触れ太鼓

 5/8は大相撲5月場所(東京場所)の、初日の前日でしたので、「呼び出し衆」の皆さんが、興業の宣伝のため、「ちんや」を訪問して来られました。

 大相撲の「呼び出し衆」は、場所初日の前日に、興業の宣伝(=触れ(ふれ))のために市中を回り要所要所で、初日の取り組み力士名を、独特の朗々とした調子で、読み上げます。

  「相撲は明日が初日じゃぞぇ〜、白鵬に〜は〜、魁皇じゃぞぇ〜」という具合です。

  太鼓をたたきながら市中を巡ることから「触れ太鼓(ふれだいこ)」と通称されています。古くから東京場所のたびに「ちんや」を訪問していただいております。

 「呼び出し衆」の美声を至近の距離で鑑賞できる、大変貴重な機会ですので、居あわせたお客様には、是非にとお勧めして、聞いていただきました。

  最近は、力士の「騒動」ばかりが話題になりますが、取り組みの方も頑張っていただきたいところです。

 相撲と言えば、かなり以前のことですが、ある力士がタニマチ氏と一緒に「ちんや」へやって来て、さんざん大量に肉を食べた挙句、帰り際に、

「今日は、ごっちゃんでした。でも、オレはソース味の方が好みっス。」と大声で言いながら、去って行ったことがありました。

  うーむ、その一言、余に対する果たし状であるか?

  余は、売られた喧嘩は・・・・・買わないこともございます、へへー。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋,今日のお客様 — F.Sumiyoshi 9:54 AM  Comments (0)

お目出度い絵

 先日、ある御客様から「なんで、毎回同じ絵がかかっているの?」というご質問がありました。通される部屋は違うのに、かかっている絵が毎回、楊洲周延(ようしゅう・ちかのぶ)の「上野不忍大競馬之図」だとおっしゃるのです。

 ん? そんなことあるかなあ? と思いましたが、偶然ではありませんでした。そのご家族は、お子さんのお誕生日とか、ご両親の結婚記念日とか、そういうお目出度い場合に「ちんや」をご利用いただいていたのですが、それが、絵が同じになった理由です。

  実は、「ちんや」では、予約の段階で、その日の御用向きがお目出度いとわかると、かける絵もなるべく、お目出度い絵にしているのです。「上野不忍大競馬之図」は、絵柄が一番に賑やかで、お目出度い感じなので、それで、そのお客様の場合毎回「競馬之図」になったという次第です。

  ちなみに、カリスマ受け売り師の住吉史彦先生によりますと、この絵は、明治17年に上野不忍池(しのばずのいけ)畔で開催された、天覧競馬会の模様を描いた作品です。明治政府は軍馬改良の為に、競馬を奨励しており、またご自身も乗馬がお好きだった明治天皇は好んで競馬会に行幸されました。優秀馬には「帝室御章典」が授与されましたが、その金額は当時としては、大変高額なものでした。

 「競馬之図」の画面の、天皇陛下が座す楼閣には、日ノ丸の旗がはためき、空には気球も打ち上げられて、盛大な競馬会の様子がわかります。
 なお絵師の楊洲周延(1838〜1912年)は、歌川国周の門人で、美人画に優れ、洋装貴婦人や女学生など、開化期の女性の風俗を描いた作品が多い絵師です。

  「ちんや」が所蔵する、開化絵はネットでごも覧いただけますので、こちらで是非どうぞ。

Filed under: 今日のお客様,困った質問,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 9:58 AM  Comments (0)

写真の基礎知識

 ミッション社のM社長とカメラのSさんが見えました。お二人は、私の「爆笑名刺」の製作でお世話になった方でして、チョッとした打ち上げ会というわけです。それプラス今回は、真面目な目的もありました。それは、Sさんから私に、「写真の基礎知識」をレクチャーしてもらうことです。

  料理屋は、自分で料理の写真を撮れるか、それが無理なら、写真の基礎知識くらいは持っておいた方が良いと思います。写真を理解するためには、光や色について学習する必要がありますが、それがわかると、店の照明をする際にも、必ず役に立ちます。

  そういうわけで、Sさん、今日はよろしくお願いします、ということで一応は、始まりました。Sさんは自前のライトを持ってきて、いろいろご説明下さいます。しかし、真面目なやりとりはそう長く続かず、「爆笑名刺」の校正版を前に広げ、

 「よくまあ、俺たち、こんなバカバカしいもの造ったねえ」

 「いやあ、この写真撮られた時は恥ずかしくて、鼻血出そうでしたよ」

 「実はね、さらにオカシい案を考えついたんで、また第二段作りましょうよ」とか、そっちの話題で、スッカリ盛り上がってしまいました。

 当然のようにすぐ酒が入りましたが、旨い酒は進みます。やがて話しは完全に、よもやま話し状態となり、「写真の基礎知識」レクチャーは、遥か彼方へ去っていきました。

  終わる直前に、ようやっと写真の話しに戻り、「今度レストラン協会で、写真のテーマの勉強会をやったら、どうだろう」と言い合ったのが、せめてもの真面目さでしょうか。写メに結構いろいろな機能がついていることを教えてもらったのも収穫でした。勉強会をやる時は、その話しをすれば、参加者から喜ばれそうです。

  え? 「爆笑名刺」がいつ出来るのか、早く書けって? 

 いやあ、せっかく、ここまで引っ張ったんだから、そう簡単には教えらえないなあ。

 こ・ん・ど・ネ!

 またこのブログを読みに来てね! ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

  

  

Filed under: 今日のお客様 — F.Sumiyoshi 11:40 AM  Comments (0)

究極の店選び

 今年の連休中は、ご法事のお客様が予約ナシで見えることがあり、チョッと慌ててしまいました。実は「ちんや」では、祝日には目出たいムードを出すため、箸を祝箸にし、箸置は日ノ丸模様の扇型の箸置を使い、コースターも赤いコースターを使っています。だから、ご法事のお客様の時は、普通の(=目出たくない)セッテイングに戻さないといけません。セット直しに少し時間がかかります。

 今年の連休は5連休で、4/30を休めば7連休ですから、まずこの間にご法事はなかろう、と思っていたのですが、そうではなかったようです。不景気で旅行には行かずに墓参りをなさったのか、事情はわかりませんが、読みが外れました。

  そう書いてあるのを読んで、「ちんや」は何か、法事客を獲得するための戦略をたてているに違いない、と思った方がおいでかもしれません。そういうことはありません。特別なことは何もしていません。

 それは、仏様が生前「ちんや」を好きだった⇒法事も「ちんや」で。という自然の流れでご来店いただくのが、ベストと思っているからです。

  もちろん、私も、法事需要を狙って、もう少し上手い集客作戦を練った方が良いのかな?と思ったりしたこともあります。最近、㈱IMCのI社長と進めている、販促作戦でも、実はこの、ご法事の件をチョッと議論しました。(3/15号参照)でも、やはりご法事については、それ専用の販促手法を展開するのでなくて、自然の流れがベストという議論になりましたし、加えて最近、よその店で、そのことを再確認させられる出来事がありました。

  少し前のことになりますが、友人のお父上のお通夜に出かけ、その後流れて、居酒屋で「お浄め」となりました。その時その店の女将さんが、最近、常連さんが亡くなって、その法事を、自分の店でやってもらって、とても感激した、と語って下さいました。こちらが、少し引いてしまう位の調子で熱く語って下さいました。

  やっぱり、そういう気持ちで、ご法事の仕事をお引き受けしないといけないですよね。仏様が生前「ちんや」を好きだった⇒だから法事も「ちんや」で。という自然の流れが最大の販売促進だと、この時あらためて思いました。

  ところで、自分が死んだ後の、法事の食事がどこの店で行われるか、気にしてみたことはありますか?

  私は、もちろん気にしてます。1軒だけを選ぶ、という意味で、法事の店選びは、究極の店選びですが、私の場合、世話になっている店が多すぎて、とても、1軒だけ選べません。

  7〜8回死ねると、好都合なんだけどなあ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

『続すき焼き ものがたり』

 向笠(ムカサ)千恵子先生が突然店に見えました。「電話もしないで急に来てゴメンナサイ、浅草に用事があったもんだから、住吉さんが私の、すき焼きの新連載を読んで下さったかしらと思って・・・」 そりゃ、先生、読みましたよ。読んだどころか、今このブログにそのことを書こうと思っていたところです・・・

 実は、向笠千恵子先生の新連載『続すき焼き ものがたり』が、月刊「百味」誌上にて、5月号より始まり、その第一回が先日届きました。「続」というからには、その前に最初の『すき焼き ものがたり』がありまして、それは平成18年3月から20年4月まで、やはり月刊「百味」誌上に連載されました。

 その当時、平成17年のことですが、すき焼きについてまとまった本がないことを残念に思っていた私が、どなたか高名な方が、すき焼きのことを書いて下さらないかなあ、と思っていたところ、それを聞いて書いて下さったのが向笠先生でした。それが最初の連載です。

  この連載はその後、加筆・修整されて、平凡社新書『すき焼き通』としてまとめられました。そして、平成20年10月15日のことですが、この御本の、出版のお祝いの会を私の店「ちんや」で開いたことが、すき焼き屋とすき焼き愛好家のグループ「すきや連」の発足へとつながっていきます。

 このお祝いの会の時、初めて全国からすき焼き屋さんが集結し、せっかく面識が出来たのだから、1回コッキリで終わらせるのはモッタイない。「すき焼きを味わいながら、日本の食文化を語り合う会をつくりたい」との話しが期せずして盛り上がり、「すきや連」が発足しました。

  その後「すきや連」は順調以上の活動ぶりで、例会を、21年2月に新橋「今朝」さんで、7月に「浅草今半」さんで、10月に湯島「江知勝」さんで、22年3月には横浜の「太田なわのれん」さんで、という具合に続けて開催してきました。毎回50人くらいの方が参加され、定員オーバーでキャンセル待ちが出るくらいの勢いでした。

 また、例会以外にも、21年9月には、「日本記念日協会」に申請して、毎年10月15日を、『すき焼き通の日』として正式に認定してもらいました。また、すき焼き業界の長老を集めて対談してもらい、その対談を月刊「dancyu」22年1月号(プレジデント社発行)に掲載していただきました。「すき焼き劇場」という題の特集記事で、この対談には、私の父(=ちんや会長)も参加させていただきました。また、すき焼きを題にした句会もしました。

 以上が、向笠先生と、「すきや連」と、私の、五年間の「すき焼き物語」です。あっ、と言う間に過ぎたような気がします。

  そんな活動を続けている内、21年の秋頃だったと思いますが、向笠先生が、『すき焼き ものがたり』の続篇を書き、連載したいと言い出されました。この時は、最初の時より嬉しかったような気がします。以前にも増して、さらにすき焼きに興味を持ち、すき焼きのことを書いて下さる、というのは有り難いことです。

  世は不景気ですが、この連載が始まれば、すき焼き業界にも少しは良いこともあるでしょう。調子が良くなってくれば深甚です。

  いいぞ、すき焼き!

  立ち上がれ、すき焼き!

  おっと、「立ち上がれ、すき焼き」じゃあ、どっかの新党と同じだなあ。そんな党名じゃあ、3議席くらいしか獲れないぞ。何か他のを考えなきゃ。

 「うまいもの実現党」とか「開化倶楽部」とか、どうだろう?

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*平凡社新書『すき焼き通』については、こちらです。

*新連載『続すき焼き ものがたり』が掲載されている、月刊「百味」については、株式会社ビジネス・フォーラムへお問いあわせ下さい。(電話:03-3288-9180)

BSイレブンードタバタ制作

 BSイレブンで、「3D挑戦!三社祭生TV」という番組が放送されます。5/16の午前5時から夜22時まで、ぶっ通しで三社祭を生中継する番組だそうです。サザンの桑田が所属している、あのアミューズ社の企画・製作です。アミューズさんは、最近二天門の近くに「布ギャラリー」を開設するなど、浅草に随分興味をお持ちのようです。

 なんでも、これが日本初の3DでのTV生中継だそうで、パナソニックさんも「特別協賛」についています。 この番組のスポンサーになってほしい、という商談が来ましたので、乗らせていただくことにしました。

 商談が済んだら、是非もなく制作ですが、4/28に下打ち合わせをした翌日4/29には⇒即ビデオ撮り、という慌しさです。そうです、25時間と少々で、コマーシャル1本を作ってしまう、という段取りなのです。どうも、この業界のドタバタぶりに、我々・旧世界人はついていけません。

 でも、今回なんとか・かんとか、こなせたのは、ちょうど今、「ちんや」創業130年を記念して、「ちんや」のマーケテイングを見直していたからです。

 IMC社のI社長と、何度もミーテイングをして、「ちんや」のどこを、どうPRしていくか、さんざん議論している最中でした。コピーなども大量作って、パソコンに貯めてあったので、ナレーションも、私の「語り」の部分も簡単に造れました。パソコンに貯めてあったフレーズをコピペーするだけなので、カンタンなのです。15分もかかりませんでした。「爆笑名刺」用に、ミッション社のM社長と考えたフレーズも一部使えました。それさえやっておけば、撮影そのものは、カメラマンが料理や店内を撮る様子を、眺めているだけのことです。

 あー、チョロかった。仕事はこうでなけりゃあなあ。 ふん!(鼻息噴出音)

 と、いうわけで、5/16にお時間があって、BSイレブンを見れる方は、是非「ちんや」のCMをご覧下さい。出番は17時間の内の30秒ですから、瞬きしていると見逃します。もちろん、トイレも禁止です。よろしくお願い申し上げます。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*創業130年マーケテイングについては、このブログの3/15号をご覧下さい。

*「爆笑名刺」については、このブログの、3/23号4/23号をご覧下さい。

ヤバイすき焼き

 先日、若い友人のA君が店に見えました。A君は業界団体の青年部の、宴会の幹事で、15人ほどの同業の方と一緒に見えました。青年部の宴会らしく、元気で楽しそうな会となり、盛り上がっていることを確認した私は、皆さんがお帰りの時には、安心して、送り出しのため、店の玄関におりました。

  ところが、A君がやがて玄関へ降りてきて、言った言葉は、

「いやあ、住吉さん、ヤバかったです! 「ちんや」さんのすき焼きがこんなにヤバいとは知りませんでした!」

  ? すき焼きがヤバい?

  ここからは「カリスマ受け売り師」として有名な、住吉史彦先生による、受け売りコーナーですが、「やばい」という言葉は、「野生の梅のこと、野に咲く梅のこと、<や・ばい>」ではもちろんなくて、「危険であるの意の隠語<やば・い>」であるハズです、広辞苑によれば。

  しかし、「ヤバかったです!ヤバかったです!」と言っている、A君の表情には、そういう意味は感じとれず、どうも褒めてくれているようです。

 そうか、最近の人は、スゴく良い物を褒める意で、ヤバい、と言うんだっけ。それに違和感があるっていうことは、こっちが年を喰った、っていうことか・・・

  今度、他の店に食べに行った時は、そういう風に褒めてみるか。さしあたって、5/19に、国際観光日本レストラン協会の理事会・食事会が、中華料理の「南国酒家」さんであるから、食事が終わったら、試しにM社長に言ってみよう。

  いやあ、Mさん、ヤバかったですよ、今日の御料理! 殴られるかな?

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋,今日のお客様,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 9:36 AM  Comments (4)

真っ正直?ー牛トレ法検査

「台彪会(たいひょうかい)」で一緒に勉強している、和菓子メーカー「MN堂」のS社長が見えました。最近S社長のお姉さまが結婚され、目出度く華燭の典をあげられたのですが、その後も滞在しておられる、ご親族を浅草案内して⇒その流れで「ちんや」へ、という段取りだったようです。

  そういった機会に「ちんや」をご利用いただき、本当に有り難いことです。ご両家のご多幸を祈念申したいと思います。

 ところが! Sさんが食事されている最中に、農水省安全管理課の、「表示・規格指導官」様がご来訪。ノーアポの立ち入り査察です。

 実は、すき焼き屋・ステーキ屋・焼肉屋などの肉料理を専門にしている料理屋は、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」(=通称「牛トレサビ法」)によって、「特定料理業者」に指定されていまして、時たま、我々の仕入れ・販売の手続きが法に照らして適正か、ノーアポ査察が来るのです。

と、いうわけで五年ぶりの、お代官様の御検分です。

そこの、すき焼屋、不届きである!

へへー、恐れ入ります。

真っ正直に表示いたしておるか?

へへー、勿論でございます。

帳面は、真っ正直につけておるか?

へへー、勿論でございます。今日は何卒、お手柔らかにお願いいたします! へへー。

 やるべきことはやってますけどね、やはり、イヤだなあ、こういうのは。と疲れきっていると、Sさんファミリーが食事を終えて、お帰りです。お見送りしなくては。

 へへー、S様! じゃなかった、間違えた! どうもSさん、今日はありがとう。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法については、こちらです。

はい、ポーズ!

 今日は写真撮影がありました。すき焼きの写真ではなく、「ちんや」の宴会場の写真でもなく、私・住吉史彦の写真を撮りました。それも最高に笑える・・・ポーズで。

 このブログの3/23号に書きましたが、今、私・住吉史彦個人の名刺を新しくする計画を進めていまして、それに載せる写真を今日撮ったのです。肖像写真なら以前から無いわけではないのですが、今回はそれではダメなのです。

 今回は「メッセージ性を前面に打ち出した、名刺を作ろう」ということなのです。つまり、自分がどういう仕事をしたい人間なのか、どういう店をやりたい人間なのか、名刺の上にキョーレツに、表現していこう、と考えています。ですから、普通の肖像写真では不足なのです。

 なるべく、インパクトのある格好・インパクトのあるポーズにしよう、と㈱ミッションのM社長と何度も(!)打ち合わせしてきました。小道具もM社長が、あれやこれやと奔走して、たくさん取り揃えてくれました。

 そして写真と文をあわせた、全体の表現方法については、パロデイー仕立てにしようと考えています。ご存じの方はご存じと思いますが、私は大真面目なことを、正面きって宣言するのが、恥ずかしくて仕方ない性格なので、ストレートに書くのでなく、可笑しいものにしよう、と考えています。

 でも、ちょっとノリすぎて、「可笑しい」を通り越して、爆笑級のものができてしまいそうです。

 その結果、今日は生まれてきてから、3番目くらいに恥ずかしい思いをしました。―あの格好で、あのポーズで、あんな人通りの多い場所で、撮るとは。

 カメラのSさんも、「この企画はあまりに笑えますね」「こんなアホらしい仕事させてもらって最高っす!」とノって下さり、丁寧に何カットも撮って下さいました。

 丁寧は良いのだけど、恥ずかしいから、はやく撮り終わってくれないかなあ。 あ! マズいぞ、和菓子の老舗「西むら」の女将さんが接近して来た! チョッと逃げ出していいですか?

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

靴の 松・竹・梅

 このブログの3/11号に書いた、末光宏さんを講師に迎え、勉強会を「ちんや」で開催しました。もちろん、靴についての話しです。「ちんや」従業員向けの、勉強会ですが、貴重な話しなので、浅草の飲食店の人達にも「良かったら是非聞きに来て下さい」と声をかけましたら、桜鍋「中江」のN社長、「ときわ食堂」のM君、「駒形どぜう」のW君、料亭「きよし」(墨田区向嶋)のA子女史、それから飲食店ではないですが、地元の書家のS女史も参加してくれました。

 この講演会の趣旨を、重複になりますが、もう1回書いておきますと、実は「ちんや」では「ちょっと嬉しい褒め言葉作戦」を実行したいと思っています。お客様の、お靴・お着物・お洋服・お持ち物を従業員にどんどん褒めさせます。基本的にいつも褒めることにしたいと思っています。

 それは褒めない方がむしろ不自然だからです。お客様の立場になってみれば、せっかく靴や洋服を整えて「ちんや」を訪問したのに、誰も褒めてくれなかったら、がっかりしますよね。外食に出かける、ということは、お客様にとっては、そういう手間がかかるわけですから、こちらは是非とも反応してさしあげないといけません。

  褒めて差し上げれば、お客様のご機嫌が良くなって、接客が格段にやりやすくなりますから、お客様も店も双方がハッピーです。そして、さらに、その「モノ」を造った、造り手の人もハッピーになります。

  もちろん、やたらめったら何でも褒めるのはカッコが悪いですから、モノの良し悪しを少しは知った上で褒めたい所です。そこで造り手の人に「ちんや」に来てもらって、従業員向けに、靴を褒める場合のポイントを教えてもらおうと企画しました。

 それが今回の、講演「30分でわかる靴の 松・竹・梅」です。

  カリスマ靴職人の末光さんは、手だけでなく、結構御口も滑らかで、「絶対おススメのメーカー」「ピンキリのあるメーカー」も教えてくれました。講演の後は、末光さんを囲んで参加者で懇親すき焼き。1時間で終わる予定でしたが、靴談義で夜が更けました。

  今後飲み会がある時は、今日仕入れた薀蓄をガンガン受け売りして、得意がってやるぞ。ひひひひ。これだから、カリスマ受け売り師はやめられない。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。