競争入札・単年度主義
先日、とある県の畜産試験場の、種牛改良の現場をお訪ねした時のことです。
係の方が、
飼料の決め方が、単年度主義の競争入札だから、良いと思った業者でも、同じ業者から毎年継続して買いにくいんですよね、とボヤいておいででした。
ああー、それは県営だからですかあ。トホホですねえ・・・
ここで言う「種牛改良」とは、良い血統のオス牛を選抜して、その精子を採取することを指します。
優良と思われるオス牛の精子をとり
⇒それを県下の生産者が飼っているメスに合わせ
⇒子が出来たら、
⇒その子を譲り請けて育て、
⇒やがて屠殺して、肉を調べます。これを「後代検定」と申します。
肉を調べるためには、子は食べてしまうのですが、その間も父親は生かしておきます。
子の肉が優良と認められて、そこで初めて父親が優良だと確信することが出来、その後は、その父親から採れる精子に値段を付けて配布することが出来るのです。
だから、当然そこまで5年程度の歳月がかかります。とっても計画的な事業なんです。
種牛改良の現場では、年々、そうした取り組みがなされています。
さて、話しは最初に戻りますが、競争入札の飼料が与えられていますのは、種牛と「後代検定」中の牛です。
その血統が果たして優良なのか・そうでもないのか、は県内の畜産業の浮沈に大きく影響するというのに、与えられる飼料は、選りすぐったベストのものではなく、毎年競争入札で決定されるのです。トホホですねえ。
民間であれば、上手く行っている業者は、基本的に変えませんよね。
コスト意識を持ち込むべき場面と、そうでない場面を嗅ぎ分けられなければ、社長なんて、務まらないですよ、ねえ。
官業に於けるコンプラの行きすぎ~それをこれからは問題にするべきだと私は思っています。
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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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