ハロウィンじゃないか!

ハロウィンで仮装するのは子供じゃなかったんですかね?!

ハロウィンとは、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする風習のことだと思っていました。

もちろん、どの国にも原点を忘れがちな人はいるもので、アメリカなどでは大人の仮装呑み会に成ってしまっていることは、私も知ってます。

しかしですよ、今年の日本の「ハロウィン」みたいに、公共の路上で馬鹿騒ぎはしないと思いますよ。

10/31の夜、渋谷には多数の仮装者が集まったため混乱状態となり、警察は機動隊まで出動させて、総勢200人体制で警戒に当たったそうです。

それでも逮捕者が2名出たり、多くのゴミが捨てられていったりと、実に嘆かわしい事態だったと聞きます。

そもそも、あの状態って、「ハロウィン」なんでしょうか?

ワールドカップの時も思いましたが、渋谷の騒ぎって、本気でハロウィンを祝ったり、サッカーを応援したりはしてませんよね。

あの騒ぎ、私には「ええじゃないか!」にしか見えません。

そう、江戸時代末期の慶応3年(1867年)8月から12月にかけて、近畿、東海地方などで発生した騒動のことです。

当時まず「天から神符が降ってくる。これは慶事の前触れだ」という噂が広まり、それに反応した民衆が仮装するなどした上、「ええじゃないか!」を連呼しながら町々を巡って、熱狂的に踊り狂ったそうです。

この騒ぎは8月下旬に始まり、12月9日王政復古発令の日にはピタリと止んだそうです。

それで、この「御札降り」は討幕派の謀略だったのではないかと疑った人もいたそうです。(福地源一郎の懐往事談の記述)

そう言われてみれば、渋谷の「ハロウィンじゃないか!」も、日本国を停滞したままにしておきたい国際金融資本の謀略のような気が・・・

しない・・か・流石に。

謀略はともあれ、盛り上がりや騒ぎやは、何かにかこつけるのではなく、自分で興して欲しいよね、と私は思います。バブル時代みたいに。

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特異日

今年も「文化の日」は晴れでした。

11/3が「晴れの特異日」であることはだいぶ以前から知られていたようで、その証拠に「天長節日和」という言葉が在ったそうです。

以前から特異日が知られていたのは不自然なことではなく、これに関する研究は1920年代にドイツの気象学者アウグスト・シュマウスによって既に行われていたとかです。

へええですね。

特異日発生の原因については諸説あって、そのそれぞれが、色々な特異日のことを部分的に説明することはできるらしいですが、結局特異日をすべて包括して説明するのが難しいとかで、要するに分からないようです。ですので、弊ブログではパスしますね。

ここで、一応日本(主に東京)の特異日一覧をコピぺーしてみます。このブログの読者には、料理屋を経営している方も多いのですのでね・・・

1月16日 – 晴れの特異日

3月14日 – 晴れの特異日

3月30日 – 雨の特異日

4月6日 – 花冷えの特異日

6月1日 – 晴れの特異日

6月28日 – 雨の特異日。東京では53%の確率で雨が降る。

7月17日 – 雨の特異日

8月18日 – 猛暑の特異日

9月12日 – 雨の特異日

9月17日 – 台風襲来の特異日。統計上、台風が日本列島に上陸する回数が多い。

9月26日 – 台風襲来の特異日。統計上、台風が日本列島に上陸する回数が多い。

11月3日 – 晴れの特異日

うーん、最近は10月に台風が多いような気がしますけどねえ。今年も2回も土日当たってくれて、おかげで10月に業績にひびきました。

3月30日って、そんなに雨が降りましたっけねえ。

結局薬局良く分かりません。

天気には勝てない、ということで、トホホです。

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料理の説明

ある食事会に出席しましたら、最初に料理長が料理の説明をなさると言います。

何を話すのだろうと聞いていますと、

魚は、どこそこ県の産です。

牛は、あちこち県の産です。

野菜は、やれそれ県の産です。

お米は、こりゃこりゃ県の産です。

果物あら、えっさっさー

・・・ということで、産地を言っただけでした。

産地は品書きに書いてあるのに。

私は料理人として、どういう苦心や工夫があったのかを聞きたかったのに、産地だけですか。

でも、これって珍しくはないことです。

料理の説明って、説明をする側も、される側も産地を確認して、それでお互い用が済んだ気になっていることが多いです。実に多いです、そういう展開が。

しかしですよ、それで本当にお互い合点してるんでしょうか。

分かった気に成っただけなんではないでしょうか。

その産地の肉は、他の産地と、どこがどう違うんですか?!

なんで、その産地だと、そういう肉に成るんですか?

その地方の牛は全員そういう肉なんですか?!

その地方の牛はいつもそういう肉なんですか?!

要するに、その肉は、Do-You(どういう)肉なんですか?!

・・・産地だけで肉を語れるわけはないんです。

たしかに各県の畜産試験場はそれぞれに「改良方針」を持って交配を進め、精子を配給したりしていますが、その精子を買わずに独自の路線を歩む生産者の方もいます。

産地で統一なんてできません。

むしろ料理人として、その肉を目の前にした時どういう印象を持ったのか、

その肉を美味しくするために、どういう苦心や工夫があったのか、

それを言えば良いのにと思います。

あら、えっさっさー

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共用トイレ

私の通っている美容院のトイレが女性専用に成りました。

じゃあ、いったい男はどうするのか?

その美容院が入っているビルにはテナント共用のトイレが在り、普通の利用客はそこを使うのです。テナントの中で美容院だけが自分の敷地の中に特別にトイレを持っていたのですが、それが今回女性専用に成ったので、男はテナント共用のトイレに行くことになった次第です。

その、美容院の中のトイレは小さい個室で一人用ですから、男女が同時に中に入ることはありません。

それなのに専用にするって、潔癖も良い加減にして欲しい!

そう思う人が多かろうと思います。

実は弊社の地下の「レストランちんや亭」のトイレも、一人個室の男女両用トイレです。

しかしですね、この問題は潔癖症の問題ではなく、ランキングの問題なのです。

店を評価する際に、共用トイレが在る、というだけで店の評価がグンと下がるのです。一人個室だから、男女が同時に中に入ることはないと言ってもダメなのです。

弱りましたねえ。

「ちんや亭」が在る地下一階は、大冷蔵庫や機械室があって、トイレを造る場所が無いんですよね。

エレベーターに乗って「ちんや」のトイレへ行くことは出来ますが、遠いですし靴を脱ぐのが面倒です。

それに、男女どちらの専用にするか、それが大問題です。

美容院と違って、「ちんや亭」は男女どちらも多いですからねえ。

弱りました。

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統合型リゾート

カジノ解禁法案が通るかどうかが、今国会の焦点なのだそうです。

「統合型リゾート」推進法なる奇っ怪な名前が付けられていますが、カジノをも「統合」しているのですから、要するにカジノ推進法案です。

政府は、これを「成長戦略」の目玉と位置付けているとか。

私の周りには、

カジノが無ければ日本に外人客を呼び込めないなんて、なんたる浅はかな考えなんだろう!

と考える、真面目な観光業者の人が少なくなく、そういう方から、

住吉さんもカジノは反対でしょう!ブログにそう書いて下さいよ!

と言われたりします。

うーん、そうですねえ、私は結論から先に申しますと、

条件付き賛成です。それもかなりハードルの高い条件付きです。

まず、大衆賭博はいけません。

現状の公営賭博=競馬・競輪みたいに誰でも出来るのはダメです。

大金持が余った金を散財するなら良いのですけど、現状の公営賭博には、むしろ所得の少ない皆さんがハマってしまっています。

日本にギャンブル依存症患者が多いのは、ああした公営賭博のせいであることは明らかでしょう。

カジノを造るのであれば、金持だけが参加できるように金額のハードルを、ぐぐっと上げるべきです。具体的には高率の税を課すべきでしょう。

もう1点。

カジノの収益の相当割合を公益に投じるよう義務化するべきです。

そうすれば、そのカジノで散財することイーコール公益に資することになるのです。

例えばです、収益の相当割合を、日本の美術品・工芸品の購入に充てるよう義務化します。で、その美術品で賭場を飾り立てます。

そうすれば、そのカジノで散財することイーコール日本美術の振興に資することになるのです。名誉じゃないですか。

だいたいですよ、カジノなんてものは、世界中にはもういくつも在ります。国際観光という観点で考えた場合、日本のカジノがいったい魅力的に見えるのか、私はとても疑問に思います。日本美術で飾りたてる位のことをしないと客は来ないと思いますよ。

ここはむしろ、カジノを観光と考えるより金融と考えた方が良いのではないでしょうか。

そもそも賭博は確率論を使った、究極の金融です。

ワルからアブク銭を巻き上げて、病弱な子に融通する賭場の兄さんは、江戸の昔から芝居のヒーローでした。

そういうのを造ったらどうなんでしょう?

統合型リゾートなんて止めて、

任侠型リゾートにしましょう。

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後援会

後援会の旅行の食事を、弊店でも承っております。

もっともオブチ先生ほどの大規模な旅行ではないです。

明治座さんを借り切るとなると、1.000人規模でしょうね。流石は総理候補。そんな人数は弊店には入れません。

さて、今回の問題の焦点は、

感激会いや観劇会の収支に差額が在って、それが「有権者の買収」に該当するかもしれない。しかも、その額が数千万円単位だ、ということですね。

『週刊新潮』がそれを「デタラメすぎる『政治資金』」と書いたわけです。

うーん、これは、まあ、「買収」に当たるんでしょうねえ。

この件は「旧い体質」「本来あるべき姿から乖離している」

とも書かれているようです。世論も70%以上が辞任すべきと考えたようです。まあ、辞任が相当なんでしょう。

でも、ちょっと考えてみて下さい。買収はマズいにしても、後援会旅行自体がマズイのか、ちょっと考えてみて下さい。

そこは区別したいです。

だいたい人間って、親しみを感じない人の話しって、あんまり聞かないと思うんですよね。

政論を聞いていただくにしても、まず、人間的に信頼してもらってからの方が、やはり上手く伝わります。

肉の話し程度でもそうなんです。肉の旨さの本質はアミノ酸や脂肪酸ですが、そういう話しは、なんとも、コ難しいんです。

人間的に信頼してもらってから話す方が、我慢して聞いて下さるので、上手く伝わりますが、それがない場合は、そういう話しをすること自体嫌がられてしまいます。

買収はマズいですが、旅行とか人間的な触れ合いを完全否定するのは、どうも、私は賛成できません。

二世議員、上州戦争、 旧い体質とメデイアの叩きたい要素がテンコ盛りでしたから、ああいう論調になりましたけれど、適切な運営の旅行なら、悪くはないのでは、と思ったりしています。

旧いですかねえ。

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人治主義

人治主義の人っていますよね。

その店にはその店のルールがあるのに、

客の俺が良いって言ってるんだから良いんだ!って言い張る人のことです。

元々ルールなんか守りたくないタイプの人なんでしょう。飲めばお姐さん相手に若い頃のヤンチャ自慢を始めてしまうタイプと言っても良いでしょう。

こういうタイプの方は、ルールが在るとあえてそれを破ろうとなさいます。

先日、国際観光日本レストラン協会の研修会で、弁護士の先生に来ていただいて、

「料理屋・レストランの法務」

という題で話していただいた際、クロークでの業務について、こんな質問がありました・・・

貴重品はお預かりできません!と言っているのに、

金は入ってるけどさ、俺にとっちゃ「はした金」だからさ、構わず預かってくれよ!

と言う人がいるんですけど、その金を預かって、それをなくしてしまった場合、責任は生じますか?

弁護士さんの回答は、

そう言われた場合でも、金をなくしてしまったら責任が生じる、でした。

うーん。そうですよねえ。

だから客の俺が良いって言ってるんだから良いんだ!

って言われても、ひるまずに貴重品預かりの正式な手続きをするか、完全に断らないといけません。

似たような話しとして、狭い部屋に入ろうとする人がいます。

こちらが狭い部屋しかないと言っているのに、

狭くても良いんだよ。客の俺が良いって言うんだから良いんだ!って言い張る人がいます。

これも、かなり困ります。

結局机の上に料理を並べ切れなかったりします。

やがて本人もイラついてきて、怒り出したいのだけれど、「狭い」を理由にすることはできません。

それで、店員の態度が悪いとか別の理由で怒り出したりします。迷惑至極です。

結論として、合理的で必要性のあるルールは、断固守らせた方が良い、という結論に辿りつきます。

ああ、つまんなかったですね。今日の、このブログ。すみません。

これに懲りず、引き続きヨロシクです。

 

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代理

「乾杯の発声」に肩書きのある人を起用することはよくあることです。知事とか市長とか会長、理事長とかです。

そういう場合に問題なのは代理の人が来てしまう場合です。

主催者の本音は、代理なら要らない!他の人に頼むよ!

・・・だと思いますが、なかなかそうは言えません。

一番乾杯が盛り下がるのは、知事の代理で県庁の人が来る場合ですかね。

イキナリ「巻物」を取り出したりします。

念のため「巻物」について説明しますと、「巻物」とは、

「寿司の一種であり、一般的には巻き簾上の海苔に酢飯を広げてその上に具(巻芯)を乗せて巻いた料理」のことでは勿論なく、スピーチの原稿用紙を折り畳んだもののことです。

さて巻物を広げた代理の方、やおら朗読し始めます・・・

「本日は知事がよんどころない事情で欠席いたしますこと、まずもって深くお詫び申し上げます・・・」

もう!

皆さんは、主催者の方も招待客も、宴会で盛り上がりたくて集まっているというのに、お詫びから入るのは、なんだかなあ!です。

代理とはいえ人間でしょう。

まず、自分の言葉で、その宴会が盛況なこととかを褒め称えておいて、その後で、このような会に欠席せざるを得ず、知事もさぞ残念がっていることと思います、などと言ってみてはどうなのだろうかと思います。

正確さを期すべき部分は、巻物朗読もありだと思いますが、最初から朗読~しかもお詫びも朗読はいただけません。

実は最近、私も50歳が近づいて来たせいか、代理を仰せつかるケースが増えて来ました。

先日も「茨城地酒まつりin花やしき2014」で、浅草料理飲食業組合・組合長の代理で乾杯をしました。700人ほどの大勢の人が集まっていましたが、皆さんにより楽しく乾杯をしていただくのが私の務めと申すものです。

皆さーっん!

元気ですかーっ?!

飲んでますかーっ?!

飲んでますかーっ?!

今夜は飲まない人は退場ですよ!

中途半端に飲んでる人も退場ですよ!

でも飲み過ぎた人は、今度は逮捕ですからね~

ってな具合です。

もちろん巻物は使いません。巻物は自分の言葉で語っていない証拠ですからね。

巻物は寿司屋に限るのがよろしかろうと思います。

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赤身信仰

最近「赤身信仰」とでも名付けるべき信心をお持ちの方がいます。

脂・霜降り=悪魔って感じなんでしょうか。

40歳代なのに、もう入信している方もおり、

霜降りは、もう無理なんだよー

などと、おっしゃいます。

たしかに科学的なデータを見ますと、

・豚の脂の融点=25-40℃

・牛の脂の融点=32-50℃

などと表示されていて、

「溶け出す温度が、人間の体温よりも高いものがいくつかありますね。それが体の中にはいった時に、サラサラなのか塊になるのかを想像してみてください。わたしがそれらを選ばない理由の一つです。」

というコメントが添えられていたりします。

しかしですね、長期肥育された、黒毛和牛のメスに限って申しますと、

融点は25℃位で、個体によって22℃などということもあります。

この脂は人間の体温で融けますから、体の中にはいった時にサラサラなのです。後でまったく胃モタレしません。

「ちんや」の脂は、そういうものばかりです。モタレませんし、脂が甘い感じがします。

もう無理なんだよーと言わずに「ちんや」の肉を試していただきたいと思います。

一方の赤身ですが、赤身なら皆消化が良いと思うとそれは違うと思います。

熟成させていない赤身は、タンパク質そのものですから、分子が大きく消化が悪いです。

これを熟成させますと、そのタンパク質が分解されてアミノ酸になり、消化しやすく、また美味しくなります。

だから熟成させた方が良いのですが、問題は、熟成させ易い肉かどうかです。

肉の表面を脂が覆っていれば、酸化・変質するのは脂だけですから、取り除けば良い話しですが、その脂が少ないと、すぐに赤身の部分まで変質を始めてしまいます。

だから、赤身だけの痩せた牛は熟成させにくい、ということになり、結果、赤身は熟成させていないことが多いのです。

要するに、

食べ易い脂も在り、

食べ易くない赤身も在る、ということなんですね。

分かりにくくて信仰しにくいかもしれませんが、これが、真実の教えです。

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DoYouNiku?

Do you Niku?

と書いて、

どうゆう肉?

と読んで下さい。

お客様が肉を買い求める場合、当然どうゆう肉か気になる筈ですが、実際の、店頭での問答はチグハグなことが多いです。

お客様:この肉、おいしいの?

販売員:おいしいですよ!

お客様:どれが一番おいしいの?

販売員:みんなおいしいですよ!

お客様:どこがどう違うの?

販売員:こっちは松阪で、こっちは山形ですね・・・

・・・松阪とか山形とかは表示してありますから、読めば分かります。読めば分かることをまた言うのは、人様を馬鹿にしていると思われかねませんね。

それにこれでは結局どういう肉なのか、ちっとも分かりません。だから全然ダメです。

とりあえず、社内で「産地・ブランド禁止令」を出しました。産地を言ってごまかすのは×です。どういう肉かを答えないといけません。

まず、牛の誕生日と、と畜日を調べますと、肥育日数がわかります。

長く育てられた牛の場合は、「脂が甘いですよ」と表現します。そういう牛の脂は口の中で早く良く融けますから、それで甘いように感じるからです。

次に、と畜日から熟成具合が分かります。

4-5週間位しっかり熟成させた場合は、「赤身の味が濃いですよ」と表現します。そういう肉は、アミノ酸(=旨みの素になる物質)が増えているからです。

さらに言えば、どちらも消化しやすいですから、

「胃モタレしませんよ」とか

「年配の方に喜ばれますよ」と言うこともできます。

どういう方に向いている肉かを言うことは、産地を言うより余程分かり易いです。

産地については、有名かどうかということより、涼しい土地かどうかを考えます。寒冷地の生産者の方が、牛を丁寧に飼うことが多いからですね。

私達も、産地名の棒読みはやめて、丁寧にやりとりしないといけません。

ご来店の際は、是非是非、

DoYouNiku?とおたずねください!

 

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