会社を継ぐ、という人生⑥

母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講します。

これは毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。

お引き請けしまして、私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」にしました。

10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。

当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせてお話しするすることにしました。

生徒さんの集まり具合は、どうやら10人の中で真ん中辺りのようです。

原稿が出来ましたので、UPしたいと思います。

この話しは長いので、8回に分けてUPします。今日が、その第6回です。それではどうぞ。

<以下本文>

経済がデフレだと国全体が停滞します。スポーツも停滞します。オリンピック選手は皆アマチュアで企業に所属していますからね。音楽や美術だってスポンサー企業がなくなれば困ってしまいます。国全体が停滞しますね。

私ごとですが、私は1965年に生まれましたから、大学在学は1984年から1988年までです。つまりバブル全盛期を学生として過ごしました。だからチョット楽しい思いもしました。

しかし、皆さんはどうですか。1991年に「バブル崩壊」が起こり、今年が2013年ですが、この、日本経済が停滞していた20年間を「失われた20年」と言います。そう、皆さんは生まれてから今日まで、まるごと「失われた20年」ですね。

そして、私はさらに警告したいのですが、皆で頑張らないと、20年どころか「失われた100年」になりそうです。特に誰が頑張らないといけないのでしょうか。それは勿論、経営者です。是非頑張っていただきたいと思います。

ここで必要な発想力は、クリエーターさんとか、一部の人に与えられた特殊な才能のように思うかもしれませんが、違います。努力しだいで誰にでも高められる能力です。詳しくお話しする時間はありませんが、次の3つの能力を総合することで生まれてきます。

・知識が豊富なこと。

・その知識を様々に組み合わせられること。

・自分の思考パターンを、偏りがないか、常にチェックしていること。

ですので経営者は、常に広く知識を仕入れるようにしないといけません。今学校で教えられている勉強の中で、あまり役に立たなそうに見えるものもいつどのように役に多立つか分かりません。ある日急に役に立つことがあるのです。大事にしましょう。

さて、この話しも終盤に入って来ています。経営者には、もう一つ、理念・理想に向かって邁進する情熱が必要です。

理念とは、あなたの商品で、この世の中の誰かに喜んでいただこう、ハッピーにしてさしあげよう、という心です。特に世襲で社長になる人には、この気持ちが必要です。

そんなもの要るの?と思った人は、自分が理念・理想がない社長の部下になったと想定してみましょう。私は36歳で社長になりましたが、部下は、半分以上年上でした。その部下にとってボンボン社長の下で働くのは、面白くないですね。

政治の世界をちょっと思い出していただきたいんですが、去年の選挙で総理に成ったアベさんは、元総理の孫ですが、そのアベさんが前回総理だった時の第一次内閣は「お友達内閣」だと批判されました。親しい人ばかり起用したからです。

その次の総理のフクダさんも元総理の息子で、その次のアソウさんも元総理の孫でした、今回副総理になった方ですね。その頃ジミン党は厳しい世襲批判を浴び、景気も悪化したため政権を失い、ミンシュ党に政権が行って、それが今回またジミン党に戻ったわけです。

前回のジミン党の時代を思いおこしてみますと、この中で3人目の麻生さんに対して、在任中多くのマスコミから「庶民感覚がない」とバッシング報道が繰り返し行われました。政治の話しをホテルのバーですることをしつこく批判されたりもしました。

そして皆さんもそうした反世襲の視線を浴びるのは確実です。要するに、ボンボンは恵まれているので、妬まれるんです。そんな中で、皆さんの部下が皆さんについて行くかどうかの分かれ目は、どこにあると思いますか。

<この話しは長いので、引き続き明日もUPします>

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.046日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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会社を継ぐ、という人生⑤

母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講します。

これは毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。

お引き請けしまして、私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」にしました。

10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。

当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせてお話しするすることにしました。

生徒さんの集まり具合は、どうやら10人の中で真ん中辺りのようです。

原稿が出来ましたので、UPしたいと思います。

この話しは長いので、8回に分けてUPします。今日が、その第5回です。それではどうぞ。

<以下本文>

さて、ここでもう話しは、経営者に必要なもう一つの能力「発想力、アイデイアを出す力」に入ってきています。

ええ~?!そんなことは広告代理店にやらせれば良いって聞いたよ!っていう人がいるかもしれません。違います、全く違います。

商品を作ってしまってから、売り方を考えたのでは遅いのです。商品開発の最初の段階から、どんな人をどんな風にハッピーにする商品なのか、考えに考えぬいて動き出さないといけません。

今の世の中をよく観察して欲しいのですが、商品は在り余っていますね。

昔は違いました。日本の国は1950年代から1970年代までに「高度成長」を成し遂げました。この頃は毎年10%以上所得が増えたのです。70年代のオイルショックでいったん成長は減速しますが、80年代には再び成長を始め、やがてそれが過熱して、土地や株が急に上がって、「バブル経済」という状態になりました。

これが20世紀後半の日本経済の動きです。

その「高度成長」時代に、テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品目は三種の神器』と言われ、国民は争ってそれを買い求めました。

そうです、逆に言うと、高度成長以前の時代は、テレビ・洗濯機・冷蔵庫を持っていないご家庭が多かったのです。今、これらを持っていない家はまずありませんね。

1960年代になると、カラーテレビ (Color television)・クーラー (Cooler)・自動車 (Car) の3Cが新・三種の神器と言われました。さっきテレビと言ったのは白黒テレビだったんです。この3Cも今や持っていない家は少ないですね。

そう、現代日本社会にはモノが溢れています。モノが溢れてしまって、人々がさらにモノを買おうとしないから、デフレに成ってしまっているのです。

さっきの課題で、「品質が良くて安い商品」が売れる商品と答えた人は、「高度成長」の時代なら成功できたでしょう。なぜならモノが足りなかったからです。商品を作れば作っただけたくさん売れましたから、安く売っていても会社は大きくなりました。そのやり方を「薄利多売」と言います。そのやり方で社員が増えて、みんな給料が貰えてハッピーでした。だから安い商品を売っていてもデフレにならなかったのです。

しかし、今は違います。今売れるのは「品質が良くて、一番安い商品」だけですから、この国では安売り合戦・安売り競争が起きています。

この競争に負けた会社は倒産しますから、そこで働いていた人達は失業者になります。

では競争に勝った会社がハッピーかと言うと違います。値下げをするために、従業員の給料を下げたり、リストラをしたり、あるいは仕入れ先の仕入れ値を値切ったりしますから、全然ハッピーでありません。勝った方でもアン・ハッピーなのです。それが、今のこの国です。

だから、経営者は「安い」以外の、何か他の価値を世の中に提案しないといけません。どんな商品を作って、どんな人を、どのようにハッピーにするか、それを思いつく能力「発想力、アイデイアを出す力」が、かつてなく大事な理由は、そこに在ります。駄洒落でもデフレよりはマシなのです。

「発想力、アイデイアを出す力」が経営者に無い場合、あるいは、そういう仕事はそもそも経営者の仕事じゃない!と思っている場合は、その会社はデフレの泥沼に引き込まれます。そして世の中全体にそれが連鎖していくんです。それはとても怖いことだと覚えて下さい。

<この話しは長いので、引き続き明日もUPします>

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.045日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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会社を継ぐ、という人生④

母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講します。

これは毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。

お引き請けしまして、私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」にしました。

10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。

当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせてお話しするすることにしました。

生徒さんの集まり具合は、どうやら10人の中で真ん中辺りのようです。

原稿が出来ましたので、UPしたいと思います。

この話しは長いので、8回に分けてUPします。今日が、その第4回です。それではどうぞ。

<以下本文>

しかし、です。ここで良く考えて下さい。売り方を工夫して、なんとか250万円で売ることは出来ませんか。

例えば、私の店はすき焼き屋ですが、最近なんと言っているか、お話ししますと「夫婦の日はすき焼きの日」と言っています。毎月22日にしつこくそれを言っています。私はブログやツイッターやFBといった、所謂SNSをやっていますが、総動員して言っています。

日頃お父さんや君たちのために一生懸命なお母さんに、すき焼きを食べて貰う日が、毎月22日だと決めたのです。ええ、私が決めたんです、勝手に。

そして、この日は牛の脂をハートの形にして売っているのです。

勿論駄洒落です。どうです?馬鹿馬鹿しいと思いますか。思うかもしれません。しかし、これもマーケテイングです。

「美味しい」という価値だけでPRすると、こう言われてしまいます=「美味しいのは知ってるんだけどね、今はね、景気が悪いから、頑張って仕事して、業績が戻ったら「ちんや」さんをまた使うよ!」って言われてしまうんですね。それで、その作戦をやめて「お母さん孝行」という価値を押し出して、それを実現できる商品として、すき焼きをPRしているのです。

今日この話しを聞いてお家に帰ったら、お父さん・お母さんにこの話しをして、どんな反応をするか、観察してみて下さい。「毎月22日は夫婦の日で、お父さんがお母さんにすき焼きを御馳走しないといけないらしいよ!」お父さんは「そうだなあ、最近母さん孝行してないからたまにはすき焼きにするか!」っていうかもしれません。

そして、その場面を想像して下さい。お父さんがすき焼き屋さんに電話をして御店の人に「ねえ、もう少し安くして欲しいなあ。安くしてくれたら食べに行くんだけど!」と言ったとします。そんなことを言ったら、横で聞いていたお母さんは怒りだしてしまいますね。お母さんに張り倒されるかもしれませんから、そんなことは言えませんね。

どうです、この場合値下げされません。そうデフレが起きないいんです。

「お母さん孝行」という価値を実行出来て、お母さんもお父さんもお子さんもハッピー。そして値切られずに済んだ御店もハッピー。そして御店の従業員さんは給料をちゃんと貰えてハッピー。

経営者は、この状態を作らないといけないんです。勉強の出来る人がやることに見えないかもしれませんが、こういう作戦を考えることこそが、マーケテイングなのです。

勉強の出来る人は市場調査や消費者アンケートを実行して、「いやあ、この商品は〇〇円でしか売れませんね!」とか言ってしまいがちです。それがマーケテイングと思ってしまいがちです。しかし、クドイですが、それはマーケテイング全体のごく一部でしかありませんし、それで会社を発展させられると思ったら、大きな間違いです。

マーケテイングには知識だけでなく、センスやマインドが必要なんです。自分が造れる商品で、なんとか、世の中の人達をハッピーにできないか、脳から血が出るまで考える、そして、良いアイデイアを思いついたら、そのプランに賭けてみる、そういう前向きの強い気持ち=マインドが必要なんです。

「〇〇円でしか売れませんね!」と言うだけの人こそ、日本のデフレを助長させている張本人です。デフレの責任は日本銀行だけにあるわけではありません。経営者一人一人にあります。

市場調査をやる人はIQ高そうで、「夫婦の日はすき焼きの日!」と唱えている人はIQ低そうですね。でも、考えてみて下さい。IQ低そうに見える人の方が、みんなをハッピーにしていませんか。そこを考えてみて下さい。

さて、ここでもう話しは、経営者に必要なもう一つの能力「発想力、アイデイアを出す力」に入ってきています。

<この話しは長いので、引き続き明日もUPします>

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.044日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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会社を継ぐ、という人生③

母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講します。

これは毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。

お引き請けしまして、私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」にしました。

10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。

当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせてお話しするすることにしました。

生徒さんの集まり具合は、どうやら10人の中で真ん中辺りのようです。

原稿が出来ましたので、UPしたいと思います。

この話しは長いので、8回に分けてUPします。今日が、その第3回です。それではどうぞ。

<以下本文>

では本当に大切な資産とは何でしょう。現金や預金、土地・建物は計上されていますが、それではありません。

一つはお客様からの信頼であり、もう一つは従業員の士気です。この二つが大切ですが、数字に表せないどころか目に見えません。だいたい皆さん、本当に大切なものは目に見えないんです。是非、そのことも覚えておいて下さい。

話しは下から順に進んでいます。ここで、表の面に戻って、もう一つの課題をやってみましょう。「どんな商品が売れる商品か、書いてみましょう。そして隣の人に見せてみましょう。

さて、課題が済んだらマーケテイングの話しをします。マーケテイングというのは、売れる商品を作って、それを売っていくことです。

良くマーケテイングの「4P」と言いますが、product=どんな商品を作って、place =どこで、promotion =どんな売り方で、price=いくらで売るか、の4つを考えるのが、マーケテイングです。

ここで気づいていただきたいのですが、私は「マーケテイングの知識」ではなく、「マーケテイングの知識・センス・マインド」と書きました。

センスとかマインドってなんでしょう。センスとかマインドは、商品をいくらで売るのか決める時にハッキリ現れます。値段は知識だけでは決められないのです。

今あなたが車のメーカーの社長だとして、新商品を300万で売るのか、250万で売るのか、はたまた285万で売るのか、相談する会議をしていると想定して下さい。

部下が市場調査や消費者アンケートを実施して、「240万なら買う」人が一番多いという結果を報告してきたら、社長であるあなたは、そのまま240万と値付けしますか。

しかし、その値段では利益は出ません。240万で利益を出すために従業員の給料を下げたり、場合にとってはリストラすなわち首切りをしないといけないのです。

さっきの課題で「品質が良くて安い商品」と答えた人はいますか。リストラをしなくてはいけなくても「安い商品」が良いですか。違いますね、そうです、商品の値段は、なるべく高くつけないといけません。可能な限り高くつけないと利益が出てこないのです。

そもそも商品の値段は、なるべく高くつけないといけないのに、世の中の経営者が皆、商品の値段を安くするような状態になってしまうことを「デフレ」と言います。Deflationの略語です。

日頃新聞を読んでいる人は、今の日本の状態がデフレだと知っていると思います。そして去年の年末に新しく出来た新内閣が「デフレ脱却」を目指していることも知っていると思います。

今あなたは会議をしています。部下が調査をしたら、新車は240万でしか、売れないことがわかりました。無理やりそれより高く値付けするとどうなりますか。売れずに在庫が残って、しかし仕入れ先には支払いをしないといけませんから、損失が出てしまいます。損が出たら、経営者は責任をとらないといけません。そう、給料の返上です。損したのに給料なんて貰えませんね。

あなたは給料を貰えませんから、夜美味しいレストランで食事をするのを止めます。そうすると、その御店も売り上げが減って困ってしまいます。このように連鎖が起こるの、デフレ・スパイラルです。

しかし、です。ここで良く考えて下さい。売り方を工夫して、なんとか250万円で売ることは出来ませんか。

<この話しは長いので、引き続き明日もUPします>

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.043日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: 食育ナウ — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

会社を継ぐ、という人生②

母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講します。

これは毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。

お引き請けしまして、私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」にしました。

10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。

当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせてお話しするすることにしました。

生徒さんの集まり具合は、どうやら10人の中で真ん中辺りのようです。

原稿が出来ましたので、UPしたいと思います。

この話しは長いので、8回に分けてUPします。今日が、その第2回です。それではどうぞ。

<以下本文>

はい紙をめくりましょう。紙をめくると、私が考えている「社長に必要な能力」が書いてありますから、その説明をして行きますね。

理念・理想に向かって邁進する情熱

倫理観、モラル、品性

体力・健康・精神力・精神の健康

発想力、アイデイアを出す力

マーケテイングの知識・センス・マインド

財務の知識

以上の能力を、世襲で社長に成る人は、30歳~35歳までに身につける必要がありますね。脅かすわけではないですが、高校・大学で7年間、卒業して社会に出て8年~10年でそこまで行っていただくわけです。

サラリーマン経営者であれば40歳~45歳までに、ということに成りますね。

大学を出て就職しないですぐベンチャーしたい人は、これから7年で、ということです、当然。大変ですよ。頑張って下さい。

今こうして必要なものを見てみると、授業で習えないものも多いですね。お父さんが社長であれば習えますが、実際は実の親から素直に習えないことも多いですね。そこで生きて来るのは、学校の先輩、そして同期です。是非大事にして下さい。

さて下から順にお話して行きます。最初は「財務の知識」です。これは皆さん、勉強して身に着けて下さい。

財務とは、まず会社のある時点の資産・負債・資本の額を明らかにすること。それから、ある期間の収益及び費用を計算すること、さらには現金の増減を管理すること、以上です。

資産とは、現金・預金・土地・建物といったモノです。負債とは借金のこと、資本とは経営者や株主が自分で会社に出した資金のこと、収益・費用はそのまま分かりますね。「簿記をつける」ことで、この計算をします。

詳細に説明する時間はありませんが、簿記は高等な勉強をしていなくても理解できます。中等部の勉強をしっかりやって、また必要な社会常識を身に着ければ基本的には理解出来ますので、将来どこかで必ず勉強して下さい。

それから、ここで一つ覚えておいていただきたいのは、西洋式の簿記を日本に導入したのは、福沢諭吉先生だ、ということです。明治6年(1873年)に先生が『帳合の法』を出版したのが、最初です。ですから、皆さんは、その伝統を継承して、会社の財務は的確に把握できるよう、努めて下さい。

そして、もう一点、この件に関して補足をしますね。財務で必要な計算をしても、ここに本当に大切な資産は計上されていません。では本当に大切な資産とは何でしょう。

<この話しは長いので、引き続き明日もUPします>

話しは急に変わりますが、年始の1/2~1/7までは、私は特別バトル営業の、まっ最中です。ご連絡いただいてもレスポンスが遅くなる場合があります。あらかじめお詫び申します。

(1/1と1/8は休業いたします)

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.042日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: 食育ナウ — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

会社を継ぐ、という人生①

母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講します。

これは毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。

お引き請けしまして、私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」にしました。

10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。

当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせてお話しするすることにしました。

生徒さんの集まり具合は、どうやら10人の中で真ん中辺りのようです。

原稿が出来ましたので、UPしたいと思います。

この話しは長いので、8回に分けてUPします。今日が、その第一回です。それではどうぞ。

<以下本文>

皆さん、まだ時間前ですが、席に着き次第、紙に書いてある課題をやってみましょう。

課題は「社長に必要だと思う能力を三つ書いてみましょう」です。そして、

「その中から最も大事だと思う能力を一つ選んで〇をつけましょう。」です。

まだ裏をめくっちゃダメですよ。自分の頭だけで考えて下さいね。

それから皆さんの回答は、後で隣の人に見せて貰いますから、そのつもりで書いて下さいね。

皆さんは、勿論今日の私の話しでなんらかの刺激を受けて帰って欲しいわけですが、多分、その刺激より刺激的なのは同期生から受ける刺激です。

30歳年長の先輩の話しも刺激にはなりましょうが、

え、同期のアイツが将来のことを、今からそんなに考えてたんだ!

っていうのがサイコ―の刺激です。今日の授業がそういう機会に成ればベストです。英語とか数学は基本的に教わったことを、そのまま覚えないといけませんが、この授業はまったく海苔が違うイヤ、ノリが違いますから、最初から、そう心得て下さいね。

さて、時間ですからイキナリ始めますね。私は、浅草のすき焼き専門店「ちんや」の六代目の社長の、住吉史彦と言います。中等部の32回生です。今年が歳男の48歳でして、社長としては12年目です。

私が経営する店は、明治13年に創業し、今年133年目になります。他の講師の方々と違い、私は、その店の父や祖父と同じ職に就き、伝統的な食文化を護る仕事をしています。その経緯の中では葛藤もありました。ですので今回会社経営の話しや食の話しだけをする積りはありません。

似たような環境の後輩に色々伝えたいことがありますし、また世襲社長でなくて、サラリーマンとして出世して社長に成りたい人や、自分が会社を作ってベンチャー社長になりたい人にもある程度は、私の話しは参考になると思います。そういう話しをしていきますね。

はい、それでは現時点で、自分の親が社長で、将来は自分も社長に成ることになりそうだ!っていう人はいますか。手を挙げてみましょう。

さっきも言いましたけど、一番刺激的なのは同期生から受ける刺激です。え、同期のアイツが将来のことを、今からそんなに考えてたんだ!っていうのがサイコ―の刺激です。今日の授業はそういう形で進めますから、是非そこを心得て手を挙げて下さい。

おお、君はそうなんだ!頑張ろうね!

それでは、今手を挙げてる人は挙げたままで、自分が会社を作ってベンチャー社長になりたい人も挙げて下さい。

おお、君はそうなんだね!アンビシャスだね!いいね!

じゃあ、その人も挙げたままで、サラリーマンとして出世して社長に成りたい人も手を挙げてみましょう。キミたちもアンビシャスだね!いいね!

なるほど、状況がわかりましたね。では、紙に書いてある課題をまだやってない人はやってみましょう。今から3分差し上げますから、どうぞ。

できましたか!ハイ、では紙を隣の人を交換して読みましょう。読んで隣の人の考えを頭に入れて下さい。

本当は、お互い読んだ上で10分とか15分とか話し合うと良いのですが、残念ながら、この授業は45分ですから、それが出来ません。話し合いは休憩時間にしてもらうことにして、先へ進めますね。はい紙をめくりましょう。

紙をめくると、私が考えている「社長に必要な能力」が書いてありますから、その説明をして行きますね・・・

<と、いうことを明日よりUPして行くわけですが、今日の所は全体のレジュメをUPしておきますね>

・資産/負債/資本、収益/費用

・西洋式の簿記を日本に導入した人は?

・本当に大切な資産は? 大切なものは数字に表せないどころか目に見えません。

・マーケテイングの「4P」 product、place、promotion、price

・deflation脱却、デフレ・スパイラル

・毎月22日は夫婦の日

・発想は経営者の仕事じゃない?

・高度成長、『三種の神器』、『新・三種の神器』、「薄利多売」

・バブル全盛期の大学生活

・「失われた20年」

・発想力は、3つの能力の総合

・理念・理想がない社長の部下になったら、

・「お友達内閣」

・世襲によって得たメリットを、自分の利益や保身に活かすのか/世の為・人の為に活かすのか

・「売れませんよ」と言う部下しか持てないか/「安くしたらいけませんよ」という部下に恵まれるか

・内部統制、社員を性悪説で統制仕切るのは、

・ストレスは雨と一緒

・「三方良し」

・社長の歓び

・苦しみは降って来ますが、歓びは自分で創りだすしかありません。

・世襲の経営者であっても人生は選択できます。自己矛盾のようですが。

・継いだ職でも素晴らしい職にすることは出来ます。必ず。

<この話しは長いので、引き続き明日もUPします>

話しは急に変わりますが、年始の1/2~1/7までは、私は特別バトル営業の、まっ最中です。ご連絡いただいてもレスポンスが遅くなる場合があります。あらかじめお詫び申します。

(1/1と1/8は休業いたします)

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.041日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: 食育ナウ — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

おいしい夏休み

 食育企画「おいしい夏休み!親子体験食味学習会」を開催しました。「小さい内から日本の正しい味を味わっていただきたい!」そう願って開催いたしました。

 お子さん達に、私がすき焼きの歴史をお話しし、それから肉の仕込みの現場を見学してもらいました。

 そうしましたら、参加していただいた親御さんの中に、粋に着物を着こなしたお爺ちゃまが一人おいででした。

 その御方は、女の子さんと二人で見えていました。「お爺ちゃまと孫娘さん」という組み合わせもステキですが、私はその方にテレビで見覚えがありました。日テレの『ぶらり途中下車の旅』に出ていらしたからです。

 で、すき焼きを召し上がっていただいている最中に、「テレビに出ていらしゃいましたよね」と確認しますと、ピンポン!

 その方は有名な友禅職人の方でした。宮内庁や超有名演歌歌手に作品を納めておいでの方ですから、お着物がステキで当然ですね。

 出席者名簿を見ると、その方の工房は新宿区です。私は以前から、なぜ新宿区に染色関係の工場が多いのか気になっていたので、お尋ねしてみると・・・

「震災の後に神田辺りから移って来た人が多いんですよ。西武線が開通してからは、神田川に沿って工房の数がぐっと増えました。」

「昭和30年代までは、川筋の染工房の職人さんが川のあちこちで水洗いをするという風景が見られましたよ!」ということでした。

 なるほど、染色は水を使いますからね、神田川に沿って工房が移転した、ということのようです。

 ちなみに「震災」というのは関東大震災のことです、お爺ちゃまですから。あの時は被災がキッカケになって、産業の立地が変わりましたが、今回もそういうことが起こるのでしょうね。

 その後、神田川の水は使えなくなりましたが、新宿にリッチしたイヤ立地した、染色関係の皆さんは、伝統保存のため「新宿区染色協議会」という会を作り、立派なサイトも公開しています。

 そういう御方と思わぬ出会いに恵まれて、実に有り難いことでした。

 ところで、話しは食育に戻りますが、今回生徒さんは、なんと全員女の子でした。

 そこだけが「・・・」でしたね。

 「肉食」と言えば、今後は「女子」​なんでしょうね。オリンピックも女子ばかりでしたしねえ・・・

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は288人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて912日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

 

 

 

回想600日

 おかげ様にて、本日弊ブログは、600日連続更新を達成しました。皆様のご愛読に心より感謝申し上げます。

 さて、この機会に100日の頃、200日の頃・・・を思い出してみようと思います。

 弊ブログは昨年の3/1にスタートしまして、100日目は6/8でした。

 始めた当初の目標は「連続100日更新」でした。当時続けられるかどうか、まったく分からなかったので、100日に達した時は、ただそれが嬉しく、100日になったこと自体が、この日のテーマでした。お恥ずかしいことです。

 その後、平野正敏さんのコンサートへの出演、第六回「すきや連=日本短角牛を食す会」、「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」・・・と行事が多く、それがそのままネタになったので、どんどん書けました。

 200日目は9/16でした。この頃になると、かなりペースが掴めてきました。ちょうど、「ちんや」創業130年の年で、関連事業が続いていましたので、ネタに困ることはありませんでした。

 ブログ200日のすぐ前には、第一回「住吉史彦の会」を開催し、翌日には「すき焼き思い出ストーリー」のサイトを開設しました。色々なことが好調な時期だったと思います。

 好調は、年末にかけても続きました。第7回「すきや連」(@伊勢重さん)、「チャリテイー宮崎牛の会」などを開催したりして、その顛末のことなどを書きつつ、昨年の12/25に連続更新300日に達しました。

 そして、その日にあわせて新発表もしました。それは・・・

⇒「ちんや すき焼き通検定」という検定試験でした。

 この検定は、すき焼き業界初だったでしょう、たぶん。すき焼き通検定は、創業130年の記念事業の最後を飾るものとして、スタートさせました。当然、ブログのネタです。

 年始からも、順調に更新が続き、2月末には、更新365日記念スペシャル・六夜連続興業「カリスマ受け売り師・住吉史彦の生涯の半分くらい」を書きました。第8回「すきや連」も京都・三嶋亭さんで開催しましたので、これも当然、ブログのネタです。

  このブログが絶好調だったのは、この頃でしょうか。

 しかし、です。この後すぐに日本は大震災に襲われます。

 もう何を書いていいのか分からず、毎日が辛かったのを思い出します。

 しかし更新は続きました。震災不景気で店がヒマになり、時間ができてしまったのが理由です。でも理由はもう一つ。

 この大震災という状況を生きた、自分の記録をつけたかったのが理由でした。

 でも当時書けることと言えば、ぼやきばかりでした。それで連日ぼやきばかりを書いていますと、激励やら応援やらをいただけるようになりました。

 実は、以前の私は、そういうことをまず言わない男でした。そういう可愛くない自分を少し改造しようと思い、ブログを始めたおりに「ぼやき部屋」というカテゴリーを設けました。

 でも、こんなにボヤくことになるとは、この頃まで、勿論思ってもみませんでした。

 しかしボヤき出しましたら、有り難いことに、多数の皆さんが激励やら応援やらをして下さるようになりました。以前の私なら、

「頑張って!」とか「応援してるよ!」などと言われた時には、

「いやあ、ポチポチやって行きますよ!」とか

「まあ、潰れない程度に頑張りますよ!」とか返していました。可愛くなかったですよね。

 しかし、この頃になって、この年にして初めて、激励・応援に心から素直に御礼が言える自分を見つけた、それがブログ400日目の頃でした。

 その後、日本の食の状況は良くなっているとは言いがたいですね。

 放射能の問題があるからです。特に、ブログは500日の頃には、牛の汚染エサの問題が浮上し、畜産の世界は3月頃にもまして厳しい状況になりました。

 そんな中でも連続更新は続きました。

 ちょうど7/26に第9回「すきや連」を「銀座吉澤」さんで開催した時、出席者の皆さんは、最初は悲壮な表情でしたが、やがて宴会が進むと口々に「なんとか頑張りぬこうよ」と言い合うようになりました。だから、弊ブログもやめられませんでした。意地でも続行です。

 そうは言っても、気分は晴れません。またしても「食の安全」が、問題になったからです。牛は全頭検査をしない限り、売ることが難しくなり、それが実現したのは、9月になってからのことです。

 「全頭検査」っていう言葉は、ちょうど10年前のBSE問題の再来のようでした。対策が後手にまわって、マズいことになり、最後に打つ手は全頭検査しかない状態になった状況は、BSEの時と同じ展開に見えました。デジャブーのようでした。

 思えば、過去10年間、食をめぐるニュースは、なにかと暗いものばかりでした。BSE、O-157、強毒性鳥インフルエンザ、口蹄疫、中国製毒ギョーザ、事故米転用事件、食品添加物、偽装表示、そして極めつけの放射能・・・・・そんな話題ばかりでしたね。

 実は、初めてBSEが国内で見つかった平成13年9月の前の月=平成13年8月に、私は「ちんや」の六代目を継ぎ、今年の8月で10周年だったのですが、その後10年間、食をめぐるニュースは、なにかと暗いものばかりでした。楽しい時間は、あまりに少なかったように感じます。

 それで、この日、私は以前にも書いたことを、また繰り返して書いています、

・・・そういう10年が過ぎ去って、皆さん、そろそろ、気分を変えたくありませんか!

 食は、もっと楽しい気分で語られて良いものに決まっています。

 今年、日本のお笑いの聖地である浅草から、食と笑いを同時に発信したいと思っています。浅草の知人の中には、お笑いの仕事にかかわっている人もいます。最高の立ち位置ではありませんか・・・

 私は、今年はそういう仕事をしたいと願っていました。

 もちろん仕事ですから「食の安全」の方にも取り組みますが、それは仕事の目的というより前提の話しで、その前提の上で「食と笑い」「食の楽しさ」をやりたかったわけです。 

 でも、今は原発のせいで、また前提であるはずの「食の安全」に、フォーカスが当ってしまいました。残念です。

 だいたい「安全」関係の用事って楽しくないんです。しかし暗いムードを変えることを諦めはしませんよ・・・

 その後、川柳で日本の食卓に笑いを!ということで「すき焼き川柳onツイッター」などを実施しつつ、更新は続きました。

 そして、今日が600日目。

 これから、いったい、どうなるのでしょう。

 日本は。日本の食は。すき焼きは。そして私は。

 まったく見当つきません。

 でも「このブログを続けよう」という気持ちは、100日の時より強くなっているような気がします。

 もちろん、不測の事故があって止まることは、あり得ます。

 でも、今ここで終わりたくはありません。

 今の状況を見届けて、思ったことを駄文に綴り続けたいと思います。

 どうぞ、今後も、お見捨てなく。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて600日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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面倒なこと、すき焼き鍋の洗い方

 「ちんや」の精肉売店で、すき焼き用の鍋を販売することになりました。既に1個売れました。

 すき焼き用の鍋を売る、と聞いて、

 それって鉄鍋でしょ、取り扱いが面倒なんじゃないの!

と思う方がおいでと思います。その疑問にお答えします・・・

 そうなんです。面倒です。しかし、その面倒なことをしていただきたいんです!(絶叫)

 ここでお尋ねしますが、お子さんあるいはお孫さんのお誕生日とか、正月に親戚が集まるとか、そういう機会に、ご自宅ですき焼きをする場合に、鍋はテフロン鍋でおやりになりますか。よくテレビの通販で「この鍋で、なんとギョーザも焼けます!」などと宣伝している、あれをお使いになるのでしょうか。

 テフロンなら、ほぼ何も手入れをしなくて済みますね、たしかに。でも、たまの機会に、ご家族の思い出に残るすき焼きをなさるなら、わざわざ「ちんや」で買ってきた、専用の鍋を使ってみてはどうでしょう。

 取り扱い方法については、弊店で独自にマニュアルを作り、プリントしてありますので、それを差し上げます。このマニュアルこそが、むしろ、鍋本体より「売り物」と言えるかもしれません。その「ちんや」のノウハウを手に入れることで、ご面倒でも、本格的なすき焼きがご自宅で出来るのです。そこに価値がある、と申し上げたいと思います。

 せっかくの、記念日の食事であれば、買ってきた惣菜をチンして並べるだけではなく、是非、お父様がこのマニュアルに従って、ご家族のために、鍋の手入れをしていただきたい、そう思っています。

 そう思いながら、酔狂にも、

 面倒なことをしていただきたいんです!と言いながら、鍋を売っていきたいと思っています。

 だいたい、この世の中を、これ以上便利にしてどうするんでしょうか。

 今の世の中、いつでも駅ビルで惣菜が買えたり、夜中でも24時間ラーメン屋が営業していたりします。そういう営業の影では、たくさんの消費期限切れ食品=ゴミが発生するわけですが、便利さを求める中で、忘れられてきました。

 なんか、食べ物の有り難味が本当に薄いですよね、今時。

 お父さん達にお尋ねしますが、それで良いんでしょうか、本当に。

 たまには、お父さんが一生懸命鍋を洗う姿を、お子さんに見せることを通じて、食べ物の有り難味を知らせても良いのではと思います。ちんや店主敬白。

追伸

 義捐金込み価格の仙台牛メニューを提供してまいりましたが、めでたく完売いたしました。ご注文いただいた皆様に御礼申し上げます。収益は被災地に贈ります。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて436連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: すき焼きフル・トーク,食育ナウ — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

気仙沼の中学生、日本のヒーロー

 停電の影響と、自粛気分で東京の飲食店も甚大なダメージを受けています。3/18は、お彼岸の入りの日なのに、営業はサッパリでした。こんな時こそ御先祖の墓に参ったら良いのにと思いますが、そうはいかないようです。

 しかも復旧の目途が示されないのが、さらに辛いところです。心が折れかかる日が続いています。

 発想を変えて、気持ちを立て直さないといけません。そのやり方ですが、

・被災地に比べれば、こちらは大したことではない。生きてるだけで丸儲け!

・自分だけではない、みんなダメージを受けている。苦しい者どうし励まし合おう!

 一般的には、こんなところでしょう。

  でも、これではもの足りないですよね。物足りないのは、希望が足りないからです。

  そんな中、テレビで被災中学生の姿を見て、こんな想像をしました・・・

  今回の被災した子の中から、将来の日本のヒーローが出てくるかもしれない。いや、出るに違いない・・・

 まず10年後には、スポーツの世界に現れるに違いない。被災の悲しみをエネルギーに変えて、スポーツに打ち込み、這い上がってくれる子がきっと現れるに違いありません。

 聞けば、テニスのシャラポワ選手はチェルノブイリの被災難民で、今回の日本の震災のことを聞きつけるやいなや、寄付を申し出てくれたとか。日本の被災地からも、きっと、そういう選手が出てくるに違いありません。

 勉強に打ち込んでくれる子もいるでしょう。そういう子は20年後に、選挙に立候補するかもしれません。

 日本人として、その時は、そういう選手を応援し、選挙権があれば1票を投じたいですよね。

 たしかに、今週・来週に希望はあまりありません。でも、先のことでも希望があれば進んでいけます。

 弊店では4月に気仙沼の中学校の生徒さんの、見学を受け入れる予定にしていますが、予定通り実行できるか案じています。

  頑張れ、被災した子供たち!

 頑張れ、ニッポン!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて384日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: ぼやき部屋,食育ナウ — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)