同情

全く同情するつもりはないのですけど、気の毒に思ってしまいます。

あ、イヤ、それを同情と言うのですね、撤回します。なんとも思いませんね、はい。

私がなんとも思わないのは、浅草に進出しているチェーンストアやチェーンレストランのことです。そういう店に、彼のアジアの超大国から団体客が押し寄せていて、現場の皆さんが大変そうです。

日本人なら浅草に行った時くらい浅草らしい店あるいは日本らしい店に行こうとするでしょうが、彼の国の人は違うようです。有名で大きい会社が魅力的に見えるようです。

まあ、要するに、そういう価値観なのでしょう。そういう次第で団体客が押し寄せています。

勿論彼の国の人はルールとか順番とかは守りません。

まず一人がレジに場所を占め、そこに仲間が選んだ品物を横から持ち込みます。後ろに地元の日本人が並んでいますが、どんどん品物が持ち込まれるので前に進めません。

注意すると言葉が分からないフリをします。

彼らの買い物は早朝や深夜です。旅行日程が非常にタイトで、日中は移動につぐ移動だからです。

つまり店側から見ると、要員が絞り込まれた時間帯にやって来るのです。いやはや。

浅草の地元の店なら商店連合会や料飲組合に対応方法を相談出来ますが、チェーンストアの場合、頼るべき本部からの支援はありません。

本部が言って来るのは効率の話しばかり。だって儲けるためだけに浅草に居るんですから。全く現場は気の毒です。

イヤまた間違えた。私はなんとも思いませんね。

むしろ愉快かも。

ひひひひ。

追伸

日本橋三越の催事に出店します。

「EDO style展」

日時:5月21日(水)~26日(月)

会場:日本橋三越本店・本館7階催事場

精肉の販売をいたします。詳細はこちらです。

どうぞお出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.542日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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割り下在りき

三社祭の最中ですので、予約投稿にておはようございます。

さてイキナリ重厚な話題ですが、「ちんや」のすき焼きは、まず最初に「牛在りき」でしょうか。

このブログの読者の皆さんなら、そうではないことをご存知かと思います。

牛の産地は日によって違っています。

どこそこという産地にこだわってはいないです。ほとんどのブランドが玉石混淆だからです。

では、どのような牛を仕入れるのでしょうか。

「ちんや」の割り下に合う牛です。

そう、「ちんや」のすき焼きは、「割り下在りき」で、その味に合う牛を仕入れるのです。

ご存知の通り「ちんや」の割り下は甘さが濃いのが特徴です。割り下だけ飲むのが難しいほど甘いのですが、それを使って肉を煮て食べていただくと、皆さんたいてい、

甘いけどあっさりとした甘さだ、とか、穏やかな甘さだ。

とかおっしゃいます。

このように「あっさり」と感じる理由は、肉の濃い旨みと割り下の濃い味がバランスしているからです。

そう、旨みのしっかりある肉でないと×なのでして、旨みの乏しい肉の場合、やたらと甘辛く感じてしまいます。

だって、元々甘辛いんですから。

だから肉の旨みがしっかり感じられるまで、牛を長期肥育して貰う必要があります。若いメスではダメなんです、はい、牛に限っては。

もとい。

また肉の脂肪が良く融けないといけません。脂の融け方が速いと、口の中で割り下と混ざって美味しく感じますが、融けが遅いとそうはなりません。

脂肪が良く融けるように牛を育てるには、飼料に気を遣い、やはり長期肥育する必要があります。またそれ以前に性別が雌である必要があります。特定の血統を選ぶ必要があることも知られています。

・・・と色々書きましたが、要するに「割り下在りき」で、それから牛なのです。

そこに「ちんや」の大きな特徴があるのですが、それを現状では広報しきれていないかもしれません。

取材などでは詳しく説明していますが、たいていの記者さんは「牛在りき」の発想しか持っておいででなく、伝わらないことも多いです。

今後は、何か割り下に焦点が当たるような方法を考えないといけないですね。

例えば、浅草らしいネーミングを考えて、割り下に名を付けてしまうとか。商標を獲ればさらに良いですね。

そうですねえ・・・

「デンキ割り下!」

え? パクリは良くないぞ って?!

はい、そうでした、神谷さん。

追伸

ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。

 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

お求めは、こちらです。

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思いを包もう

今月の弊社のキャッチフレーズは、

「思いを包もう」です。

このブログの5/9号に書きました通り、「すき焼き川柳包装紙」が本日5/16三社祭の日に出来上がるからです。

この包装紙には、昨年秋に募集した「すき焼き川柳コンクール」の優秀句を刷り込みました。嬉しい句が並んで最高の気分です。(句の一覧は、こちらです)

そもそも食事の思い出を記す方法として川柳は一番素敵ですね。それに、すき焼きほど川柳に合う料理は他にないとも思います。川柳は、日本人とすき焼きの繋がりの深さを、あらためて教えてくれます。

そして何より、この店で働く私達にとってはヤル気の源になります。ここに書かれている様な幸せの為に働いているんだということを、川柳は思い出させてくれます。在り難いことです。

今秋も募集を行って、来年版も創りたいと今から考えています。包装紙の裏面が投稿欄に成っていて、それを使って来年用の投稿ができるのです。

こんな包装紙はなかなか無いと思いますよ。

さらに!ハート型牛脂『牛ゅっとハート』(=弊社の登録商標)と、この包装紙を連動させて使う考えです。

ご進物を「川柳包装紙」で包み、中に『牛ゅっとハート』を入れようと思っています。

いや、「進物」「贈答」といった漢語は、これからなるべく使わないようにします。

「贈りもの」「お祝い」「お返し」といった大和言葉を使おうと思います。

「シンモツ」「ゾートー」っていうと、なんとなく義理っぽい雰囲気が出て、思いが乗らない感じがしますからね。

私の個人的体験の範囲で申しますと、病気を経験されて退院された方に肉を贈りますと、大変喜ばれます。養生して早く全快なさっていただきたいという思いを贈るのに肉以上のものが在るのかなあ、といつも思います。

「ちんや」の肉はモタレませんから、年配の方や病後の方にも喜ばれるのです。

今回そうした思いを包む包装紙が出来て嬉しく思っています。

川柳をご投稿いただきた皆さん、ありがとうございました。

追伸

ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。

 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

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マツタケの里

ああ、あそこの地名は能勢町と言ったのですね。

大阪府の地図の、一番上に飛び出している部分のことです。

その能勢町ではマツタケが名産で、

「30~40年前は山の中にござを敷き、すき焼きを楽しんでもらった。座っていても手が届くところにマツタケがあった」そうです。

能勢町は府の最北端に位置していて、町内全域が標高200m~500m。大阪市内とは5~6℃気温差があるそうです。

で、「大阪の軽井沢」「大阪の北海道」「大阪のチベット」とか呼ばれるそうです。

軽井沢とチベットは、かなり違うよねえ、と思いますが、それはさて置きまして、今日の本題はマツタケすき焼きです。

これは当然美味しいのですが、難点は勿論マツタケの値段が高いことです。

報道によりますと、この大阪のマツタケも絶滅の危機にさらされているそうなのです。

与謝野晶子も幼いころ、「取っても取ってもある」とマツタケ狩りに興じたそうなのですが、残念なことです。府は、

「府レッドデータブックを改訂し、菌類を対象に追加して今年3月に発行された。マツタケは近年発生量が激減。専門家らの評価で「府内で絶滅の危険が増大している種」を意味する「絶滅危惧II類」とされた。」そうです。

ござを敷いてマツタケすき焼き

~やってみたかったですねえ。

追伸

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 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

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ふるさと納税

うーむ、そういう所で肉を買っていたんですかあ。

伏兵とはこのことですねえ。しかも、相手は親方日の丸・・・

さてさて、その日の丸の相手とは「ふるさと納税」を実施している自治体です。全国で1500以上在るとかですが、その中には納税の「御礼」として肉を贈ってくれる自治体もかなり在るようです。既に、

「お得な「ふるさと納税」ランキング~牛肉編~特典に「牛肉」がもらえるコスパ最強の自治体は?」

というものがネットで公開されています。

1位:北海道鷹栖町の鷹栖牛。1万円の納税に対して→肉1kg

2位:山口県美祢市の秋吉台高原牛。1万円→1kg

3位:兵庫県宍粟市の宍粟牛。1万円→850g

4位:神奈川県南足柄市の相州牛。1万円→800g

5位:山口県山口市の徳地黒毛和牛。5000円→300g

肉の他にも、米や野菜など産物ごとにランキングが行われています。自治体同士の競合で「御礼」のお得度が増す傾向にあるとか。

え? 自分の出身地でなくても納税できるのか って?!

遅れてますねえ、まったく。

この制度は要するに、何でもアリなんです。

自分が食べたい物を「御礼」として贈ってくれる自治体をネットで探し出して、そこにネットで申し込めば良いのですから、「お取り寄せグルメ」同然です。

なんだかなあ、です。

実は、この「納税」は正確には自治体への寄付金で、確定申告の際に、その金額を申告すると⇒所得から控除され⇒自分に課税される税額を少なくすることができるようです。勿論限度額はありますが。

だから、その人が現に住んでいる自治体側から見ると、新手の徴税逃れと言えます。台東区に限っては地元を愛する人ばかりですから、あまり心配はないと思いますが、東京近郊の住民意識が希薄な市では税収が減るかもしれませんね。なんだかなあ、です。

まあ、自分の所得を自由に処分することは国民の権利ではありますけどね。

なんだかなあついでにもう一つ申しますが、こと肉に関しては、生産者だけでなくて流通業者や小売業者の役割が大きいです。

丁寧に屠殺したのか、何日目に脱骨したのか、熟成期間は全部でどの位とったのか、とかを自治体が塩梅できれば上等ですが、まあ、どうなんでしょうかね。

おおかた地元の業者に丸投げでしょう。

悔し紛れではありますが、一応、情報としてお知らせまで。

追伸

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 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

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前句付け

川柳は浅草新堀端の竜宝寺門前町の人でした。現在の住所で言うと元浅草3丁目です。

え? 川柳って人の名前だったの って?!

そうですよ。本名は柄井八右衛門、雅号は柄井川柳(からい・せんりゅう)と名乗っていました。生年は1718年で没年は1790年です。

ただし川柳の生前は、川柳の文学のことを「川柳」とは言わずに「前句付け」と言っていたようです。

連歌で、下の句七七に対して前句五七五を付ける「前句付け」が独立したものだったそうですが、そんな風雅なものが当時は大流行していたのですね。川柳が主催した1762年の句合には1万句以上が集まったそうです。

元々の川柳の持ち味は「うがち・おかしみ・かるみ」とされ、機知に富んだものでした。しかし初代川柳の没後、やがて「柳風狂句」と改名、言葉の表面的面白さを競う娯楽へと化してしまった、と評価されています。

現代でも「サラ川」や「下川」(=トリンプ社が主催する「下着川柳」)のように、むしろ「狂句」と言った方が良いと思えるものが、やはり「川柳」と言われていますね。あれは「サラ狂」「下狂」と言った方が相応しい感じがします。

それでも「川柳」なのは、「狂」の字が、精神疾患の患者さんに対する差別を連想させるので現代では使いにくいという事情があるのかもしれません。

さてさて、そんな中昨年弊社で開催しました「すき焼き川柳コンクール」の句が、川柳に入るか、狂句に入るのか、無粋な私には判定しかねますので、皆さんにはこちらを見ていただいて、御自分で判定していただきたいと思いますが、そういう微妙な議論は今日はさて置きまして、実は、私はその「川柳」を刷り込んだ包装紙を創っているところです。今まさに印刷中でして、本当に店でそれを使います。

デザイナーのWT辺さんが、だいぶ凝ったものを創って下さいました。

凝った分時間がかかってしまいまして、昨年の11月に集めた川柳がようやく活きます。

さらに!今年は今年で川柳を募集して、来年版の川柳包装紙をまた作ろうと思います。包装紙の裏面が投稿欄に成っていて、それを使って来年用の投稿ができるのです。

こんな包装紙は、あまり無いと思いますよ。

その第一号が、来週5/16三社祭の日にお目見えします。お楽しみに。

 

追伸

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手摘み山菜

5月に入りまして、変わりざくが変わりました。

5月ですので緑色のものです。

「信州の、手摘み山菜盛り合わせ」を召し上がっていただこうと思います。勿論すき焼きに入れて。

「盛り合わせ」としか表記していないのは、本当に手摘みなので、収穫日によって内容が変わってしまうからです。

最初の週は、山セリやカンゾウ、シャクが長野県安曇野市から直送されてきております。

セリは猪鍋に入っていることがよくあり、両国の「ももんじや」さんでも鍋に入っていました。その他の野菜は初挑戦ですが、

カンゾウはユリの仲間で、甘みが少しあり、シャキシャキしています。地元では酢味噌にすることが多いそうですから、しゃぶしゃぶに良いかもしれません。

シャクもセリの仲間で、セリのような良い香りがします。おひたしや天ぷらにされることが多いようです。シャクの葉や根茎を陰干ししたものが消化不良の薬として食すことあるそうで、肉と一緒に食べるのは良いかと思います。

山草の爽やかな苦味は、野山が芽吹く、この時季独特のものですね。

山里の遅い春を お召し上がり下さい!

なお、このように内容が仕入れ・在庫状況で毎日変わりますので、事前のご予約は承ることができません。悪しからず、ご了承願います。

追伸①

弊店の定休日は火曜日ですが、明日5/6は祝日に当たりますので、臨時営業いたします。どうぞ御利用下さいませ。

追伸②

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ぬる燗

ぬる燗の季節ですね。

私個人は基本的に、50℃くらいで酒を飲むのが好き=つまり熱燗党ですが、一年中熱燗党だというわけではなく、春・秋の陽気の中では、ぬる燗をしたくなります。

ですので、上等な酒=吟醸酒=冷蔵して飲むに限る。

という最近の、画一的な風潮に疑問を抱いておりますが、そのことは今日はさて置きまして、そうそう、ぬる燗の季節です。

ですので、ぬる燗用の御酒を売ることにしました。しかも40℃で飲んでいただきたい、という製造側の希望をお客様に伝えつつ売ることにしました。

売りますのは、茨城県石岡市「白菊酒造」さんの「霞の里純米酒」です。

60%まで削った茨城県産の酒米「ひたち錦」と、筑波山水系の仕込み水を使用して造られていて、おだやかな飲み口です。

「白菊」さんの御酒は、おだやかな感じのものが多く、逆に申しますと、特徴が出にくいですから、提供の仕方で特徴を出して行くのが良いわけで、それで今回、

「ぬる燗用」「40℃でお召し上がり下さい。」とメニューに明記して売ることにしました。

そういう展開が可能なのは、日本酒ならでは、ですよね。

燗のつけ方も一工夫してみました。

陶製の壺の中に湯が蓄えられるようになっていて、そこに上から徳利がスポンと嵌められるような構造に成っている容器があるのですが、それを使います。

70℃の湯を入れて、その湯で燗つけしますと、だいたい3分位で35℃位になります。温度計でそれを確認したら、温度計を入れたまま、客席に持って行きます。

後はお客様自身に、40℃で飲むなり、さらにもう少し温度を上げてから飲むなり、考えていただきます。

この状態で置いておきますと、酒の温度が45℃以上にはならず、その状態つまり、ぬる燗の状態がしばらく保てます。なかなか冷えないのです。

そこが陶器の保温性の素晴らしいところです。金属製の器は、すぐ温まりますが、すぐ冷めてしまいますので、飲んでいる内に残念なことになってしまいますが、陶器は違います。

酒を燗つけする、という日本の文化・陶器で酒を飲む、という日本の文化を満喫できる瞬間と思います。

そして、それがこの季節だと私は思っています。

お試しあれ。

追伸

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 「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。

<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。

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母の日にすき焼きを

「母の日にすき焼きを!」だって?!

「母の日」はカーネーションに決まってるし、それにだいたい「母の日」は南北戦争終結後のアメリカで始まったものだよね。なんでまた日本でそんなことしないといけないの?!

はいはい、ご尤もです。私もそう思いますが、「ちんや」でも「母の日にすき焼きを!」ということで提案をさせていただいております。

なぜって、お母さんへの感謝を表して何かプレゼントする日って、他に無いからです。

そういう日として、お母さんの誕生日があるとは思いますが、それは人それぞれで、店側が提案をできるタイミングではありませんね。

だから、「母の日にすき焼きを!」と申してはおりますが、本当にジャスト「母の日」にすき焼きを食べて欲しい、というよりは、何かのタイミングで感謝を表して肉をプレゼントしてはいかがでしょうか!と御提案申しておるわけです。

「ちんや」のスタッフにも、これで売り上げが上がるわけではないよ、でもしつこく呼びかけ続けることが大事だよ、と申しております。

ついでにもう一つ申しますと、4月下旬は新入社員さんに、初任給が出るタイミングです。

ですので、そのタイミングでお母さんへプレゼントするのがとても良いと思うのです。

何かキッカケがないと、こういうことは実行しにくいと思いますが、初任給は、そのキッカケに成ると思うのです。

是非に!

追伸

JALさんの機内誌『SKYWARD』の4月号

「JAPAN PROJECT 東京ようこそ、おもてなしの首都へ」に載せていただきました。在り難いことです。ご搭乗のおりにご覧ください。

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気持ちなんて

どんな会社の、どんな服か存じませんが、あのCMのコンセプトは良いと思います。

山田優さんが出ている、ブランド「FABIA」のテレビCMのことです。交通広告もやっていて地下鉄のドアの上でも観られます。

さて、そのコンセプトは「気持ちなんて、服で変わる。」

CMの中で山田優さんには様々な災難が降りかかります。

朝起きたら、ひどい寝ぐせだった、

天気は雨、

書類を持って歩いていたら、人が激突してきて落としてしまった、

そして恋人の裏切り。

しかし、ネガティブなことがあっても「ファビア」の服で前向きに成れ、輝いて生きることが出来る、というストーリーです。

品物というものは、料理もそうですが、人に単なる機能だけをもたらす物ではないですね。

料理屋をやっていれば、辛い状況の時に美味しいものを食べて元気を取り戻そうする人がたくさんいることを知ります。

池波正太郎のお母さんは夫と離婚し、女手一つで子を育てあげたそうで、そのためにはそれこそ「死物狂い」で働かざるを得なかったのですが、その最中お母さんはよく一人で寿司を食べに行っていたそうです。

『食卓の情景』に描かれている、池波と母とのやりとりは、

「あのころ,私はつとめが終ると,御徒町の蛇の目寿司へ,よく行ったもんだよ」

「ひとりで?」

「そりゃ,ひとりでさ」

「おれは一度も,つれて行ってもらわなかった」

「だれもつれてなんか行かない.それだけのお金がなかったからね.私ひとりで好きなものを食べていたんだ」

「ひどいじゃないか」

「女ひとりで一家を背負っていたんだ.たまに,好きなおすしでも食べなくちゃあ,はたらけるもんじゃないよ.そのころの私は,蛇の目でおすしをつまむのが,ただひとつのたのしみだったんだからね」

「お一人さん」の中には、そういう方が混じっておいでと思います。勿論面と向かって聞いたわけではないですけどね。

寿司に負けず、

「気持ちなんて、すき焼きで変わる。」

~そういうすき焼きで在りたいと思います。

追伸

JALさんの機内誌『SKYWARD』の4月号

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