すき焼き」は素材のために。one for all, all for one(高橋司)

・すきやきありがとう(和田政司)

・しもにたのねぎごととどけ鍋までとどけ(ねぎごと=願いごと)

(小金沢章文)

・肉も野菜も(ネギ以外)そろっています。下仁田ネギ待ちです。

(藤井紀美江)

・すき焼きで町おこし(静朋人)

・うしうしうしうまうしうしうしうっしっしひひーん(中江白志)

*11/29の「すきや連」については、このブログの12/1号をご覧下さい。

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第七回「すきや連」寄せ書き①

 11/29に「第七回すきや連」を、日本橋小伝馬町の老舗「伊勢重」さんで 開催しました。

 以下は、その時会場で皆さんに書いていただいた、寄せ書きです。お読みいただくと、会場の雰囲気がわかります。

 49名様と大勢なので、2日に渡ってUPします。どうぞ、ご覧下さい。

・すき焼きや大願成就の宵なれば(向笠千恵子)

・すき焼も俳句も愛すべき伝統文化!(和田順子)

・日米中露すき焼き囲めば頬ゆるむ(蜂須賀祥介)

・すき焼きは日本の宝(中村雄昻)

・楽しくない時はスキヤキ 楽しい時もスキヤキ(柴田進吉)

・「伊勢重」さん、伊勢のご出身と聞いて身近に感じました。楽しみに来ました。ごちそうさま(松田武朗)

・すき焼き美味しい!大好きです!(宮台香惠)

・すき焼きの変わらぬ味をこれからも(上田健一郎)

・伊勢重さんのすきやきたのしみにしてました!(九鬼紋七)

・すき焼美味しすぎて食物連鎖の頂点に。(藤井正二)

・すきやきの縁を大切にしたいです。いつもありがとうございます。

(福本吉宗)

・隠岐と言えば「隠岐牛」と言えるようになりたい!(田仲寿夫)

・すき焼が若い人たちにもっと好きになってもらえるよう、知恵を出しあいましょう!(森脇政子)

・すき焼きが牛と知ったのは、社会人になってからです。(米増昭尚)

・最近の嬉しいこと:素人の鍋奉行には最適サイズの28cm「すき焼き鍋」を手に入れる。鍋になれる為と週一回のペースで「鍋」「腕」とも磨きがかかってきたように思い込んでいる。(川井秀晃)

・いつもありがとうございます。(梅田雄一)

・美味しい「すき焼き」体を気にせず毎日腹一杯食べたいな!(原田光祥)

・今の日本の食文化の基本のひとつがすき焼です!どんどん普及しましょう。(土居秀夫)

・夢に見る牛肉の料理はすき焼でした。(天井国康)

・冬到来!牛鍋の季節です。(荒井順子)

・伊勢重の明治の味に舌鼓(石橋伸介)

・すきやきがすきでたまらぬすきや連(藤森朗))

・炭かきて割下の香のたちこめん(鳥山渉)

・伊勢重の真価、手切りにあり(片平梨絵)

・新しいすき焼きを探す旅に(宮本尚樹)

*11/29の「すきや連」については、このブログの12/1号をご覧下さい。

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開催しました、第7回「すきや連」

 11/29の「いいにく」の日に、第7回「すきや連」を開催しました。 

 今回は、手切りの御肉と炭火を使った調理方法で知られる、日本橋小伝馬町の老舗「伊勢重(いせじゅう)」さんで開催しました。

  ご出席下さった、すき焼き屋さんは、松阪牛の「和田金」さん、近江牛(彦根市)の「千成亭」さん、米沢牛の「登起波牛肉店」さん、仙台牛の「かとう精肉店」さん、

 関東では、前橋市の「牛や清(ギュウヤキヨシ)」さん、横浜の「荒井屋牛鍋店」さん、新橋の「今朝」さん、「ニューオータニ岡半」さん、神田の「いし橋」さん、「銀座吉澤」さんなどです。もちろん、会場店の「伊勢重」さんは父子でご出席でした。

 また、すき焼きをメイン料理にしている旅館の方も見えました。「下仁田館」さん、ホテル竹園芦屋さんです。ホテル竹園芦屋さんと言えば、プロ野球巨人軍の定宿として有名ですよね。歴代名選手が好んだ、肉料理のレシピがあるホテルです。

 「すきや連」では毎回のことですが、盛大な宴会です。

 開宴に先立って、今回は、日本一のすき焼き通・向笠千恵子先生が、俳人の和田順子先生と一緒に「すき焼き句会」を開催されました。勿論、すき焼きを題にして句を作るわけです。

 私は宴会の準備で忙しく、そちらは覗けませんでしたが、皆さん俳句が出来るなんて、多才です。

 また、㈱沖縄さとうきび機能研究所のT社長による卓話をお聞きいただきました。テーマは「すきやきに合う砂糖とは」です。この御話しも参考になりました。

 「すきや連」の「旗振り役」兼事務長兼当日の司会者である、私は準備作業はじめ、手間も結構あるのですが、これだけ盛況なら、やり甲斐=大です。

 司会の時、いつもの「司会の市川海老蔵です!」が使えなかったのだけは、ザンネンでしたが・・・

 供された、岩手県産の御肉は当然の旨さでした。随分寝かせてあり、非常にやわらかい御肉でした。M社長、ご子息、大変お世話になり、ありがとうございました。

 次回は、はじめて京都へ進出の予定です。

 関西は肉の本場ですから、楽しみです。ひひひひ。

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*「すきや連」については、このブログの、「すきや連」のカテゴリーをご覧下さい。

草食男子

 11/17に国際観光日本レストラン協会の理事会があったので、出席しました。

 今回の議題は、来年度の活動計画・予算案です。来年の2月に総会があるので、そこに提出する案を検討するわけです。

 議論の的になったのは、「親子体験食味学習会」事業の予算です。この事業は、協会発足50周年だった昨年に、初めて実施され、好評だったため、今年も実施されたものですが、問題は、その予算です。

 50周年の時は「特別会費」も集めたので、協会にお金があったわけで、そこから各会場店に補助金を出せました。結構な金額を補助金として支出しています。

 しかし、2年目以降は、そうはいきません。好評なので、続けていきたいわけですが、お金のことを真剣に検討する必要性があったのです。

 11/17には、いろいろ議論して、結局、協会からの補助はだんだん減らして、各会場店が独自に負担する方向にして、事業としては、是非続けていきたい、ということになりました。

 この「親子体験食味学習会」事業には「ちんや」も、2年続けて参加しました。

 それなりに人数も集めて、好評だったと自負していますが、会費が高くても、大勢参加していただけたかは、微妙です。今後、補助が減って会費を上げたら、どうなるか、不安はあります。

 しかし、食育関係の事業は、「ちんや」としても是非続けたいと思っています。

 特に若者の「草食化」を心配しています。なんだか社会に元気がなくなっていくようで、とてもイヤです。

 そこで青少年、特にスポーツをする子達に、肉の話しを聞かせながら、すき焼きを食べてもらう会を計画しています。

 前回は、台東区花川戸のシュートボクシング・ジムに入門している、お子さん達が親子で参加して下さいました。

 ここで、肉の話しというのは、肉の熟成の話しが中心です。たくさん食べても胃もたれしないのは、熟成させた肉でして、そうでない肉は、タンパク質がアミノ酸に分解されていないので、たくさん食べると胃もたれします。

 だから当然、お子様の成長に良いのは前者の方です。食べて⇒成長して、是非試合に勝ってもらいたいです。

 今後は、補助金が減る分、「値段は格安のお値段で」、というわけにはいかないのですが、内容で勝負したいと思います。

 と、思っていたら、知人の中に剣道をやっている人が見つかったので、声をかけてみました。実現したら嬉しいです。

 子供と真剣勝負!はしませんけどね、文科系男子なんで、ワタクシ実は。

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*前回の「親子体験」開催例は、私のブログの、8/22号〜8/25号をご覧下さい。

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日本ローカルごはん紀行

 「すきや連」で大変お世話になっている、向笠千恵子先生が、11/20に新刊本を出されました。7月にも新刊を出されたばかりなのに、ズゴいです。

 さて、その御本は『日本ローカルごはん紀行』。

 『米ぢから八十八話』という本を書かれて以来の、先生のテーマである、日本人とお米、ご飯、米加工食品の関わりを、おいしく楽しく考察した食紀行です。

 内容は、

・日本の米ぢからに迫る!
・飯ずし、凍み餅にかぶ蒸かし――伝えたい昔ながらの郷土料理
・熊のリゾットにおじやうどん――発見! 新感覚のユニーク料理
・うにの海苔巻き、柚子胡椒むすび――「定番もの」も地方色豊か
・人気ますます上昇中――創意工夫あふれる米粉もの
 

 全国47都道府県の知られざる郷土ご飯ものや、おなじみではありながらトりビアなご飯物語を収録し、番外編もたっぷりです。

 どれもその土地その風土にしっくり溶け込み、新旧のセンスが入り交じったユニークな料理ばかりです。米という食材のすばらしさを存分に味わえます。

 「ちんや」にも最近、食が細く、ご飯をあまり食べないスタッフがいますので、全員にこの御本を配布し、読ませることにしました。

 皆さんも是非お読みいただき、たくさんご飯をお召し上がり下さい、すき焼きのおともに・・・

 講談社+α文庫。ISBNは978-4-06-281399-0

追伸

 弊店のパンフレットをデザインしてくれた方で、彫紙アーテイストでもある林敬三さんがTVに出ます。本日夜9時〜日本テレビ『紳助の「深イイ話」アートスペシャル』。是非ご覧ください!

 林さんのブログは、こちらです⇒http://blog.choshi-art.com/ 

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*「すきや連」についてくわしくは、このブログの10/15号をご覧ください。

第7回「すきや連」、ジャスト・ピッタリ賞

 第7回「すきや連」を今月開催しますので、「旗振り役」兼事務長である、私は準備作業が忙しくなってきました。

 今回は、手切りの御肉と炭火を使った調理方法で知られる、日本橋小伝馬町の「伊勢重(いせじゅう)」さんで開催することになりました。肉は期待できます、当然。

  その出欠者のリストをまとめるのが、私の仕事です。

 120名ほどの方にお声かけし、会場の関係で、「定員50名様・先着順」で募集していましたが、今月に入ってから、だんだん申し込みが増えてきました。定員を突破する前後が、事務的には神経をつかうところです。

 その、神経をつかう申込みの期限が11/15でしたが、その日、奇跡的なことがおきました。定員50名に対して、11/15に50人目の申込書が送られてきて、ジャスト・ピッタリ賞で、締め切りになったのです。ビックリです。

  ご出席下さる予定の、すき焼き屋さんは、松阪牛の「和田金」さん、近江牛(彦根市)の「千成亭」さん、米沢牛の「登起波牛肉店」さん、仙台牛の「かとう精肉店」さん、

 関東では、横浜の「荒井屋牛鍋店」さん、前橋市の「牛や清(ギュウヤキヨシ)」さん、新橋の「今朝」さん、「ニューオータニ岡半」さん、神田の「いし橋」さん、「銀座吉澤」さんなどです。もちろん、会場店の「伊勢重」さんは父子でご出席です。

 また、すき焼きをメイン料理にしている旅館の方も見えます。ホテル竹園芦屋さん、下仁田の「常磐館」さんと「下仁田館」さんです。「すきや連」では、毎回のことですが、盛大な宴会です。

 また、開宴に先立って、㈱沖縄さとうきび機能研究所の高村善雄社長による卓話をお聞きいただきます。テーマは「すきやきに合う砂糖とは」です。この御話しも参考になると思っています。

 「すきや連」は事務の手間も結構あるのですが、これだけ盛況なら、やり甲斐=大ですね。

 それに、運も味方してくれているようです。締め切り日当日に、ジャスト・ピッタリ賞だなんて。

 ひひひひ、と言っていると、ウチのヨメからコメントが。

 あら、随分と運を使い果たしたのね。次が楽しみね。

追伸

 本日は鷲神社の「酉の市」の日です。ご参拝の前後に「すき焼きを」とお考えの方は多いと思いますが、あいにく弊店の夜席は予約で満席になりました。昼席か間の時間にお越し下さい。金曜日ですが休憩無しで営業します。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて264日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*「すきや連」についてくわしくは、このブログの10/15号をご覧ください。

受入環境整備事業②、意見交換会

 10/29、国土交通省関東運輸局企画観光部国際観光課が主催する、「訪日外国人旅行者の受入環境整備事業に係わる重点地域調査 意見交換会」に出席しました。

 何のこっちゃ、という方は、このブログの10/10号をご覧いただきたいのですが、ここであらためて、平たく説明しておきますと、要するに、国が経費を負担して外国人に台東区へ旅行に来ていただき、不便に感じた点を指摘していただく、という企画です。

 「意見交換会」というのは、その外国人モニターさんと、調査された「受け入れ施設」つまり我々のような飲食店や、交通機関、旅館などの代表者が一同に会する場のことです。

 会場に入ると、外国人モニターさんがズラリと居並んでいて、結構圧迫感がありました。この方々は既に、10/26〜10/28の間に、客を装って我々の所に見えた方々でして、現場で見覚えのある方が座っています。

 対するこちら側には、天麩羅「大黒家」のご主人Mさん、やはり天麩羅「三定」の女将N美女史、合羽橋「佐藤サンプル」のS社長、谷中の「澤の屋旅館」のご主人Sさんと、旧知の顔ぶれが並びました。

 なんだか、原告側と被告側みたいです。

 さて、開会。緊張してモニターさんの御意見を拝聴しておりますと、おおむね好意的はコメントが多く、ひと安心しました。

 ただ交通機関には結構キビシいご指摘がありました。東京の地下鉄は複雑に発達していますので、案内の表記を相当親切に表記しないと、外国人には利用しずらいようです。

 でも、地下鉄などは全線が統一デザインですから、現場の判断で表記を工夫する余地があまりないかもしれません。その辺りのことを現場の課長さんなどに指摘するのは、やや気の毒で、やはり経営トップが国際観光に貢献する意欲を持っていただかないと困りますよね。

 具体的に勉強になることもありました。肉がイスラム教徒の食べられる肉かどうか表示した方が良い、とか、営業時間を店の外に英語で表示した方が良い、とかご指摘がありましたので、そこは改善したいと思います。

 今回嬉しかったのは、「東京滞在中に食べた8食の中で、どの料理が一番美味しかったですか」という質問に対し、2人の方が「スキヤキ!」と答えて下さったことです。

 スキヤキ店で調査対象になっていたのは「ちんや」だけですので、美味しかったというのは「ちんや」のことでして、訪問して下さった、4人の内の2人ですから、結構な確率です。

 しかも、お二人とも、「スキヤキもスシもカバヤキも、どれも美味しかった」というような言い方でなくて、「スキヤキが美味しかった!」と断定調で話して下さったので、出席していた私はヒジョーに面目を施しました。

 関東運輸局のH局次長にも、「いやあ、ちんやさん評判良かったですね」と声をかけていただき、かなり良い気分でした。

 ひひひひ、と思っていると、不吉なメールが。

 店の排水管が破裂して浸水している、だと!

 うーん、神は褒美と試練を同時に与えるものだそうですが・・・

 人をからかうなら賽銭ケチってやるぞ、覚えとけ。

 浅草ちんや六代目の、罰当たりな日々は続く。

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またまた、肉の王者

 このブログの10/25号と10/26号に、応援歌「若き血」の変え歌=♪肉の王者♪のことを書きましたら、

 「他大学出身の者には、どこが変え歌なのか分からないぞ。分かるように書いてくれよ!」という文句が来ました。

 他大学と言っても、東京六大学のご出身の方なら、「若き血」は神宮球場でイヤというほどお聞きになっているでしょうから、ご存じないハズはありません。

 そういうことを言ってくるのは、さてはC大かN大あたりの出だろうな、イヤ待てよ、東大は六大学だけど、東大の連中は神宮なんて、ほとんど来ないから、ひょっとして東大出かあ、と思いましたが、そういう詮索は野暮なので止めにして、一応「若き血」の説明をしておきましょう。

 「若き血」は、慶應義塾のカレッジソングの十八番とも言うべき応援歌で、昭和2年から歌い続けられてきています。「塾歌」より以前から歌われている歌です。さて、その歌詞ですが、

 若き血に燃ゆる者 光輝みてる我等
 希望の明星仰ぎて此処に
 勝利に進む我が力 常に新し
 見よ精鋭の集う処 烈日の意気高らかに
 遮る雲なきを
 慶應 慶應 陸の王者 慶應

 作詞・作曲は堀内敬三。個人的には「勝利に進む我が力 常に新し」という部分が一番好きです。この歌詞こそ「新し」と思います。

 今回、この歌詞を最後の部分を「肉の王者 慶應」と変えて歌ったわけです。ちなみに隅田川での早慶レガッタ(=ボートレース)の時は「水の王者 慶應」と歌います。

 以上が変え歌の説明ですが、ついでですので楽譜の説明もしておきましょう。

 「若き血」の特徴は最後の音、つまり「慶應!」の「オー!」の所が、曲の主音でなくて属音で終わることです。イ長調(Adur)で書かれているのに、イ(A)音でなくてホ(E)音で終わるのです。

 しかもA〜C♯〜Eと上行して終わるので、曲が完全に終止した感じがしません。

 しかし、そのためこの曲は何回も繰り返して歌うのに丁度良いのです。 

 神宮では、ゲームが重要な局面の時、つまり慶應側がチャンスかピンチの時に「若き血」を歌います。何回も繰り返して歌います。

 ワセダの「紺碧の空」も結構な歌ですが、「若き血」の方が、歌詞が一番までしかなく、属音で終わるので、何回も繰り返して歌うのには向いていると断言できましょう。

 特にピンチの時に歌っていると、気合が入るものです。

 「肉の王者」も不景気で苦戦していて、ピンチと言えますが、繰り返して歌っていると勝てそうな気がしてきます。

 ♪肉の王者〜慶應〜♪

追伸

 昨日放送の、私が出ました、TV番組「土曜スペシャルーなるほど!発見!なつかし写真でめぐる東京今昔散歩」(テレビ東京)を、多数の方にご覧いただき、ありがとうございました。ちょうど台風が来て、皆さんご自宅にいらしたようですね。

 恥ずかしいので、「なるべく見ないで」と言ってたのに!

 じゃあ、ブログに書くなって? へえ、そうでした。

 なお、その他?の出演者は、荒俣宏様、錦野旦様、藤田朋子様、半田健人様、伊藤聡子様でした。

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陰影礼賛

 10/26の午後、日本橋小伝馬町の老舗すき焼き店「伊勢重」さんを訪ねました。

 実は11月に第7回「すきや連」を開催予定で、「伊勢重」さんに会場をお引き受けいただきましたので、事務局の私は、現場で段取りの打ち合わせをしておかないといけなかったのです。

 「すきや連」は、全国からすき焼き屋さんが大集結しますし、その人数も毎回50人以上と大勢なので、引き受け店にとっては、かなりのご負担です。だから、段取りは丁寧を心がけています。

 しかも「伊勢重」のご主人Mさんは、東京都食肉販売同業組合の専務理事で、お忙しい方なので、今回は事前にうちあわせ事項を書き出してFAXしておきました。

 「すきや連」も7回目なので、過去のファイルを加工するだけで、すぐに打ち合わせ書類が作れるようになっています。当日4時半から「すき焼き俳句の会」があるパターンも、今回が2度目で問題ありません。

 このように、周到に段取りしたら、お目にかかって相談することが余りなくなってしまいました。打合せはすぐに終わり、後は雑談。

 雑談と言っても、良い話しをするハズもなく、たいていはボヤキです。特に今回はグルメランキングのサイトについてのボヤキ。

 昨今、ランキングというものが、デジタル時代・ネット時代に良く合うせいか、グルメランキング・サイトは雨後のタケノコのようにたくさん存在します。Mさんは真面目な御方だけに、気になる御様子。

 人を接待する時に、事前に自分で、その店を使ってみずに、ランキングだけで店を決める人が増えたけど、実に嘆かわしいですよ!

 そうそう、ランキングって思考の浅い人間御用達ですよね!とボヤキの意気投合。

 日本人ってのは「陰影」がわかる民族のハズが、なんたる体たらくだろうか、と二人して興奮。

 でも・・・とMさん我に帰り、自分が通販でモノを買うときは、やっぱりランキング見て決めますねえ。

 はあああ、私はゼッタイにそんなこと・・・してますねえ、そう言えば。

追伸

 本日30日の19:00〜テレビ東京の「土曜スペシャルーなるほど!発見!なつかし写真でめぐる東京今昔散歩」という番組に「ちんや」が出ます。私も出ますが、なるべく見ないで下さい、恥ずかしいので。それにカットされてるかもしれないし・・・

 なお、その他?の出演者は、荒俣宏様、錦野旦様、藤田朋子様、半田健人様、伊藤聡子様です。

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*「伊勢重」さんについては、こちらです