顧客志向
昨日の続きです。
「肉屋の仕事をしている肉屋」は「顧客志向の肉屋」で、「顧客志向の肉屋」だから、その前提で脂のことを考えた結果、「適サシ肉宣言」が出来たのだと、昨日申しました。
「100年経営研究機構」の先生がたも、老舗の特徴は顧客志向だと言っておられます。
では顧客志向って、何ですか?
値段が安い方が顧客は喜ぶのだから、
顧客志向とは、やっぱ安いことだよね!
やっぱコスパだね!
と考える人達がおいでです。その考え方で「ちんや」を観ると、安くはないので顧客志向に見えないかもしれません。
私は、お客様に「銭失い」をさせないことが顧客志向だと考えています。
古来申しますように「安物買い」は「銭失い」です。
食べ物の機能には、
1人の胃袋を満たすことと
2人の心を満たすこと
の二つがありますが、多少の金をケチったばかりに、肉から1しか得られないことがあります。「多幸感」を与える成分が少ない肉の場合に、そうなります。最近そういう肉が実に多いです。
その場合は、せっかくの食事が楽しくない状態で終わるのです。胃袋は膨れますけどね。つまり、多少の金をケチったばかりに「銭失い」をしてしまう状況です。
お客様に「銭失い」をさせるような肉を売らないこと、それが弊店の顧客志向だと私は考えています。
このように「銭失いをさせない肉屋」だからこそ「肉屋の仕事をしている肉屋」に成るのであり、「適サシ肉宣言」も出来たのだと申せます。
お分かりいただけたら嬉しいです。
追伸1
6/1発売の「婦人画報」7月号(創刊記念号)に載せていただきました。ありがとうございます。
今回の特集は、なんでも婦人画報社さんが「総力をあげた特集」だそうですが、題して、
「世界が恋するWASHOKU」。
旨味とか醗酵とかを採り上げた後、しんがりがWAGYUです。
追伸2
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.679日連続更新を達成しました。
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