ブラタモリ

 NHKのTV番組「ブラタモリ」の撮影が、弊店でありました。私も出演させていただき、タモリさんと問答するところを撮っていただきました。

 ただし、今回のテーマは残念ながら、すき焼きではなく、狆(ちん)。

 美術史にお詳しい、今橋理子先生とタモリさんが、狆の絵を見ながら対談する場所として弊店の個室を、お貸しした次第です。撮影の都合で、すき焼きを召し上がっていただく時間が無かったのは、残念でした。いつかあらためてご来店いただければ、と思います。

 実は、このような狆関係のご取材が、たまにありますが、私が狆にゼンゼン詳しくなく、飼ってもいないので、ご担当の方は皆さんガッカリされるようです。今回も、そうでしたが、狆対談の場所貸しということで、使っていだきました。

 すき焼きを召し上がっていただけなかったのは残念でしたが、屋号の宣伝はさせて下さいました。NHKさんは、もちろん、営利企業の屋号の放送がNGですが、タモリさんとの問答の内容が「ちんや」の屋号の由来の説明ですので、「狆屋」と言わないと、その問答が成り立ちません。

 営利企業の屋号であるにもかかわらず、暖簾や半纏を撮っていただいてしまい、ラッキーなことでした。

 でも、私は本当は・・・「空耳アワー」に出たかったんですけどね。

 オンエアは10月です。お楽しみに。

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③

 川柳で日本の食卓に笑顔を!

「すき焼き川柳onツイッター」コンクール、略して「すきせん」の、投句受付をしています。

 応募要領は、こちらです⇒http://www.sukiomo.com/

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて522連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

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東北の、三田の酒

 7/11のTV番組「SMAP×SMAP」の中で、レデイ―・ガガ様がすき焼きを召し上がりました。その動画はこちら(youtube)です。

 すき焼き鍋なのですが、何故か、鶏の「つくね」が入っていて、それについてガガ様は、「私はミート・ボールは好きよ!イタリア人だから」

とおっしゃっています。

へー、イタリア人が「つくね」を好きとは!さて・・・

 その、すき焼きシーンが放送されていた頃、「ちんや」では「料飲三田会」の例会がありました。

 料飲三田会というのは、慶応大学を出て料理屋を経営している人たちのグループで、60人ほどの、こじんまりとした会ですが、会員の顔ぶれはこじんまりとしておらず、東京でも良く知られた店をやっておられる先輩方がズラリと並んでおいでです。

 さて、その宴会の前には短い時間ですが、レクチャーがあります。今回は松本栄文先生。こちらの先生は・・

・・日本料理「花冠」総料理長。東京農業大学研究員。同大千穎会会長。財団法人清櫻堂書院理事長。財団法人小原流家元教授・・

・・「フードコンセプター」として全国各地の地場農産物加工の開発活動に指導。2006年6月に「日本料理BAR花冠」料理長に。2008年4月に(株)MATSUMOTOを設立し、「日本料理花冠」総料理長として独立・・

・・日本各地の調理師・栄養士養成施設で「食品学」を通じた食の専門家育成に尽力する他、食の教養アカデミーFood Maestro主宰・・

と若い方ですが、大したもので、お話しの内容も、米と日本人の歴史とか、世界一の日本人の味覚、とか有益な話しだった・・・の・・・ですが、私は自分の店の段取りと、会の会計の用事で忙しく、あまり集中して聞けませんでした、スミマセン。

 どうも両方はやはりハードでした。先生のお話しは、いつか機会を見つけて、またうかがおうと思っています。

 で、その後は宴会。

 今回は、「東北の肉と東北の酒」というテーマでしたので、肉は青森県産、御酒は東北の、しかも慶応大学の卒業生が蔵元をされている所のものにしました。

 福島県「末廣」

 宮城県「浦霞」

 山形県「大山」

どれも素晴らしい御酒でした。

 またニッカ・ウイスキーの「宮城峡」も結構でした。

 なんだ、店の段取りと会の会計の両方はハードだったって言うわりには、ちゃんと飲んでたんじゃないかって?

 いや、そんなことないですよ。うーい、ひっく。

追伸①

 「仙台牛」の販売をしています。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

 7/18に「第三回すき焼き通検定」を実施します。合格すると特典満載ですよ!

検定の詳細はこちらです。 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて501日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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カワイさんの福神漬け

 5/21に開催しました、

「青森・岩手・宮城・福島・茨城五県蔵元連合試飲会@浅草in三社祭が開催できない、その日に開催!」の様子を撮影した動画を「YouTube」で公開しましたところ、200人以上の方にご覧になっていただけました。感謝です。

 まだ見てない!という方はこちらです。 さて、

 「すきや連」の、カワイさんが見えました。

 カワイさんは、素人すき焼き愛好家であって、向笠千恵子先生の「すき焼き通」(平凡社新書)の第9章に実名で登場する方で、「すきや連」にも毎回参加して下さる方です。

 カワイさんは、21年7月の第3回「すきや連」(浅草今半さんで開催)の時に、「専門店のすき焼き屋さんで、季節の「旬のすき焼き」メニューで、思いっきり季節を感じながら食べられても良いのではと思います。」と提案されました。

 これをキッカケに、21年の秋に「ちんや」で始めた新メニューが「変わりザク」です。つまり、カワイさんは「変わりザク」を提案していただいた方なのです。

 そのカワイさんが、何の用で見えたかと申しますと、自作の福神漬けを持って来て下さったのです。カワイさんの、もう一つの趣味は、福神漬けを自作することで、漬けるのに使う、

醤油は、大久保醤油(松本市)

酢は、千鳥酢(京都市)

酒は、橘倉酒造(佐久市)

味醂は、九重味醂(碧南市)

と一流ばかり。スゴいです。また材料7種も、勿論、こだわりぬいたものです。

 さらにパッケージまで自作です。そこには本業(=カメラマン)の画像処理のノウハウが使われています。

 いやあ、また酒呑んじゃうなあ。

 なお、今月末に開催予定の、第9回「すきや連」ですが、受付3日目で早くも定員を突破しましたので、定員10人の別室を確保しました。席が分かれても良い方は、そちらで受け入れします。

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

 7/18に「第三回すき焼き通検定」を実施します。合格すると特典満載ですよ!

検定の詳細はこちらです。 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて489連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか

 『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』(新潮新書)を読みました。

 怪獣世代の私としては、大変気になっていた本なのですが、「その内に読もう」と思っている内に、著者の黒川伊保子先生ご本人が弊店に見えてしまいました。台東区アートアドバイザー会議でご一緒する、ヴイオラ・アルタの平野真敏さんが以前から懇意だったとかで、一緒に見えました。

 去年の7月、私はその平野真敏さんのコンサートの中で、座興のお話しをしたのですが、なんと黒川先生は、そのコンサートに見えていて、私の話しを聞いておられたそうです。

 イヤ、お恥ずかしい。「面白かった」とか言っていただき恐縮なことでした。(私の話しの全文はこちらです。)

 さて「ガギグゲゴ」に話しを戻しますが、この御本は怪獣のマニア本ではありません。脳に「心地よい」言葉の音を研究して割り出した、その成果を活かして書かれています。 

 黒川先生は「感性分析」の第一人者で、最初はコンピュータメーカーでAI(人工知能)開発・脳と言葉の研究を始められたそうです。やがて語感の正体が「ことばの発音の身体感覚」であることを発見。AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である『サブリミナル・インプレッション導出法』なるものを開発された、そういうスゴい方です。

 さらに、この手法をマーケティングの世界に活かして、新境地も開拓されました。商品名の語感を明らかにし、その語感がターゲット市場(=想定した買い手)にとって心地よい音かどうか、を数値的に評価できるようにしたのだそうです。

 おおお、ですね。

 脳は性別・年代別で、驚くほど違うのだそうで、子供相手の商品なら、子供が心地良いと感じる語感の商品名でないと×なのだそうです。

 ほー。

 「ちんや」という屋号は、その筋で行くとどうなるのか。

 それはまだ聞いてません・・・どうせ変えられないし。

 ともあれ、こうした研究をベースに開始された、商品名の「語感分析サービス」は、新しいマーケティング手法として、脚光を浴びている!とか。

 『怪獣の名』についての考察もこの筋です。怪獣は男の子相手だから、ガギグゲゴなのです。

 怪獣以外に、車の名前にCが多い理由も書いてあります。面白くて、応用もできそうな御本でした。

 さらに!先生のネタは広く、脳研究の視点から、男女の脳の、哀しいすれ違いを書いたエッセイがウケて、雑誌ananやSPA!などの恋愛特集のコメンテイターもしておられます。その記事を思わず読んでしまった方も多いと思います。

 そうそう、夫婦関係のことで悩んでいる人の相談にも乗れるとか・・・

 私は、それは関係無いですけどね・・・

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

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描き主探し

 以前このブログで「描き主探し」の掲示をしたのを覚えておいででしょうか。

 昨年の3月に、ある方が予約無しで見えて食事をしていかれました。その時は普通に食事を済ませて帰られたのですが、しばらくして、その日召し上がった料理や器、活け花、調度品などを、葉書サイズの絵に仕上げて持って来られました。

 それを拝見して、当然御礼を申し上げようと思ったのですが、玄関にいた者に「あの時の絵が出来たので持ってきました!」とだけ言って絵を渡されて、中にお入りにならず、御芳名も名のらずに、すぐに帰られてしまったそうなのです。

 応対した者も、こういうケースは初めてで驚き、ただ「ありがとうございます」と言っている内に、御芳名を聞きそびれてしまったようです。最初の食事の時、予約無しで見えていたので、連絡先がまったくわかりません。

 その後、絵は小さい額に入れて、玄関ロビーに置いておくことにしました。ご本人が再度見えて、その絵を見つけ、

「あ!これは自分の描いた絵だ!」とお申し出下されば、御礼ができると思ったからです。

 それから1年以上がたった、この前の日曜日に、その方がご家族と一緒に「父の日」で見えました。そして嬉しいことに、玄関ロビーに置いてあった、ご自分の絵に気がついて下さいました。

 聞けば、いろいろな料理屋を訪ねるたびに、絵に仕上げて、年に一回個展を開くのが、御趣味とか。

 なんて良い御趣味なんでしょう。

 南雄三さんとおっしゃって、個人のホームページを公開しておいでですので、ご覧下さい。

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも、仙台牛を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。

 データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

  「青森・岩手・宮城・福島・茨城五県蔵元連合試飲会@浅草in三社祭が開催できない、その日に開催!」の、当日撮影した動画を、こちら(YouTube)にUPしましたので、是非ご覧下さい。 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて479連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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オヤジナカセ

 「オヤジナカセ」の方が見えました。

 「オヤジナカセ」というのは御酒の名前です。茨城県石岡市の老舗・白菊酒造さんが、兵庫県の名古屋義和さんという方が生産した酒米「山田錦」を使って造った御酒の名前です。

 名古屋義和さんの息子さんである敦さんは、今は東京に住んでいらして、ウェブ関係のお仕事をされていますが、そのかたわら「実家の農業PRのために都会でできることをしよう」と活動しているグループ「セガレ」の中心メンバーでもあります。

 その敦さんと、白菊酒造の若旦那との出会いから、この御酒は、2010年4月誕生しました。

 この出会いより前、お父上の酒米は農協へ出荷されていたので、お父上は自分のお米が最終的に、どこでどういう酒になっているのか、あまり詳しくご存じなかったそうです。でも今は違います。ご子息の活動により、こんなステキな御酒になっています。

 そういう経緯ですので、ネーミングも、言うまでもなく親子のコミュニケーションと親孝行を願ってのネーミングでして、ラベルには親子で酒を酌み交わす様子がデザインされています。
 この御酒は、いわゆる企画商品のカテゴリーに入るものではありますが、生産者と酒造家がシッカリ連携していて、品質も確かなものです。それに「セガレグループ」の活動の中から誕生したところが、そこら辺の企画商品と違います。

 「父の日がもうすぐ来るし、たまには親孝行をしなきゃあ。オヤジに「ちんや」ですき焼きを食べさせるか!」と思っておいでの方にも、この御酒をおすすめしたいと思います。

 弊店で「父の日」に間にあうよう、発売する予定ですので、是非、ご注文下さい。

 「父の日」に「オヤジナカセ」を!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて458連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*「オヤジナカセ」について、詳しい情報はこちらです。

生なり糖すき焼きの会

 「生なり糖すき焼きの会」が、5/24弊店で開かれました。

 「生なり糖」というのは、実は商標です。(株)沖縄さとうきび機能研究所という、ベンチャービジネスの会社が、独自の技術を使って沖縄・粟国島で生産しているお砂糖です。高村善雄さんという方が大手企業の部長職を投げ打って、ライフワークとして興した会社です。

 生産の際、さとうきびの芯の部分だけを、特殊な搾り方で搾り、またフィルターも特殊なものを使って、有用な成分を取り出しているそうです。見た目は和三盆糖のような薄茶色で、コクがあり、そして少し酸味があります。

 機能性が優れていて、まず香味成分のキシロースやグルコースが、肉のアミノ酸と反応したとき、高い香りを出します。また脂に対する抗酸化作用が強くて、さらにミネラルバランスもよいために胃もたれがしないのが特徴です。いいことづくめ、とも言えます。
 今回の会は、高村さんが生産プラントを、やはり沖縄の伊江島に移して、増産体制を築くことになったことから、そのお祝いという趣旨で、高村さんへの出資者や技術的なアドバイザー、友人、そして食い物好きが集まりました。

 私や「すきや連旗振り役」の向笠千恵子先生は、最後の「食い物好き」のカテゴリーで参加しました。

 ただ、今回私は単に愉快に食っているだけ、というわけには行きませんでした。生なり糖を使って、すき焼きの割り下を作らないといけなかったからです。

 普段と同じ割りで作るつもりが、やってみるとダメで、普段よりかなりの程度、糖を増やして作りました。その割りで、普段と同程度の甘味なのです。

 生なり糖には、甘味以外の味を出す成分、特に酸味を感じさせる成分が入っているので、同じ割りでは、甘味が足りない感じがしてしまうようです。含有率としては、2%とか、その程度なのですが、人間の舌の能力は強力で、その位の割合の物質でも、味として感じます。結局普段よりかなりの程度、糖を増やす結果になりました。

  この割り下だけをなめると、結構な酸味を感じます。(そのかわり醤油っぽいツンツン感は普段より小さいです。)

 ただ肉を入れて加熱して食べると、普段と大きく違う感じがしないのが不思議です。加熱中に、成分が熱で壊れたからか、肉の成分と反応したのだと思います。肉とのバランスは悪くないと思いました。

 しかし!

 課題がありました。

というか、どうも、良くなかったね、ということがありまして、それは・・・

①肉以外の具が甘過ぎてしまう。

②煮詰まると、やはり甘過ぎてしまう。

・・・結果、上出来というわけには、行きませんでした。

 この砂糖で、塩梅の良い割り下を作るのは、結構難しいことが、わかりました。

 でも昔の砂糖は、今ちんやが普段使っている精製糖ではなかったわけで、今後の方向性としては、「生なり糖」のような糖も研究していかないといけません。

 ちょいと時間がかかりそうです。続く。

 

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第二回すき焼き通検定

 ここには五県蔵元連合試飲会@浅草のことばかりを書いて来ましたが、

 第二回「すき焼き通検定」もシッカリと実施しました。この事業は一過性でなく、継続的にやろうと思っているからです。

 「すき焼き通検定」は今年の1月に第一回を実施、第二回は3/13に実施予定だったのですが、3/13は地震の2日後で、原発が爆発したりしていたので、やむなく中止しました。それで今回が第二回なのです。

 では、合格者のご芳名を発表します!

 大久保昭さま

 佐藤泰啓さま

 干田英晶さま

 蒲生芳雲さま

 大滝明広さま

 大滝実加さま

 二之宮孝さま

 大西弘昭さま

 全員が満点で合格でした。

 今回嬉しかったのは、仙台からの受験者の方がいらしたことです。その方は、3/13にも受験予定だったのですが、震災を経て、今回再度申し込まれて、見事合格されました。

 3月の時、中止をお知らせする、メールが開封されたので、ご無事であることはわかっていたのですが、新幹線が開通して間もない東京へご上京いただいて、本当に有り難いことです。

 また「地元の祭が中止になったので受験した」という。チョッと変わった理由の方も。

 この方は毎年この時期は、祭に情熱を燃やす時期で、当然スケジュールを空けてあったところへ、地震が来て、ヒマが出来てしまったので、受験勉強をした、ということでした。こんな所にも、地震の影響があるとは、妙な気分です。

 ともあれ、皆さん、お見事でした。

 皆さんお一人ずつ、私が直に認定証をお渡しいたしました。お着物を召して来られた方もいて、勿論、私も一緒に記念写真に収まりました。

 パチり。オメデトウございました!

 7月にも第三回を実施予定です。

追伸①

 浅草料理飲食業組合が主催する、5/21五県蔵元連合試飲会@浅草の記事が、5/14の毎日新聞の夕刊に出ました。組合長が大きく写っています。

 この記事はこちらでもご覧いただけます。

追伸②

 5/11に私がTV番組「ヒルナンデス」に出たようです。でも放送時間を事前に知らされなかったので、録画し損ねました。とっていた方がいらしたら、お知らせいたただけると、有り難いです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて442連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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震災後の東京人

 GW連休後半の浅草は、久しぶりの賑わいを見せています。

 で、今年の特徴が1点。標準語の人=東京人が多いですね、今年は。例年GW連休に東京人は海外や温泉に出かけますから、浅草には方言を話す方が多いです。しかし今年は違いました。

 JTBさんのアンケートなどでも「日帰りできる、近場で過ごす」という回答の方が多かったので、予想はしていましたが、ここまでの人出があるとは予想以上でした。

 有り難い反面、今この瞬間もお客様が少なくて辛い思いをされている、地方の旅館の方・ホテルの方がおいでと思うと心苦しいです。

 ところで、つかぬ事をうかがいますが、

 浅草は東京ですか。浅草は江戸ですか。

⇒はい、正解を申し上げます。

① 浅草は東京です。最初から東京です。明治新政府が江戸という呼び名を廃止して東京と命名した時から、浅草は東京の一部でした。

②では浅草が最初から江戸だったかと言うと、違います。太田道灌が日比谷に城を築き始めた時、その場所と浅草の間には、湿地帯があって市街地が続いていたわけではありません。途中、寂しい辺りを通らないと浅草へは行けませんでした。

 そもそも浅草は江戸城とは成り立ちが違うのです。

 浅草の成り立ちはハッキリしませんが、奈良時代に集落があったのは確実らしく、もちろん太田道灌より遥か昔のことです。太古の昔は浅草辺りが、隅田川が海に注ぐ河口で、浅草は周囲より少し小高かったので、港が出来ていたようです。その港の近くに浅草寺が建立されたわけです。

 そうです、浅草はそもそも港町だったのです。ご存じでしたか?!

 さて徳川家康が江戸にやってきた時も、まだ江戸と浅草は完全には連続していませんでした。

 江戸が浅草を吸収する直接のキッカケは、米蔵の建設です。武士の給料は米でしたから、米蔵が必要です。そこで江戸幕府は1620年(元和6年)に、現在の蔵前や駒形辺りに「浅草米蔵」の建設を始めました。蔵前や駒形というのは、浅草のすぐ南方です。これをキッカケに江戸と浅草の間の往来が激しくなり、街道ぞいが市街地化したと考えられています。

 その後のことですが、浅草の街の性格を決定的にしたのは、吉原と歌舞伎の移転です。

 まず1657年(明暦3年)に日本橋葺屋町(現在の中央区)にあった遊廓・吉原が浅草北方の千束に移されました。しばらくして1842年(天保13年)に、その吉原の手前の浅草7丁目に「中村座」「市村座」「河原崎座」の江戸歌舞伎三座が移転してきました。

 現在皆さんがイメージしている、浅草=江戸の盛り場という状況が完璧に成立したのは、この頃と言って良いと思います。

 当事の奉公人は、泊りがけで奉公先を休むことを、めったに許されませんでしたから、日帰りで行ける楽しい所=浅草へ出かけるのが御約束でした。浅草が賑わったのは、浅草が江戸からすぐ近くで、しかし、いっとき江戸の奉公先のことを忘れられる、そういう土地柄だったからです。

 そして、それから350年。震災後の江戸っ子あらため東京人は、余震や原発が心配だからと泊りがけで奉公先を留守にすることを諦めたようです。だから日帰りで行ける、楽しい所=浅草へ出かけて見えたのでしょう。

 有り難い反面、今、この瞬間もお客様が少なくて辛い思いをされている方がおいでです。その方々が失業すれば、やがて日本経済全体が沈むこと、間違いありません。

 浅草人は、今の景況が自分の実力などと決して思ってはならず、もし儲けが出たのなら、懐に貯めてはいけません。

 5/3にこのブログで紹介した、二本松市の檜物屋酒造店さんからの、メッセージを再度掲載します。

「有り難うございます。皆様方の心からの応援に深く感謝申し上げます。東北福島の素晴らしい自然の恵みから育まれた、おいしいお酒を皆様にお届けします。私達は頑張ります。日本は一つ、東北は一つ、福島は一つ。絶対に負けません。」

 日本は一つ、と浅草からも申し上げたいと思います。

追伸①

 「青森・岩手・宮城・福島・茨城五県蔵元連合試飲会@浅草in三社祭が開催できない、その日に開催!」の、蔵元さんからの出品の申込締切日は5/2でしたが、一部から延長要請がありましたので、5/6までのばしました。よろしくお願いします。

追伸②

 仙台牛メニュー提供しています。普段より高い値段で、お買い求めいただき、利益を被災地の畜産関連団体に贈ります。弊社も利益の一部を供出いたします。

 その仙台牛ニューに、寄席文字の橘右之吉師匠(@unokichit)の「がんばろう日本」千社札シールを貼り付けたら、売れ行きが格段に上がっています。さすが伝統の文字。

 在庫が少なくなってきましたので、早めにご来店を。

 なお牛は、宮城県登米市・千葉正憲牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号=03686-13232。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて431連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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毎月のハンバーグ

 東京商工会議所台東支部青年部の総会が、過日弊店で開かれました。

 総会自体は例年お引き受けしていて、特段変わったことはありませんでした。多少変わったと言えば、スピーチをする方が、どうしても震災のことを話すので、その分話しが長かったことです。

 震災のことは、皆さん、耳タコと思いますが・・・・

と、話しを切り出しつつ、どうしても触れずにいられないことでも、今回のダメージの大きさがわかります。なかなか懇親会へ進まないので、私は少しイラつきながら、皆さんの話しを聞いておりました。ゴメンナサイ。

 さて、そんな中でも嬉しい話しが一つ。

 木材関係の会社を経営されている、Sさんが、

 毎月「ちんや」さんの売店で、ハンバーグを買ってるんですよ!

とおっしゃって下さいました。

 有り難うございます。でも、毎月ってなんですか。「ご家族で毎月○日はハンバーグの日」とか決めておられるんですか?

 いえいえ、そうじゃなくて、毎月、その月に誕生日を迎える、会社のスタッフに渡しているんです。菓子だとつき並みだし、他の人からも貰っているかもしれないし・・・

 ほほお。福利厚生の新しいパターンですね。元気をつけて働いてもらうには、肉が良いこと、間違いありません。

 肉を買う、という行為の裏に、人それぞれの、いろいろな思いがあるんですね。

 普通、買い物に見えた方に、どうして今買い物に来たか、なんて聞きません。でも、そこを知ることができたら、こちらもどんなに力が湧いて有り難い気持ちになれるかわかりません。

 何か、知る方法がないか、考えてみたくなりました。

 旅館のサイン帳のようなもの。肉屋にあってもおかしくないですね。

追伸

 仙台牛メニュー提供しています。普段より高い値段で、お買い求めいただき、利益を被災地の畜産関連団体に贈ります。弊社も利益の一部を供出いたします。

 その仙台牛ニューに、寄席文字の橘右之吉師匠(@unokichit)の「がんばろう日本」千社札シールを貼り付けたら、売れ行きが格段に上がっています。さすが伝統の文字。

 在庫が少なくなってきましたので、早めにご来店を。

 なお牛は、宮城県登米市・千葉正憲牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号=03686-13232。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて420連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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