トマトとヨーグルト

BSフジの番組『極皿~食の因数分解』に出演させていただきました。

オンエアを拝見していましたら、最初に登場したお店さんが、すき焼きにフルーツトマトを入れていました。

「トマトすき焼き」は、たしか「ばさら」さんが発案したもので、登録商標だったと思いますが、具材の一種としてトマトを入れる程度なら、まあ、OKなのでしょうか、ね。

さて、その後に弊店のヨーグルト卵が出ましたが、これは実は「トマトすき焼き」に刺激されて私が発案したものです。

すき焼きの甘辛味に酸味を加えることで、爽やか・マイルドにするという趣旨は同じです。

相違点は、

トマトの酸味がクエン酸であるのに対して、ヨーグルトの酸味は乳酸菌によって作られた乳酸です。

そして、「トマトすき焼き」がトマトを鍋に投入して、鍋全体を甘辛酸にするのに対して、ヨーグルト卵は鍋全体はそのままで玉丼の中だけを甘辛酸にします。

収録では、「孤独のグルメ」の原作者・久住昌之さんが、

すき焼きは生卵を最も美味しく食べる食べ方

卵は何個もおかわりする

と言っておいでだったので、ヨーグルト卵をお出しするが気がひけましたが、

これも「あり」ですね!

と言って下さり、安心しました。

皆様も、是非「ちんや」で、あるいはご自宅で体験なさってください。

「あり」ですから。

追伸、「ちんや」年内の予約状況のご案内です。

19日(火)、25日(月)、26日(火)、28日(木)は

まだ空いております。よろしくお願い申し上げます。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.844日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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万博誘致

最近は外人さん接待というと「鮨」と決まってしまったようで、かつてそのポジションにあった、すき焼きとしては肩身の狭い思いをしております。

が、大阪では事情が違っているようで、2025年大阪万博誘致のキーマン接待は、すき焼きだったそうです。

報道によりますと、

BIE=博覧会国際事務局の幹部が会場予定地の夢洲などを視察しました。「万博に最適な場所」と語り、「さらに機運を高める活動を続けるべきだ」とアドバイスしました。」

4ヵ国が立候補している2025年の万博。各国視察のため、来日中のBIEのケルケンツェス事務局次長は7日、大阪万博の会場予定地の夢洲を視察しました。日本側は、会場予定地が大阪市の中心部から近いこともアピールしました。事務局次長は、「とても美しい場所という印象です。万博を開催するにはパーフェクトだ」と話しました。」

「夕方には道頓堀も訪れ、すき焼きを楽しみました。」(!)

道頓堀ですき焼きと言えば、「すきや連」でご一緒する「はり重」さんです。(店名は報道されていませんでしたが、若旦那に確認したので、本当です。)

「最後は大阪府の松井知事が見送り、4日間の視察が終わりました。」

そうか、「維新の会」はすき焼き推進だったんですねえ。そういう政策は早く表明して欲しかったです。

そういうことなら、この前の選挙で入れたのに。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.843日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

極皿

BSフジの番組『極皿~食の因数分解』の、本日18:00~放送分のテーマは、

すき焼きです。

「かっこいいスキヤキ」、「孤独のグルメ」の原作者・久住昌之さんと「漫画 極皿」作者の魚乃目三太さんが、「ちんや」のすき焼きを食しながら対談!

「すき焼きはごちそうだ!!」

・・・というわけで、

思い出のすき焼き、すき焼きに欠かせない「○○(ネタバレになるので、今の時点では書けない)」など、ほろ酔いで語りつくす回です。

私も出演させていただきます。

カレーたまご、ヨーグルトたまごもお採り上げいただく予定です。

どうぞ、ご覧ください。

<これにて「適サシ肉宣言」関連の、これまでのメデイア掲載は以下↓の通りとなりました>

「文春オンライン」28日より掲載

日本テレビ「スッキリ!!」29日放送済み

TBSテレビ「白熱ライブビビット」210日放送済み

テレビ朝日「スーパーJチャンネル」2101650分放送済み

東京新聞(特報面)212日掲載済み 

TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」21210時放送済み

HBC 北海道放送「今日ドキッ!」2151544分放送済み

「肉メディア.com(インターネット)215日掲載済み、文:松浦達也様

TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」216735分放送済み

産経新聞(生活面)221日掲載済み

日刊ゲンダイ224日掲載済み

「おとなの週末」(雑誌、講談社)20173月号掲載済み

FMえどがわ(84.3MHz32日放送済み

読売テレビ「そこまで言って委員会」312日放送済み

テレビ朝日「週刊ニュースリーダー」325日朝6時放送済み

TBSテレビ「ぴったんこカン☆カン」3311956分放送済み

「ワインホワット!?」(ワイン専門誌)20175月号掲載済み

NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4132015分放送

ブーストマガジン(インターネット)512日(前編)、19日(後編)掲載中

テレビ東京「和風総本家」518日放送済み

「婦人画報」(雑誌)20177月号「世界が恋するWASHOKU」特集

「健康保険」(健康保険組合連合会発行)20176月号、文:山本謙治様

dancyu20178月号、「美味東京」特集

「文芸春秋」20178月号、「この人の月間日記」、文:中野信子様

TBSテレビ「テッペン!『友だち+プラス』」8123:56放送

単行本『くらべる値段』、2017818日刊行、東京書籍、著者:おかべたかし様

雑誌「だいごみ」、2017年秋号、「地方創生支援協会」刊行

BS-TBSテレビ「サタデードキュメント」930日午前1000分放送

雑誌「Hanako1144号(20171019日刊行)に載せていただきました。

BSフジテレビ『極皿~食の因数分解』129日午後600分放送

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.842日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

 

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先のこと

皆様、昨日は暖かいメッセージを、本当に在り難うございました。

今年は「適サシ肉宣言」で怒涛の一年でしたが、去年の今日の時点では、まったく予想しておりませんでした。

人生何が起こるか、先のことは分からないもんだ、ということが分かりました(笑い)

引き続き、ご指導下さいまし。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.837日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

 

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すき焼きは、生卵を最も美味しく食べる食べ方だ!

先日もテレビの収録で、すき焼きの溶き卵の件が話題になりました。

ネタバレに成るので詳細は書けませんが、その出演者の方は、

すき焼きは、生卵を最も美味しく食べる食べ方だ!

というお考えでしたので、当然卵のことが気になるようでした。そのご質問は・・・

すき焼きの卵って、いつから誰が付けるようにしたんですか? どうして付いているんですか?

これは、すき焼き界第一級の謎だと思います。

卵を付けた「元祖」は分かっていません。

分かっていないので、私なりの推測をご説明申し上げました。弊ブログの20151210日号(「大人のすき焼き教科書」)に書いた説明と同じですが、ここにも再掲します。

さて両国の享保年間ご創業の「ももんじや」さんに行って、猪鍋を頼むと卵は付いて来ませんし、浅草の「駒形どぜう」さんでも「どぜう飯田屋」さんでも鍋に卵は付きませんから、江戸時代の鍋には卵は付いていなかったのだろうと思われます。

明治時代のある日、牛鍋に卵が付いたのです。しかしそのことをハッキリさせるような文献には行き当たりません。謎は深まるばかり。

文献的なことが分からないので、少し違う角度から見てみましょう。

そもそも卵は何の為にあるのでしょう。卵が付いている目的は、

・温度を下げるため

・味をマイルドにするため

ですが、温度を下げるだけなら他の物でもよいわけで、やはりすき焼きの甘辛い味をマイルドにするのが目的と思われます。

次に栄養面も考えてみましょう。

栄養面では肉に卵を合わせる必要性は無いと言えます。卵のアミノ酸スコアは100点で、卵を食べれば、それだけで必須アミノ酸を全て摂取できますが、実は牛肉も100点でして、肉だけ食べても必須アミノ酸を全て摂取できます。

100点に100点を加える意味は無いですね。

しかしです、私が思いまするに、この意味が無いところに意味が在るような気がします。つまりこれは贅沢行為なんです。

明治時代、牛肉は貴重でしたが、卵も貴重でした。その貴重なものをダブルで食べることに人々は興奮したのではないでしょうか。

しかも卵に肉を浸せば温度を下げることが出来て、味もマイルドに成って、良いこと尽くめです。

文明を開化させ、産業を殖え興そうとしていた当時の人々にパワーを付けるための料理には、その位の勢いが欲しかったのでは・・・と考えたりします。

江戸の鍋料理には卵が付かなかったのに、明治の鍋料理に卵が付きました。

付けたのは、どこかの特定の個人というよりは、時代の気運あるいは「時勢」だったのではないか、私はそう考えることにしています。(尾張。いや、終わり。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.833日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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すき焼きピザ

このブログで何回か書きましたが、昨今

すき焼きは大して流行っておらず、

すき焼き風だけが流行っているようです。

今度は、すき焼きピザが登場しました。創ったのは「ドミノ・ピザ」さん。

甘辛い牛肉に、卵黄ソース、

ねぎが入っているので、「すき焼き」なのだそうな。

うたい文句は「贅沢なごちそうピザ」。

TVCMでは、気の強そうな「すきやき女将」が出て来て、すき焼きピザについて「邪道どす!」と言い放ちます。

そんなものが流行ったら逆立ちしますと言って、CMの後半で逆立ち画像が流れます。

逆立ちは成功せず、ふすまを直撃、反対側の部屋の客が驚いている様子が写ります。

なんだかなあ、「すき焼き風」。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.831日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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仙台白菜

弊ブログの1123日号に書きました通り、仙台で第28回「すきや連」を開催しました。

当然すき焼きを食べるわけですが、お肉の他に私が「!」と思った具材がありました。

それは「仙台白菜」。

白菜は水が出て鍋が薄まるということで、関東人は白菜を、あまりすき焼きに入れませんが、「仙台白菜」はなかなか美味しく、鍋のかなり重要なプレーヤーなのです。

「仙台白菜」が導入されたのは、今から100年ほど前。日露戦争に従軍して満州に行った兵士が、現地で食べた白菜があまりにもおいしかったので、その種を日本に持ち帰ったと言われているそうです。仙台近辺で生産が盛んになり、「仙台白菜」の名で東京や関西までも出荷され、戦前の生産量は日本一だったといいます。

ところが現在主流の白菜より傷つきやすいうえ、病気にも弱かったので、やがて生産は減少して行きます。現在では域外にあまり出回っていません。

しかし、美味しいです。

やわらかく、甘味がかなり在ります。その甘味が割り下の中に溶け出して、良い感じに成って行くではないですか。

近年では再評価されて「仙台野菜ブランド化推進協議会」も「仙台野菜」の一つに挙げています。

その白菜が、今が旬。

こういう白菜なら良いですね。

白菜を、仙台で見直しました。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.828日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

 

開催しました、第28回「すきや連」①

28回「すきや連」を仙台市「かとう」さんにて開催しました。今回も全国から50名近くのすき焼き関係者が終結して、大盛況でした。

「かとう」さんは、戦前に馬喰として創業し、仙台牛の歴史と共に歩んできた「杜の都」の名店です。

仙台牛改良の最前線に立ってこられた、「JA全農みやぎ」副本部長・大友良彦さまの卓話「仙台牛について、震災からの復興」をお聞きいただいた後に、自慢のすき焼きをお楽しみいただきました。

また例会前の午後には「仙台の名物と復興の足どりをみるツアー」を実施いたしました。

鐘崎「笹かま館」では、名物・蒲鉾づくりを体験。吉田会長の、無添加蒲鉾にかける熱い想いも拝聴させていただきました。

宮城野区の港湾地区に在って震災被害の大きかったキリンビール仙台工場では、宮城支店長さんから、20113.11から醸造再開までのお話しをうかがいました。膨大な量の材料や製品が流出して、それを人海戦術で片づけた社員さん達の画像に、胸が熱くなりました。

皆さん、ご参加在り難うございました。

<以下↓は当日参加者の方が書いてくれた寄せ書きです。ご覧ください。多いので二日に分けてUPします>

・仙台に初雪の日すき焼きといふ心のごちそうありて温かし

(向笠千恵子)

・仙台牛やはり美味しい!かとうさんありがとうございます。

(荒井順子)

・美味しくてほっこり(坂本敬子)

・仙台で息子と向き合うすき焼きの味 嬉しき日幸せな一日

(松田多美)

・初参加させていただきありがとうございます。ごちそうさまでした。(松田和磨)

・すき焼きの和はまさに人の和ですね(横山亮一)

・ごっつあんです。(佐藤節夫)

・いつもありがとうございます。日本一の仙台牛よろしく

(大友良彦)

・美味来福(佐藤守利)

・ごちそう様でした。(鈴木直登)

・加藤さんご苦労様でした。すき焼きとても美味しかったです。(藤井紀美江)

・加藤さん御夫妻の温かいすき焼きに絶句!(川井秀晃)

・かとう様心くばりありがとう(和田政司)

・工場見学ありがとうございました(堤裕行)

・かとうすき焼き美味しいです。白菜も甘くて最高です。

(島崎進)

・仙台牛のすき焼とても食べやすくおいしかったです。

(中川晶成)

・仙台牛は仙台で食べるに限りますね。かとうさん、ありがとうございます。(鳥山渉)

<残りは明日の弊ブログにて>

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.826日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

3回目

「東都のれん会」の青年会である、「東若会」の秋例会を浅草で開催しました。

会場は、会員である中川優太さんの御店・浅草「中清」さん。

「中清(なかせい)」さんは明治三年の御創業。名物「雷神揚げ」と情趣あふれる中庭が大変有名です。

今回は、六代目当主・中川敬規さん(=優太さんのお父上)の卓話「意外と知らない天婦羅の話し」をお聞きいただいた後、昔と変わらぬ「江戸前天麩羅」をご堪能いただきました。

「東都のれん会」の会員蔵「豊島屋」さんの、今年の新酒も出て、実に結構。

二次会は十八代目中村勘三郎丈が生前こよなく愛した店「よーかんちゃん」にて。 「勘三郎が愛した」と言っても「渋く飲む店」ではありません。妖光輝くステージで、元芸人で店主の宮田よーかん氏が、楽しく卑猥に歌って踊るのを鑑賞する店です。 「宮内庁御用無し」の、この店は魔都・鶯谷を代表する迷店?と申せましょう。賑やかな二次会でした。

これにて、私が幹事長として担当する4回の例会の内3回が無事終了。残すは来春の総会のみです。

ゴールが見えてくると嬉しいですね。

幹事の皆さん、会員の皆さん、引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.824日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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天皇のダイニングホール

『天皇のダイニングホール 知られざる明治天皇の宮廷外交』を読みました。

この御本は、山﨑鯛介さんなど何人かの学者のさんの共著。日本で宮中晩餐会というものが成立した頃、明治天皇と昭憲皇太后が、どのように外国からの賓客や国内の要人をもてなしたかを、「建築」「テーブルアート」「人物」という三方面から描いた御本です。

実はこの御本には、『くらべる値段』で「ちんや」を採り上げて下さった、おかべ・たかしさんが「編集協力」で製作に参加されています。

おかべさんは明治天皇の生涯を描いた絵画を展示している「聖徳記念絵画館」のオフィシャルガイド本を編集した経験がおありで、当時の図版に精通しておいでで、そうした図版がこの御本にふんだんに使われているので、この御本は、学者さんの本ではあるのですが、カラフルで読み易いのです。

さて私が興味惹かれましたのは、

第三章の三「食のお雇外国人と海を渡った大膳職」でした。

ここに吉村春雄という、おそらく初めて官費で「食の留学」をした人が登場します。

宮中晩餐会のサービス(=大膳職)を学ぶために、明治162月から1910月まで、あしかけ4年も欧州の、食の現場で学んでいたのです。

はじめはパリ。流行のレストランに頼みこんで働きます。

やがて、フランスは共和制で宮廷が無いということで、ベルギーへ。

吉村のように、史上有名とは言い難い先人が、明治という時代を必死で築いたのだと識ると、心が熱くなりますね。

勉強になりました。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.823日連続更新を達成しました。 すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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