サバ缶

フード・ファディズム (food faddism) とは、

「食べものや栄養が健康と病気に与える影響を過大に信じること」

「科学が立証した事実に関係なく何らかの食べものや栄養が与える影響を過大評価すること」「科学が立証したことよりもその影響を信じ固執していること」

ですね。この単語を、もうご存知の方も多いと思います。

さて、久しぶりに登場した、フード・ファディズムのスターは、

サバ缶。

今売れまくって、品薄状態が続いているのだそうです。

サバ缶が売れまくる原因になったとされる番組は、

7月30日放送の朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』の特集「やせるホルモンで病の元凶【肥満】を解消SP」。

まず、スリムな人が多いという山形県村山市の食生活を紹介し、

「スーパーで買い物をする人の特徴はサバ缶を買うことであり、サバ缶を使った料理を市民はたくさん食べている」

で、スタジオに登場した肥満治療の第一人者、小田原雅人東京医科大学主任教授は、

「どんな人の身体の中にもあるホルモン「GLP―1」がその鍵になる」

「GLP―1」は必要以上の食べ過ぎを抑えて、糖分が腸で緩やかに吸収される働きを持つ「やせるホルモン」であり、小腸を刺激する食べ物を摂ることによって分泌が促進する」

「その食べ物とは、食物繊維と、サバ缶だ」

さらに、この番組は、

「やせる努力をしなくてもやせられる物質が存在する」などと煽っていたそうで、それでダイエットに興味のある人たちが飛びついてしまったようです。

ネットでも、サバ缶の品切れについて話題沸騰のようです。

以前に「納豆ダイエット」で納豆を品切れにした番組『あるある大事典』は、データや大学教授のコメントなどを捏造していたことが発覚して、打ち切りになりましたよね。今回は大丈夫なんでしょうか。

いやはや。

どこかの局で、

「すき焼きを食べればやせる努力をしなくてもやせられる」

と言ってくれないかなあ。

そういう番組ならスポンサーに成りますよ。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は361人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.257日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

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一人で居酒屋

わが義塾以外の大学のことは、あまり褒めたくない、というのが私の本心ですが、たまには、

Good Job!!

と思うこともあります。それは、

一橋大学・大学院社会学研究科。

学生に「自分の感覚を頼りに探した飲食店に1人で行くこと。ただし、チェーン店はダメ」

という課題を出したのだそうです。教授はマイク・モラスキー(Michael S. Molasky )さんという、米国出身の方のようです。

この課題に取り組む前に学生さん達は、居酒屋が都会人に欠かせない「居場所」になっていることを文献などで学んで、その仕上げとして、このフィールドワーク=つまり一人で居酒屋に行くこと、が位置づけられているのだそうです。

で、この指示に従って、うら若く勉強熱心な女子が一人で赤提灯の暖簾をくぐったりしているのだそうです。

当然常連オヤジの洗礼を受けて、

「自分の素性はあんまり話すもんじゃないよ」

と指導されたりしているらしいのですが、そのオヤジの推定年齢を知ってビックリ。「40代後半」で、それじゃ、私と同世代じゃないですか!

思いおこしますと、私も20歳代後半の頃「一人で飲む」「居合わせたアカの他人と話す」にチャレンジしていた時期がありました。

勿論誰かに指示されたわけではなく、自分で背伸びしていたと申しますか、意気がっていたと申しますか、そういう時期でした。

最近も勿論一人で飲むことはありますが、全く知らない場所へ行くよりは、どうしても行きつけた所ばかりに行ってしまいます。

この記事を読んで、あの頃の自分のことを懐かしく思い出しました。

GJ!一橋。

流石はCaptains of Industry

チェーン店ばかりの、今時の世の中が気に入らない!という先生が、この名門大学においでだということが嬉しいですね。

それにしても「居酒屋が都会人に欠かせない「居場所」になっていることを文献で学ぶ」って、どういう文献なんだろう・・・

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

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時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

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ミーハーな県民性

「ビールをよく飲む都道府県ランキング」というのがネットにUPされていました。

最近こういうネタが多いですねえ。でも、思わずクリックしてしまいます。

で、結果ですが、

1位は「東京」45.2リットル(1週間にビールジョッキ2杯弱飲む計算)

2位「大阪」32.4リットル

3位「京都」30.0リットル

大都市での消費が目立ちますね。

東京人が京都人の1.5倍ものビールを飲むとは考えにくく、要するには、勤務先の近所で飲んでいる実態が結果に顕れただけでしょう。

逆に消費量が少ないのは、

47位「奈良」17.8リットル

46位「鹿児島」18.2リットル

45位「埼玉」18.8リットル

結局、奈良も埼玉も大都市のベッドタウンですからね、サラリーマンは東京や大阪で飲んでしまい、自宅近辺ではあまり飲まないのでしょう。

ところが、です、この調査をした「ぐるなび」社は、奈良県について、

「奈良は新し物好きでミーハーな県民性であるがゆえに、飲み飽きたビールよりもフルーツカクテルやスパークリングワインなど流行のお酒を好むようだ。」

と分析しています。

そんなユルい理由を公然とネットにUPして大丈夫なんですかね、「ぐるなび」さん。

それにしても、鹿児島県は目立ちます。

焼酎が本当に好きで、飲むなら「ビールよりも焼酎」という気分なんですね。ミーハーでなくて実に結構です。

さて話しは戻りますが、ミーハー呼ばわりされた奈良の皆さん、どうにかして「ぐるなび」さんに一泡吹かせませんか。

何か、考えましょうよ。

洋酒を禁酒にする条例を定めるとか・・・

追伸①

「ぴあMOOK 旨い肉 2014 首都圏版」

~感涙必須の旨い肉200軒 に「レストランちんや亭」の、ハンバーグとサイコロステーキを載せていただきました。

ご購入は、こちらです。

追伸②

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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.236日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

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品種登録

日本固有のブドウ品種「マスカット・ベーリーA」が、ワイン用のブドウとして品種登録が認められたそうです。

認めたのは、パリに在る「国際ブドウ・ワイン機構」で、これによりワインのラベルに品種名を掲げて、欧州に輸出・販売できるようになったのだそうです。

って言うか、今までは出来なかったんですねえ、知りませんでした。

日本のワインの技術は、既に結構なレベルに達していて、フランスのレストランに置かれたりしています。

「ちんや」でも甲州の「大和葡萄酒」さんのワインを売っていますが、その赤ワインの品種は「メルロー」という、欧州源さんイヤ欧州原産のワイン好適種です。「ベーリーA」ではありません。

これまで品種登録という意味では、白ワインの方が先行してきました。

白ワイン用の「甲州」という品種が2010年に既に登録されているのです。

「甲州」も日本固有の種ですが、日本原産なのに何故か欧州のブドウとDNA的に近いとかで、以前から良いワインが獲れていました。「ちんや」で売っている「大和葡萄酒」さんの白ワインも品種は「甲州」です。

独特の風味があって、好き・嫌いが出ますが、私はなかなか結構と思っています。

さて、その「甲州」に続いた「マスカット・ベーリーA」ですが、結構歴史は古く、1927年に米国種「ベーリー」と欧州種「マスカット・ハンブルグ」を、日本で掛け合わせて作られた品種だそうです。

「マスカット」という名が入っていることから分かる通り、従来はワイン用ではなくて、食用ブドウと考えられていましたが、醸造の仕方によっては良いワインに成ることが、今回認められたようです。結構なことです。

これまで「ベリーA」と呼んできましたが、正式には「べー」が延びるんですね。なんか間延びしますが、登録されたからには、今後そう言わないといけないようです。

ところで、「国際ブドウ・ワイン機構」なる機関のことですが、「国際」と名乗っているのに、実はフランスの政府機関です。

野蛮人は勝手にワインを造ってはならん、

というフランス人の意志を感じますねえ。

日本酒の組合さんも、対抗して「太陽系Sake監督省」とか創ってみてはどうでしょうか。

タイ米の日本酒とか、あんまり飲みたくないですからね。

追伸①

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現在の笑顔数は353人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.234日連続更新を達成しました。

1・2・3・4で嬉しいです。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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トルコライス

疲弊する地方経済の救世主として「ご当地B級グルメ」が期待されていることは、私も知っています。

だから基本的には頑張っていただきたいと私も思いますが、中身はA級であって欲しいと願います。B級なのは値段だけにしていただきたいです。

さて、そんな「B級」の中で今回恥をかいたのは、

長崎市の「トルコライス」。

豚カツ、ピラフ、スパゲティを一皿に盛り付けた料理で、「大人のお子さまランチ」と呼ばれて全国的にも知名度が上がっている、とか。

その関係者が、「母国」トルコの料理人と友好関係を作るべく親善訪問したところ、友好関係自体はOKだったものの、「トルコライス」については、

「トルコ料理には無い様式」と指摘されてしまったそうです。

トホホですね。

「トルコ料理人・シェフ連盟」の代表が言うには、

・トルコには豚カツはない、さらに、

・炭水化物が同じ皿に乗ることはない

とピラフとスパゲティを一皿に盛り付けることについても違和感があると言われてしまった模様です。

そもそも、トルコライスは1950年代に長崎で誕生したとされているそうですが、最初からトルコ料理と関係が有るのやら、無いのやら判然としません。無いんでしょう、多分。

しかし長崎市は、このネタに賭けている模様です。

市では、1890年9月16日に起きたオスマン・トルコ帝国の軍艦「エルトゥールル」号の遭難事件にちなんで9月16日を「トルコライスの日」、9月を「トルコライス推進月間」と定めてPRしているそうです。

そ、遭難事件の日=ライスの日ですかあ・・・

食べ物のことなんか、いい加減でOK!という本心が透けて見えますな。

長崎には、素晴らしい食べ物がたくさん在るのに、酔狂なことを始めたもんです。

だいたい、ですよ、「エルトゥールル」が皇帝アブデュルハミト2世から明治天皇への親書を奉呈した帰途、台風に遭って沈没したのは、和歌山沖です。

和歌山の人達は、遭難トルコ人に親切にしただけでなく、その地に石碑を築いて、長らくトルコとの関係を保ってきました。トルコの大統領が石碑に詣でたこともあるそうです。

そんな和歌山の人達は、長崎人のチョッカイをどう思うのでしょうか。

日本人に親切にして貰ったお返しに、和歌山の地にトルコ料理が伝わった、というのなら美談ですが、「トルコライス」は、「エルトゥールル」とは全く無関係です。

思いまするに、料理がB級なのではなく、長崎市役所の心底こそがB級です。

ですので、私は「トルコライス」は食べません。

美味くても食べません。

追伸①

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明日は、1-2-3-4日目で嬉しいです。

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本場の本物

ある朝、新聞の写真を見ていて、

あっ、向笠先生だ!

と気づきました。

キャプションにも記事本文にも先生の名前は書いてないのですが、それは新聞側の手落ちで、

「本場の本物」と大書された半纏を着こんだ、向笠千恵子先生が、なにやら外人さん相手に、食材の説明している写真が掲載されていました。

「本場の本物」というのは、農水省管轄の「食品産業センター」が全国各地の優れた地場産品を認定する事業の名前です。「すきや連」でお世話になっている向笠先生は、センターから依頼を受けて、地方の良心的に作られた食品の推薦をなさっています。

そして、さらに今回は「第19回フランス食の祭典」というイベントに、その「本場の本物」を出品するのに合わせて渡仏なさったのです。ご渡航前に、

「祭典」の会場には半纏を着て出たいのだけど、「本場の本物」に相応しいメーカーさんはないかしら?

と先生からお尋ねがありましたので、旧知の花巻市の「伊藤染工場」さんをご紹介しました。

上出来の半纏が出来たようで、その写真が新聞に載って、私も嬉しく感じました。

日本の「本物」食品はフランスでも好意的に迎えられたそうで、「世界進出への大きな手応えを感じた」というメーカーさんもあったようです。

日本国内で本物が売り切れていれば何の問題もないのですが、日本人が本物を軽視しているのが実態ですから、海外に目を向けるのは当然のことです。

実際に輸出するには、先方の規制にあわせる必要があって簡単ではないらしいのですが、こういう試みは続けてもらいたいと思います。

追伸①

「浅草法人会」さんの主催で講演会をさせていただくことになりました。

<演題>すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に

<日時>7月2日(火曜)17時受付開始⇒17時30分~19時頃まで

<場所>浅草文化観光センター5階(台東区雷門2-18-9)

<定員>60名様(早めにお申し込み下さい)

<参加資格>どなたでも(=浅草法人会会員でなくても)参加できます。

<参加費>なんと、無料。

*参加の手続きはこちらです。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

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乱食モンスター

アメリカ東岸に「うなぎ長者」が誕生している、と先日の新聞が報じていました。

ふだんはロブスターなどを獲っている漁師さんたちがそう成っているらしいのですが、その理由は、彼らに最近中国から、大量のシラスの注文が入るようになったからです。

毎晩20万円ほどのシラスの水揚げがあり、それで家を建てた人が何人もいるとか。獲れたシラスを運ぶ業者は襲撃されることを恐れて武装している、というからハンパな話しではありません。

で、そのシラスは結局中国で養殖され⇒加工され、蒲焼と成って日本へ輸出されます。

長者達は蒲焼を食べたことがなく、日本人の記者に「うまいのかい?」と尋ねて来るとか。

いやはや。

日本国内は勿論、アジアのシラス資源を枯渇させた上、アメリカへ向かう日本の食品産業の姿は、もはや乱食モンスターそのものです。

ウナギだけでなく、日本人はマグロでも同様のことをやってしまっていますね。

国内で資源が足りなくなれば、昔なら値が上がって⇒消費量が抑制されたでしょうが、今時はグローバリズムの世の中ですから、値段据え置きで、世界に食材を探し求めるようになっています。

しかし、ですよ。

ウナギって、そんなに安く、そんなに頻繁に食べたいものですか。

マグロって、そんなに安く、そんなに頻繁に食べたいものですか。

私は、そうは思わないんですよね。たまにおいしく食べたいんですけど。

ついでに申せば、24時間真夜中でもウナギやマグロを食べたいですか。

私は普通の食事時間に食べたいですね。

ハッキリ申して、日本人の消費の在り方って、おかしいんじゃないか、どうかしているって思います、私は。

さらにもう一つ申せば、見込みで大量生産し過ぎなんです。日本は世界でも食材の廃棄が多い国ですが、そうなってしまう理由は、食べて貰えるかどうか確実でないのに大量生産してしまうからです。

我々料理屋も、勿論見込みで食材を仕入れますが、最悪ダメにしてしまったとしても、数個とか十数個とか、せいぜい二桁の範囲内です。数百個とかはダメにしません。

対するに、中国の蒲焼工場で日本国内の需要を予測して生産する場合、廃棄を十数個に止めることができましょうか。

しかも、ですね、日本の加工食品流通業界には「3分の1ルール」と呼ばれる商慣習があるんです。メーカーや卸が小売店へ納品できるのは、賞味期限の最初の3分の1までとするルールですが、製品はそのルールの中で売らないといけません。

その後はどうするのかって?

決まってますがな。バッタ屋に回すと「メーカーのブランドイメージが崩れる」ので、廃棄するんです。

いやはや。

ウナギ・マグロと言えば日本国内では懐かしい伝統食ですが、外から見たら乱食モンスター日本人のシンボルに見えている、そう自覚して下さい。

追伸①

追伸①

「浅草法人会」さんの主催で講演会をさせていただくことになりました。

<演題>すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に

<日時>7月2日(火曜)17時受付開始⇒17時30分~19時頃まで

<場所>浅草文化観光センター5階(台東区雷門2-18-9)

<定員>60名様(早めにお申し込み下さい)

<参加資格>どなたでも(=浅草法人会会員でなくても)参加できます。

<参加費>なんと、無料。

*参加の手続きはこちらです。

追伸②

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金花糖

ある朝、新聞を開いたら、知人が大きな写真で載っていて驚きました。

その記事は、

「金花糖作り 後世に残す 菓子卸業社長、木型託され挑戦」

というものでした。

「菓子卸業社長」というのは「萬年堂」社長の鈴木真善さん。台東区の、二条彪先生の経営セミナーの受講者の集まりである「台彪会」の仲間で、普段は江戸駄菓子が中心の御商をなさっています。

記事によりますと、金花糖(きんかとう)と言いますのは、

「魚や野菜をかたどった色鮮やかな砂糖菓子で、かつては結婚式の引き出物や節句に欠かせなかった金花糖。都内では製造が途絶えていたが、台東区の菓子卸業者が「伝統の菓子を後世に伝えていきたい」と、金花糖作りに取り組んでいる。」

へええ、私はよく知りませんでした。

「鈴木さんによると、都内での金花糖の製造は、6、7年前に廃業した墨田区の菓子店を最後に途絶えてしまったという。ただ、砂糖液を流し込む100種類以上の木型など、今ではなかなか手に入らない金花糖作りの道具は、菓子店の店主と長年の取引があり、以前から金花糖作りに興味を持っていた鈴木さんに託された。」

ほお!しかし、

「卸業者の鈴木さんは菓子作りは全くの素人。本業が忙しく、しばらくの間、金花糖の道具は保管したままだった。昨年11月、「消えようとしている伝統の菓子をなくしてはいけない」と金花糖作りに本気で取り組む決心をした。」

ほお、ほお!

「しかし、道具はそろっていても作り方が分からない。砂糖を煮詰める温度や時間、空気を含ませる混ぜ加減、木型に流し込むタイミングなど、試行錯誤を繰り返してきた。「今でも失敗の方が多い」といい、まだ、一日約70個程度作るのが限界だ。」

「現在、店頭には猫の親子やフクロウなど約10種類の金花糖が並ぶ。お祝いの贈答などに使う客が購入していくという。」

「鈴木さんは『金花糖は、日本人になじみ深い、温かみのあるお菓子。若い人にも愛されるように心を込めて作りたい』と話している。」

実に素晴らしい取り組みです。

鈴木さんはFBもなさっているので、書き込みさせていただくと、

住吉さん 

素晴らしいーなんて照れるなぁー

ありがとうございます!

と返事が。

うーん、

Bravissimo!

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

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毒見

浅草にある佐渡料理店「だっちゃ」さんで、フグの卵巣の粕漬けを食べました。

フグの卵巣は、あの猛毒「テトロドトキシン」のある所ですから、非常にデンジャラスな珍味です。

その卵巣を醗酵によって可食化した、石川県の「ふぐの卵巣の糠漬け」については、以前弊ブログで一度書きました。

おさらいしますが、この漬物を造るには、フグの卵巣を2年以上にもわたって塩漬け⇒さらに糠漬けにする事で、毒素を消失させるのです。

日本の「食品衛生法」は、フグの卵巣を食用することを禁止していますが、石川県予防医学協会による毒性検査を受けることで、この漬物だけは許可されているのです。

この漬物の変形版の、酒粕に漬けるタイプのものを、佐渡の須田嘉助商店さんが作っていて、それを浅草の「だっちゃ」さんで食べられるのです。

この漬物を造っているのは、須田嘉助商店さん一軒だけだそうで、こちらは新潟県による試験を経て出荷されるとか。

これは大変な食文化です。

だいたい、こういうデンジャラスなものを食べられるようにすることこそ、人間の究極の知恵です。

そもそも人間は野生動物に比べて身体能力が劣ります。例えば素手で熊には勝てませんし、鳥のように飛べません。

だから、他の野生動物が食べないようなもの=フグの卵巣を、調理して可食化して食べているのです。

これは実に大変なことで、人間の食の本質に触れる瞬間、と書いても大げさではないと思います。

ところで「食の本質」は良いけれど、結構勇気のある男だったんだねえ って?

あ、それはですね、私はそんなに食べたくなかったんですけど、同席した浅草のふぐ屋のWTNBさんが、

これは珍しい! 食べてみたい!

とおっしゃるので、どうぞ、お先に召し上がって下さい!

と毒見をしてもらってから、私が食べたのです。ははは。

<春の臨時営業(火曜営業)のお知らせ>

春の観光シーズンをむかえ、下記の日は火曜日ですが、営業いたします。

どうぞ御利用下さいませ。

平成25年4月 2日(火)隅田公園桜まつり

平成25年4月30日(火)GW連休

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

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江戸甘味噌

TV朝日『食彩の王国』を視ていたら、1回の番組に旧知の料理屋さん二人が登場し、嬉しくなりました。

浅草の「駒形どぜう」の渡辺さんと、横浜の「太田なわのれん」の青井さんです。

この2軒の共通項は、老舗だというだけでなく、「江戸甘味噌」を使っている、という点があり、「江戸甘」がテーマの回に揃って登場されたわけです。

「江戸尼」イヤ「江戸甘」は、一説によると徳川家康が「三河の豆味噌のように赤く、京の白味噌のように甘い味噌を江戸で作れぬか」と命じたことが始まりだとかで、その真偽はさておき、なにしろ300年の歴史がある味噌です。

贅沢にも大豆の1.5倍もの米麹を使うので、甘味が濃いです。ツヤのある赤褐色が目立ちます。

その「江戸甘」を「駒形どぜう」さんは「どぜう汁」に使います。

「どぜう汁」はどぜうが丸のまま入っている味噌汁で、この汁が駒形さんのコースの〆の「御約束」です。

一方、「太田なわのれん」さんでは、「牛鍋」の鍋の中に入れます。

今ではすき焼きに味噌を入れる店は少なくなりましたが、明治時代には結構多かったようです。明治元年創業の「なわのれん」さんは、この方法を今も護っておられます。

「ちんや」はご存知の通り、割り下だけですき焼きをしますので、味噌は投入しませんが、精肉売店で、この「江戸甘」を販売しています。

この番組で初めて知りましたが、この「江戸甘」は製法が贅沢なため、戦中・戦後の物資統制の対象になってしまい、一時生産を禁止されていたそうです。その後、関係者のご努力で復活しましたが、生産量は以前ほどでないようです。業界で「幻の味噌」と言われている理由が今回わかりました。

この味噌を売らせていただく者は、貴重な歴史を売らせていただいているのだなあ、と改めて感じました。

販売努力を続けたいものです。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.122日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。