会社を継ぐ、という人生①
母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講します。
これは毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについて話すのです。
お引き請けしまして、私は、その演題を「会社を継ぐ、という人生」にしました。
10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、私以外は学者さんとか、弁護士さん・お医者様・アナウンサーのお姐さんとか、当然ながら非世襲組です。
当初世襲社長であることを鮮明にしたものかどうか、迷いましたが、この際ハッキリさせてお話しするすることにしました。
生徒さんの集まり具合は、どうやら10人の中で真ん中辺りのようです。
原稿が出来ましたので、UPしたいと思います。
この話しは長いので、8回に分けてUPします。今日が、その第一回です。それではどうぞ。
<以下本文>
皆さん、まだ時間前ですが、席に着き次第、紙に書いてある課題をやってみましょう。
課題は「社長に必要だと思う能力を三つ書いてみましょう」です。そして、
「その中から最も大事だと思う能力を一つ選んで〇をつけましょう。」です。
まだ裏をめくっちゃダメですよ。自分の頭だけで考えて下さいね。
それから皆さんの回答は、後で隣の人に見せて貰いますから、そのつもりで書いて下さいね。
皆さんは、勿論今日の私の話しでなんらかの刺激を受けて帰って欲しいわけですが、多分、その刺激より刺激的なのは同期生から受ける刺激です。
30歳年長の先輩の話しも刺激にはなりましょうが、
え、同期のアイツが将来のことを、今からそんなに考えてたんだ!
っていうのがサイコ―の刺激です。今日の授業がそういう機会に成ればベストです。英語とか数学は基本的に教わったことを、そのまま覚えないといけませんが、この授業はまったく海苔が違うイヤ、ノリが違いますから、最初から、そう心得て下さいね。
さて、時間ですからイキナリ始めますね。私は、浅草のすき焼き専門店「ちんや」の六代目の社長の、住吉史彦と言います。中等部の32回生です。今年が歳男の48歳でして、社長としては12年目です。
私が経営する店は、明治13年に創業し、今年133年目になります。他の講師の方々と違い、私は、その店の父や祖父と同じ職に就き、伝統的な食文化を護る仕事をしています。その経緯の中では葛藤もありました。ですので今回会社経営の話しや食の話しだけをする積りはありません。
似たような環境の後輩に色々伝えたいことがありますし、また世襲社長でなくて、サラリーマンとして出世して社長に成りたい人や、自分が会社を作ってベンチャー社長になりたい人にもある程度は、私の話しは参考になると思います。そういう話しをしていきますね。
はい、それでは現時点で、自分の親が社長で、将来は自分も社長に成ることになりそうだ!っていう人はいますか。手を挙げてみましょう。
さっきも言いましたけど、一番刺激的なのは同期生から受ける刺激です。え、同期のアイツが将来のことを、今からそんなに考えてたんだ!っていうのがサイコ―の刺激です。今日の授業はそういう形で進めますから、是非そこを心得て手を挙げて下さい。
おお、君はそうなんだ!頑張ろうね!
それでは、今手を挙げてる人は挙げたままで、自分が会社を作ってベンチャー社長になりたい人も挙げて下さい。
おお、君はそうなんだね!アンビシャスだね!いいね!
じゃあ、その人も挙げたままで、サラリーマンとして出世して社長に成りたい人も手を挙げてみましょう。キミたちもアンビシャスだね!いいね!
なるほど、状況がわかりましたね。では、紙に書いてある課題をまだやってない人はやってみましょう。今から3分差し上げますから、どうぞ。
できましたか!ハイ、では紙を隣の人を交換して読みましょう。読んで隣の人の考えを頭に入れて下さい。
本当は、お互い読んだ上で10分とか15分とか話し合うと良いのですが、残念ながら、この授業は45分ですから、それが出来ません。話し合いは休憩時間にしてもらうことにして、先へ進めますね。はい紙をめくりましょう。
紙をめくると、私が考えている「社長に必要な能力」が書いてありますから、その説明をして行きますね・・・
<と、いうことを明日よりUPして行くわけですが、今日の所は全体のレジュメをUPしておきますね>
・資産/負債/資本、収益/費用
・西洋式の簿記を日本に導入した人は?
・本当に大切な資産は? 大切なものは数字に表せないどころか目に見えません。
・マーケテイングの「4P」 product、place、promotion、price
・deflation脱却、デフレ・スパイラル
・毎月22日は夫婦の日
・発想は経営者の仕事じゃない?
・高度成長、『三種の神器』、『新・三種の神器』、「薄利多売」
・バブル全盛期の大学生活
・「失われた20年」
・発想力は、3つの能力の総合
・理念・理想がない社長の部下になったら、
・「お友達内閣」
・世襲によって得たメリットを、自分の利益や保身に活かすのか/世の為・人の為に活かすのか
・「売れませんよ」と言う部下しか持てないか/「安くしたらいけませんよ」という部下に恵まれるか
・内部統制、社員を性悪説で統制仕切るのは、
・ストレスは雨と一緒
・「三方良し」
・社長の歓び
・苦しみは降って来ますが、歓びは自分で創りだすしかありません。
・世襲の経営者であっても人生は選択できます。自己矛盾のようですが。
・継いだ職でも素晴らしい職にすることは出来ます。必ず。
<この話しは長いので、引き続き明日もUPします>
話しは急に変わりますが、年始の1/2~1/7までは、私は特別バトル営業の、まっ最中です。ご連絡いただいてもレスポンスが遅くなる場合があります。あらかじめお詫び申します。
(1/1と1/8は休業いたします)
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は334人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.041日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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