実験台

 同業のすき焼き店「伊勢重」の、皆さんが見えました。

 社内の「食事会」という名目でしたが、同業の店にすき焼きを食べに行くのでは、皆さん、仕事モードを解除できないでしょうねえ。実際には研修会ですね。

 ですので、弊店サイドも「研修会」とさせていただきました。

と申しますか、ハッキリ申せば「実験会」イヤ「実験台」。

 これまで試してみようと思っていたことを、今回試させていただきました。

 まずは、先付け。

 牛モモ肉の辛子酢味噌あえ。

 辛子と申しましても、あの、ツーンと痛いヤツではありませんで、ツーンと来ない和辛子で和えました。

 使いましたのは、山形県の月山で、茄子を漬けるために育てている和辛子で、穏やかな辛みと香りが実に良いのです。牛肉との相性も軍閥いや抜群です。弊店和食調理長の吉田の、なかなかの自信作でした。

 その後は「変わりザク」。具材は、

 山ウド

 うるい

 新玉葱を使ってみました。

 それから、もう1点は「変わりタマゴ」。

 すき焼きにタマゴは、黄金の「御約束」で、150年間これに取って代わったタレはありません。ですけど、中途で「食い口」を変えてみたい感じがするのも事実ですね。

 で、これも和食調理長の吉田が、今回考えつきましたのが、

 辛マイルド・タマゴ。

 製法は、

①山芋を叩いて、塩麹と混ぜ合わせる。

②オクラ、青唐辛子を細かく刻む

③②を①に入れて、一晩寝かせる。

④食前に③をタマゴの黄身と混ぜる。

 この「変わりタマゴ」を、普通のタマゴと併用する心は、

・青唐辛子の辛みで、すき焼きの濃厚な味に飽きた口内をリフレッシュする。

・オクラ、青唐辛子の質感で、すき焼きの濃厚な味に飽きた口内を、やはりリフレッシュする。

 この後で王道の、普通のタマゴに戻っていただければ、さらに旨い!という次第です。

 特に、シラタキ・お麩といった乾物類は、うっかりすると味が濃くなりすぎますので、こういう手法で、少し「食い口」を変えてみるのが面白いと思います。

 作るのにチト手間がかかるので、日常の営業に使えないのが難点ですが、良い経験になりました。

 ついでに 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」の撮影もさせていただきました。

 有難いことでした、実験台は。

追伸

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は138人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて810日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

 

 

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800日

 このブログの連続更新が目出度く、800日に成りましたた。

 連日FBやツイッターで、

 連続更新795日達成!

 連続更新796日達成!

 連続更新797日達成!

 連続更新798日達成!

 連続更新799日達成!

とか言っておりましたので、節目の日が近づきますと、有り難いことに、アクセス数が増えたり、FBでコメントが戴けたりします。

 読んでます!とか、

 面白いです!とか書いていただけて、嬉しいことです。

 さて、ここで問題なのは、本当に面白いのか、単なるお世辞なのか、

ということです。

 勿論、私は文筆を生業にしておりませんので、面白くなかったとしても、まあ、深刻な事態ではありません。しかし、そうは言っても、つまらないものをお読みいただくのは、心苦しいですね。

 今日は、節目の日ですので、私がブログを続ける上で、心がけていることをお話ししておきましょう。それは、

 自分が関わったことだけを書くこと。

 つまりグルメ評論、音楽評論、演劇評論、展覧会評論は書かない、ということです。

 思いまするに、そうした評論を立派に書くには、実演家さんの数倍の知識量が必要ではないでしょうか。例えば歌舞伎評を書くなら、歌舞伎役者さんの、少なくとも5倍は歌舞伎についてくわしくないと「・・・」ですよね。

 だから、私はそうした文を書きません。

 自分がやっていること

 自分が関わったこと 

 自分が感動したこと

 自分が憤慨したこと

だけを書いて行こうと思っています。 

 え? グルメ評論なら書けるだろう!って?!

 勘弁して下さいよ。この小心者に、そんなこと出来ませんよ。

 そういうブログですが、今後とも、是非御愛読を!

追伸

 奇しくもブログ800日の日に合わせて、『江戸町奥山風景』の59日間の会期が終わりました。「浅草うまいもの会」は、おかげ様で動員1万人を達成しました。

 1万人目の方が見えた時は、ちょうど撤収作業の準備で全会員が総出で集まっていましたので、クス玉を割り、全員で記念撮影、そして景気よく手締めをいたしました。

 お客様にとっても、運営に携わった我々にも良い記念になりました。

 59日ブッ通しで、チト疲れましたが、ハッキリ申してまして。

 こういう経験は滅多にできません。有り難うございました。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

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客種

 すき焼き「ちんや」と同じ建物の地下で、「ちんや亭」というカジュアルなレストランをやっています。

 ハンバーグとかサイコロ・ステーキとかをやっています。ハンバーグ定食の値段は1.200円で、「ちんや」に比べるとカジュアルです、当然。

 この店の特徴は、

・カウンター席だけの店

・昼時だけの営業

だ、ということです。

・カウンター席だけの店ですので⇒調理してから3秒以内に召し上がっていただけます。私は、何しろ料理は温度が重要と思っていますので、この特徴をとても気にいっています。

 もう一つの特徴ですが、

・昼時だけの営業ですので⇒メニューは全て定食形式です。「ちんや」と同じグレードのすき焼き・しゃぶしゃぶもやっていますが、定食式です。

 そして昼時だけの営業ですので⇒夜は「ちんや」ですき焼きを作っている仲居さんが、昼は「ちんや亭」のサービスに入ります。「ちんや」はどうしても夜席主体の店ですので、このシフトは合理的と言えます。

 さて、この「ちんや亭」と「ちんや」で、どう棲み分けるのか、という議論を今、社内でしています。

 以前は、

 客種(=キャクダネ)が違う、

ということで、ほぼ別口に運営していました。私の代になって、だんだん、味の面でもサービスの面でも相違点を少なくしてきた所です。

 そして今年ついに、

 同じお客様に2店舗を回遊していただく、

という取り組みを本格化させたいと思っています。

 「ちんや」の方は、創業130年を機に、

 「心に残る思い出を!」路線を進めていまして、それは勿論、私が本心からやりたいことなので変えるつもりはないのですが、結果として、普段の食事に使いにくいムードになってきたことは事実と思います。

 ですので 「心に残る思い出」の食事を「ちんや」でなさった方が、次回ふらりと浅草へやって見えた時には、他の店へ行ってしまうのでなくて、

 「ちんや亭」へ行けば良いんだ!

と思い出していただかないといけません。

 昨年から「ちんや」と同じグレードのすき焼きも、「ちんや亭」でお出しするようにしましたので、そのことも知っていただきたいのですが、従来がほぼ別口運営だったので、こうした流れが、まだ上手くできていません。ここが課題です。

 孫を連れて墓参り、の後は「ちんや」で、

 婆さんと二人だけ、の時は「ちんや亭」で、という具合です。

 さらに逆の流れも作りたいです。

 例えば、来月アメリカの友人が来日するから、浅草ですき焼きを食べさせたい!

と思った場合、お客様としては一度店の下見をしたいですね。でも下見のために、まともに「ちんや」の料金一人前を支払うのは御負担でしょう。

 それに、それ以前に御一人様では入りにくいですよね、「ちんや」へは。別に御断りしてるわけではなく、入れるんですけどね。

 そういう方には「ちんや亭」の仲居さんが「ちんや」の仲居さんでもあることを、もっと積極的にお知らせして行こう、と思っています。

 御接待・御法事・御宴会の御相談を、私がうかがいます!

という感じで。勿論、「ちんや」の方のメニューを用意しておいて差し上げます。

 肉の味は「ちんや亭」でも確認できますので、後は「ちんや」の様子を知れば下見官僚イヤ下見完了です。

 実は今までも、そうやっていたのですが、文字情報としては、どこにも書いてなかったのです。今ここに初めて書きました。

 何しろ、キャクダネが違う、という前提でしたので。

 嫌ですよね、この言葉。

 この、人を見下した表現を皆が使っているのですが、お客様には聞かせられません、ゼッタイ。

 これからは、「ちんや亭」のお客様も「ちんや」のお客様も同じであって、食事の状況が違うだけ、という前提にして行きます。

 キャクダネは禁句にします。

 私の精神衛生も、これで必ず向上します。

 こういう世の中だからこそ、大震災を経験したからこぞ、本心からやりたいことを!

 当分は、これに集中しようと思っています。

追伸

 浅草寺本堂横で「江戸町奥山風景」が開催されています。

会期は本日5/7までですよ!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて799日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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闘病の活力

 脳の重篤な御病気で5か月間入院されていたお客様が来店されました。そうと全く分からない回復ぶりでビックリ。お医者さんからは奇跡的回復と言われたとか。目出度いことです。

と、書きますと、以前から、その方の病状を知っていたようですが、実は違います。御本人の口から聞くまで分かりませんでした。

 玄関でお迎えした時は、気付かずに、

 はい、こんにちは、中へどうぞ!

と簡単にお迎えしてしまいました。

 で、食後にその話しを聞かされてビックリ。

 同じ病気をした知人が、やはり本復とは行かず、どうにもスピード感がなかったり、脈絡のない会話をしたりするのを見ていただけに驚きでした。今時は治るんですね。

 さらに感激しましたのは、

 退院したら「ちんや」さんへ行きたかった、と言っていただいたことでした。

 旨い肉を食べたい!

という願いは闘病の活力にもなるんですね。

 この仕事をますます頑張らねば、と思った瞬間でした。

 感謝です。

追伸

 浅草寺本堂横で「江戸町奥山風景」が開催されています。

会期は5/7までですよ!

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襲撃事件

 1987年5月3日午後8時15分、朝日新聞阪神支局襲撃事件がありました。散弾銃を持った男が押し入って、休日出番をしていた記者さん達に発砲、内1人が亡くなりました。

 言論機関に対する公然たるテロ攻撃でしたので、大掛かりな捜査が行われましたが、結局、時効が成立するまで犯人を逮捕できませんでした。現在も未解明です。

 この事件が世間に与えた衝撃は大きく、また捜査中にも、犯人は右翼であるとかないとか、様々な犯人像が取り沙汰されましたので、ご記憶の方は多いと思います。いや、記憶に留めておかない事件と思います。

 さて、実は、この事件とすき焼きが関係あるのです。

 犯人が押し入った時、その場にいた3人の記者さんが食べていたのが、すき焼きだったんですね。支局ですき焼きを作っていたらしいのです。

 阪神支局ですから、関西風に作っていたのでしょうか。肉はどういう肉だったのでしょう。

 で、その後朝日新聞社の、地方の休日出番の記者さん達は、絶対にすき焼きを作らなくなったそうです。

 でも朝日新聞宇都宮総局さんが、ツイッターで昨日ツイートなさったところによると、

 「最近は経緯を知らない人も増えて、作る所も多いかもしれません。」

ということのようです。

 私は「このニッポンに再びすき焼き文化を広める」仕事をしていますが、この習慣だけは続けていただきたい、と思います。

 毎年5月3日の夜、朝日にお勤めの皆さんは勿論、言論機関にお勤めの方は皆、すき焼きを食べない、そういうタブーは在って良いと思います。

 犯人が裁きを受ける日まで。

追伸

 浅草寺本堂横で「江戸町奥山風景」が開催されています。

5/7までですよ!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて796日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

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試験の御縁

 さて5月です。

 今月27日(日)に「すき焼き通検定」試験を実施します。

 この試験は「落とす試験」では勿論なく、すき焼きについて学ぶことを楽しんでいただく試験ですので、どんどん合格者を増やしたいと思っています。ですので年に4回ほどは試験をするつもりでしたが、今年の前半は個人的にとても忙しくて、まだできていません。

 今現在もまだ『江戸町奥山風景』が5/7まで続行中なので忙しいのですが、お客様から

 次回はいつですか?!

と、問い合わせをいただいてしまいましたし、今月やらないと夏になってしまいますので、実施することにしました。

 そう言えば、先日嬉しいことがありました。

 この試験に合格した方には、「ちんや」の食事券5.000円を差し上げているのですが、過去の合格者の方から、その券を使って祝いの会をしたい、と予約が入りました。

 何のお祝いかと思ったら、なんと、

 御結婚のお祝い!

 記念写真には私も入れていただきました。試験の御縁で有り難いことでした。

 そういう次第ですので、また試験を実施します。合格者の方には、必ず私が自分で、合格認定証をお渡ししますので、そこから御縁が出来たら嬉しいですね。

 是非是非お受験下さい。問題と解答は以前と同じで、こちら↓に掲載しています。なにしろ、この50問を頭に詰めこめば受かるのです。

http://chinya-blog.com/?m=20101226

 是非お受験を!

≪以下が実施要項です≫

<試験の内容>

・一般愛好家向け。

こちら↓のサイトに掲示する50問の問題の中から、30問を出題いたします。

 http://chinya-blog.com/?m=20101226

・問題は全て3択形式です。3つの選択肢の中から、1つを選んでいただきます。

・30分以内にご回答いただきます。

・出題された30問の内、25問以上正解した方が合格です。

<試験日>

・平成24年5月27日(日)

・試験時間:15時30分〜16時

・定員:15名様。受験者が少数でも実施いたします。

・試験会場:「ちんや」お座敷(和室)

・受験料は500円(税込み)です。

<検定合格者の特典>

・合格認定証を発行いたします。ちんや六代目・住吉史彦が直接交付いたします。

・「ちんや」メンバーズ・カードに無料で入会できます。会員番号が9で始まるカードは検定合格者のみの限定カードです。

(「ちんや」メンバーズ・カードについて詳しくは、こちらをご覧下さい。カード有効期限は5年間です。会員様の特典は、ご入会翌日以降有効です。)

・「ちんや」お食事券5000円を差し上げます。(試験に合格された場合、当日すぐにご利用になれます。)

・検定合格者交流会(=すき焼き宴会)に参加できます。(有料)(期日未定)

<申し込み方法>

・申込み受付け期間:平成24年5月1日(火曜)〜5月22日(火)です。

・受験は完全予約制です。申込み期間内にお申し込み下さい。

・メールにて、以下を必ずご記入の上、パソコンよりご送信下さい。

①ご芳名、フリガナ、性別、年齢

②ご住所、郵便番号

③電話番号

・メールの件名は、「すき焼き通検定受験申し込み」として下さい。その他の件名のメールは、開封されない場合がありますので、ご注意下さい。

・送信先アドレス:chinya@alto.ocn.ne.jp

・携帯電話、スマートフォンからのメールは文字化けする場合がありますので、パソコンよりご送信下さい。

(申し込み受付確認メールを3日以内に、折り返し「ちんや」より送信いたします。確認メールが届かない場合は、次の番号へお電話下さい。03-3841-0010)

 <受験当日の手続き>

・試験開始時刻の20分前(15時10分)までに「ちんや」へご来店下さい。

・受験料は500円(税込み)です。受験日当日試験開始前に、お支払い下さい。

・合否が確定しますのは、当日17時頃の予定です。

・メール以外のお申し込み方法は、次の番号へお問い合わせ下さい。

03-3841-0010

 <プライベートポリシー>

・当試験の実施に当たって、株式会社ちんやが入手した、皆様に関する個人情報は、下記①②の目的以外には使用いたしません。

(記)①当試験の実施 ②浅草「ちんや」の販売促進活動、各種ご案内の発送

・試験後、合格者名をこのサイトで発表いたします。(お名前と都道府県名のみ)(ニックネームでの発表をご希望の方はお知らせ下さい)

 <次回以降の試験日>

・平成24年中に、あと2回ほど検定試験を実施する予定です。

 日程が決まり次第、このサイトに掲示いたします。

・不合格の場合、何回でも繰り返し、受験することができます。

<念のための御注意>

・これは、勉強をして⇒試験を受けてみませんか、というお誘いです。「検定」という名前の宴会ではありません、念のため。

追伸

 4/20に「ニッポン全国彪友会~台東万博!」を主催しました。この日の画像は、こちらをご覧ください。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて793日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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インタビュー

 『ネクスト』というマーケテイング情報誌の「老舗に学ぶ​ストアブランド作り」というコーナーのインタビューを受けました。

 見本誌を拝見しますと、なかなか真面目で立派な内容です。

 もともと呉服屋さんと宝飾品屋さんが主体の「和道経営の会」という勉強会の会報だったらしいのですが、内容が良いので、一般売りもしよう!ということになってリニューアルしたそうです。大したものです。

 目次を見ていきますと、

・お客様はゲストでありパートナー!

・お客様と幸せを分かちあう場を創っていますか。

・お客様が主役の「KIMONO倶楽部」

・「21世紀型専門店」の構想

・天命に安んじて人事を尽くす

・・・うーん、御立派です。

​ 私のやってることが、こういう真面目な方々の御参考になるのかなあ、と思いましたが、取材の約束はしてしまったので、お目にかからないといけません。

 さて、インタビューとなりました。

 記者さんは、何故か「ちんやメンバーズカード」の制度に関心を持っておられました。まあ、専門店さんはポイント制度を良くやってますからね。

 でも単なる割引き制度と思っていただくと困ります。たしかに割引きをすることはするのですが、その心は違います。「ちんや」の場合、

・「記念日割引」は、記念日を会員さんが自分で決められるのが特徴です。

・今準備中の「ブロンズ・カード」「ゴールド・カード」「シルバー・カード」は、会員としての在籍が永い方を優待するのが特徴です。

 そして両方に共通する特徴は、「ちんや」の側=私やスタッフが嬉しい時に割引きするのだ、という所です。世間のクーポンのように、私が全然嬉しくない割引きは、なるべくしないようにしています。

・お客様が結婚記念日だか、

・お客様が会員として継続して下さったとか、

 そういう嬉しい機会なら割引きしよう、と考え方は、その記者さんに気にいっていただけたようでした。

 また、その記者さんは、このブログも読んで下さっていて、最近私がやって来たこともご存じでした。

 例えば、

・すき焼き通検定試験

・東北復興チャリテイー企画「五県蔵元連合試飲会」

・すき焼き川柳オンTwitter

・日本国復興元年「1千人の笑顔計画」

 こうした事業の趣旨を説明して欲しい、ということでしたので、

 なにしろ、お客様と損得以外の所でつながりを持ちたいと思っています、と説明申しました。

 今時は、経済性以外の価値を持っている会社だけが生き残れる世の中です。そうでないと安売り競争に巻き込まれてしまいます。

 そして、できれば、やっている本人が愉快に、とも思います。

 読者の方に、叫喚イヤ共感していただけたら嬉しいですね。

 追伸

 4/20に開催した「ニッポン全国彪友会~台東万博!」を主催しました。この日の画像は、こちらをご覧ください。

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15秒 プラス26 年 プラス132年

 「ちんや」のスタッフつまり職人連は、当然肉を扱う技能を持っているのですが、それを人に上手く説明することが苦手です。

 良い牛脂と、そうでない牛脂が間違いなくあって、本人達はそれを識別できているのですが、

 部外者が、どこがどう違うのか尋ねると、

 いや、それはですね、良い脂っていうのは、良い脂ですよ、とか答えてしまいます。

 ほとんど禅問答ですね。それじゃあ、わからない、と言うと今度は、

 そうですねえ、良い脂っていうのは、脂の質が良いんですよ、とか答えてしまいます。

 ますます分かりませんね。で、余計分からなくなったと言うと、

 食べれば分かりますよ!!

となってしまいますが、食べる前に、お客様に分からせないと買って貰えませんから、この問答では×なのは、明らかです。

 で、この話しを少し科学的に説明しますと、

 牛脂に含まれる脂肪酸の構成比を、職人連は指で触るだけで、時間にして数秒で知ることが出来るのです。

 化学式は割愛しますが、脂肪酸には融点の高い種類と低い種類がありまして、その両方が牛脂に含まれています。中には常温で溶け出す脂肪酸もあります。

 その内、融点がより低い方が、食べた時に、口の中でマイルドな感じを与えます。溶けた脂肪酸が調味料と肉の赤身の部分を包み込んで、婚前一体イヤ渾然一体となった、それは素晴らしい味覚を作りだします。

 特に調味料が強い、すき焼きの場合に、この働きが重要です。

 「ちんや」の肉を食べた方の、FBでのコメントとして、

 と、溶ける~

という表現がありましたが、この現象を言っているのです。

 勿論、脂肪酸の構成比は科学的に調べられますが、その分析には時間がかかります。

 その分析が出来る迄売り買いしないなんて、市場の現場でそんな悠長なことでは困ります。しかし有り難いことに、練度の高い職人には、それが数秒で出来るのです。指で触るだけで。

 そうです、これだけ科学的になった世の中でも、人間の方が速いのです。

 この話しを書いていて、濱田庄司の名言を思い出しました。

 濱田庄司とは勿論、民芸陶器の人間国宝のことですが、濱田が大皿に釉薬を柄杓で流し掛けする作業は素早く、15秒位で済ませてしまうことが多かったようです。それで見学した人が、あまり速過ぎて物足りない!と言うと、

 これは 15 秒プラス 60 年です。

と言って聞かせたそうです。

 名言ですね。

 「ちんや」の精肉部長・橋本も15 秒で脂の質を知ることができます。

 15秒ですが、それプラス、この店に在籍した26 年、さらに修練の場である「ちんや」が、この街に在り続けた時間の、プラス132年。

 それだけの時間が、15 秒で脂の質を知る、ということを可能にしたのです。

 上手い表現方法を思いつきました。

 15秒 プラス26 年 プラス132年

 その内、このコピーを店先に掲げたいと思っています。

追伸

 4/20に開催した「ニッポン全国彪友会~台東万博!」を主催しました。この日の画像は、こちらをご覧ください。

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ブロンズカード

 「ちんや」メンバーズカードの「ブロンズカード」を醗酵イヤ発行する予定で準備を進めています。

 通常「ちんや」メンバーズカードの割引率は5%ですが、「ブロンズ」の方は6%になります。

 では、どういう方が「ブロンズ」に成れるのか、と申しますと、メンバーに在籍して5年間が経過し、なおかつ継続して在籍するために、更新料を支払って下さった方です。

 さらに、その上に10年経過の「シルバーカード」や15年経過の「ゴールドカード」も作る予定です。勿論、5年後・10年後の話しですけど。

 この話しを読んで、

 なんだ!値引き拡大かあ、「ちんや」さん。景気良くないからねえ。

とおっしゃる勿れ。

 勿論、値引き拡大ではあるのですが、この制度の心は、

 継続入会こそ有り難い。

 新規入会より有り難い。

という、私と全スタッフの考えを表現するのが目的です。それだけ有り難いのだから、多少の値引きで身銭を切るのは当然で、むしろ1%では少ないくらいです。

 今までの制度では、お客様は、5年経過時点では、ただ更新料だけ支払って、以前と同じ待遇を受けるだけでした。カード自体も番号が変わるだけで以前と同じ体裁です。つまりませんね。

 でも、今回はカードの体裁もブロンズ色になり、番号も6で始まる番号になりますので、提示していただいた時、ひと目で、5年以上継続しておられる方と区別がつきます。

 「ちんや」会員に永く在籍しておられる間に、そのお客様は年齢を重ね、20歳代~30歳代の方なら、結婚されてお子さんが生まれるでしょう。そのお子さんと是非一緒にお越しいただきたいと願います。 

 50歳代~60歳代の方なら、お孫さんが生まれるでしょう。そのお孫さんと是非一緒にお越しいただきたいと願います。 

 制度が複雑化しますが、担当の販売促進委員会が頑張って準備してくれています。

 「ブロンズ」制度の導入は、8月ですが、今から楽しみです。

 

追伸

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牛の糞

 「ちんや」精肉売店で、岐阜県恵那市の「ゴーバル」さんのアップルマスタードの販売を始めました。

 去年の今頃から、精肉売店で各種の調味料の販売を始めています。

 今世の中には、「出来合い調味料」がやたらと増えてきていますが、正直、私の味覚からすると、残念なものばかりです。それに添加物がたくさん入っています。

 そういう調味料を「ちんや」の肉に付けて食べていただくと困ります。肉屋が肉だけを売っていればOKという環境ではなくなってきたようですね。

 で、調味料の販売を始めた次第です。

 マスタードは勿論、すき焼きに付けるわけではなく、ベーコンやソーセージに付けます。

 精肉売店では以前から、「浅草ハム」さんのベーコンやソーセージを売っておりまして、これが結構、旨いのですが、それとセットで買っていただいて、付けて食べていただこう、という考えです。

 さて、その「ゴーバル」さんですが、「ゴーバル」というのは、なんと、牛糞のこと。

 この会社の理念である「平和を願い大地をいつくしむ草の根の人々の生活の香り」を、まさにイメージさせる社名ですね。山中で「ごまかしのない手作りの味」を追求している会社と聞きます。

 まだ不勉強で、お訪ねしておりませんが、食べれば品物の良さがすぐわかります。

 リンゴの甘さと酸味がなんとも、マスタードの辛みと調和しています。ベーコンが何枚も食べられてしまい、つい食べ過ぎます。

 このマスタードがあれば、ベーコンがメイン・デイッシユになりますね。

 ワインも進みます。

 是非是非、お試しあれ。

追伸 

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