格言

  格言を言って聞かせましょう。

 百viewは一見に如かず!

「大事な方をお連れする」のは、勿論有り難いですが、そういう時は事前に下見をしていただきたいです。

 たしかに今時はネットに情報が溢れていますが、ランキングサイトのコメントを読んだだけで店を決めるのは如何なものか、と思います。あれは、とても主観的に書かれた文章ですから、書いたその人のニーズと、あなたのニーズが同じとは限りませんよ。

 店のことは書いてありますが、書き手その人のことは、たいてい書いてないですからね。分からないと思いますよ・・・

 いらっしゃいませ! 中へどうぞ。お靴は脱ぎっぱなしで結構です。

 ええ?! 靴を脱ぐの?!

 そうですが、何か? ああ、その靴下が問題ですか。スーツは上下ビシっと決めておいでなのに、靴下はミッキーちゃんですか。私は嫌いじゃないですけどね。御接待の時には、マズいですねえ。

 靴を脱ぐってサイトに書いてなかったですよ(怒り!)

 いえ、書いてありますよ、手前どもの公式サイトには。ひょっとしてランキングサイトのコメントを読むのに忙しくて、肝心な所を読み落としましたか。ご愁傷様です。私の靴下をお貸ししましょうか・・・

・・・(中略)・・・

 ええ?! 一人ずつ、すき焼きかしゃぶしゃぶかを選べないの?!

 はい、お鍋1台を3〜4名様で囲んでいただきます。

 聞いてないよ(烏賊り!イヤ怒り!)

 そうおっしゃいましても、この机1台の上に、鍋4台と肉皿4枚とザク皿4枚と玉丼4個としゃぶタレ入れ8個と薬味一式と灰汁取り鉢を置くのは、無理です。

 ゲストの方はバラバラに頼みたいんだよ!客が好きなメニューを選べない店なんて聞いたことないぞ(怒り!)

 そうおっしゃられても、できません。だいたいですよ、鍋4台使うには、ガスのホースを4本引かないといけないわけですが、机1台にガスホース4本なんて、とっても無理です。事前に一回でも下見をしていただければ、お分かりいただけたはずですけど。(あーあ、言っちゃた。)

 格言を繰り返します。

 百viewは一見に如かず!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて594連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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日本酒、と醤油を愉しむ会

 つくば市の「ホテルグランド東雲」さんで、「第6回茨城の日本酒を愉しむ会」があり、参加してきました。

 今回の私の参加目的は、醤油でした。

 はあ? 日本酒が目的じゃあないの?

 もちろん日本酒も目的ですよ。でも、この日使われる醤油も期待していました。

 実は10/7に、茨城県酒造組合さんが「浅草はなやしき」で「地酒まつり」という大イベントを開催されたのですが、その帰りがけに「東雲」のI社長が、弊店の売店にお立ち寄り下さり、販売している醤油をお買い上げ下さいました。

 その醤油を、今回の「日本酒を愉しむ会」のお料理に使って下さったのです。

 数あるお料理の中に「常陸牛ステーキご飯」という、小さな丼のようなものがありましたが、このステーキの味つけに、弊店で販売している「藤野醤油」の「有機こいくち醤油」使って下さいました。

 しかも、会場の皆さんに「ちんや」で買った醤油だとご紹介下さり、有り難いことでした。

 「藤野醤油」さんは、「醤油づくりは、原料づくり」ということで、女性の蔵元さんが、原料の有機栽培にこだわっています。お味もバランスが良い、結構なものと思っていますが、ご評価いただいて、嬉しく思いました。

 さて、日本酒の方ですが、

「白菊酒造」さん(石岡市)

「結城酒造」さん(結城市)

「宏和商工」さん(日立市)

の三蔵でした。

 「東雲」のI社長は「茨城の蔵元を全軒、自分の店で紹介する!」という志を立てられて、「日本酒を愉しむ会」を連続して開催しておられます。既に今回で6回目ですが、茨城県内に蔵元は50軒以上有るとかで、遠大なプロジェクトです。

 毎回、蔵元さんご本人が出席され、自慢の御酒を出されるので、大満足・大盛況です。

 日本酒の消費は落ち込む傾向が続いていますが、まだまだファンがたくさんいるのだなあ、と実感できます。

 今回の御酒もそうでしたが、最近の傾向として、生原酒や古酒が出品されることも多く、酒の搾り方もいろいろ瓶に表示されていたりして、楽しみ方のバラエテイーが増えてきたなあ、と感じます。

 今後も楽しみです。

追伸

 今回は、無事に浅草へ帰り着きましたよ、はい。

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ノンアルコール・ワイン

 今日は何の日でしょう?

 毎年10月15日は「日本記念日協会」公認の、『すき焼き通の日』です。

 2008年のこの日、向笠千恵子先生の御本『すき焼き通』(平凡社新書)が刊行され、その出版祝賀会が、「ちんや」で開催されました。

 やがて、その祝賀会に出席したメンバーを中心に、すき焼き店とすき焼き愛好家の団体「すきや連」が誕生。

 すき焼きの、美味しさと楽しさをアピールする日として、この日を記念日登録いたしました。まあ、私が登録申請したんですけどね。さて、

 先日テレビの情報番組のトレンド・コーナーで、ノンアルコール・ワインの特集をやっていました。

 ノンアルコール・ビールが売上げ好調なのを見て、ノンアルコール・ワインも売り出し攻勢をかけている模様で、酒屋さんでも大きなスペースを割いて陳列しているのだとか。それがトレンデイーで便利なこととして、「絶賛」の勢いで紹介されていました。

 私は、酒の拡販に心血を注いでいる方を何人も存じ上げていますので、この番組を見て、とてもブルーな気分に成ってしまいました。

 話しをワインに戻しますが、

 ノンアルコール・ワインって葡萄ジュースのことじゃないの?

と思った方もおいでと思いますが、残念ながら、違います。

 ワインができる醸造の工程を思い出していただくと、ジュースの中の糖分は醗酵することでアルコールに変わります。ノンアルコール・ワインの糖分は、その醸造後の方の糖度でないといけないわけです。元のジュースと同じというわけにはいきません。

 さらに、やはり醸造中にできてくる、アミノ酸や酸も、できるだけワインと同様でないと、ワインの味になりませんね。

 いったん、ワインとして醸造した後、アルコールを除去するそうで、方法は膜を使ったり、ガスを使ったりと、いくつかあるようです。

 結構難しいですよね。ご出演の醸造部長さんは、相当苦心してお造りになったようです。

 さらに、です。どうせ、加工するのなら、「本格的なテイストを!」ということで、重みのある御味にするために、タンニンを入れます。

 担任の先生じゃあないですよ。

 有機化合物の「タンニン」のことでして、これは渋みを感じさせる物質ですが、それを補強するために、なんと、お茶を加えます。ワインの渋みもお茶の渋みも化学的には、タンニンで同じなのです。

 そうです、ノンアルコール・ワインは、実は葡萄ジュースではなく、葡萄茶だったのです。

 この配合を編み出した、醸造部長さんの御苦心には感服します。

 また、こういう飲み物があることで、酒の飲めない人が、楽しく酒席に参加できるのであれば、その人達を幸せにする商品であることは、間違いないのでしょうね。

 でも、うーん、ですよね。

 S菊酒造の若旦那なんかは、まったくの下戸でいらっしゃるけど、ウーロン茶だけで、三次会までつきあってくれますよ。

 

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日本語はなぜ美しいのか

  黒川伊保子先生の、「日本語はなぜ美しいのか」(集英社新書)を読みました。

  黒川先生はコンピュータ企業で人口知能開発に携わり、その後は脳と言葉の研究をされてきた方です。商品名の音と売れ行きの関係を書いた「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」が有名です。

 「日本語はなぜ美しいのか」によると、日本語は、ポリネシア語とともに、世界でまれに見る、母音を軸に音を捉える言葉なのだそうです。それに対して、その他のインド=ヨーロッパ語やアジア語は、すべて子音を軸に音を捉えているそうです。

  ほお。

  例えば、日本語で「コーヒー」は、「こ・お・ひ・い」ですが、英語では「ク・フィ」と聞こえます。「こ・お・ひ・い」と捉えるのは、日本人とポリネシア人くらいだそうで、距離的には日本に近い中国人も、「こ・お・ひ・い」とは捉えないのだそうです。

  母音を主体とする日本語は、「ああ!」「うっ!」「ええ?」「おお!」とった感嘆詞が母音であることからもわかるように、語感と人間の感情とが密接な言葉であり、そこが素晴らしい、というのが黒川先生の御説です。

  また、日本語は語感と風土とが密接な言葉でもあります。

  日本語の「朝」という言葉は、開放感のある「あ」、爽やかな感じの「さ」と発音されますが、それは、日本の朝が爽やかだからであって、緯度の高い土地なら、朝は暗くてドンヨリしていますので、「あ・さ」とは成らないのだそうです。

  たしかに、英語で「朝」は「m」「n」が入った「モーニング」で、随分感じが違いますね。

  日本語の素晴らしいのは、その、言葉が出来た時の語感を今日まで、連綿と伝えていることなのだとか。日本の東は大洋ですので、外部の影響を受けることが少なく、漢語や英語が入ってくる前の大和言葉は、独自の言語世界だったと考えられるそうです。

  へえ。なるほど。

  さらに、黒川先生は読者に、会話に親しみを感じさせるためには、母音や大和言葉を使うことを勧めておられます。

  「そう」より「ああ、そう」

  「そうですか」より「おお、そうですか」

が秘訣とのこと。

 逆に、

 「失礼します!」

 「感謝申し上げます!」

と言えば、ピシってなって、親しみはわきません。

・・・とここまで読んで、私は思いました。

 それって、ブログを書くコツだよね。

 お気づきの方もおいでと思いますが、このブログを多くの方に読んでいただくため、私は漢語や英語より大和言葉を使っています。

 「FAXを送信しました。」より

  「FAXを送りました。」と書きます。

  また感嘆詞も多用しています。しかも、

  「ほー」ではなく「ほお」

  「へー」ではなく「へえ」と書いています。

  実は黒川先生には、私のブログを、光栄にもお褒めいただいたことがあるのですが、そのわけが分かったような気がします。

  後は、ヨメ相手に使うだけです。

  「ああ、そう」

  「へえ」

  「ほお」

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チンザノは、お好きですか?

 チンザノは、お好きですか?

 チンザノとは、下戸の方のために念のため解説しますと、イタリアのトリノにあるチンザノ社が造るベルモット、別の言い方ではフレーバード・ワインのことです。

 ワインにハーブ、スパイスなどを加える、独自の製法により造られた酒です。

 正確なことを申しますと、チンザノ社はスパークリング・ワインも作っていてベルモット専門ではないのですが、ベルモットがあまりに有名なので、「チンザノ」と言えば、まずベルモットのことを意味します。有名なカクテル「マンハッタン」にも入っていますから、飲んだことがおありの方は多いと思います。

 お味はと言うと、ハーブの風味が強く、カラメルを加えてあるので、当然甘いです。

 なるほど、それで、そのカクテルの原料が、「ちんや」と何の関係があるのかって?

 そりゃあ、ありますよ。「ちんや」と「チンザノ」ですから。

 この所オヤジギャグ路線を歩んでいる私としては、最近チンザノが店で使えないものか、研究してみることにしました。カクテルには、学生の頃、いっときだけ興味を持ったことがありますが、それ以来久しぶりの研究です。

 でも、すき焼きに合わせてみて・・・

 うーん、やはり、チト、個性が強すぎるかなあ、チンザノは。

 どうしても食中酒よりは、食前酒か食後酒だけど、甘いからなあ、このままだと食前酒には、どうもなあ。何かいじった方が良いのかな・・・

と思案しながら、精肉売店を巡回していると、目の前に「しぼりゆず」が並んでいました。

 「しぼりゆず」と申しますのは、和歌山県古座川町の農事組合「古座川ゆず平井の里」さんが作っている商品の名前です。今「ちんや」の精肉売店で売っています。

 ゆずを搾っただけの、無添加の、100%ゆず果汁の商品です。

 しゃぶしゃぶにポン酢が御約束なように、脂っこい食べ物の場合は、少し酸味を利かせて食べるのも悪くないですね。

 そういう理由で、精肉売店で売り始めましたら、ポツポツと売れています。ところが、どうも「ちんや」の売店のお客さま方は、これを肉料理に合わせるより、炭酸で割って飲んだり、焼酎に加えているらしいのです。

 その報告を聞いた時、思いました・・・

 そうだ! チンザノに「しぼりゆず」を入れて、氷も入れて、カクテルっぽくしてみよう。

 これは大成功でした。

 何杯も、かぱかぱ飲むものではありませんが、食前の食欲増進には利くような気がします。

 我が家の夜食の前の、一杯として定着しつつあります。

 「ちんや」の営業の方には、ゼンゼン定着していませんが。

 「ちんや」で「チンザノ」を!

 「ちんや」で「チンザノ」を!

 イケてるんだけどなあ、このコピー。

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すき焼き川柳 結果発表

 川柳で、日本の食卓に笑顔を!

ということで、8月〜9月末まで「すき焼き川柳onツイッター」を募集しました。

 結果、 530もの多数の句をお寄せいただき、誠に有り難いことでした。しかも、全国各地からご投稿がありました。福岡、岐阜、新潟、愛知・・・

 ツイッターに投稿された句を、自社サイトにコピペーする作業だけで、あやうく筋肉痛になるところでした。

 募集を締め切りまして、早速、審査をするため審査員の皆さんにお集まりいただきました。審査したのは、浅草の有名店の皆さんです。

 @asakusaowariya さん(日本蕎麦『尾張屋』女将)

 @kaminarishigeさん(『常盤堂雷おこし本舗』工場長)

 @kikunorie さん(浅草芸者)

 @unosuke8 さん(神輿・太鼓『宮本卯之助商店』若旦那)

 @asakusa_8295 さん(もんじゃ焼『雷門おすぎ』若女将)

 以上の皆さんの投票により、賞を決定しましたので、お知らせします。

  超ウケ賞(1句) :ちんや御食事券20.000円

  すき焼きの 匂いにポチも 猫の声(黙爺様の句)

 大ウケ賞(2句) :ちんや御食事券10.000円

  嫁の分 肉確保する 姑(はは)心(あき嫁様の句)

  すき焼きを 近所にばらす 換気扇(鹿おとこ様の句)

 ややウケ賞(5句):ちんや御食事券  5.000円

  和牛だと 息子に喰わす 米国産(新富町様の句)

  三歳児 こんないい肉 早過ぎる(かきくけ子様の句)

  反抗期 すき焼きだけはついて来る(とっちん様の句)

  野菜・米 野菜・米・米 やっと肉(らおんぴん様の句)

  午前様 つつくすき焼き 肉は無し(あんちゃん様の句)

   どれも秀逸で、ニヤリとしてしまう句ばかりですよね。

 受賞された皆さん、おめでとうございました!

 そして、ああ面白かった。

 よし、お次は、ig-Sukiyaki賞の創設だ!

 今度は動画で投稿してもらおうかな。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて589連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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聞き間違い

 先日、とある経営セミナーで、お互いが経営上の悩みを言い合う、というコーナーがありました。そのコーナーでご一緒した方のお悩みは・・・

 電話を受けるスタッフが、お客さまのお名前を聞き間違う。

ということでした。

 私が「漢字を確認させたら、どうですか。間違いが確実に減りますよ。」と言うと・・・

その間違いの主は、漢字がカラッキシ出来なくて、それが理由で、お客さまのお名前を聞き間違ってしまう、ということでした。

 うーん、そうかあ。

 確かに、漢字がカラッキシだと、日本人の人名を正確に聞きとるのは、難しいかもしれませんねえ。ご愁傷様です。

 ご愁傷様と言えば、私はつきあい上、よく弔電を頼みます。

 弔電を頼む時は、弔電の文面は勿論、送り先、私の役職、名前などを電話で申し込むわけですが、それを受けて下さる、NTT電報センターのお姐さんの受け方は、カンペキの一語です。

 電報のお姐さんは、面倒な固有名詞でも、淀むことなく、スラスラと受けていきます。素晴らしいです。

 私の「住吉史彦」という名前の場合・・・

 住吉様の「住」は住所録の「じゅう」、「吉」は「吉左衛門」の「きち」、

 史彦様の「史」は「歴史学」の「し」、「彦」は「彦根城」の「ひこ」・・・

という具合です。弔電を頼むたびに毎回この展開なので、私はスッカリこのやりとりを記憶しています。

 スッカリ記憶していますので、電報以外の注文を出す時、例えばレストランに予約を入れる時も、私はこういう頼み方をします。受ける人にとっては、とても親切なハズです。

 しかし、です。親切にしても、かえって通じないことがあります。

 先日、とある和食屋さんに電話したら、若いお姐さんが出ました。申込みましたが、携帯で電話したので、聞き取りにくかったのかもしれません。

 住吉の「住」は住所録の「じゅう」、「吉」は「吉左衛門」の「きち」・・・

 え?「キチザエモン」が分かりませんか?!

 「楽吉左衛門」とおっしゃって、茶道の茶碗を作る人ですよ。

 え?ウチは茶懐石料理はやってないって?!

 それは知ってますよ。そういう話しじゃあなくて、今は、人の名前の話しをしてるんです。

 じゃあ、「大吉」「中吉」の「きち」って言ったらわかりますか?!

 犬の名前で良くある名前かって?!うーん、そうかもしれないけれど、って言うより、神社でやっている、おみくじの「きち」ですよ。

 いいですか。それから、ですよ・・・

 史彦の「史」は「歴史学」の「し」、「彦」は「彦根城」の「ひこ」です。

 え?「ヒコネジョー」が分かりませんか?!

 ほら、あるでしょう、滋賀県に!

 井伊直弼のお城ですよ。有名でしょう、桜田門外の変で。

 え?ウチは港区だって?!

 それは知ってますよ。そういう話しじゃあなくて、今は彦根の話しをしてるんですけどね、つまり、「彦にゃん」の「彦」ですよ。

 え?「彦にゃん」なら分かるって?!

 彦根はわからないのに、「彦にゃん」は分かるんだ!

 ご愁傷様です、この店。

 

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ニッポンの傘

 ビニール傘と言えば、浪費経済のシンボル・使い捨て文化の象徴と言えるでしょう。

 10/8の朝日新聞夕刊の、「昭和史再訪」と題した記事によれば、毎年1億3千万本のビニール傘が販売され、一方、廃棄されるのも8千万本という多数にのぼるそうです。

 ビニール傘は落し物の主役でもあり、昨年遺失物として警視庁に届いた傘は、なんと38万本だとか。しかし、その内現れた落とし主は、わずか1813人。使い捨てもここに極まれり、ですね。

 嘆かわしい!

 台風の通過した翌日などは、壊れた105円傘が、そこら中に散乱していましたね。

 コストダウンを追及した結果、品質がおざなりになっていて、すぐ壊れてしまうので、そういう結果になります。勿論、大半が中国製です。

 その、ビニール傘の起源が、私の知っている地元台東区の会社だったことを、この記事を読んで初めて知りました。

 その会社は「ホワイトローズ」という会社で、浅草通りに面して浅草から上野へ向かう途中に本社があります。

 記事には、私が存じ上げている現社長のお父上が「九代目」として、登場していました。その方が、ビニール傘を考案した御本人のようです。

 しかし、です。「ホワイトローズ」さんは、使い捨ての扇動者では断じてなく、むしろ、現在ビニール傘の自社工場を国内に持つ、ただ一つのメーカーなのだそうです。

 素晴らしい! 

 こういう会社が身近にあることは、同じ区民として誇らしいです。

 「ホワイトローズ」さんは、なんでも、独自のグラスファイバーの骨で軽さと強さを両立させ、特殊用途に的をしぼって成功されているようです。例えば・・・

選挙用の傘=街頭演説をする候補者を雨風から守る傘

⇒政治家は「庶民性」をPRするために高級傘を決して使いませんが、かといって、すぐにブっ壊れる中国製では困るのです。「ホワイトローズ」さんは、そういう事情の先生方に重宝されているのだそうです。

 皇室の園遊会で皇后陛下も使用されたとか。

 実に、結構!

 頑張って欲しいです。台東区の、ニッポンの傘。

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リンゴ肉じゃが

 浅草観光連盟が浅草寺の境内で、三陸産の野菜を販売します。

 東北のイベントをやろうとすると、放射能のことでクレームがついて中止させられるケースがあるようですが、浅草に限っては、そんなことを言ってくる輩はおりません。10/21より断然、決行予定ですが・・・

 それだけではありません。もう一段ひねります。

 浅草の老舗飲食店の料理人が、この野菜を使ったレシピを作り、そのレシピを掲示しながら野菜を売ります。

どうです? 良い考えでしょう。応援ムードが盛り上がります。

 弊店にも、そのレシピ作りの要請が来ましたので、喜んで引きうけさせていただきました。

 以下が、弊店の和食調理長・吉田の考えたレシピ=「リンゴ肉じゃが」です。

<材料>

じゃが芋4個、玉ねぎ1個、人参1本、リンゴ1個、和牛切り落とし300g、サラダ油大さじ1/2、出汁2カップ、醤油大さじ2、砂糖大さじ1

<下ごしらえ>

じゃが芋は大きめに乱切りして水にさらす。

人参も乱切り。玉ねぎタテ4つ割り、牛肉は3〜4cmに切る、

りんごは皮をむき、種を取り、すりおろす。

<調理①>

サラダ油を熱し、牛肉を炒め、焼き色がついたら、じゃが芋、玉ねぎ、人参を入れ、全体に油がまわったら、出汁とすりおろしたりんご、砂糖、酒を入れる。

<調理②>

沸騰したら火を弱め、15〜20分煮て醤油を加え、10分くらい煮て、火を止めて、2時間ほど冷ます。再度沸騰させ、味を整えて歓声イヤ完成です。

 ごく家庭的な惣菜ですが、旨い肉を使えば、美味しくできます。

 10/21-23には、浅草へお越しの上、このレシピを是非、お試し下さい。

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原発依存

 原発が立地する町の首長選挙で、原発推進派が勝つケースが続いているようです。

 フクシマの事故の後なのに何でえ?

と思った方も多いかと思います。この結果を理解するには、こうした町の、原発への依存ぶりを知る必要があるようです。

 少し調べてみますると、ある原発城下町の旅館街では、客のほとんどが原発関係者だそうです。

 良く考えたら、そりゃまあ、当然かもしれません。原発がドーンと聳えている所へ観光旅行に行く客は、限りなく少ないでしょうから。

 それでも、その旅館街が成り立っているのは、原発関係者が泊まるからです。定期検査の時期ともなると、のべ2.000人とか3.000人とかが宿泊するそうで、少なからぬマネーを落としてくれます。

 しかし、です。検査が終われば、また稼働率≒ゼロの状態に戻るとか。それで、旅館組合からは「定期検査を増やして欲しい」という要望が出てきたりするのだそうです。

 ここまで依存してしまうと大変ですね。

 だから、こうならざるを得なかった日本の、地方の実情を知る事なしに、原発のことを論じてはいけないことが分かります。おそらく、こうした町には、海の幸・山の幸があったはずです。それなのに「幸」だけでは町が発展せず、こうなったことに実情の辛さがうかがえます。

 それでも、と私は思います・・・

 原発を誘致する前に、シェフを誘致して欲しかったです。

 町一番の景勝地を整備して、道路をつけ、腕の利くシェフに無償で貸してやって欲しかったです。シェフが店を軌道に載せ、その土地を買いたい、と言い出したら、借金の利息を補填してあげて欲しかったです。

 いくら、海の幸・山の幸が美味しくても、美味しいだけでは、なかなか差別化できません。そこが一次産業のツラいところです。

 差別化をできるのは、創造性のある人間様だけだからです。海や山は素晴らしくても、他に全国各地に素晴らしい所があるので、差別化まではなかなかできません。

 逆に人間が智恵をしぼれば、差別化をできて、人をよべます。腕の利くシェフなら、年に2.000人くらいの客を呼べたかもしれません。

 そこまでやって、それでも町が活性化しないのなら、最悪の手段として、他を考える手もあったかもしれませんが、まずはシェフを誘致して、原発を考えるのは、その後にして欲しかった、そう思わずにいられません。

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