サイコ―!

3月に入り下仁田葱のシーズンが終わり、「ちんや」の「変わりザク」も新筍に切り替わる予定です。ですので、下仁田葱の取り扱いは今年はまもなく終わり、ということになりました。

生産者の小金澤ファームさんに、そのことを伝えますと丁寧にも返信が来ました。

「下仁田葱の名前は知っていても食べたことがない、という人が結構いますので、『ちんや』様で取り扱っていただいたことで、知ってもらえた(食してもらえた)人が確実に増えたことが生産者としてとても幸せに感じます。」(中略)

「冬限定の扱いにくい「下仁田葱」を取り扱っていただき、たいへんうれしく感謝しております。」

そう、すき焼き屋にとって、下仁田葱は扱いにくいのです。

葱はすき焼きには必要不可欠

⇒とにかく一年中絶対に欠品しては困る

⇒冬しか出ない下仁田は扱いにくい

という図式は崩せませんから、下仁田の生産者の方が従来の葱とシェアを争う、という発想で営業なさると、それは徒労に終わると思います。

それが「名前は知っていても食べたことがない」現実に繋がっている模様です。

ですので、ここで「食べ比べこそ食の楽しみ」ということに、すき焼き屋が気づくことが大事と思います。

食べ比べには不都合もあります。

食べ比べをさせれば、お客様が「従来の葱が最高ではなかったのかも!」ということに気づいてしまい、困ります。

しかし、お客様自身が、これだけ情報を持つようになった現在では、すき焼き屋が薦める葱だけを、お客様は黙って無批判に受け入れはしないでしょう。食べ比べをしてみたいのです。

だいたいですよ、「最高」って、何か一つに決める必要があるんですかね?

ほにゃらら牛がサイコー!とか、

なんちゃってサバがサイコ―!とか。

弊ブログを読み続けている方は、私がそういうことを全く言わないことにお気づきと思います。「ちんや」の肉がサイコー!とすら私は言いません。

色んな食べ物があって、良さがそれぞれあるのであって、それを食べる側の人の味覚もまたそれぞれ、です。

だから「サイコ―!」と言わないのです。

食べ方だって色々試して良いのです。

以前「ちんや」の精肉売店のスタッフは、お客様から、

この肉はどうやって食べるのが美味しいの?と聞かれると、

塩・胡椒だけして、牛脂を使って炒めて下さい。それが「サイコ―です!」

と答えていました。

尊大でした。そして阿呆とすら言えます。

だから「塩・胡椒だけでサイコ―!」は止めさせました。今は色んな調味料を販売して、色んな食べ方を試していただいています。

さらに申しますと、「サイコー!」を止めると売り手として、とても気が楽です。

最高と断定できるか判然としないもとを「サイコー!」と言い張る時の後ろめたさったら比類のないものです。

それでも力んで言い張れば、阿呆に見えましょう。

テレビやネットがランキングを好むのを視て、私はますますランキングが嫌いになり、止めた次第なのですが、止めて実にハッピーです。気楽です。

読者の皆さんにも、お勧めしたいですね。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.470日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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開催しました~第17回「すきや連」

第17回「すきや連」を開催しました。

今回の会場は明治2年ご創業の、京の老舗「モリタ屋」さん。今回も50人以上の、全国のすき焼き関係者が集結して大盛況でした。

まずは、参加者の皆さんが書いて下さった寄せ書きをご覧ください。

・ミラノ万博、東京オリンピックですき焼きをアピールしましょう。

(向笠千恵子)

・やっぱりスキヤキが一番でしょ!(山田保)

・「旨味全開!」(村山忠彦)

<牛の絵>(須田菁華)

・一期一会、一鍋一愛(三嶌太郎)

・すきや連の皆様いつも感謝感謝。(柴田進吉)

・すき焼き京野菜美味しいです。モリタ屋さんありがとうございます!

(柴田伸太郎)

・すきや連のおかげで京野菜を学ぶことができました。(大竹道茂)

・お肉の厚みは美味しさ深いです。甘みも優しくやっぱり京都のすき焼きおいしかったです。モリタ屋さんありがとうございます。(羽鳥裕子)

・私がすき焼き好きなのは親父ゆずりです。(黒田誠)

・すき焼きだいすき下仁田ねぎとともに食せばもっとすき(島崎進)

・うちの店熊本すき焼き加茂川創業者のルーツの京都に参りました。大変美味しくいただきました。(山下みき)

・鴨川のほとりで頂くすきやき、モリタ屋さん最高です!!(荒井順子)

・初参加のすきや連!モリタ屋さんおいしいお料理ありがとうございました。今後とも宜しくお願いします。(荒井亮一)

・川のほとりで頂くすき焼き、モリタ屋さんの心意気を味あわせていただきました。(加藤英子)

・京都の夜鴨川すき焼きありがとう。(相沢二郎)

・ざらめの香ばしい♪お肉京野菜感激しました。ごちそうさまです!

(相沢ヒロミ)

・京都のすき焼きを堪能させていただきました。ありがとうございます。

(高岡修一)

・とてもおいしくいただきました。ぜひまた参加させていただきます。ありがとうございます。(星南子)

・すき焼き最高!ありがとうございました。(西居基晴)

・昨年はお世話になりました。明治二年の創業同士頑張って行きましょう。(宮本尚樹)

・食のレジェンドSUKIYAKI世界へ羽ばたけ!本日は大変勉強になりました。(宮本美希)

・何時もありがとう!すきやきモリタ屋さん(小林甲児)

・モリタ屋さんのすきやきおいしかったです。シメのうどん最高!ありがとうございました。(小林由佳)

・この夏鴨川のゆかですき焼きを食べることを目標とします。(鳥山渉)

・迫力とやさしさ楽しめるモリタ屋さん すき焼きは幸せな時間が流れます。すき焼最高!!(高岡慎一郎)

・田中さん、吉岡さん、女将さん、すき焼は人が作って嬉しい食卓 鍋ではなやぐ鴨川の京の夜は明けません。(高岡哲郎)

・京野菜の話しききモリタ屋様のすきやき感謝(和田政司)

・鴨川の流れを見ながら頂く京都のすき焼最高です。(藤森朗)

・かもがわで育つ京野菜京都肉(近田康ニ)

・京都肉京野菜美味しかったです!黒毛和牛最高(吉澤直樹)

・鴨川をながめつつ食すすき焼最高です!(吉澤裕介)

・京都肉美味でございました。吉澤教授よりお肉の話しいろいろ聞けて楽しいすき焼きタイムを過ごせました。ごちそうさま。(清水祐子)

・あの人の言葉思い出す夕焼けの高瀬川 京都慕情ありがとうございます。(梅田雄一)

・鴨川を横に京都肉を食す。さすが京都を代表するモリタ屋さん。京都のすき焼きを堪能させていただきました。美味しかったです。ごちそうさまでした!(鈴木拓将)

・スキ焼きが増々スキになりました。これから子供に会いに行きます。(静朋人)

・いつの日か京都で鹿児島の黒豚を食べるすきや連を見たいです。

(米増昭尚)

・美味しい食事を笑顔で出来る事は幸せです。本日は美味しいすきやきありがとうございます。(永野治子)

・人の出会い、肉の出会い、すき焼きありがとう(大西克彦)

<寄せ書きは以上です。今回大変お世話になった「モリタ屋」の吉岡社長、本当にありがとうございました。御礼申し上げます。>

追伸、

2/24にインターネットラジオ局CROSSWAVE☆SENJUの番組「ビジネスチャンネル~この人に聞きたい」に出演させていただきました。

過去の放送は、こちらのURLで聞けますので、よろしかったら、是非。

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野菜を最高に美味く食べられるすき焼き

近江八幡の有名なすき焼き店「毛利志満(もりしま)」の御主人が食べに来て下さいました。

日本橋高島屋で「近江展」が開かれ、そこに出店するために上京されたようです。

肉は勿論私の考える旨いものを支度しましたが、そうは言っても日頃近江牛の上等なものに慣れている方ですから、ザクの方でも工夫しないと!と考え、少し捻ってみることにしました。

ちょうど「今月の変わりザク」として下仁田葱をやっていましたので、これをお出しました。関西との葱の違いを味わっていただく計画です。

それから春菊の代わりにチンゲンサイ。勿論「チンヤ」の駄洒落です。

そうしましたら、

「毛利志満」では、野菜を最高に美味く食べられるすき焼きを目指しているんです!

と御主人。

ほおお、なるほど、素晴らしい考え方ですね。

さて、食べに来ていただいたら、こちらも返しに行かないといけませんから、高島屋の「近江展」へ。イートインのコーナーで「牛肉重」を美味しくいただいて来ました。

デパートのイートインですから、調理しているところが見えませんが、関西風にしっかり甘く味付けされていて嬉しくなりました。

「近江展」には、彦根の、やはりすき焼き屋さんで「すきや連」メンバーの「千成亭」さんも出店しておいで、専務さんが現場に見えていました。

『BRUTUS』に出ていた「近江牛かのこハンバーグ」を見つけましたので、購入して帰ってまいりました。

会場全体もなかなか盛況で結構なことでした。

すき焼き屋どうしの交流も、なかなか楽しいものです。

追伸、

2/24にインターネットラジオ局CROSSWAVE☆SENJUの番組「ビジネスチャンネル~この人に聞きたい」に出演させていただきました。

過去の放送は、こちらのURLで聞けますので、よろしかったら、是非。

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バレンタインの大雪

今月の「変わりザク」として下仁田葱を売っていますが、その下仁田が大変なことになってしまいました。

「大変なこと」とは勿論、バレンタインの大雪です。群馬は山梨・長野ととも被害が甚大でした。

葱生産者の小金沢さんとは以前からFB友達ですので、気になって投稿を視ていますと、2/15に、

「雪が腰ちかくまであると、身動きできないことを今更ながら実感し、午前中、なんとか主要道路まで歩ける道を雪かきしてキープ。」

その翌日にはトラクターを使って除雪を始めたようでしたが、

「トラクター出すため、山の小屋にたどり着くまでが大変で、行ったら、奥の小屋がつぶれ、フォークリフトが・・。なんとか、トラクター出したけど、杉の倒木が邪魔で・・」

という状況で、これは実に大変なことです。

そんな中でも弊店用の葱は確実に出荷して下さり、品切れは半日で済みました。ありがとうございました。

これ以上雪が降らないことを願います。

追伸、

2/24にインターネットラジオ局CROSSWAVE☆SENJUの番組「ビジネスチャンネル~この人に聞きたい」に出演させていただきました。

過去の放送は、こちらのURLで聞けますので、よろしかったら、是非。

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壱岐の「島幸」

向笠千恵子先生の「郷土料理伝承学校」を受講しました。

この「学校」は、日本各地の農村漁村で地域の歴史や先人の知恵とともに受け継がれてきた郷土料理を学ぶ講座です。

日本の食文化に関心の高い人(=料理人、料理研究家、料理店経営者、食に関わる職業の方)を対象に実施されていて、今年が2年目です。

で、今回のテーマは、

「壱岐の「島幸」は、海のおいしさ・里のおいしさの二重奏」。

離島でありながら交通の要所であった壱岐には各地の料理の影響が見られます。様々な要素を巧みに取入れながら独自の食文化が形成されてきました。

その壱岐から見えた講師は「平山旅館」の女将・平山宏美さん。

テレビ番組の取材で、かの松岡修造氏に「オレより元気」と言わしめた名物女将です。

旅館を経営するかたわら、無農薬野菜を栽培し、蜂を飼い、それらを活かした創作料理を研究している方で、地産地消の実践者です。

女将さんの圧倒的なしゃべくりに気圧されていると、鍋とカセットコンロが運ばれてきました。

え? ここで鍋をやるの?

果たして、そうでした。

この日のために女将さんが壱岐から、地鶏・地の野菜・島豆腐を空輸して来て、それで鍋をしようと言うのです。スープは、やや甘目の「しょっつる」みたい。

まったく存じ上げない方と同席だったので、はじめの内はなかなか盛り上がれませんでしたが、そこは鍋の楽しさで少しずつ座が和みます。

なんでも、お隣さんは某公共放送局の、野菜の番組の御担当とか。

うん、この島の野菜、みんなサイズが小さめだけだけど、いちいち味が濃いですね。東京者にはうらやましいことです。

島焼酎も配られて実に結構。そう、壱岐は焼酎文化圏でして、小さい島なのに蔵が数軒在ります。

もはや学校というより、ほとんど宴会です。先生、宴会するって事前に言って下されば良かったのに・・・

やがて〆の蕎麦や御飯を投入して、うーん、おなかいっぱいの「学校」でした。

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もやしすき焼き

最近「温泉もやし」が注目を集めています。

「ちんや」では「大鰐温泉もやし」を毎年11月から12月にかけて「変わりザク」としてお出ししていて、弊ブログでも何度かご紹介してきましたから、ご記憶の方も多いと思います。

その「大鰐温泉もやし」が先日読売新聞の「辛味主義」という連載に登場していて嬉しくなりました。

読売には、お菓子の世界を伝える「甘味主義」と、酒肴の名品を紹介する「辛味主義」が交互に掲載されていますが、その「辛味主義」の方で、著者は萬眞智子さんです。

「すきや連」で私たちがお世話になっている、向笠千恵子先生も雑誌『味覚春秋』の「おいしい色々」という連載の第23回で「大鰐温泉もやし」のことと、やはり温泉を使ってもやしを育てている、米沢市の「小野川豆もやし」のことを書かれていました。

もやし栽培はテレビCMでお馴染の通り、現代では工場での大量水耕栽培が主流で、人間がつきっきりにならないといけない、温泉もやしは絶滅寸前でしたが、この二箇所の有志がブランド化を図ることで、なんとか存続。だんだんに注目を集めるようになって来ました。目出度いことです。

大鰐は土室方式で、小野川は、流れる温泉の上に砂を敷きつめる方式と違いはあるものの、土耕栽培で温泉のミネラルを利用する点は同じです。工場ものとは比較にならない位立派な姿に成長します。

さて、そのもやしの食べ方ですが、向笠先生は、まずもやしの味噌汁の採り上げた後、

「極めつきはすき焼きの具にすること。牛肉のうま味と合わさって、もやしとは思えないほどの存在感を発揮する。」

と書いて下さっています。

温泉もやしは、食べごたえ・食感が素晴らしいですが、うまみに乏しいという限界があるので、そこを補う必要がありましょう。

もやしが注目され、ついでに、その食べ方としてすき焼きも注目されたら、在り難いことです。

追伸、2月の「変わりザク」は「下仁田葱」をお出ししています。こちらも素晴らしいですから、是非お召し上がり下さい。

 

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住吉史彦の十大ニュース2013

お待たせしました!

今年も「住吉史彦の十大ニュース」の時間がやってまいりました。

え? 誰も待っていないって?

そういう声は無視して、どんどん行きましょう。

今日はポイントだけを書きますので、詳しい内容を知りたい方は、アンダーラインのある所をクリックして下さいね。さて、

 1月 母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講しました。演題は「会社を継ぐ、という人生」でした。

2月 第14回「すきや連」を「ニューオータニ岡半」さんで開催しました。今回も募集開始後すぐ満員の盛況でした。

 5月 全国料理業組合「芽生会」関東甲信ブロック研修会で講演しました。演題は「すき焼きの歴史と現在」でした。

 5月 国際観光日本レストラン協会関東支部・副支部長に就任いたしました。

 5月 料飲三田会・総会を「ちんや」で開催しました。会員の佐渡の蔵元「尾畑酒造」さんの御酒を土鍋で湯煎して飲んでいただきました。

 6月 「すき焼きを食べて、九ちゃんのCDが当たる週間」を開催しました。歌曲「上を向いて歩こう」(=スキヤキソング)が1963年に全米チャートで第1位を獲得してから50周年を記念したイベントでした。

7月 「浅草法人会」の研修会に出講しました。演題は「すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に」でした。

7月 ハート型牛脂の名前『牛ゅっとハート』が、商標として正式に特許庁に登録されました♡登録第5599742号♡商品区分♡第29類♡牛脂♡商標権者♡株式会社ちんや♡登録日♡平成25年7月19日⇒記念日のお食事に是非ご注文下さい。

 7月 第15回すきや連を彦根市の「せんなり亭・伽羅」さんで開催、近江牛を堪能しました。中川畜産さんの畜舎を見学させていただきました。

 11月 第16回「すきや連」をみなと横濱牛鍋処「荒井屋」さんで開催しました。横浜の肉食の歴史について、小林照夫先生のご講演いただきました。

いよいよ2013年の弊ブログも残りわずかとなりました。まずは御礼だけを申し上げます。読者の皆様、ご愛読いただき誠にありがとうございました。

2014年もご愛顧を賜りたく、心よりお願い申し上げます。

東西、東〜西〜

 

 明日は「すき焼き川柳」の結果発表です。

 

<年末の、精肉の販売に関するお知らせです>

年内渡しの予約受注は12/28で終了いたしまして、12/29-12/31はフリー販売です。

12/29-12/31は大変混み合いますので、時間の余裕と防寒具をもってお越し下さい。

営業時間は10時~20時ですが遅い時間は品切れの心配がありますので、なるべく早めにお出かけ下さい。

 

 

みなと横濱牛鍋処~第16回すきや連②

第16回「すきや連」を開催しました。

今回の会場は明治28年ご創業の、みなと横濱牛鍋処「荒井屋」さん。今回も50人以上のすき焼き関係者が集結して大盛況でした。

その時に参加者の皆さんに書いていただいた寄せ書きは、昨日の弊ブログに載せましたが、その中に、

「文明開化には私たち業界の御苦労があった・・・とても勉強になる卓話でした。」

というのがありましたね。今日は、その卓話の内容をご紹介しましょう。さて、

<卓話のテーマは>

 「幕末期の横浜居留地の外国人と牛肉―苦労した肉牛の仕入れと屠牛場の設置―」

 <講師の先生は>小林照夫先生

 関東学院大学名誉教授、日本大学大学院商学研究科非常勤講師、社会学博士

 <内容は↓>

「外国人居留地の開設後、牛肉を食べる文化習慣がなかった日本人(横浜人)は、色々と戸惑いを覚えた。特に屠牛後の骨等の廃棄が居留地の環境の悪化にもつながり、当時の社会問題にもなった。そんな当初の横浜の状況を踏まえながら、日本人にも牛肉が食されるようになった背景を語ります。」

この卓話の中で、私が初耳でしたのは、「生麦事件」と肉の関係のことです。

風が吹くと桶屋が儲かるように、「生麦事件」で薩摩藩士がイギリス人居留民を殺した結果、横浜の食肉産業が急速に発展したのです。

へええ!でしょう。

「生麦事件」についての詳細は、皆さんに自分で調べていただくことにして割愛しますが、とにかく、1862年(=文久2年)に起きた、この事件の結果、イギリス軍と日本は緊張状態に入り、居留地防衛のために多数の兵士が横浜へ入って来たのです。

兵数はフランス軍も加わって2.300人、12年間横浜に駐屯したそうです。 

現在「港の見える丘公園」という名前でデートの名所になっている辺りが駐屯地で、当時は「トワンテ山」と呼ばれたそうです。イギリス軍第20連隊(トウェンティー)がなまって「トワンテ」に成ったわけです。

「生麦事件」の後も、長州藩と4か国連合艦隊の砲撃戦など外国との紛争が続いた結果、兵数は増強され、港に浮かぶ軍艦の乗組員を入れると、約8.000人もの外国軍隊が横浜に集結していたそうです。そう、当時横浜は一大軍事拠点と化していたのです。

さて、これから桶屋が儲かります。

この駐屯軍が地域にもたらした経済効果が大きかったのです。

軍は、肉・野菜・小麦粉・茶・砂糖・炭・油・酒類などの食料日用品を調達し、兵舎での寝具類の洗濯・繕いといった仕事を公募しました。入札に参加したのは外国人商人でしたが、実際には地元の日本人が、その下請けをしたことも多かったようです。

さて、ここで皆さんは軍需物資の筆頭に「肉」が挙げられていることに気づきましたね。

横浜の食肉産業が一気に発展した理由がこれです。

明治維新後、この駐屯軍について日本政府は、独立国である日本に他国の軍隊が存在することは国際法上問題だとして交渉を続け、1875年に完全撤退となりましたが、地元民は収入源を失うので撤退を大変惜しんだそうです。

いやいや、勉強になりました。

勿論その後は、歴史を噛みしめつつの牛鍋大宴会。

加えて、女将さんは美女。幸せな一夜でした。

 追伸①

NHK総合テレビ『月刊やさい通信』に出演します。

※なぜ、すき焼きにシュンギクを入れるのか?

※すき焼におけるシュンギクの役割

という内容です。是非ご覧ください。

11月24日(日)朝6:15~6:45

11月28日(木)昼12:20~12:43(短縮版)

http://www4.nhk.or.jp/P554/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は373人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.358日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

みなと横濱牛鍋処~第16回すきや連

第16回「すきや連」を開催しました。

今回の会場は明治28年ご創業の、みなと横濱牛鍋処「荒井屋」さん。今回も50人以上のすき焼き関係者が集結して大盛況でした。

まずは、参加者の皆さんが書いて下さった寄せ書きをご覧ください。

・すき焼きから広がるなごみの“和”最高です(向笠千恵子)

・あなた日本人、スキヤキ それは世界語(小林照夫)

・すき焼あたたか 人もあたたか(和田順子)

・ヨコハマ食肉歴史に感動(高村善雄)

・横浜スキヤキ港町ひさしぶり 最高です(伊豆川嘉規)

・すき焼きスキ(鈴木直登)

・ジュンジュンパパです(中川吉明)

・文明開化には私たち業界の御苦労があった・・・とても勉強になる卓話でした。(加藤英子)

・港ヨコハマの味売は新参者すき焼こそが本物!(松井純)

・卓話はいつも勉強になり楽しみにしています。(土居秀夫)

・すきや連のみなさまと楽しく素敵な本を作れるようがんばります!どうぞよろしくお願いいたします。(水野良美)

・感謝(和田政司)

・すきやき物語に必ず登場する荒井屋さん 楽しみにしていました。

(加藤政義)

・伝統の味・牛鍋楽しみにしていました。(蜂須賀祥介)

・牛鍋食し心も身体もぽっかぽか(九鬼紋七)

・牛肉が大好きだった福澤先生、横浜でオランダ語が通じず英語を修得し、道を拓きました。横浜の牛鍋も召し上がったかも・・・ゆかりの地の牛鍋、美味しいです!(森脇政子)

・今日も又一日すてきな勉強をさせて頂きました。ありがとうございました。(宮本尚樹)

・今日もおいしい牛肉を食べれました。(天井国康)

・ザンギリ頭ではなくボウズ頭だけど文明開化の味をたんのうしました!黒毛和牛最高!(吉澤直樹)

・紀尾井町「岡半」から近江彦根、そして横浜で。美味しい御縁をありがとうございます。(上田健一郎)

・すばらしい牛鍋堪能いたしました♡ありがとうございました。(宮台香惠)

・おいしい牛 でも鴨もがんばります。(渡辺秀次)

・文明開化の味を堪能しました!(吉澤裕介)

・毎回極上のすきやきをいただき感謝!この度は幕末期からの食文化を味わう。(大竹道茂)

・荒井屋の味に歴史を感じつつ・・・(石橋伸介)

・昔風牛鍋 文明開化の味(湯浅康毅)

・いつも楽しませていただいています。ありがとうございます。(福本吉宗)

・今回は「荒井屋」さん、ずっとずっと楽しみに参加したいです。(静朋人)

・何を食べても全部美味しい。幸せです(坂本敬子)

・荒井屋のしぐるる雨のあたたかさ(谷脇萬明)

・柿干して合間の休みにすきや連(鏑木武弥)

・今日もお肉たっぷりいただいちゃいました。「牛鍋」と「すき焼き」の違い、なんとなく解りました。美味しかったです。ごちそうさま♪(清水祐子)

・近江牛とゆかりのある横浜で楽しいすきや連の人達とおいしい荒井屋さんのすき焼 幸せなひとときでした。(中川晶成)

・横浜の夜に香ほり立つすき焼きにただ身まかせて楽しむかな(鳥山渉)

・初めての参加大変勉強になります。荒井屋さん、ありがとうございました。(柴田伸太郎)

・港町牛鍋つつく荒井屋で(藤森朗)

・横浜たそがれ!ごちそう様でした。(梅田雄一)

・初めてのヒレすき焼おいしかったです。また来ます。(尾崎仁)

・すきやきや友と酒酌む夕餉かな(島崎進)

・美しき荒井屋女将煽るすき焼き何食べても極上の旨さ(羽鳥裕子)

・末永くすきや連の御縁に感謝です(森大亮)

・牛鍋の香りゆたかに浜の風(植村光一郎)

・牛鍋の湯気のむこうに笑顔かな(近田康ニ)

・素敵な友と一緒に牛鍋をつつく、これもまた素晴らしいかくし味。荒井屋さんに感謝(松浦保)

・みなと横浜でたそがれることもなく おいしい仙台牛の牛鍋を荒井屋さんで(小金沢章文)

・ようこそ横浜 「牛鍋やはなしもくだけゆくばかり」三代目の句です。

(荒井順子)

<以上>

追伸①

NHK総合テレビ『月刊やさい通信』に出演します。

※なぜ、すき焼きにシュンギクを入れるのか?

※すき焼におけるシュンギクの役割

という内容です。是非ご覧ください。

11月24日(日)朝6:15~6:45

11月28日(木)昼12:20~12:43(短縮版)

http://www4.nhk.or.jp/P554/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は373人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.357日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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新事業

向笠千恵子先生の本『すき焼き通』(平凡社新書)が出版されましたのは、2008年10月15日のことでした。

その本の企画に私が関わり始めましたのは、たしか2004年だったと思います。

最初は雑誌に連載され、それが単行本の形にまとまったのが2008年10月15日でした。この日は今「すき焼き通の日」に認定されています。

で、出版披露宴が「ちんや」であり、集まったすき焼き店主で「すきや連」というグループを創りました。

以来5年、年に3回の会合を重ねて来ました。

その「すきや連」のすき焼き店約30社が第二の事業に突入することになりました。そして、その為の準備会合が過日開かれました。

普段の「すきや連」には、すき焼き屋以外の食材関係の方などもいますが、その日の会合は全員すき焼き屋ばかり。

神田明神様の近くの「いし橋」さんに、北は米沢・南は松阪から集結しました。

会議の後の懇親会も、「いし橋」さんのすき焼きをいただきながら盛り上がりました。

この新事業の完成は来年10月の予定なので、今詳細は公表できないのですけど、「すき焼き屋が何か始めているらしい!」とだけ御記憶下さい。

興奮しています。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.334日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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