カリスマレビュアー

そのサイトのことは、普段私の視野の外、思考の対象外に置いていますが、たまには、まあ、書いてみることに致しましょう。

「食♡ログ」さんのことです。

このサイトさんは今「第二の危機」に遭遇しています。

「第一の危機」は2012年。

「食ログ」内で飲食店の点を上げる業者が横行して、月島のもんじゃ屋さんがそれを暴露しました。

この時「食ログ」さんは、評価のあり方を適正化すると言って、なんとか沈静化させましたが、飲食店連中はもちろん懐疑的でした。

で、「第二の危機」が今。

とあるステーキ屋さんが「カリスマレビュアー」を過剰接待・買収していて、それを先月、なんと、「文春」さんが暴いたのです。

「カリスマレビュアー」買収の件は、飲食業界では広く知られていました。また同業店がライバル店の点を下げようと画策するケースもあったようです。しかし、こうした件について今回世間では、

知らなかった!

裏切られた!

といったコメントが多かったように思います。

ここで私の私見ですけど、世論も、テレビのコメンテイターさんも、どうも「食ログ」に甘いように思います。厳正さが担保されているとは到底思えないのですが、厳しく適正化を求める気配はなく、「そんな、いいかげんなことは、もう止めるべきだ!」と糾弾する人もいません。評価される側の気分と、かなり乖離しているのです。

この理由を私なりに考察してみました。

第一に、グルメなどという分野は、そもそもこの世の中で「どうでも良い」分野と考えらえていること。

に、「他人の揉め事は私の甘い蜜」だということ。

の二つでしょうかねえ。

厳正さが担保されていなくて、その結果揉め事が起きること自体も、世間からは見世物の一つとして面白いのだと思われます。自分は他人から悪し様に評価されることなど決してない立場に身を置いて、評価する者と、される者、運営者が三つ巴で揉める姿を眺めるのは、それはそれで面白いのだと思われます。

それに便利に出来ているし。

そういう便利で面白いものが亡くなると困るので世論は甘いのです、きっと。人間の深部の暗闇に関わる話しですから、コメンテイターさんも、絶対にそうは言いませんけどね。

まあ、それも現実ですから良しとしましょう。

でも、私は懸念します、似たような仕組みが最近医療にも導入されていますよね。

グルメは、百歩譲って「どうでも良い」としても、医療にも気安く点をつけるのって、どうなんでしょうか?やるならキチンとやって欲しいと思います。

いい加減に点をつけていると、料理業界に続いて医療の業界も劣化しますよ。保障します、私が。

 

追伸1

雑誌「dancyu20178月号の「美味東京」特集に、「ちんや亭」の「適サシ肉」の「ちょい食べ」が採り上げられました。ありがとうございます。

<「適サシ肉宣言」関連の、これまでのメデイア掲載は以下↓の通りでした>

「文春オンライン」28日より掲載中

日本テレビ「スッキリ!!」29日放送済み

TBSテレビ「白熱ライブビビット」210日放送済み

テレビ朝日「スーパーJチャンネル」2101650分放送済み

東京新聞(特報面)212日掲載済み 

TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」21210時放送済み

HBC 北海道放送「今日ドキッ!」2151544分放送済み

「肉メディア.com(インターネット)215日掲載済み、文:松浦達也様

TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」216735分放送済み

産経新聞(生活面)221日掲載済み

日刊ゲンダイ224日掲載済み

「おとなの週末」(雑誌、講談社)20173月号掲載済み

FMえどがわ(84.3MHz32日放送済み

読売テレビ「そこまで言って委員会」312日放送済み

テレビ朝日「週刊ニュースリーダー」325日朝6時放送済み

TBSテレビ「ぴったんこカン☆カン」3311956分放送済み

「ワインホワット!?」(ワイン専門誌)20175月号掲載済み

NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4132015分放送

ブーストマガジン(インターネット)512日(前編)、19日(後編)掲載中

テレビ東京「和風総本家」518日放送済み

「婦人画報」(雑誌)20177月号「世界が恋するWASHOKU」特集

「健康保険」(健康保険組合連合会発行)20176月号、文:山本謙治様

dancyu20178月号、「美味東京」特集

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.686日連続更新を達成しました。

 

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嫌味

ある日キーボードに「お麩」と入れようとしたら、「オフ」と変換されました。

パソコン君、たしかに休みもなく、はげしく使って悪かったとは思うけど、嫌味は止めてくれ。

 

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

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2016年2月25日発売

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ハマの牛鍋どころ

横浜の、老舗牛鍋店「荒井屋」さんの本店は、店舗新築のため、しばらく休業しておいででしたが、このたび芽出たく落成。弊店も「荒井屋」さんも加入している「国際観光日本レストラン協会」でお祝いの会をすることになりました。

「荒井屋」さんは明治28年のご創業。

関東大震災、1945529日の横浜大空襲に遭った後、これまでの店舗が、三代目・荒井精一氏によって建てられました。

私は、その御店の風情がかなり好きだったので、取り壊し・新築と聞いて、少し悲しかったのですが、新しい御店も、かなりステキです。木材をふんだんに使っていて、風格があります。

牛鍋ももちろん、結構でした。

皆様も、どうぞお出かけ下さいまし。

横浜市中区曙町2-17です。

なおですね、横浜のすき焼き屋さん達は、ある時から「すき焼き」という名前を廃止して、「牛鍋」という言い方に統一なさいました。横浜開港時代に回帰し、歴史の旧さをPRするためです。「荒井屋」さんも「牛鍋」と言っておられますが、関東式すき焼きと大きく異なるわけではありません。そのおつもりでお出かけ下さい。

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

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価格:本体1600円+税

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2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

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今年もやります「親子体験」

今年も「親子体験食味学習会」を開催いたします。(お子様と保護者様向けの企画です)

子育て世代の皆さん、

お子さんの味覚は小さい内から形​成されます。

ですので小さい内から日本の正しい味を味わっていただ​きたい!「ちんや」六代目の住吉史彦は、そう強く願っています。

この「体験」では、一応勉強もしていただきます。まず、私がすき焼きの歴史や、肉の栄養のことを簡単にお話し​します。そう長くはないので、ここは我慢して聞いて下さい。

その後、肉の厨房に入って、肉のカットをしてみましょう。スーパーでは見られない、肉の塊の迫力にビックリすると思いまよ。

で、その後は本格的にすき焼きを食べていただこう、と存じま​す。

終了後は、「国際観光日本レストラン協会」からチャンとした参加証も貰えますから、夏休みの自由研究にピッタリですよ。

是非是非御参加下さい!

親=子の組でなくても、祖父母=子でも大歓迎ですよ!

(このイベントは公開イベントです。是非御親戚・お知り合いに、お伝え下さい​。よろしくお願い申し上げます。)

 

以前に参加して下さった親御さんの感想文はこちらです。

 

<日時>8月19日(土)

11:30受付開始、12時開​会~14時閉会

 

<対象>小学生、中学生、保護者(講話は小学校高学年の​お子さんが理解しやすいレベルでいたします。)

<募集人数>24名様(保護者の方が、必ずご同伴下さい)

<料金>お一人様 2.500円(ミニすき焼き)

 

<会場>ちんや

東京都台東区浅草1-3-4 03-3841-​0010

<主催>社団法人国際観光日本レストラン協会

 

<参加申込み方法>

*FAXにて「ちんや」ではなく主催者へお申込みいただ​きます。

①FAX用紙は、こちらから↓ダウンロードしてご記入下​さい。(PDF)

②社団法人国際観光日本レストラン協会宛てにFAXして​下さい。

(FAX番号:03-5651-5602)

③参加費の​清算も、国際観光日本レストラン協会の指定銀行口座にお​振込み下さい。

*申込み締切日:8月12日

 

<プライベートポリシー>

・このイベントを開催するために取得した情報は、閉会後​すぐ破棄いたします。

・当日記念写真を撮影し、その画像をネット上にUPしま​す。支障があります方は、当日 受付にてお申し出ください​。

*皆さまのお申し込みを、心よりお待ちいたしております​。

 

 

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

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追伸2

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昭和の時間

本日「アナン」のタ・バラッツさんとコラボして、

カレーすき焼きのイベント「だれがカレーをライスにのせたのか」を弊店で開催します。その報告は、後日にすると致しまして、今日は、その予習の件です。

小津安二郎監督が愛した旅館「茅ヶ崎館」さんのカレーすき焼きを、私は体験済みで、弊ブログの2012729日号に書いてございますが、バラッツさんは未だだとおっしゃっていたので、私が予約を申し込みまして、「こめ味噌醤油アカデミー」の堀田さんと共に行っていただきました。

「茅ヶ崎館」さんは勿論旅館ですが、泊まらずにカレーすき焼きを「食べるだけ」も可能なのです。

堀田さんからの報告では、

「まるで小津映画の時代にタイムスリップをしたような空気とおもてなしに大満足。しかも茅ケ崎館の初代が愛知・稲沢の出身だと伺い、五代目・森浩章さんと「銀杏」話で盛り上がり、楽しいおしゃべりをさせていただきました。小津監督がお使いだったお部屋も見学させていただきました。夏は、湘南の海で海水浴にお泊りのお客様も多いとか。。。ここには、今も懐かしき昭和の時間が心地よく流れておりました。」

・・・ということで話しが盛り上がったようで結構でした。

なおですが、「茅ヶ崎館」さんの、小津好みのカレーすき焼きと「ちんや」のカレーオイル入り溶き卵は、まったく同じではありません。

小津方式はカレー粉をそのまま具に振りかけるところが、「ちんや」方式と違います。オイルに溶かして卵に入れる「ちんや」方式は吉田裕一調理長が平成26年に発案しました。シラタキ・豆腐に良く合う点は同じですけどね。

なおまた「ちんや」のカレーオイルにはもちろん「アナン」さんのカレー粉を使っておりまして、精肉売店でも販売しております。どうぞ、お買い上げ下さいまし。

追伸1

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野菜たっぷりすき焼き

すき焼きは、実は野菜もうまい!

ということで、

「野菜たっぷりすき焼き」というメニューを始めました。

 食文化研究家で、「すきや連」で大変お世話になっている向笠千恵子先生も、

「肉のだしで野菜を食べるのが、すき焼きの醍醐味」

と言っておられます。私も野菜中心のすき焼きは「あり」だと思います。

実際には、野菜(ネギ、春菊、椎茸)は多めにして、お肉の分量は通常(120g)の四分の三(90g)に致します。

さらに今回、このメニューには一つのご提案も兼ねさせました。

「サラダ春菊」です。

春菊を、盛り合わせでなく、お一人ずつ個別の皿に盛り、それを生食できる体裁でご提供することにしました。

それをサラダとして苦みを楽しんでいただこうと思うのです。

思いまするに、最近の品種改良で春菊は、やわらかく+苦くなくなりました。

結構なことではあるのですが、鍋に入れるとすぐ縮んでしまって、私などは苦みも足りなく感じます。

で、「サラダ春菊」なのです。苦みで割り下の甘辛味や、肉の脂っぽさをサッパリさせる効果があります。

先日出席した、家畜改良事業団の「牛肉のおいしさ総合評価指標開発事業」事業推進検討会議でも、

野菜と肉を一緒に食べると、肉の味の感じ方が変わる。

という議論がありました。ですので、この試みは、大間違いではないだろうと考えています。

もちろん、苦みが得意でない方は、従来通り鍋で煮ていただいてOKです。

溶き卵は、野菜類にはヨーグルト入りをおすすめします。野菜は旨味が足りない分、肉より味が甘辛く感じてしまいますが、ヨーグルトがそれを「味の対比効果」で抑制して、美味しく食べられます。

どうぞ、お試しを。

追伸1

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サイレンス車両

その試みが、どうなって行くのか、私は注目したいと思っています。

「試み」とは、 京都の「都タクシー」さんの「サイレンス車両」。この車両では、ドライバーさんから客への声かけ、つまり雑談を極力控えるのだそうです。

その「サイレンス車両」が現在「試験走行中」なのだそうですが、好評かと思いきや、反対意見も多いとか。

「目的地まで何も会話がないというのはあまりにも不愛想な気がする」

「無口な人のタクシーに乗る方が嫌」

「運転手はロボットじゃない」

「その場の判断で良いじゃない。何でもルールはやめて」

「そんな事にまで気を配らなければならないなんて、面倒くさい時代だな」

タクシー移動中にメールの処理をしたい時とか、雑談したくない場合も確実にありますから、ニーズはあるはずですが、そういうお客さんとのマッチングは、実際問題なかなか難しいのかもしれません。

私は基本的に、店と客との絆が大切だと言って来ましたが、「サイレンス車両」は基本的に支持したいと思っています。

まずニーズが間違いなくあります。

それから、ドライバー確保という点でも有効かと思われます。「運転は上手だが雑談が苦手」というドライバーさんが「サイレンス」なら安心して働けると思います。

逆に雑談好きな場合は「雑談タクシー」として、別途売り出すのが良ろしかろうと思います。

もちろん、その場合は「舌禍事件」を覚悟しないといけません。私の知人には都内の有名料理店の経営者がいますが、ある時私の乗ったタクシーの運ちゃんが、ある一軒を罵り始めました。本人としては辛口グルメ自慢のつもりだったのかもしれませんが、経営の苦労を何一つ知らない、赤の他人に言われたくはないと思い、私は、酔っていたせいもあり、怒ってその車を降りてしまいました。

あの運ちゃんこそ、「サイレンス」に人事異動した方が良いですね。そう、舌禍ドライバーの処遇としても有効と思いますね。

都タクシーさん、頑張って下さい。

 

追伸1

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顧客志向

昨日の続きです。

「肉屋の仕事をしている肉屋」は「顧客志向の肉屋」で、「顧客志向の肉屋」だから、その前提で脂のことを考えた結果、「適サシ肉宣言」が出来たのだと、昨日申しました。

100年経営研究機構」の先生がたも、老舗の特徴は顧客志向だと言っておられます。

では顧客志向って、何ですか?

値段が安い方が顧客は喜ぶのだから、

顧客志向とは、やっぱ安いことだよね!

やっぱコスパだね!

と考える人達がおいでです。その考え方で「ちんや」を観ると、安くはないので顧客志向に見えないかもしれません。

私は、お客様に「銭失い」をさせないことが顧客志向だと考えています。

古来申しますように「安物買い」は「銭失い」です。

食べ物の機能には、

1人の胃袋を満たすことと

2人の心を満たすこと

の二つがありますが、多少の金をケチったばかりに、肉から1しか得られないことがあります。「多幸感」を与える成分が少ない肉の場合に、そうなります。最近そういう肉が実に多いです。

その場合は、せっかくの食事が楽しくない状態で終わるのです。胃袋は膨れますけどね。つまり、多少の金をケチったばかりに「銭失い」をしてしまう状況です。

お客様に「銭失い」をさせるような肉を売らないこと、それが弊店の顧客志向だと私は考えています。

このように「銭失いをさせない肉屋」だからこそ「肉屋の仕事をしている肉屋」に成るのであり、「適サシ肉宣言」も出来たのだと申せます。

お分かりいただけたら嬉しいです。

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

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追伸2

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肉屋の仕事をしている肉屋

今日は「適サシ肉宣言」は唐突にポッと出たわけではない、という件です。

そもそも弊店が「肉屋の仕事をしている肉屋」だから、この宣言が言えたのだという点を知っていただけたら嬉しいです。

まず、そもそもの話しとして弊店は、

肉を仕入れておりません。

牛を仕入れています。

その時点で、牛さんは勿論生きてはいませんが、その子の誕生日と昇天日を知った上で仕入れています。卸屋さんから、精肉された状態の、「売れば良いだけ」「料理すれば良いだけ」の肉を仕入れておいでの、スーパーさんやレストランさんと弊店が決定的に違うのは、まずもって、ここです。その牛さん全体の良し・悪しを判断して仕入れているのが弊店です。

 

流れを正確に申しますれば、

まず食肉市場で「枝肉」の状態で競り落とします。「枝肉」というのは、牛から頭部や皮などを取り、タテに2分割した状態を言います。

この状態で、2~3週間安置し、熟成させます。すぐには「脱骨」しません。

ここは重要なポイントです。牛さんを、と殺してすぐ「脱骨」してはNGなのです。まだ落ち着いていない状態で無理やり「脱骨」しようとすると肉の組織が破壊されるので、大量のドリップ(血糊)が出てしまいますが、そのドリップこそが旨味なのです。無理やりはダメです。

安置させるのは、弊店と提携関係にある卸屋さんの倉庫です。「枝肉」の状態を、こちらへ報告してもらって、何日置くか、判断しています。そういうことが出来るのは、肉を仕入れているのではなく、牛を仕入れているからです。

さて、やがて時期が来たら、「枝肉」を「脱骨」しますが、その時点では熟成が進んでいます。肉の中の酵素の働きにより、肉のタンパク質が分解されていますから、作業の際に力をさほど込めなくても、肉が骨からスッと離れるのです。で、流れ出るドリップを最小限にすることが出来ます。

こうして「脱骨」が済みましたが、すぐには精肉しません。

ここでは「大分割」と申しまして、「肩」「ロース」「とっくり」といった具合に、大まかな状態に分けて、パックし、その状態で「ちんや」に搬入します。

「ちんや」は飲食店として、かなり大きい冷蔵庫を持っているのですが、それでも「枝肉」をたくさん吊るす場所はないので、「大分割」して搬入します。パックした後に、高温の湯に通して、表面の雑菌を殺します。

パックすると通期が悪くなってしまい、その分乾き方が遅れるのですが、いったん菌を殺す過程は、どうしても衛生上必要です。

だからこそ、最初に「枝肉」の状態で置いて、乾かすことが必要なのです。乾いた分だけ、旨味の濃度が濃くなりますからね、単純な話ですが。

結局「枝肉」の中の水分の15%程度は飛ばされますから、旨味は15%濃くなるのです。逆に申せば、脱骨後すぐパックした肉を食べた場合は、旨味が15%ほど薄く感じるはずです。

最近とある県庁さんから試食用の肉を送ってもらったことがありましたが、まさにこの点が残念でした。おそらく、と畜後すぐ脱骨・パックしたので、水分が飛ばず、水っぽい状態のままだったのです。その県は、エサに力を入れておいでとか聞きましたが、エサに気を遣うヒマがあるのなら、扱い方にも気を使って欲しいです。

ここで皆さんは疑問に思ったはずです。なるべく水分を飛ばしてから(=旨味を濃縮させてから)パックした方が美味しいのなら、なぜ全員がそうしないのだろう?

答えは、飛んで行った水も仕入れたものだったからです。飛んで行った水も銭だったと言っても良いです。

仕入れる時には、単価×重量=仕入れ金額となります。だから水も仕入れているのです。パックして水を閉じ込めないと損してしまいます。だから水を閉じ込めるんです。が、それでは旨味が足りないんですよね。

すぐにパックしないで下さい!と卸屋さんに弊店が言えるのは、牛一頭を丸ごと仕入れているからです。銭より味を重視しているからなのです。

さて、この状態で、最適の食べごろになるまで、またしばらく置きます。

で、時期が来たら、ついに精肉します。

このように、

どの牛を買うか

いつ脱骨するか

いつ精肉するか

という判断をする必要があるわけで、それが「肉屋の仕事」です。

肉屋さんは、「肉を切るのが上手い(だけの)人」ではないですよ。

「肉を切るだけ」は「作業」と言います。

「作業」と「仕事」は違うんですよね。

美味しくするのが「仕事」です。

分かるかなあ。

分っかんねえだろうなあ。

ここで「肉屋の仕事」として書いた内容は、主に熟成の件です。「肉屋の仕事をしている肉屋」とは「肉を醸す肉屋」とも言えます。

そして、さらに同じ心構えで脂のことを考えますと、「適サシ肉宣言」に成ります。「作業」だけでなく「仕事をしている肉屋」だから「適サシ肉宣言」が出来たんです。

肉を食べたお客様に美味しいと感じていただきたい、それも「多幸感」を感じる位美味しいと思っていただきたい、それが肉屋の仕事だ、という前提で脂のことを考えたら「適サシ肉宣言」が出てきたのです。その前提=顧客志向が大前提としてなければ、「適サシ肉宣言」はなかったと申し上げておきます。

分かるかなあ。

分っかんねえだろうなあ。

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

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ご清聴ありがとうございました!

100年経営研究機構さん、ハリウッド大学院大学さんが主催する、「100年経営アカデミー」で、ゲスト講師として講演をさせていただきました。

100年経営アカデミー」は“100年経営を科学する”をテーマに、長寿企業から長く続く経営の秘訣を体系的に学び、経営の中で実践していくことを目的とした、日本で初の講座です。

講演全文を、6/10から6/26までに分けてUPしましたので、ご覧いただければと思いますが、以下は受講生さんからの感想です。拙い話しをお褒めいただき、実に在り難いことでした。

 

(福島県の伝統産業の方)

本日は貴重なお話をいただき誠に有難うございました。本日のお話かなり心に残るものでした。私も震災に負けず、必ず生まれ変わり持続させようという想いが一層増しました。

今度、機会がございましたら、お店にお伺いさせていただければと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

 

(ベンチャー支援企業の方)

本日は、貴重なお時間いただき、大変面白くお話してくださってありがとうございます。日頃の向学心からくる博識と、お考えをストレートにお伝えくださるお人柄に、感銘を受けました。

2021年、どうなるのか、私も模索しておりますが、またお話できれば幸いです。浅草はよく行きますので、今度ぜひすき焼きも伺わせていただきます。

 

(埼玉県の農業関係の方)

本日は貴重な時間を割き、お話ありがとうございました。お客様の「おいしい」感覚に合わせた「適サシ肉宣言」や「思い出に残る店」を目指す姿勢など、派手に特別なことをするのではなく、ちょっとしたことのようで実は大変な、利他、後利の精神の徹底が、「ちんや」を形づくっていると感銘を受けました。浅草訪問の際には是非立ち寄らせていただきますので、そのときはご挨拶させてください。本日は有難う御座いました。今後とも宜しくお願い致します。

 

ご清聴ありがとうございました!

 

追伸1

6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、

「世界が恋するWASHOKU」。

旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。

 

追伸2

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.677日連続更新を達成しました。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)