十五代目

 「東都のれん会」の青年部「東若会」の例会が弊店でありました。江戸東京を代表する御店の若旦那さんばかりですので、気合いを入れて、お迎えをいたしました。

 この会をおひき請けして、「御酒はどうしようかな」と思案していますと、加盟店の中に蔵元さんがおいででした。

 「蔵元さん」という表現は正確でないかもしれません。この会社は元々酒屋さんで、「豊島屋本店」さんと言います。

 酒屋としての御創業は、江戸に幕府が開かれる前の1596年というから驚きます。その頃「鎌倉河岸」という、江戸城をつくるための材木や石などが荷揚げされた岸壁に店を開いたのが、そもそもということですが、この時は御酒をまだ造ってはいなかったそうです。

 この当時、江戸やその近郊ではおいしい日本酒を造る技術がありませんでしたから、灘や伏見、池田といった関西の酒蔵の酒を仕入れて⇒売っていたそうです。

 自分のところでも酒を造ろうということになったのは、明治時代の後期だそうです。最初は関西で、今は東京都下の東村山市で造っておいでだそうで、つまりは、明治時代後期からは、酒屋兼蔵元となったそうです。

 ブランド名は「金婚」と言って、明治神宮・神田明神・日枝神社、という東京を代表する3つのお社の御神酒になっているそうです。

 さて、その蔵元さんと、今回初取引となりましたので、十五代目(!)の御主人にお目にかかって、色々と御説明をいただきました。

 お目にかかりますと、十五代目は博士号を持っている、元研究者といいます。しかも半導体の。

 お話ししていて、へええ~と思いましたのは、その博士が、

 酒造りは、杜氏さんの人間の感覚に基づいて行っている、

と言っておいでだったことです。

 酒造りにも、まだまだ科学で分かっていないことがあったり、あるいは、分析は可能でも時間がかかって、人間の五感で測定した方が、はやくて正確、ということがあるのだそうです。

 そう言えば「ちんや」のスタッフも、肉の、例えば脂肪の良し悪しを数秒で判断していますが、その代わりに科学的に脂肪酸の構成比を分析したりしたら、大変な時間と手間がかかります。

 醸造の分野は、食品科学の世界では、先進的な分野だと思いますが、まだまだ、そういう話しがあるんですね。そうした問答が印象的でした。

 で、「東若会」の当日は、その「豊島屋本店」さんの、

 微発泡酒を乾杯用に、

 無濾過生原酒を、すき焼きに合わせさせていただきました。

 さすがに旨かったです、十五代の御酒は。

 うーい、ひっく。

追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

 有り難いことです。ご購読はこちらです。

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は178人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて842日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

 

 

 

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モタレない肉

 私は、疲労が溜まった時とか、ハード・スケジュールの時とかは、肉の夜食を食べます。

 「快食療法」の元祖・横倉恒雄先生が、

 美味しい!という快感は、脳疲労を緩和する!

と主張しておられますので、当家では、その説​にしたがって、肉夜食を励行しています。必要なの​は快感ですから、美味しくないとNGです。美味しいと言えば、当然、肉ですよね。

 で、食べる前に、その肉の画像をFBにUPしますが、そうしますと・・・

 美味しそう!

 食べたい!

というコメントと並んで、

 量も脂もそれほど食べられなくなりまし​た。絶品赤身情報お待ちしております(笑)

というような、コメントも書き込まれます。先週も、そうでした。

 私があと3年半で50歳で、仲間も当然年齢が近いですので、肉を食べるとモタレてしまい、若い頃のようには食べられなくなって来た模様です。

 ですので、この際、モタレる、ということについて、書いてみることにしました。

 まず、赤身と霜降りのことですが・・・

 赤身肉なら皆消化が良いかと言うと、そうでもないのです。

 最近は、牛の屠殺後、肉を熟成させずに、4~5日で食べてしまうことが多く、スーパーは勿論、肉専門職のはずの焼肉屋さんなどでも、そんな感じのようです。

 熟成させれば、赤身のタンパク質がアミノ酸に変わりますから、消化しやすく、また美味しくもなりますが、熟成させてない場合は、要するに赤身の部分はタンパク質の固まりですから、これは消化が悪いです。育ちざかりの子でもない限りモタレます。

 だから、あながちトシのせいばかりではないと思います。

 焼き肉屋さんでも、最近は「熟成肉」を標榜している所もありますから、そちらならモタレないとは思いますが、値段が安くないのが難点ですね。

 「ちんや」は勿論「一か月熟成」派でして、「お年寄りがバクバク食べられる肉」を目指しています。

 それから、脂肪についてですが、サシがたくさん入っていても、意外とモタレない場合があります。それは融点が低い、つまり良く融ける脂肪酸をたくさん含んでいる場合です。

 脂肪酸の構成は、熟成させても変えられませんので、こっちの話しは牛の育て方の問題でして、肉屋として出来ることは、「脂の融けの良さそう」な牛を仕入れることです。

 要するに、「脂の融けの良さそう」な肉で、それを熟成させていれば、モタレを気にせず、肉を楽しむことができます。

 ところがですね、だいだい、熟成に気を配っていない肉屋さんは、得てして「融けの悪そうな」脂を仕入れていることが多く、そうなるとどうなるか、と申しますと⇒ダブルでモタレます!

 40歳を過ぎたら、そういう店は避けた方が良いでしょうね。

 でも肉を存分に食べることを諦めて欲しくはないですね。

 なんと言っても、肉には「食の快感」がありますから、疲労回復できます。ハードに働いている方は、是非、モタレない肉を、選んで召し上がって下さいね。

 追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

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追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は178人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

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金賞の倅

 6月17日 「父の日」に、銘酒「オヤジナカセ」を!ということで、去年に引き続き、おススメしています。

 御酒の名前が、「オヤジナカセ」なのです。

 この御酒は「子から親に贈る、親子で呑む、そんな親子をつなぐきっかけになる酒」をテーマにした、大吟醸酒です。

 ありがちな「コンセプト優先&中身はお留守」の酒と思っていただくと困りますよ。

 実在の、ある酒米農家の倅(せがれ)さんが、実家から東京へ出て働く内、

「実家のために何かできないか」と考え、酒蔵の倅さんとの出会いを機に「親父の米100%で日本酒を造ろう」と奮起し、造ったお酒です。

 御本業はWeb関係ですが、酒販の資格もお取りになった、というから本格的です。

 その倅さん~名古屋さんという若者ですが~はそれだけでなく「セガレ」という、グループを作って、実家の作物を出すマーケットを開催したりしています。

 そうしましたら、その御酒が金賞を獲りました。

 本年度の「全国日本酒鑑評会」で金賞を受賞したのです。これには、私も少し驚き、とても嬉しく思いました。

 その報せを聞いた、実家の親父さんは、どんなに嬉しかったことでしょう。

 目出度いので、当然、今年もおススメしてまいります。

<酒 質>大吟醸酒(冷酒用)

<原料米>山田錦100%

<契約農家>兵庫県加西市、名古屋義数さん

<醸造元>茨城県石岡市、白菊酒造株式会社  

 ウチは、そこまでのドラマは無いなあ、というご家庭の方も、是非是非お求めください。

追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

 有り難いことです。ご購読はこちらです。

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は178人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて839日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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ミキテイーの焼肉店

 駅のキオスクに、

 「ミキテイーの焼肉店で食中毒!」

という見出しが掲示されていたので、私はてっきり安藤美姫選手の店かと思ったのですが、違ったようです。

 その店の屋号は「焼肉 美貴亭」。

 元「モーニング娘」の藤本美貴さんの店だそうです。そういう店があるとは、不勉強で知りませんでした。

「私の名前の付いたお店でこのような事故が起こってしまったことについては、申し訳ない気持ちでいっぱいです」

「体調不良を訴えておられるお客様には、1日も早く快復されるよう、心からお祈り申し上げております。また、ご来店いただいたお客様には、たいへんご心配をおかけいたしました。申し訳ございません」

と、ミキテイーはブログで謝罪したそうです。店の運営などには関与していなかったそうですが。

 そう言えば、以前「たむけん」さんの焼肉店でも、食中毒がありましたね。

 皆さん、生肉を扱うことについて、安易に考えていませんでしょうかね。

 弊ブログの、以前からの読者さんなら、ご存じとか思いますが、念のためしつこく説明申しますと、生肉は生きた牛から得るものであって、その後、調理まで殺菌ということをしていません。冷蔵して、菌が増殖しないようにはしていますが、殺菌をしていないものなのです。

 今回も、食中毒を発症した客16人の内、3人からO-157が検出された、と発表されています。そのように汚染されていることがあるのですが、それを加熱して⇒殺菌して、安全に食べているのです。

 加熱殺菌すれば、O-157がいても、まったく問題ありませんが、怖いのは、肉から他の料理への汚染です。

 それを防ぐには、肉の調理場と、他の食材を扱う調理場をハッキリ分けないといけません。特に、肉のO-157がサラダに付くのが危険です。だって、サラダはそのまま生で食べますからね。

 「ちんや」の場合、肉は1階で、野菜は2階で、完全に別ですから、汚染は起こりませんが、どうだったのでしょうね、ミキテイーの焼肉店は。

 調理場を分けませんと・・・

① 肉から俎板にO-157が移る。

② その俎板を完璧に洗浄しないと、俎板の上にO-157が残る。

③ その俎板の上でサラダを刻むと、俎板からサラダにO-157が移る。

ということが起こり得ます。

 消費者の皆さんも、焼き肉を、あんまりカンタンに考えない方が良いと思いますよ。

 痛いらしいですからね、O-157は。

 なお、この焼肉店のオーナーは、横浜で「SEXY居酒屋」も経営していて、16~17歳の少女4人に下着姿やビキニ姿で接客させた、ということで逮捕されたそうな・・・・

 追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

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追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は142人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

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 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて837日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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夏純米

 夏の、季節限定の生貯蔵酒『月の井 夏純米』を売り始めました。

 茨城県大洗町の「月の井酒造店」さんが造ったもので、勿論冷酒用です。

 この御酒は、香りは爽やか、飲み口はサラリとしていて、淡麗な味わいが特徴の「生貯蔵酒」です。

 生貯蔵酒とは、念のため解説しますと、搾った酒を生のままタンク貯蔵をして、出荷直前に火入れをし、瓶詰して出荷することです。生のまま貯蔵することで、生独特のフレッシュさを残すことができます。

 火入れをしない、所謂「生原」よりは、おだやかな酒質ですが、それでもフレッシュさがあって、湿気の多い、この季節に良いと思います。

 すき焼きに、さらに「季節の変わりザク」をご注文いただいて、さらに、この『夏純米』を飲んでいただく計画で、この2枚のメニューを裏表にしています。

 ところで、この御酒の件を「月の井」の美人社長・K子さんと相談していて、こんな話しを聞きました・・・

「レストランさんが、仕入れ値1.000円の御酒を売り値1.500円で売る場合と、仕入れ1.500円のを2.000円で売る場合では、両方とも儲けは500円で一緒よね。

 でも、皆さん、どうしても「利益率」を気になさるから、2.000円の方を、

 仕入れ1.500円÷0.67=2.238円に値付けして売ろうとなさるのよね。

 だから238円分だけ割高な感じになって、品質が良くて高めの御酒が、売れて行きづらいと思うの。

 日本酒はワインと違って、ビンテージで箔を付けたりしないから、この238円が結構痛いのよねえ~」

 なるほど、K子さん、了解です。

 では、そういうことで皆さん、今年の夏は「利益額」の精神で、「夏純米」を、お召し上がり下さい。

追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

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 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は142人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて832日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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浅草海苔の危機

 絶滅寸前だった、アサクサノリを復活させた人に会いました。

 まず浅草海苔の由来から申しますが、その名の通り、江戸時代に海苔の養殖が始まった頃、浅草あたりでも海苔が採れていたので、この名がついた、と言われています。

 その後、明治時代になり、日本でも西洋式の生物分類学の研究が始まり、「日本の海藻学の祖」と呼ばれる学者さんが、当時養殖されていた「浅草海苔」を調べ、これが分類上の一つの種であることを確かめて、この種に「アサクサノリ」という学名を与えたそうです。

 そう、アサクサノリは品種の名でもあるのです。「千住葱」が品種の名でもあるのと似ていますね。

 さて、そのアサクサノリは、浅草近辺ではもうあまり育てられなくなったものの、全国各地で養殖されていました。

 ところが、第2次大戦後になると、増え続ける海苔需要に応えるべく、色や味が良く、成長も速く、収穫量も多いスサビノリという品種が養殖好適種として導入されました。国と業界が、スサビノリの生産を推奨したそうです。今、皆さんが食べているのは、ほとんど、これです。

 さらに、工業化でアサクサノリが棲むのに適した内湾の干潟などが埋め立てられ、アサクサノリはどんどん棲む場所を失っていきました。こうして、棲む場所を失い、養殖もされなくなったアサクサノリはどんどん減少していったそうです。

 で、1990年代には、海藻を研究者している学者さんの間でも、アサクサノリがどこに生えているのか知っている人がほとんどいない状況になってしまったそうです。「絶滅危惧種」にまで指定されました。

 「絶滅危惧」になったため、ようやく今世紀に入る直前に、水産庁と日本水産資源保護協会、千葉県立中央博物館分館「海の博物館」などが、アサクサノリの再調査に乗り出したそうです。

 全国各地を調べ歩き、アサクサノリに適した環境を調べ、種を保存し、そして、やがて千葉県木更津市の盤州干潟(ばんずひがた)でアサクサノリの養殖を復活させることに成功しました。

 盤州干潟は、東京湾に残った最後の大きい干潟です。そこで、今は約70人の漁師さんが、海苔の養殖に取り組んでいるそうです。

 今回お目にかかったのは、そんな中の御一人・金萬さんという方でした。アサクサノリの佃煮を生産している「遠忠食品」さんのパーテイーでお目にかかることができました。

 養殖をするだけでなく、干潟の貴重さを知ってもらおうと、「里海」観光にも力を入れておいでとかで、素晴らしいことです。

 トキやイリオモテヤマネコのように有名な生きものであれば注目されますが、目につきにくい生物は注目されることもなく、ひっそりと絶滅していくことがあるそうで、アサクサノリのように、名の知られた生きものですら、絶滅の危機が訪れていたのです。

 当時世にそのことを知る人は少なく、私自身もアサクサノリの危機のことを知りませんでした。恥ずかしいことです。

 でも、そんな絶滅危惧種の保存を志した、学者さんと漁師さんの力で、また環境浄化に協力した近隣の方々の力で、今私は「浅草海苔」を売ることが出来ます。

 思えば、品種の正式な学名に「浅草」と付いている食べものは、他に在りません。

 私は肉屋ですが、この品物は売って行こう、と考えています。以前の不明を少しでも雪ぐために。

追伸①

 『浅草 老舗旦那のランチ』という単行本に出していただきました。

 私が、「浅草演芸ホール」席亭さんや、「音のヨーロー堂」の御主人とランチしながら、浅草について対談する、という趣向です。
 私なんぞ、「旦那」というよりは、「お兄ちゃん」ですけどね、浅草では。

 ご購入はこちらです。

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は142人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

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お受験

 第六回すき焼き通検定試験を実施しました。

 この試験は「落とす試験」では勿論なく、すき焼きについて学ぶことを楽しんでいただく試験ですので、どんどん合格者を増やしたいと思っています。

 ですので年に4回ほどは試験をするつもりでしたが、今年の前半は個人的にとても忙しくて、まだできていませんでした。

 今現在もまだ、スカイツリー騒ぎで忙しいのですが、

 次回はいつですか?!

と、問い合わせをいただいてしまいましたし、今月やらないと夏になってしまいますので、実施することにしました。

 さて今回は募集方法の中心をFBにしてみました。FB以外に一般募集もしたのですが、結局私の知り合いばかりが受験なさいました。

 見事合格された方は、

幡野克也さん

岡野淑乃さん 

斎藤佳保里さん

広瀬けい子さん

松澤彰子さん

鈴木亜紀さん

香取潤さん

青木智弘さん

 浅草うまいもの会関係+彪友会関係+三田会関係という陣容ですかね。浅草うまいもの会関係、というのは「江戸町奥山風景」の抽選所でバイトしてくれた皆さんです。嬉しいですね。

 目出度く合格。

 私自身が合格認定証をお渡しし、豪華副賞も差し上げました。受かった後の「歓びの声」を、皆さんがFBにUPして下さり、楽しく拝見しました。

 次回は7/16の「海の日」に実施予定です。是非お受験を!

 

追伸①

 『浅草 老舗旦那のランチ』という単行本に出していただきました。

 私が、「浅草演芸ホール」席亭さんや、「音のヨーロー堂」の御主人とランチしながら、浅草について対談する、という趣向です。
 私なんぞ、「旦那」というよりは、「お兄ちゃん」ですけどね、浅草では。

 ご購入はこちらです。

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は142人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて822日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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父の履歴書

 先日来店された御客様から嬉しい話しを聞かせていただきましたので、早速「ニコニコBOX」に貯金しました。また「すき焼き思い出ストーリー」投稿サイトへも自分で投稿しました。さて、その話しとは・・・

 「父が生前「ちんや」で働いていた」とおっしゃる方が来店されました。その方自身が御年85歳で、働いていた御父上は明治34年生まれ。昭和25年に書かれた故人の履歴書を持って御来店になりました。

 その履歴書によりますと、故人は大正7年から「ちんや」洋食部に在籍、その後帝国ホテル、鎌倉ホテルに移られたとか。その頃は「洋食部」があったのです。

 で、往時を偲ぶため前夜は帝国ホテルに泊まって、この日は「ちんや」に見えたそうです。

 私は昭和40年生まれ、父でも昭和10年生まれで、祖父はずっと以前に死んでいますので、大正時代のことを分かる者はいませんが、その当時の「ちんや」の写真をご覧にいれたら、大層喜んで下さいました。

 この当時、従業員は皆、店の2階に「住み込み」でしたから、故人も、きっとその写真の中の店に住んでいたことでしょう。

 御縁の深さ・永さに感謝あるのみ、です。

 「すき焼き思い出ストーリー」投稿サイトは、こちらです。

追伸①

 『浅草 老舗旦那のランチ』という単行本に出していただきました。

 私が、「浅草演芸ホール」席亭さんや、「音のヨーロー堂」の御主人とランチしながら、浅草について対談する、という趣向です。
 私なんぞ、「旦那」というよりは、「お兄ちゃん」ですけどね、浅草では。

 ご購入はこちらです。

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は142人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて819日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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『鬼平』の鶏鍋

 この文章がUPされる頃には、三社祭の真っ最中と思います。

 今年は三社祭700年の年であり、去年は地震で開催できませんでしたので、盛り上がるのは確実です。どっちかと言うと、盛り上がり過ぎるのが心配な位ですね。

 で、「真っ最中」はブログを書けないので、以下の文は、悪しからず、予約投稿でお届けしています。

 さて『鬼平犯科帳』の鶏鍋屋さんに行って来ました。

 墨田区の「かど家」さんです。

 小説の中で、鬼平がなじみになっている鶏鍋屋「五鉄」は、

「二ツ目橋の「五鉄」という軍鶏なべ屋」とか、

「南側の、竪川沿いの道に面した窓から」とか書かれていますので、当然モデルの店は、現在の墨田区緑一丁目の二之橋北詰め辺りにあると考えられます。

 それが「かど家」さんで、文久二年の御創業です。

 この御店へ「ニッポン全国彪友会~台東万博!」の幹事「打ち上げ」で参りました。

 二条彪先生が、大の『鬼平』ファンだからです。

 日頃「経営者は人情を知るため小説を読むべし」と先生は教えておいでですが、中でも「鬼平」がお勧めなのです。

 司馬遼ファンの私としては、やや肩身が狭いですが、司馬小説の方は、どうも池波小説に比べて、あまり食べ物の記述が詳細でないような気がします。司馬本の主人公は、豆腐だけをツマミにして酒を飲んでいたりします。

 一方の池波先生はグルメでしたからねえ、「かど家」さんにも生前良く見えたそうで、「池波先生がお好きだった部屋」があります。

 我々は30人以上の団体だったので、その部屋ではなく、宴会場でしたが、それでもムードのある宴会場で、鶏鍋も風情も存分に楽しめました。

 歴史と文学に所縁のある土地で食事できるのは、この上なく有り難い、私達の特権です。

 私の知人の佃煮屋「海老屋総本舗」のK社長が、「かど家」の女将さんを紹介して下さったので、丁重なる御挨拶までいただき恐縮してしまいました。

 いや、満腹、満喫しました、『鬼平』の店。

追伸

 5/27に「すき焼き通検定」試験を実施します。

 この試験は「落とす試験」では勿論なく、すき焼きについて学ぶことを楽しんでいただく試験ですので、どんどん合格者を増やしたいと思っています。是非是非お受験を!

 完全予約制で、申込みは5/22までです。詳しくはこちらをどうぞ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて812日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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財産

 この文章がUPされる頃には、三社祭の真っ最中と思います。

 今年は三社祭700年の年であり、去年は地震で開催できませんでしたので、盛り上がるのは確実です。どっちかと言うと、盛り上がり過ぎるのが心配な位ですね。

 で、「真っ最中」はブログを書けないので、以下の文は、悪しからず、予約投稿でお届けしています。

 さて、「ニコニコBOX」を設置しました。

 店で嬉しいことがあった場合には、このBOXの中へ100円を貯金して、社内親睦会の資金にします。

 嬉しい話しとは、例えば、このブログの5/5号と重複しますが、こんな話しがありました・・・

・・・脳の重篤な御病気で5か月間入院されていたお客様が来店されました。そうと全く分からない回復ぶりでビックリ。お医者さんからは奇跡的回復と言われたとか。目出度いことです。

と、書きますと、以前から、その方の病状を知っていたようですが、実は違います。御本人の口から聞くまで分かりませんでした。

 玄関でお迎えした時は、気付かずに、

 はい、こんにちは、中へどうぞ!

と簡単にお迎えしてしまいました。

 で、食後にその話しを聞かされてビックリ。

 同じ病気をした知人が、やはり本復とは行かず、どうにもスピード感がなかったり、脈絡のない会話をしたりするのを見ていただけに驚きでした。今時は治るんですね。

 さらに感激しましたのは、

 退院したら「ちんや」さんへ行きたかった、と言っていただいたことでした。

 旨い肉を食べたい!

という願いは闘病の活力にもなるんですね。

 この仕事をますます頑張らねば、と思った瞬間でした。<引用終わり>

・・・こういう話しは、まさに店の財産です。

 経理上は、金や建物が「財産」ですが、本当の財産とは、こういう話しです。

 余計な説明抜きで、この仕事に取り組む意義を分からせてくれるからです。どんな説教より餅べーションいやモチべーションを上げます。

 金は「天下のまわりもの」ですが、こういう話しは、有り難く保存したいものです。

 ところが、です。

 こうした話は、現場的にはお客様の「おしゃべり」ですので、流してしまいがちです。

 ヒマな時は良いのですが、忙しい時は、どちらかと言うと、お話しをうかがう間にも、次の仕事の段取りが気になってしまいます。

 しかし、です。いくら忙しくても、

 へえ、そうだったんですね~

だけで済ませてしまってはいけないのです。その、一見無駄話しに聞こえる御話しをうかがって記録することは、その日の売り上げ全部の金額より、大事な店の財産なのです。

 だから、こうした話しを、なんとしても記録していきます。

 記録させていただいた時は、嬉しく有り難い気持ちにさせていただいた御礼に、ニコニコBOXに貯金します。

 この貯金で買った酒が、どれだけ美味いか、今から楽しみです。

追伸

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は138人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて811日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

 

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)