群馬すき焼きシンポジウム①
『日本のごちそう すき焼き』の刊行のことで色々忙しくしておりましたら、
おっと!
「群馬すき焼きシンポジウム」が明後日に迫っています。私は、このシンポジウムに「県内外の有識者」なる立場で登壇せねばなりません。
このたび群馬県が、県のおもてなし料理として、すき焼きを制定しましたので、それを記念するシンポジウムです。
私の他は、食文化研究家の向笠千恵子先生、
上毛新聞の論説委員長さん、
「赤城牛」の鳥山畜産さん、
下仁田葱の生産者組合代表の方、
下仁田蒟蒻の生産者組合代表の方、
といったメンバーのようです。
まず、今回の企画そのものについてですが、特定の料理方法=すき焼きで食べられることをイメージして畜産業の方向性を決めることに、私は大賛成です。
私の従来からの意見に合致します。
その趣旨にそって私は、どういう肉がすき焼きに向くのか、をお話しする必要があると思っています。
ここで私は、肉を「熟成させ易い牛」がすき焼きに向く牛だ、と申し上げたいと思います。
すき焼きの、割下の味付けが甘くて強い味ですから、それとバランスするだけ充分な肉の旨みが必要です。ですので肉を長期熟成させることが是が非でも必要となりますが、
さてでは、どんな牛の肉が熟成させ易いのでしょうか。
第一に、充分長期間肥育された牛が熟成させ易い牛です。
まずですね、熟成という現象についてここで確認しますと、それは肉を構成するタンパク質が、タンパク質分解酵素によって分解されて、アミノ酸に成ることですが、そのタンパク質分解酵素の働きを抑制するものが牛の体内にあります。
それは成長ホルモンです。
これは、まあ、当たり前と言えば当り前です。牛が成長しようとしている時にタンパク質分解酵素が強く働くと困りますからね。
老化したタンパク質を分解して、体をリニューアルすることは、若い内であってもとても大事なことなのですが、成長期にはなにしろ成長しないといけません。だから、その時期にはタンパク質分解酵素の働きが抑制されているのです。
何を言いたいのか、と申しますと・・・
<この話しは長くなりそうなので、明日の、このブログに続きます>
<「群馬すき焼きシンポジウム」に参加したい方は>
群馬県庁企画課にお問い合わせください。事前登録制ですので、必ず県庁に連絡を入れてから御参加下さい。
TEL 027-898-2457 FAX 027-223-4371
詳細は、こちらです。
追伸、
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.726日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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