開催しました、第19回「すきや連」例会②

第19回「すきや連」例会を下仁田町「常盤館」さんで開催しました。

今回は、単なる例会ではなく、3重のイベントでした。

まず単行本『にほんのごちそうすき焼き』が無事刊行されたことを記念する会。

それから群馬県庁がスタートさせた「ぐんま・すき焼きアクション」を応援する会でもありました。

例会に先立って、県の主催で「群馬すき焼きシンポジウム」が開催され、私も向笠千恵子先生や、地元の食材関係者の皆さんと共に登壇。群馬のすき焼きを盛り上げるべく議論した後、例会へと突入しました。

さて、例会は今回も満員御礼。

下仁田ならではの、葱と蒟蒻・椎茸が素晴らしい「殿様すき焼き」を堪能しました。

常盤館さん、群馬の皆さん、大変お世話になり、ありがとうございました。

<以下は参加された皆さんに書いていただいた、寄せ書きです。たくさん在るので、昨日からUPしていますが、その②です>

・日本一揺れる列車で一年ぶりの上州へ。下仁田ネギをたくさん買いました。今夜はたのしい酒になりますように。(宮本尚樹)

・親子で参加しました。(中川吉明)(中川真弓)

・下仁田のネギですき焼きありがとう!(西居基晴)

・すき焼はもちろん下仁田ネギも楽しみです。ネギ、コンニャクを買いました。(高岡修一)

・ぐんますき焼き県を夢見ての大切な日に参加させていただき、ありがとうございます。(鳥山真)

・初参加です。そこで一句。オレイン酸数値だけでは「オレ、オレ、サギ」(字余り)(佐々木整輝)

・箸置きがネギ!!楽しい会に参加させて頂きいつもありがとうございます。(星南子)

・本日は下仁田へようこそお越し下さいました。下仁田の名産、群馬の名産をたくさん食べてって下さい。(松浦保)

・すき焼きは牛肉とわり下ということでしたが、群馬のすき焼は、肉しらたきしいたけの素材(財)皆平等で肩並べてになるカナア(内藤雅子)

・今日のシンポジウムは大変勉強になりました。(高橋正恵)

・下仁田の葱、しらたきと上州和牛のコラボした「群馬すき焼」おいしくいただきます。(九鬼紋七)

・「何かうれしいことがあった時、誰か会いたい人に会えた時、人はおいしいものを囲んで喜びを分かち合いたくなる。そんな時すき焼の店「柿安」の名を思い出していただけたら幸せです」~これは先々代社長が作ったパンフの表紙の言葉で先日ランチョンマットに印刷して復刻しました。すき焼は昔も今も特別の料理です(赤塚直子)

・すき焼きはまちをつくり、ひとをつくるんだなあということを実感しました(石川大介)

・下仁田の名産は「ねぎとコンニャク、原木しいたけ」まさにすき焼きの町(佐々木信也)

・鍋の中に広がる群馬の味覚!念願の常盤館でお世話になりました。

(藤森朗)

・秋の山紅葉香るすきやきの鍋(植村光一郎)

・群馬産ネギと牛肉湯気の中(近田康ニ)

・『にほんのごちそうすき焼き』刊行に力を添えて下さった方々、ありがとうございました。その記念の会ともなり、うれしいです(土居秀夫)

・いつも美味しいすき焼きをありがとうございます!『にほんのごちそうすき焼き』無事刊行となり、本当に感無量です(水野良美)

・無事刊行、残る使命は重版出来!(清田康晃)

・本日は常盤館にて例会、本当に有り難う御座います。今後ともよろしく御願いいたします。(島崎進)

<以上>

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.735日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

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開催しました、第19回「すきや連」例会①

第19回「すきや連」例会を下仁田町「常盤館」さんで開催しました。

今回は、単なる例会ではなく、3重のイベントでした。

まず単行本『にほんのごちそうすき焼き』が無事刊行されたことを記念する会。

それから群馬県庁がスタートさせた「ぐんま・すき焼きアクション」を応援する会でもありました。

例会に先立って、県の主催で「群馬すき焼きシンポジウム」が開催され、私も向笠千恵子先生や、地元の食材関係者の皆さんと共に登壇。群馬のすき焼きを盛り上げるべく議論した後、例会へと突入しました。

さて、例会は今回も満員御礼。

下仁田ならではの、葱と蒟蒻・椎茸が素晴らしい「殿様すき焼き」を堪能しました。

常盤館さん、群馬の皆さん、大変お世話になり、ありがとうございました。

<以下は参加された皆さんに書いていただいた、寄せ書きです①>

・上州の風と光とすき焼きと(向笠千恵子)

・シンポジウム興味深くお話を伺いました。群馬らしいすき焼を期待しています。(楓千里)

・すきや連に声をかけていただき感謝しております。(飯塚寛巳)

・ありがとう皆で食べる真の味(竹澤嘉介)

・下仁田に葱積み走るバイク連、下仁田に葱腹詰めるすきや連

(鏑木武弥)

・すき焼本完成(鈴木直登)

・ぐんま・すき焼きアクション始動!(土屋真志)

・「群馬のすき焼き」確立に向けて頑張ります。(土橋徹)

・今後とも群馬県をよろしくお願いいたします。(齋藤大輔)

・見ました!!群馬の底力!!(加藤英子)

・すべてのことに感謝(小金澤定夫)

・ネギサミット、すき焼きシンポジウム、すきや連盛りだくさんで少しつかれました(小金沢章文)

・シンポ後にあらためて群馬牛、下仁田葱、こんにゃく堪能しました。

(大竹道茂)

・歴史ある「常盤館」さんのすき焼楽しみ(和田政司)

・「すきや連」初参加です。かぜをひいていて酒が飲めなくて残念!すきやきの味もあまりよく味わえなくて残念!(羽鳥則夫)

・皆で囲むすき焼きに幸せ感じます。「すき焼き応援県」宣言の群馬の人達に小さなたくさんの幸せがいっぱい、すき焼き食べて(羽鳥裕子)

<寄せ書きはたくさん在りますので、続きは明日の、このブログにて>

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.734日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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讃岐風すき焼き

故・大平総理の、讃岐風すき焼きが本になったそうです。

大平総理は政局が行き詰まると、すき焼きを食べていたそうで、1979年に総理の座をめぐって福田赳夫氏と大平氏が派閥抗争を繰り広げた「40日間抗争」の間も、すき焼きが頻繁に食卓に登場したそうです。

しかも、大根入りで甘目。

大平氏は、すき焼きに大根を入れる習慣がある香川県の出身だったからです。

大根をすき焼きに入れる地方の話しは、弊ブログの2013年11月18号をご覧いただきたいと思いますが、この、大平総理のすき焼きの話しは朝日新聞に、

『総理メシ 政治が動くとき、リーダーは何を食べてきたか』

と題する連載の一回として登場しました。それがこのたび本に成ったそうです。

朝日さんは、このところ大丈夫かなあ~と思うことが多いですけど、この連載は面白かったです。

甘めのすき焼きが好きだった大平氏と、辛めが好きだった田中角栄氏の、すき焼き対決の話しは、実に楽しかったです。

その他の「総理メシ」は・・・

田中角栄―中国の迎賓館で今太閤を待ち受けたあんパン 銀座木村屋のあんパン

竹下登―消費税、リクルート、昭和天皇の崩御…苦悩を癒やした島根の素朴な味 日本橋皆美のあご野焼き

森喜朗―「加藤の乱」鎮圧に安堵したウナギ懐石の夕べ 山の茶屋のウナギのかば焼き

などなど。

講談社刊行

ISBN:9784062191210

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.731日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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群馬すき焼きシンポジウム②

<この話しは長いので、昨日の、このブログから続いています>

充分長期間肥育された牛が熟成させ易い牛です。

まずですね、熟成という現象についてここで確認しますと、それは肉を構成するタンパク質が、タンパク質分解酵素によって分解されて、アミノ酸に成ることですが、そのタンパク質分解酵素の働きを抑制するものが牛の体内にあります。

それは成長ホルモンです。

これは、まあ、当たり前と言えば当り前です。牛が成長しようとしている時にタンパク質分解酵素が強く働くと困りますからね。

老化したタンパク質を分解して、体をリニューアルすることは、若い内であってもとても大事なことなのですが、成長期にはなにしろ成長しないといけません。だから、その時期にはタンパク質分解酵素の働きが抑制されているのです。

何を言いたいのか、と申しますと、

成長期の若い牛の肉を熟成させようとすると、成長ホルモンがあるのでタンパク質分解酵素があまり働かず、タンパク質がアミノ酸にあまり成りません。旨みの素であるアミノ酸が足りないのだから、その肉はあまり旨くない、ということになるわけです。

したがって、風が吹けば・・・みたいな話し ですが、

充分長期間肥育された牛が熟成させ易い牛です。

ところがです、霜降り(=脂肪)の方は、若くても立派に入るものですから、生産者の中には霜降りが入ったことで「出来上がり!」と判断して、牛を出荷してしまう方がいます。

良くありませんねえ。サシは入っても成長途中なんです。

熟成させにくくては旨くならず、旨くなくては、死んだ牛が浮かばれません。

もう1点。水っぽい牛は熟成させにくいです。

これは単純に変質しやすいからです。

熟成の大敵は雑菌ですが、その雑菌さんが喜んでしまうからですね。

それともう1点。痩せた牛はいけません。

肉の表面を脂が覆っていれば、熟成中に酸化・変質するのは脂だけですから、それを取り除けば良い話しですが、その脂が少ないと、すぐに赤身の部分まで変質を始めてしまいます。

牛が肥えていれば、肉の表面を脂が覆っており、痩せているとその脂肪が少ないわけで、痩せた牛はいけません。

以上のような点に、生産者の方・流通業者の方がご留意下さいましたら、「すき焼き県・群馬」も夢ではないと思っています。

②③は当然のことなので、もっぱら私が申し上げたいのは、①の肥育期間の件です。

肥育期間を延ばせば、エサ代はかかるし、牛舎の回転率が下がることは良~く分かります。

そこを何卒、頑張っていただきたたいと存じます。

よろしくお願い申し上げます。

<「群馬すき焼きシンポジウム」に参加したい方は>

群馬県庁企画課にお問い合わせください。事前登録制ですので、必ず県庁に連絡を入れてから御参加下さい。

TEL 027-898-2457 FAX 027-223-4371

詳細は、こちらです。

 

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.727日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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群馬すき焼きシンポジウム①

『日本のごちそう すき焼き』の刊行のことで色々忙しくしておりましたら、

おっと!

「群馬すき焼きシンポジウム」が明後日に迫っています。私は、このシンポジウムに「県内外の有識者」なる立場で登壇せねばなりません。

このたび群馬県が、県のおもてなし料理として、すき焼きを制定しましたので、それを記念するシンポジウムです。

私の他は、食文化研究家の向笠千恵子先生、

上毛新聞の論説委員長さん、

「赤城牛」の鳥山畜産さん、

下仁田葱の生産者組合代表の方、

下仁田蒟蒻の生産者組合代表の方、

といったメンバーのようです。

まず、今回の企画そのものについてですが、特定の料理方法=すき焼きで食べられることをイメージして畜産業の方向性を決めることに、私は大賛成です。

私の従来からの意見に合致します。

その趣旨にそって私は、どういう肉がすき焼きに向くのか、をお話しする必要があると思っています。

ここで私は、肉を「熟成させ易い牛」がすき焼きに向く牛だ、と申し上げたいと思います。

すき焼きの、割下の味付けが甘くて強い味ですから、それとバランスするだけ充分な肉の旨みが必要です。ですので肉を長期熟成させることが是が非でも必要となりますが、

さてでは、どんな牛の肉が熟成させ易いのでしょうか。

第一に、充分長期間肥育された牛が熟成させ易い牛です。

まずですね、熟成という現象についてここで確認しますと、それは肉を構成するタンパク質が、タンパク質分解酵素によって分解されて、アミノ酸に成ることですが、そのタンパク質分解酵素の働きを抑制するものが牛の体内にあります。

それは成長ホルモンです。

これは、まあ、当たり前と言えば当り前です。牛が成長しようとしている時にタンパク質分解酵素が強く働くと困りますからね。

老化したタンパク質を分解して、体をリニューアルすることは、若い内であってもとても大事なことなのですが、成長期にはなにしろ成長しないといけません。だから、その時期にはタンパク質分解酵素の働きが抑制されているのです。

何を言いたいのか、と申しますと・・・

<この話しは長くなりそうなので、明日の、このブログに続きます>

 

<「群馬すき焼きシンポジウム」に参加したい方は>

群馬県庁企画課にお問い合わせください。事前登録制ですので、必ず県庁に連絡を入れてから御参加下さい。

TEL 027-898-2457 FAX 027-223-4371

詳細は、こちらです。

 

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.726日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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チョイと転載『日本のごちそう すき焼き』②

「すき焼き大全」とも申すべき新刊本が、平凡社より刊行されました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。

この本は、食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、私も勿論執筆に加わっています。

自分の店について書いた他、「すき焼きと日本酒」という題でも一文を寄稿しました。

以下に私が書いた「すき焼きと日本酒」の一部を、チョイと転載します。もちろん全文を転載するわけにはいかないので、さわりだけです。悪しからず。

<以下、転載>

この原稿の依頼が平凡社さんから来た頃、私は「味博士」の「マリアージュ研究」を知りました。

「味博士」とは慶應義塾大学共同研究員の鈴木隆一博士のこと。味を計測して、それをグラフで「見える化」する技術を開発された方です。

『味博士のぜったい太らない食べ方』『日本人の味覚は世界一』といった著書もあります。元々博士と私は熟成肉の研究を通じて知り合いましたが、料理と御酒のマリアージュ研究の方も、結構面白いのです。

博士が大学で開発した「味覚センサー」は、甘・塩・酸・苦・旨の五味を計測してグラフに表示できるのですが、このセンサーで料理と御酒の両方を計測します。

で、そのグラフを重ねてみるとマリアージュの相性度が分かる、という次第です。重ねた結果、五味の数値がバランスよく大きくなっていれば、「味わいに膨らみが出た」ということを意味します。料理と御酒が互いに不足する味を補い合い、「味の構成力が高まった」とも言えます。

この研究で赤ワインには椎茸が最も合う、といった判定が出ていたりしています。面白いですね。

さてさて、この技術を使って、すき焼きと日本酒の相性を判定しない手はありません。早速4点のタイプの違う日本酒を用意しました。

公平に評価できるよう・・・

<続きを読みたい方は・・・>

弊店の店頭でも販売していますし、こちらからでもネットで購入できます。

是非是非よろしくお願い申し上げます。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.725日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

チョイと転載『日本のごちそう すき焼き』①

「すき焼き大全」とも申すべき新刊本が、平凡社より刊行されました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。

この本は、食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、私も勿論執筆に加わっています。

以下に私が書いた部分を、チョイと転載します。もちろん全文を転載するわけにはいかないので、さわりだけです。悪しからず。

<以下、転載>

私の祖先が江戸時代から従事してきた狆(ちん)の商いをたたみ、料理屋に衣替えしましたのは明治十三年(1880年)のことでした。私は、そこから数えて六代目の当主です。

在り難いことに店主が代を重ねるのに合わせ、三世代・四世代・五世代に渡って御利用下さる御客様に恵まれてきました。

その、御利用下さる御客様の舌に馴染んでおりますのは、手前どもの、かなり甘目の割下です。東京下町の人々が好んできた味です。御客様の中には地元で洋食店を経営なさっている方もおいでですが、その御店のビーフシチューは、やはりソースが甘目で、お互いに行き来して食べ合っています。

そうした味を「美味しい!」と感じる味覚は、本当に在り難いことに、御客様から、そのお子様へ・お孫さんへと継承され、その家族の中で共有されています。お爺ちゃんが好きなすき焼き屋にお孫さんも一緒に行ける、そして同じ鍋をつつくことが出来る、それこそが、「ちんや」という店の最大の存在意義だと、私は考えています。

浅草には初詣・春のお彼岸・花見・夏祭り・花火大会・秋のお彼岸と、四季の伝統的な行事がありますから、家族揃ってお出かけいただける機会がたくさんあります。そんな折にすき焼きを食べれば、ご家族の思い出・ご家族の歴史を造っていただけると思います。

そのお手伝いをする仕事に、歴代の当主は人生の全てを捧げて来ました。当代の私も全く同じことです。

さて肉のことも少しご紹介しましょう。まず割下の味付けが甘いですから・・・

<続きを読みたい方は・・・>

弊店の店頭でも販売していますし、こちらからでもネットで購入できます。

是非是非よろしくお願い申し上げます。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.724日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

いよいよ刊行~『日本のごちそう すき焼き』

単行本『日本のごちそう すき焼き』が、いよいよ明日11月19日刊行されることになり、それに先立って、メデイア発表会を開催しました。

会場の新橋『今朝』さんには60人以上の、メデイア関係者とすき焼き店主が集まって大盛況。

すき焼きの本の発表ですから、もちろん発表会だけで終わるわけには行かず、会費制ですが、すき焼き懇親会も開催させていただきました。

『今朝』店主のFJ森さんはじめ、スタッフの皆さんには大汗かいて、ご尽力いただきました。本当にありがとうございました。

時に、この本は「まるごと、すき焼き大全」とも申すべき本です。

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

読めば、まずすき焼きの薀蓄が豊富に手に入りますが、おカタいばかりの内容ではなく、

全国のすき焼き店を多数のカラー写真を使ってガイドしてあり、実用本の要素も取り入れております。

31人のすき焼き店主は、私が一人ずつ口説いて回り、今回の刊行事業に参加してもらいました。

「すきや連」活動を続けてきたおかげで、それが可能となりました。

ですので、この本は私と「すきや連」の、この十年間の日々そのものです。

料理屋という職業は、あまり形になる物を遺しにくい職業ですが、今回私はこの本という宝物に恵まれました。本当にラッキーだと感じております。

明日11月19日に刊行されますので、是非是非お求めください。

 

A5版 224ページ(カラー112ページ)

ISBN9784582836752

定価税込1.944円

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからでもネットで購入できます。

 

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.723日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

競争入札・単年度主義

先日、とある県の畜産試験場の、種牛改良の現場をお訪ねした時のことです。

係の方が、

飼料の決め方が、単年度主義の競争入札だから、良いと思った業者でも、同じ業者から毎年継続して買いにくいんですよね、とボヤいておいででした。

ああー、それは県営だからですかあ。トホホですねえ・・・

ここで言う「種牛改良」とは、良い血統のオス牛を選抜して、その精子を採取することを指します。

優良と思われるオス牛の精子をとり

⇒それを県下の生産者が飼っているメスに合わせ

⇒子が出来たら、

⇒その子を譲り請けて育て、

⇒やがて屠殺して、肉を調べます。これを「後代検定」と申します。

肉を調べるためには、子は食べてしまうのですが、その間も父親は生かしておきます。

子の肉が優良と認められて、そこで初めて父親が優良だと確信することが出来、その後は、その父親から採れる精子に値段を付けて配布することが出来るのです。

だから、当然そこまで5年程度の歳月がかかります。とっても計画的な事業なんです。

種牛改良の現場では、年々、そうした取り組みがなされています。

さて、話しは最初に戻りますが、競争入札の飼料が与えられていますのは、種牛と「後代検定」中の牛です。

その血統が果たして優良なのか・そうでもないのか、は県内の畜産業の浮沈に大きく影響するというのに、与えられる飼料は、選りすぐったベストのものではなく、毎年競争入札で決定されるのです。トホホですねえ。

民間であれば、上手く行っている業者は、基本的に変えませんよね。

コスト意識を持ち込むべき場面と、そうでない場面を嗅ぎ分けられなければ、社長なんて、務まらないですよ、ねえ。

官業に於けるコンプラの行きすぎ~それをこれからは問題にするべきだと私は思っています。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.720日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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上信電鉄

11/23に「すきや連」を群馬県下仁田町の「常盤館」さんで開催するので、今私は、その準備作業に追われています。

お陰様で今回も定員オーバーの応募があり、後は色々の段取りをつける段階です。

今回は同じ日に「すき焼きシンポジウム」があり、私はそこに登壇もするものですから、少し準備作業を繰り上げて、今週末には仕上げてしまいたいところです。

さて、今回難儀しましたのは宿泊の問題でした。11/23は下仁田町で「全国ねぎサミット2014」が開催される関係で、町内の部屋数が僅少と見込まれたのです。

そこで今回は例会終了後下仁田からJR高崎駅までバスを用意して、東京へ日帰りすることにしました。

例会を17時に始めて20時に終われば、高崎駅着予定は21時半。東京へ帰れます。仙台から見える方も帰れますからね。

鉄道でなくバスを用意した理由は、ハッキリ申しまして、トイレです。

下仁田=高崎を結ぶローカル私鉄・上信電鉄にトイレが付いていないので、例会でたくさん御酒を飲んだ皆さんにとっては、はなはだ不都合なのです。

で、バスを手配することになり、どうせならと、その車中で群馬の酒と酒肴を楽しむ二次会を開催することになりました。楽しみですね。

時に、この上信電鉄ですが、なんで群馬県しか走ってないのに「上信」なんでしょう?

それは、かつて信州へ進む野望があったからです。

この鉄道は、1897年に上野鉄道(こうずけてつどう)として開業し、その年に高崎=下仁田間が全通したそうです。現存する日本の地方私鉄の中では、伊予鉄道についで二番目に早い開業だそうです。

さらに下仁田から峠を越えて小海線の羽黒下駅まで延伸する計画を立て、社名も「上信電気鉄道」にわざわざ改称したのですが、世界恐慌により頓挫、延伸は実現せず現在に至っているそうです。

今回の会場である「常盤館」さんにのこっている写真で、上野鉄道が電化した時の様子が分かりますが、かなりの賑やかさです。地図を見ると、肉屋が何軒も在ったようですから、モダンな土地柄と言えましょう。

このように、下仁田は早くから産業化した土地で、鉄道の事業性も、当時は見込まれたようなのですが、結局薬局、信州延伸は実現しませんでした。

かくして、上野ノ国しか走らないのに「上信」だというユニークな鉄道が出来ました。

皆様、帰りはバスですが、往きはこの鉄道を、どうぞ御利用願います。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.719日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

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